義輝記 序章 その壱
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本日は、晴天なり。

 

秋風が冷たさを含んで、義昭様の居城である城にも吹き込んでくるが、その風が涼しいなと感じる程、熱気で充満している大広間。

 

結構、雨が長引いた後の久しぶりの晴天で、少し浮ついていた少し前の俺に今の気分を味あわせてやりたい……。そう、心で呟いた。

 

義輝「颯馬の意見はどうじゃ?」

 

俺の名、天城颯馬。

 

問いを投げかけている足利家当主、足利義輝様に軍師として仕えている。

 

俺が仕官した当時、天下は乱れ幕府や将軍足利家が衰退、しかも将軍足利義輝様が三好家の襲撃により生死不明。当主は妹の義昭様が継がれた。

 

けど、義輝様は無事に義昭様の元に戻られたため、当主や将軍職はどうなるのかと一悶着があった。

 

それでも、光秀の提案で『義輝様が将軍職に就いていただき、次期将軍は義昭様にする』と誓書を入れていただいたので、この件は収まりをみせた。

 

のち、様々な苦労の末に、天下統一を義輝様が成し遂げて、日の本が平和になり、今に至るのだが…。

 

光秀「………黙っていても、先に進む事が出来ません。速やかに返答して下さい!」

 

どことなく顔が引きつりながら、俺に答えを要求する姫武将が、俺と同じ足利家の家臣であり、思い人である明智光秀。

 

颯馬「そんなこと言われても、どうすれば良いか……俺だってわからないぞ!」

 

何だってこんな事に、そう思いながら俺は、腕を組みつつ思考を深めるのだった。

 

ちなみに、居るのは俺達だけではなく、大広間中央に数十人の姫武将と武将(男)達が、礼儀正しく返事を待っている。

 

武将達は、事の展開を固唾を呑みながら見守り、姫武将達は………言いたくない。

 

針の筵に座った状態の俺に、そんな説明をさせないでくれ!

 

◇◆◇

 

事の始まりは、半刻前。

 

義輝様が、天下統一後に『大陸』に向け出立される日が正式に決定した後、義昭様に将軍職を移譲する儀式を開催すると全国に早馬等で伝達。

 

各地の大名達が重臣を引き連れ、義昭様の居城に登城した。儀式自体はなるべく簡略でとの義輝様、義昭様の意向のため、速やかに恙無く終了。

 

儀式終了後も各大名家が集まる大広間で、義輝様ご自身が今度の大陸行きの事を説明。俺も光秀も補佐で義輝様の傍に居た。

 

義輝「先にも申したが、『大陸』では各国挙げた争乱状態。早い話が前の日の本と同じ戦乱の地じゃ。そんな状態では、いつ日の本がまた戦乱に巻き込まれるかわからん」

 

「わらわの力がどこまで及ぶか分からないが、なるべく鎮静化を早め、かの地の民達も平和に導こうぞ。 三日後には、大陸に向かって出航する」

 

この事は、先に書状で各大名家に通知してあり、別に反対意見も無かった。

 

また、日の本での問題は義昭様の意向に従うようになっているし、国を後にする俺達も仕事の引き継ぎも終えていたので問題は無いはず………だった。

 

輝宗「将軍様 『今は、官職など無いただの義輝じゃ!』 失礼しました。 義輝様、一つ伺わせていただく事をお許しくだされ」

 

ところが、この寄合(集会)で最長老、奥州筆頭伊達家当主『伊達輝宗』殿が前から進み出て問いかけた。

 

なかなかの好人物だが、政策や用兵は平均以上。特に外交能力が高く胆力もあるため、奥州各地から相談が持ち込まれては沙汰を下している。

 

しかも公平に裁くため、各大名家からも信頼が厚く、奥州筆頭の肩書が付いている。

 

ちなみに筆頭が肩書に付くのは伊達家だけ。

 

そんな官職は勿論ないが、奥州の大名家達が筆頭と呼称を付けて呼んでいるため、義輝様より特別に許しが出ている。

 

そんな有能な人物だが、『 年寄りの役目はここまで。後は若者に任すのが今の治世の在り方だ。自分も早く隠居して娘に家督を譲りたい 』と口癖のように言っているらしい。

 

義輝「相変らす固いな、輝宗は……。 良い、問いや異論あれば、いくらでも聞くし答えるぞ!」

 

輝宗「はっ! 有難き事。 この前の書状に義輝様のご説明された事が、確かに記載されていました。 ですが、書状にもご説明にも供の名を伏せていたのは、如何なる所存か、ご説明を賜りたく……」

 

礼法の見本みたいな平伏より、姿勢を正し義輝様に問いただす。

 

そんな中、問いの内容に聊か驚いた俺の口から言葉が漏れた。

   

颯馬「え? 俺達の名前が伏せられていた?」

 

普通、供の名前も記載しなければいけない。俺も重要な案件を纏めているから、通達を出さないとかなり支障をきたすことになるからだ。

 

逆に伏せる意味を思案すると、大陸関連の防諜のために名を伏せ、この場で申し渡す考えだったともいえる。

 

だが、大陸の中ではすでに争乱状態、海を隔てた日の本にまで情報収集に力を割けるような国などなさそうだが。

 

それに、申し渡すのなら義輝様が先の説明しているはず。 では、理由は……?

