魔装機神サイバスター・トータル・オルタネイティブ
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第二話『京都燃えゆ 前篇』

 

 

 

 

「・・・ッ!二人とも無事か?」

 

揺れが収まり静まり返った通路で雅樹は数秒気を失っていたが直ぐに目覚め、咄嗟に自身の胸の中へと抱え込んだ二人の安否を確認した。

 

「う、うん・・・」

 

「な、何だったんださっきのは?・・・ッ!?!」

 

「うおっ!?」

 

イーニャは若干震えながら頷き、クリスカは頭を押さえながら周りを確認し目と鼻の先に雅樹の顔がある事に気付き、一瞬で顔を赤くしてすぐさま飛び起きた。

 

「ど、どうしたんだよクリスカ?顔が赤いぜ?」

 

「う、うるさい!何でもない!!それよりいつまでイーニャを抱きしめているつもりだ!?」

 

「ああ、分かったわかったから大声出すなよ。・・・・イーニャ、立てるか?」

 

そう言いながらイーニャを立たせるとイーニァはにっこりと微笑み、

 

「うん。だいじょうぶだよマサキ」

 

と返事を返した。

 

「さて、取りあえず状況確認の為にブリッジに行こうぜ」

 

「ああ」「うん」

 

そして三人はブリッジへと向かって行った。

 

 

 

 

一方ブリッジでは

 

「これは一体どういう事だ?」

 

「わ、分かりません。確かに我々は山中にいた筈ですが・・・」

 

現在フリングホルニは海の上に着水していた。しかもそれだでなく。

 

「まさかここって地上?」

 

「私は地球の事は知りませんがそうなのですか?」

 

セニアの言葉にワグネルは確認するように問うた。

 

「・・・私も地球に来た事は無いから断定はできないけど、アレは間違いなく本物の月だし、さっきからこちらの衛星が一つも反応しないのよ。だから考えられるのはここは異世界かラ・ギアスの外側、つまり地上の可能性が限りなく高いわ」

 

「とりあえず艦内の状況を確認しろ!」

 

シャリアンの指示によって艦内の状況確認が開始された。幸い物が散乱したりその時に壁や物にぶつかって軽傷した者が数名いただけで重傷者は一人もいなかった。艦の方も特に異常はなかった。

 

「とりあえず、全魔装機操者はブリーフィングルームへと集合してください」

 

ワグネルは状況確認のため主要人物達をブリーフィングルームへと集まるように呼びかけ、艦長達には探査機を飛ばし周囲状況を調べる様にさせた。

 

 

 

 

 

ブリーフィングルーム

そこには全魔装機操者とウェンディ、テューディ姉妹。セニアとワグネルにシャリアンが揃っていた。

 

「まず最初に端的に説明する。我々は地上へとやって来た」

 

「は?」

 

シャリアンの端的すぎる説明にその場にいる全員(ワグネル、セニア除く)が素っ頓狂の声をあげた。

 

「え・・・っと、シャリアンさん。それ、マジ?」

 

いち早く復活したミオがシャリアンに確認をとるが、シャリアンは至って真面目にそうだと答えた。

 

「でも可笑しくねェか?俺達はラ・ギアスで調査に来てたはずだろ?それがなんだって地上に出ちまったんだよ?」

 

「それについての説明は私がするわ」

 

雅樹の問いにセニアが代わりに応えた。

 

「皆もさっきの激しい揺れは覚えてる?あれはこの艦の上空に突然現れたゲートによって生じた揺れよ」

 

「お待ちくださいセニア様。ゲートとは本来、ラ・ギアス側が地上の人間を召喚するものである筈です。地上側にゲートを召喚する技術はないはずでわ?」

 

セニアの説明に紫色の髪に赤いメッシュが入った少年『ファング・ザン・ビシアス』が待ったをかけた。ファングの言うとおり地上側には魔術に精通している者がいないのだ。

 

「そうなんだけどね、でもそれ以外説明がつかないのよ。これについてはまだ分からないけど、恐らく原因は―――」

 

