真・恋姫†無双 裏√ 第一話
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裏√ 第一話  御食事処『晋』

 

 

 

 

 

「いらっしゃいませ。お好きな席へどうぞ」

 

ここは御食事処『晋』。私の村が賊に襲われたときに助けてくれた東零士<あずま・れいじ>という男と、

私司馬懿が経営している零士の故郷の料理を取り扱っている店だ。

 

零士「咲ちゃん、これ一番さんにお願い」

 

私の真名は咲夜<さくや>。こいつは真名を預けたころからずっと咲ちゃんと呼んでくる。

最近ではもう慣れたが、最初はなんだか嫌だったな。

 

咲夜「お待たせしました。こちら注文の品のハンバーグ定食になります」

 

こいつの作る料理は見慣れない物ばかりだ。だから最初のお客さんの反応も微妙なものが多い。

だがそれもすぐに笑顔に変わる。一口食べればその味に驚き、そして白米をかき込みたくなる。

それがうちの料理だ。

 

「ふむ。今日ははんばーぐ定食にしようかな」

 

隣で品書きを見ていたお客さんがぼそりと言った。そこに座っていたのは青い髪のすらっとした女性。

ここのお客さん第一号であり常連の夏侯淵さんだ

 

咲夜「決まったか?夏侯淵さん」

 

夏侯淵「ああ、今日ははんばーぐ定食にするよ」

 

咲夜「了解。零士、ハンバーグ定食一つだ」

 

零士「はーい」

 

夏侯淵「私が初めて来た当時に比べると、ずいぶん繁盛しているようだな」

 

咲夜「まぁな。ここの料理は他にはない独創的なものが多いし、金額設定も低めにしてある。

一度来てもらえば夏侯淵さんのように常連も増えるし、上手くやらしてもらっているよ。

ただ、悩みもあってな…」

 

夏侯淵「悩み?」

 

咲夜「ああ、それが「「おいこらネーチャン!酒持って来い言うたらさっさと持ってこんかい!

どつきまわすぞアホが!」」…ああいう手の者だ…」

 

そこには数人の輩がうちの従業員に絡んでいる姿があった

 

従業員「お客様困ります!周りのお客様にも迷惑です」

 

チンピラ1「知るかドアホ!酒はまだなんか!?」

 

咲夜「夜遅くまで営業しているが故なんだけどな。はぁ…」

 

夏侯淵「災難だな。手伝おうか?」

 

零士「こちらハンバーグ定食おまたせ。夏侯淵さんは座ってていいよ。僕と咲ちゃんがいれば十分だから」

 

咲夜「そういうことだ。ゆっくり食っててくれ」

 

そう言って私は騒いでいる方へ向かう。その時に従業員は下がらせておいた。

数は四人。全員が相当酔っているようだった

 

咲夜「申し訳ありません、お客様。ここにはあなた方のようなものに出す料理や酒はありません。

周りのお客様の迷惑になりますのでご退場ください」

 

チンピラ1「あぁん?なんやワレ。文句あんのかいな?こちとら金払って飲んでる客やねんぞ。

何様のつもりじゃ!」

 

零士「何様も何も、ここの店長様ですが」

 

チンピラ1「お前が店長か。お前んとこのねーちゃんの教育どないなってんねん?

酒持ってこんとか舐めとんのか?」

 

零士「失礼ですが、うちの従業員に非はありません。あるとすれば、

あなた方のような素行の悪いものにあると思われますが。正直迷惑以外の何物でもない」

 

チンピラ1「なんやと?」

 

そこで四人のチンピラが立ち上がり、腰にぶら下げた短刀等を手にした。

 

咲夜「分からなかったか?帰れと言っているんだよ」

 

チンピラ2「あにきー、もうめんどいしやっちまいましょうぜ」

 

チンピラ3「そうっすよ。こいつら生意気っすし」

 

チンピラ4「どうせ金ねーんだ。どっちにしろやるんでしょ」

 

零士「おやおや、まさか無銭飲食とは」

 

咲夜「ああ、ゆるせないな。表に出ろチンピラ風情が」

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私と零士、そしてチンピラ四人が店外に出る。

辺りはすでに暗く、月明かりと店からこぼれる光のみが周辺を照らしていた。

 

チンピラ1「ハッ。俺ら黄巾党を敵に回したこと、後悔させたる!」

 

咲夜「黄巾党…賊か。零士、私に任してくれてもいいよな?」

 

零士「…いいけど、殺しちゃダメだからね」

 

咲夜「わかってる」

 

チンピラ1「お前一人か?さっきからずいぶん舐めおって。てめえらやっちまえ!」

 