 

俺が頭を抱えると同時に、その場に居た姫武将達が驚きの表情を浮かべる。

 

義輝「…こうなることが分かっていたのでな。 各大名家の家宰にすでに伝えてある。 特に各大名家の姫武将には、厳密に秘してくれと申し添えあったのじゃ」

 

と苦笑する義輝様と頬を膨らます光秀。 うん、可愛い、じゃなくて、この状態で出てくる答えは、俺達が供だと不満と言う事だ。

 

確かに、俺は普段が普段だけに反論が出来ないし、女誑しとまで言われているから仕方がないだろう。

 

しかし、足利家擁立初期からの忠臣であり、大陸の情報を俺の替わりに、見聞できるのは光秀しかいない。

 

何としても供に加えてもらえるよう、皆を説得しなければ! そう思い、覚悟を決めて説明しようと声を上げる直前に、姫武将達が動いた。

 

姫武将達『義輝様のお供にお加え下さい!!!』

 

素早く横一直線に並び変えた姫武将達は、そう声を揃えて願い出ると、綺麗に姿勢正しく平伏した。

 

これには、義輝様や光秀も、ただ唖然としたようだ…。

 

…俺も、全員がこのような事を言い出すとは思わず、『流石は義輝様。ここまで慕われていたとは…』と呟くと、何故か義輝様や光秀含む姫武将よりため息、苦笑やジト目で睨まれた…。

 

◆◇◆

 

あまりに多い供の志願者に対応を悩む当事者達。

 

三人で固まり、ヒソヒソ内緒話をするつもりが、何故か全部筒抜けだった。

 

固まったと言えど、大広間で多人数。そんなに間も広がらないし、本人達は声を潜めたつもりでも普段の会話と同じ声量だから、聞こえないわけが無い。後で、三太夫が教えてくれた…。

 

義輝様は、『ここは颯馬に連れて行く者を選ばせようか!?』と冗談を言い出し、無駄に部屋の室温を上昇させる。

 

光秀は、『確かに必要な人材が多ければ、大陸の戦を鎮静化させるのも早くなります。…わかってはいるのですが……』とぶつぶつと壁に向かって呟く。 

 

俺としては、三太夫を連れて行く事しか考えていなかったので、この事態にただ唖然としていた。

 

最終的には、当事者で説得を開始。

 

先の姫武将の行動の意味は結局分からないが、実際いくらなんでもこの人数は、色々不都合が生じるからな……。

 

なるべく全員に諦めてもらわなければ…。

 

?義輝、説得中

 

義輝「こんなに供は、不要! 日の本の治世が保てなければ、本末転倒ぞ! 」

 

信玄「私が治めた国は問題ありません。当主が居なくても妹が治めてくれます。それに、颯馬のあの様子では心許無い。私が傍に居なければ… 」

 

信廉「姉上、体が万全でもないのに、付いて行くおつもりですか!? ここは私が颯馬の傍に居るのが、筋というものではないですか!! 」

 

信玄「何を言い出すのです!! 今回の件は、生涯帰国できない恐れがあるのに、可愛い妹を行かせるわけにはいきません! 私だからこそ、颯馬の同行には、適任だと分からないのですか!! 」

 

信廉「姉上! そのお身体で無理をして、颯馬に心配をかけたらどうなさるおつもりですか!! 颯馬の同行は、どう考えても適任は私です!! 姉上は、安心して養生を心掛けて下さい! 」

  

義輝「…お主達の申し出は有難いが、二人とも日の本には必要な傑物。颯馬と一緒に連れて行くのは、どちらにしても無理じゃ!! 」

 

信玄、信廉 「「 !!!!! 」」

 

謙信「それなら、私が軍師殿について行こう! これは、毘沙門天からの導きに相違ない! 」

 

兼続「謙信様、当主のあなたが居なくなってどうするのですか! 急に居なくなるのは、前の件だけで十分です!! ……颯馬の馬鹿者が」

 

 

?光秀、説得中

 

光秀「 だめです!! あなただけは、ゼッタイに駄目です!!! 」

  

信長「 ほう? 私に意見するとはいい度胸だな! 光秀よ!! 」

 

光秀「 今回ばかりは言わせていただきます!! 信長様と一緒だと、せっかく颯馬と…じゃなく、義輝様にご迷惑です!! 」

  