「今回の調査する原因となった時空の歪みか・・・」

 

セニアの説明を長髪で黒尽くめの男『ガエン』が繋げた。

 

「そ。ていうか、それ以外原因が分かんないわ」

 

「ふむ。一先ずゲートについては置いておき、現在ここは地上のどこら辺なのかね?」

 

ゲートについての話を区切ったのやや短めの金髪の男『ギド・ゼーホーファー』は現在位置を聞いてきた。

 

「ああ、それなら先ほど複数の探査ブローブを飛ばしフリングホルニに上空の写真を撮った。そして、フリングホルニの近くにある島国を発見した。そして地上の事ならマサキ達の方が詳しいだろう?現在位置を教えて欲しんだ」

 

そう言ってシャリアンはモニターを操作し先ほどとった写真を写した。

 

「っ?!オイコイツは・・・」

 

「凄い偶然」

 

「マサキ、ミオ。この島の事を知っているのか?」

 

いち早く反応した雅樹と澪にシャリアンが訪ねた。

 

「ああ、間違いねぇ。なんたって俺と澪の故郷だからな」

 

「なに?それはつまり・・・」

 

「ああ。日本だ」

 

 

 

 

 

 

 

 

ブリーフィングを終え現在フリングホルニは日本へと向かって航路を進める事に決定したが、ここである問題が発生した。現在アンティラス隊と言うよりフリングホルニと魔装機は地上の技術を遥かに凌駕する代物である。特に今はBETAに侵攻されていていて、神経過敏状態なのだ。故に最初に全魔装機一の機動力を持つサイバスターと機動力は劣るが全魔装機一の防御力を持つザムジードで偵察を行う事に決定した。

この二人に決定した理由は第一に二人が日本人だったのが一番の理由である。

更にもしその場で交渉をする場合、マサキは兎も角ミオは14歳とは思えないほどラ・ギアスでもかなりの戦果をあげているためである。本来こういう役目はギドが真っ先に手をあげるのだが、今回ギドは地上から召喚された中で一番最後であり、国連軍にも所属していたため世界の情勢に一番詳しいのでセニア達に地上の情勢の説明をするため残った。

 

 

 

フリングホルニ・格納庫

 

「マサキ無茶しないでね?」

 

「分かってるって」

 

「定時連絡は怠るなよ」

 

「大丈夫だって、て言うか澪には何もいわねぇのかよテューディ!」

 

ウェンディと共にマサキに話しているのは髪の色と目の鋭さ以外瓜二つな女性『テューディ・ラムス・イクナート』である。名前と容姿から察するように双子の姉妹でテューディはウェンディの姉に当たる。

 

「ミオはお前よりシッカリしているかな。お前はどこか抜けているし更に方向音痴だからな」

 

「チェッ分かったよ。んじゃそろそろ乗らないとヤバいし、じゃあな」

 

「行ってらっしゃい、マサキ」

 

「行って来い」

 

二人の言葉を背にマサキはサイバスターへと乗り込みカタパルトの方へと動き出そうとした時、ハンガーにクリスカとイーニャの姿を確認した。二人は不安な眼差しで自分を見ているのでサイバスターを操作し安心させるようにサムズアップした。

二人が安心したのを確認するとマサキは前に向き直り、

 

「龍見雅樹。サイバスター行くぜ!」

 

そしてサイバスターはフリングホルニから発進した。

 

「サイバードチェンジ!」

 

サイバスターは鳥型のサイバードへと変形し、更に後から発進したザムジードはサイバード上に乗った。

 

「うんじゃあ、行くぜミオ。振り落とされんなよ!」

 

『オッケー!!』

 

サイバードはザムジードを乗せ日本へと向かった。目指すは首都・京都。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そうして、物の数分足らずで首都・京都に着いた雅樹達だがその光景に唖然とした。

 

「マジかよコイツは・・・・」

 

『京都が燃えてる・・・』

 

そう、ミオの言うとおり日本帝国の首都・京都がBETAに蹂躙され燃えていた。

 

「チッ思ったよりヤバい状況だな。ミオ、取りあえずもっと中心部分に―――ッ!?」

 

ビィッ!!