チンピラ三人がそれぞれ短刀、棍棒、長物をもって襲いかかる。まず最初に来たのは短刀の奴だった。

思いっきり短刀を振り上げ私の頭めがけて振りかかる。

 

咲夜「軌道が見え見えだな」

 

私はそれを冷静に見極め、躱し、そして外して体勢を崩した相手の腕を掴み

 

咲夜「よっ!」

 

思いっきり投げ飛ばした。そのまま腕は離さず短刀を奪い取る。

 

 

咲夜「こいつは没収だな。……えいっ」

 

 

ボキッ

 

 

このまま腕を離してしまうのも勿体無いので、ついでに関節も外しておいた。

チンピラは汚い悲鳴をあげ、痛みで気を失ったようだ。

 

チンピラ3「このアマ!」

 

一人がやられたところで、今度は二人がかりでくる。二人で私を挟むように位置取った。

挟撃を仕掛ける気なのだろうが

 

チンピラ3,4「オラッ!」

 

なんと二人同時に動いた。そんなんじゃダメだろ。二人がかりなのはいいが順番ずつやんないと

 

「フッ」

 

私は二人の攻撃を軽く避ける。どちらも頭狙いだったので避けるのが容易だった。そして

 

チンピラ3「ゴフッ」

 

避けられるなんて思わなかったんだろうな。だから二人同時で攻撃した。

その結果、チンピラ4が振った長い棒が綺麗にチンピラ3の顔面に入った。

あれは痛い。思いっきり振りかぶっていたからな

 

チンピラ4「こいつよくも!」

 

咲夜「はぁ?お前らの自爆じゃないか」

 

チンピラ4「うるせぇ!」

 

チンピラ4は再び長い棒を振り回す。適当にがむしゃらに振り回しているだけでなんの脅威でもなかった

 

咲夜「ハッ」

 

気合一閃ってやつだな。

私は手にしていた短刀を使いチンピラ4が持っていた長い棒をバラバラに解体してやった

 

チンピラ4「は?嘘だろ?」

 

咲夜「残念ながら事実…だっ!」

 

私は素早く相手の背後に移動し、そして手刀をお見舞いしてやった。

チンピラ4は意識を失い、静かに倒れて行った

 

パシュンッ

 

直後、背後で妙な音が聞こえた。振り向くとそこには消音器付きの拳銃を握っている零士の姿があった。

どうやら起き上がろうとしたチンピラ3を撃ったようだった

 

咲夜「お前、人に殺すなとか言っておいてその手の銃はなんだ?」

 

零士「はは、大丈夫大丈夫。ただの麻酔銃だから」

 

そう言いながら零士が持っていた銃は手から消える。零士お得意の魔術で出したものだったらしい。

 

咲夜「だいたい、人前で魔術や未来の物を出すのは不味いんじゃなかったのか?」

 

零士「それも大丈夫。みんな咲ちゃんの大立ち回りに釘付けだから」

 

咲夜「そーかい」

 

私達はそこで話を切り上げ、目の前に残ったチンピラ1に意識を向ける。

見るとチンピラ1の顔は真っ青のようだった

 

咲夜「さて、お前一人になったが、まだやるのか?」

 

チンピラ1「ヒィッ。堪忍してくれ。金も払うさかい、見逃してくれ!」

 

咲夜「だってよ。ずいぶん勝手だな。荒らすだけ荒らしといて。零士どうするよ?」

 

零士「僕は見逃してあげてもいいと思うよ。金も払ってくれるみたいだし」

 

チンピラ1「ホンマか!?」

 

その瞬間、零士がこっちを見てニヤッとするのが見えた

 

零士「あぁ。今度この店に来ないと約束するなら、僕は何もしないよ」

 

はぁ、そういうことか

 

チンピラ1「するする!金も払う。この店にも近寄らん。約束や!」

 

零士「ん、わかったよ。咲ちゃんもどうかな?」

 

チンピラ1が涙を溜めた目で見てくる。恐らく自分は助かったと安堵したのだろう。

締まりのない顔をして。なので私は笑顔を作り

 

咲夜「許すわけないだろ」

 

容赦無く突き放してやった

 

チンピラ1「そ、そない殺生なぁ。な、店長さんからも何か言ってやってくれへんか」

 

零士「いやぁ、僕さっき何もしないって約束しちゃったし」

 

チンピラ1の顔にはさっきと打って変わって絶望の色が広がるのが見て取れた。

 

チンピラ1「頼むねーちゃん!見逃してくれ!」

 

とうとう土下座までして懇願してきた。無様だな

 