 

『ウワッ!?』

 

咄嗟に横に回避した雅樹達の真横を下からレーザーが通過した。

 

『アレって・・・!』

 

『確か、光線級に戦車と突撃級だったか?』

 

幼い頃人類の敵として、そして自身の両親を殺した敵としてその姿を焼きつけた時の記憶がよみがえる。

なおも光線級の激しいレーザー攻撃が繰り返され雅樹は避けるので精一杯だ。

 

「チィッ!ミオ、一旦降りろ!サイフラッシュで一気に叩く」

 

「ちょっ、マサキ」

 

「いきなりサイフラッシュにゃんて幾らなんでも早過ぎじゃニャイか?」

 

「うるせぇ!このままじゃジリ貧だ。だったら、プラーナも体力もあり余っている今しかねェ!」

 

焦れた雅樹に彼の猫のファミリア、『クロ』と『シロ』が抗議したが彼は取り合わない。

 

『もうそれしかないね・・・OKマサキ何時でもいいよ!』

 

「うしっ・・・いくぜぇ!」

 

雅樹の掛け声とともにミオはサイバードから降下し、降下する途中に、

 

「リニアレールガンとツインフラクチャー乱れ打ち、いっくよ〜!!」

 

ザムジードの両肩にある電磁砲と螺旋状のエネルギー弾をBETAの大群に向けて連射した。

 

「ゴクー、ハッカイ、ゴジョー。アンタ達もいきなハイファミリア!」

 

「ハイなおっしょさん」「いてまうでー」「あらほらサッサー」

 

更にザムジードと同色の三機の小型の遠隔操作武器、ハイファミリアが射出され縦横無尽にBETA達を切り裂いて行く。

 

 

 

一方雅樹は光線級のレーザー攻撃をかわしながらBETA大群のど真ん中まで進んだ。

 

「んじゃ行くぜぇ!サイバードチェンジ!サイバスター!!・・・喰らえ、サイフラァァァァッシュ!!」

 

一気に急上昇しサイバスターに変形しレーザーが来るより早くサイバスターのMAP兵器『サイフラッシュ』放った。

翡翠色の光の膜がBETA達に当たった瞬間、BETAは内側からはじけ飛ぶように爆散した。

そしてサイフラッシュが終わるとアレだけいたBETAの大群が一匹も残らず死んでいた。

 

「ふぅっ取りあえずここら辺のBETAは一匹残らず退治したな」

 

辺りに生き残りがいない事を確認すると雅樹は一息ついた。

 

『でも、まだ中心部には生き残りや生存者が残ってるかも』

 

「だろうな。取りあえずフリングホルニに報告して俺達は中心部に向かうぞ」

 

『了解!』

 

雅樹達はフリングホルニに報告した後、中心部へと進んでいった。

 

 

 

 

 

 

『あっ!?見てマサキ!あそこで一人で戦ってる人がいるよ!!」

 

「ああ。確認した早速援護を―――っ!なに、京都駅?命の危険?」

 

突然雅樹の耳に女性の声が聞こえた。

 

『え?マサキどうしたの?』

 

「・・・悪いミオ。お前は降りてあの戦術機を救ってくれ。俺は京都駅に向かう!」

 

『え?え??ちょ、どういう事!?』

 

「説明している暇はねぇんだ!悪いが先に行かせて貰うぜ!!」

 

『わわっ!!?ちょ、マサキーーー!!?』

 

サイバードを反転させ無理やりザムジードを下ろすと雅樹はそのまま京都駅へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ミオと別れ京都駅を目の前にして雅樹の目の前に要塞級が立ちふさがった。

 

「チッ!邪魔すんな、そこをどけぇぇぇっ!!!」

 

サイバスターの右手に魔法陣が現れそれを左手に持っていたディスカッターで突きいれるとそこから火の鳥が召喚された。

 

「アカシックレコードサーチ!喰らえ、アカシックバスターァッ!!」

 

サイバードに変形し火の鳥と合体したサイバスターはそのまま要塞級へと突っ込んでいった。

 

「貫けぇぇぇぇっ!!!」

 

要塞級の堅い装甲を貫き通り過ぎたサイバスターの後ろで要塞級が四散した。

 

「どっちだ・・・・向こうか!」

 

そんな要塞級には目もくれず雅樹は京都駅のある場所へと向かって行った。

 

 

 

 

 

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マサキが要塞級と対峙している時、京都駅の中で彼女、嵐山基地所属『篁唯依』はある選択を迫られていた。

目の前には表にいる要塞級を回避しようとした『能登和泉』と空中接触し京都駅へと不時着しボロボロになったコックピット内から身動きの取れない親友にして戦友の『山城上総』が今まさにBETAに喰い殺されようとしていた。

その能登和泉も戦術機から脱出後、BETAに襲撃され戦死していた。

訓練兵の中で生き残っているのは唯依と上総のみ。その上総も今まさに戦車級に取り付かれ命の危機に瀕している。

 

「お願い・・・殺して・・・」

 

上総はBETAに食われる前に唯依の手で殺してほしいと哀願する。しかし・・・

 

(む、無理だ・・・・。私には・・・・)

 

手にもつ拳銃が異様に重い。全身が震え歯がガチガチとなり心臓の音が嫌に良く聞こえる。

 

「早く・・・私を撃って・・・お願いよ、唯依ィィィイッ!!」

 

「あ、あああぁぁぁあぁあっ!!!?」

 

彼女の中で何かが切れ手に持つ銃を弾切れになるまで連射した。しかし・・・

 

「あ、ああ・・・」

 

打ち出された弾丸は瑞鶴の装甲に当り弾け、一発も親友の所へは当らなかった。

上総もそれを理解したのか諦めたのかただただ唯依に向かって微笑んだ。

 

(助けて、助けて・・・・)

 

唯依は自分と上総以外人がいない事が分かっているのに誰にともなく助けを呼んだ。

そして思い浮かべたのは今はもういない幼馴染みの少年だった。

 

「助けてよ・・・・雅樹」

 

そして、BETAが遂に上総を守るコックピットのハッチを破壊した次の瞬間、

 

ゴオッ!!!

 

闇を切り裂く銀色の機体が彼女達の間に現れ、その背から漏れだす碧の粒子が彼女達の間に降り注いだ。

 

 

 

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「間一髪だったぜ・・・!!」

 

サイバスターのコックピットの中で雅樹は冷や汗を流しながらそう洩らした。

 

「クロ、シロ!頼んだぜ!!」

 

「分かったニャ!」「任せろ、マサキィ!」

 

目の前で命の危機に瀕している二人の少女を目の前にして雅樹は自身のファミリアの二匹の猫が操る二機の機械的な鳥のような外見をした遠隔操作武器『ハイファミリア』を射出した。

二機のハイファミリアは唯依と上総を巻き込まないようにしながらBETAを撃ち抜いて行った。

 

「そいつ等から離れろ、化け物共ぉ!!」

 

雅樹自身もサイバスターを駆り、BETAをサイバスターの主武装『ディスカッター』で切り裂き、時には握りつぶし、踏みつけ叩き潰していった。小型種のみで数も多く室内ではあったが何とか二人の少女達を守り抜き、BETAを殲滅する事に成功した。

 

「クロ、ここら一帯にBETAの反応はあるか?」

 

「レーダーに反応なし。大丈夫だニャ」

 

「うっし。シロ、救急キットを出してくれ、降りるぞ」

 

「「分かったニャ!!」」

 

シロから救急キットを受け取り雅樹達はサイバスターから降りた。

 

「おい!大丈夫か!?」

 

雅樹は近くに倒れていた唯依に駆け寄り、抱き起こし怪我の確認を行う。その時、

 

(コイツ・・・何処かで会ったか・・・?)