咲夜「どのみち黄巾党なんだろ。私は賊がこの世で一番嫌いなんだ。そんな奴を見逃すわけないだろ」

 

チンピラ1「クッ、この外道ー!」

 

チンピラ1は叫びながらこちらに向かってくる。そして手にしていた剣で攻撃を仕掛けようとした。

私はそれを短刀で受け止め、そのまま相手の剣を吹き飛ばす。

その流れで相手を掴みそして投げ飛ばす。上手く頭から落ちたようだな。気絶している。

 

零士「お疲れ咲ちゃん」

 

夏侯淵「相変わらず見事な手際だな。うちに来てくれると有難いんだが」

 

咲夜「悪いが遠慮しておくよ」

 

夏侯淵「残念だよ。さて、後はこちらで引き取ろう。

何人かこちらへ寄越すからそれまでこのもの達を見ていてくれないか。

それと、これは勘定だ。はんばーぐ、美味かったぞ」

 

零士「ありがとうございました」

 

夏侯淵「ではな」

 

夏侯淵さんはお代を渡して、急ぎ足で城へ戻って行った。

しばらくすると軍人がのびているチンピラを連れて行ってくれた。

 

咲夜「最近増えてきたな。黄巾を名乗る奴ら」

 

零士「そうだね。そろそろだよ咲ちゃん。大きく変わっていく。この大陸全土を巻き込んで」

 

咲夜「乱世…か…」

 

 

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この大陸は荒れ果てていた。

 

 

 

 

 

 

民草は飢えや病に苦しみ、上は賄賂が横行し助けるべき民を助けず私腹を肥やしていた。

 

 

 

 

 

 

人々は絶望し、憎み、やがて朝廷に対し反旗を翻す。

 

 

 

 

 

 

蒼天すでに死す、黄天まさに立つべし

 

 

 

 

 

 

世に言う黄巾の乱の始まりだった。

 

 

 

 

 

 

 

そしてそれと同時期に、とある噂が大陸に流れる。流星にまつわる、ある噂が

 

 

 

 

 

 

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あとがき

 

 

どうも初めまして。桐生キラと言う者です

 

今回、SSは初の試みでいろいろ四苦八苦しながらやっております

 

やっているうちに慣れていけばいいなと思っています。

 

更新もゆっくりあげていくつもりですが、何とか最後までやれたらなと思っています。

 

誤字脱字、幼稚な表現など、文才のない私なので多々あると思いますが、

その都度報告してくれると幸いです。

 

最後に、簡単な人物紹介を載せておきます。

 

今後ともよろしくお願いします!

 

 

登場人物

 

司馬懿 仲達

真名:咲夜

得意武器:ナイフ

本作の主人公兼メインヒロイン。とある小さな村に住んでいたが、賊に襲われ家族を失う。

その際に零士に救われ、以後共に2年ほど旅をする。その後はお食事処『晋』の厨房兼ホールで働く。

武術に関しては2年間みっちり訓練したので呂布並みの武力に。加えて知力も高いのでチートくさい。

SでMでバイだが、本人に自覚はない。

 

 

 

東 零士

得意武器:なんでも

本作のもう一人の主人公。魔術師。手からなんでも出せる。『晋』の建物もこいつが作りました。

突然この外史にやってきて、初めて訪れた村で司馬懿と出会う。

正史世界で壮絶な人生を送っていたので、外史では平穏に暮らしたいと思っている。

こいつも武力チート。生粋のS。

 

説明
第一話です。と言っても、これもプロローグっぽいです。
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コメント
間違いなく、曹操より誘いの手が入りますよ。(いた)
司馬懿に食べられちゃう曹操 なんて見てみたいな。(都非様)
咲夜・・・武器がナイフ・・・ハッ!? これ以上の詮索は失礼ですねw楽しく読ませてもらっています。(レヴィアタン)
>禁玉⇒金球さん こんな夫婦が近所にいたら怖いですねw(桐生キラ)
>じゅんwithジュン 今回のSS作るにおいてのコンセプトの一つですね。強い司馬懿を書きたかったw(桐生キラ)
>ohatiyoさん そんな話も、おいおいやっていこうと思います!(桐生キラ)
>劉邦柾棟さん きっと四人が組んで、ドS四重奏になりますね。怖い怖いw(桐生キラ)
猟奇的なご夫婦ですな。(禁玉⇒金球)
先が楽しみだなあ。司馬懿が武力チートってのも新たな試みで面白い。(じゅんwithジュン)
華琳が私のものになりなさい!って言いそう(ohatiyo)
「華琳」と「桂花」も、きっと真っ青だな。(劉邦柾棟)
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真・恋姫†無双 オリキャラ 司馬懿 

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