 

「マサキ!こっちの子の方がマズイにゃ!」

 

抱き起こした少女にどこか見覚えがあったが、続くクロの声にハッとなって後ろの戦術機へ振り返る。そこには血塗れな一人の少女、上総が座っていた。

 

「クソッ!シロ、こっちを頼む!」

 

「分かったニャ!!」

 

シロと入れ替わりにマサキが上総の傍によると、その怪我の状態に絶句する。

 

「チッ!かなりヤバいな・・・。クロ、たしか医療系の魔術を少し使えたな?」

 

「ええ。でもここまで酷いと焼け石に水にゃ程度よ」

 

「んでも、やらねぇよりましだろうが!いいからさっさとしろ!」

 

クロを叱りつけ雅樹は上総の応急手当を始めた。

 

「あ〜も〜!!こうにゃらば、自棄にゃ!!」

 

そう叫びながらクロは上総に治癒の魔術をかけ始めた。

雅樹達の懸命な処置のおかげで、出血は止めたがまだ予断は許されない。治療の途中、上総が何かを言おうとしたがマサキが一括して黙らせた。

 

「取りあえず出血は止まったが・・・」

 

「急いでフリングホルニで治療を受けニャきゃマズイわ」

 

「分かってる!取りあえずコイツをコックピットに載せねぇと・・・シロ!そっちはどうだ!!」

 

「さっきまで意識はあったけど気絶しちゃったにゃ!!」

 

シロは唯依の顔を覗き込みながら答えた。

 

「きっと緊張の糸が途切れちゃったんだニャ」

 

クロが安堵しながら言うとマサキは苦笑し上総を抱え上げサイバスターへと向かった。

上総と唯依をサイバスターのコックピットの中へ入れると、通信が入っている事に気付いた。

 

「・・・やっべ。定時連絡するの忘れてたぜ」

 

「それだけでニャくミオを置いて勝手に行動しちゃったしね・・・」

 

「ウィンディさんとテューディさんに散々言われのに結局こうなったニャ」

 

「う゛ッ・・・って、今はンな事やってる場合じゃねぇ!」

 

そう叫びながら雅樹はサイバスターを操り、京都駅を後にした。

京都駅から飛び立った後、雅樹は意を決して通信機のスイッチを入れた。

 

「あ〜もしもし?」

 

『ちょっと、マサキ!!今までどこに行ってたのさ!!?!?』

 

「ッ〜〜〜〜!?!?!!?」

 

「ニャ゛っ!!?」

 

淹れた途端、コックピット内にミオの声が大音量で響き渡った。あまりの大音量にマサキは瞬間的に耳を押さえ、クロとシロは驚きのあまり飛びあがった。

 

「ウッセぇよミオ!こっちには怪我人がいんだよ!?」

 

「えっ!?怪我人ってその人たち?」

 

「ああ、さっき京都駅で見つけてな。一人は大したことはねぇがもう一人がかなりヤバい。急いでフリングホルニで治療を受けさせねェと」

 

事態の深刻さを理解したミオは神妙な面持ちになると、

 

「わかった。取りあえずマサキは先にフリングホルニに帰還して。私たちも事後処理が終わったら補給のために戻るから」

 

「ああ・・・・私たち?どういう事だ、ミオ。((京都|ここ))に来てんのは俺とお前だけだろ?」

 

「マサキ・・・アンタが勝手に飛び出した後、増援としてファングさんとガエンが来たのよ。ホントはクリスカさんとイーニャちゃんが来る筈だったんだけどね。あの二人はウェンディさん達の説得の甲斐あって京都防衛の方に回ったの。他のみんなも京都防衛の方へまわってるって、あたしも一旦フリングホルニへ戻るから。帰ったら覚悟しといたほうがいいよ?あの二人の他にウェンディさんとテューディさん、それにセニアさんもカンカンだったから」

 

それを聞いた雅樹はうげぇっと呻きながら最大速度でフリングホルニへと向かっていった。

 

 

 

 

説明
因みに作者はマブラヴは漫画、小説版しか知りません。
そこの所を了承してください。
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