信長「…アノの光秀がこんな反応を見せるとは、これは愉快! いや、流石颯馬と褒めるべきか? だが、覚えておけ! 私も颯馬を大層気に入っているのだ! だから、必ず同行させてもらう!! 」

 

光秀「…くっ!! 」

 

 

?颯馬、説得中

 

颯馬「 あなた方が日の本を出て行くと、貴久様が寂しさのあまり死んでしまいますよ! 」

  

歳久「 問題ありません。荒治療的子離れが必要な時期が来たのです」  

 

義久「 お姉ちゃんも賛成、このままだとお世継ぎも出来ないものね! 」

 

家久「 そうだね! 娘達の為ならって、お父様も必ず分かってくれるよ!! 」

 

義弘「 あはは…、反論が思いつかないよ… 」

 

家久「 あっ、弘姉は反対? それならいいよ、お留守番ってことで… 」

 

義弘「 ちょっ、なんで私だけ仲間外れ?! 私だって颯馬と……………!! 」

 

 

豊久「 お父様、だめだってば!」

 

貴久「 天城!! 娘達を誑かして連れて行くきか! …あ、天城なんかに、天城なんかに…ぜっったいに渡さん!!!」

 

?幕外

 

輝宗「 ははは、やはりこれが理由か。あのへそ曲がり共を別室に置いて正解だったわい。同席でもされていたら、この騒ぎに輪をかけて収拾がつかなくなるところだったわ 」

     

輝宗「 天城颯馬…か。この場の娘御達に慕われているとの話故、少し焚きつけてみればこの結果とは。これなら政宗の提案通り、伊達家の婿に迎え入れる準備が必要だな! さすれば、俺も安心して隠居できるというものだ! 」

 

◇◆◇

 

喚くやら怒るやら泣くやら大騒ぎだった。でも、結構貴重な場面を見れたのかもしれない…。

 

甲斐の虎が妹と口論、義将が軍神に説教、大六天魔王に怒鳴る光秀。親馬鹿殿と娘達のやり取りは何時ものことだけど…。

 

何故か輝宗殿は上機嫌だったが、後で娘や娘の臣下達に散々問い詰められていたようだ。

 

他にも色々あったが、思い出したくない。

 

……久秀殿とか順慶殿とか。

 

それから、数名を除き辛うじて納得してもらったが、出発まで五日程遅れた。

 

 

◆◇◆

 

本日も晴天なり。

 

空も真っ青、海も真っ青、ちなみに義輝様も顔が真っ青。別に関連付けで言った訳ではない。

 

あれから、日の本を出航して三日目。

 

堺より出て、港に寄港しつつ向かうため一月程掛かると、船主が言っていた。

 

まだ、旅が始まったばかりなんだが、義輝様の船酔いが酷くて困っている。

 

俺や光秀は、旅で船に乗るなんて良くあるし、他の仲間も同じで乗り慣れている。

 

ただ、義輝様は別。追っ手からの逃走のため、陸続きを移動するしかなかった。船に乗れば人相も判明し易く、しかも逃げる場所も無い。

 

出来るだけ、避けなければいけない場所だった。

 

そんな過去も遠ざかり、こうして船に乗れるのだが…………。

 

義輝「 …船が、これほど、揺れるとは…予想外じゃ…た 」

 

光秀「 義輝様、大丈夫ですか? 」

 

顔を海に向け苦しまれる義輝様に、背をさすりながら看病する光秀、例の品を持ちつつ近付く俺。

 

颯馬「 義輝様、三太夫から梅干し貰ってきましたよ。これで、少しは楽になりますから 」

 

持ってきた梅干しを義輝様の口に入れる。

 

義輝「 うっ、酸っぱい!! …されど、この梅干しではないと、船酔いに効かないとは。三太夫に、よく礼を伝えて欲しい、颯馬よ… 」

 

颯馬「 義輝様より礼を言われたと聞けば、泣いて喜びますよ 」

 

なんでも、梅干しが船酔いの薬になるらしい。

 

義輝様のあまりの苦しみに、三太夫特製梅干しを食していただくと、あの苦しむが結構楽になるらしい。しかも、普通の梅干しよりかなり酸いらしく、義輝様の端正な顔が思いっきり歪む。

 

俺や光秀達も、もらい食べてみると、あの酸っぱさに匹敵する物は無く、当分忘れられない。

 

この後、梅干しの礼を伝えると涙を浮かべて喜んでいた。結構、薄幸な人生送ってきたからな。

 

光秀「 ……颯馬、他の者達は? 」

 

光秀が不機嫌そうに、俺に問いかける。

 

俺達の説得(?)にも負けず、付いてきてくれる猛者というか、協力者というか仲間達。

 

全員で4人。

 

一人目は、北条早雲殿の配下、   

『風魔小太郎』

 

二人目は、自称第六天魔王、 

『織田信長』

 

三人目は、出雲の麒麟児   

『山中鹿介』

 

四人目は、赤備えの勇将   

『山縣昌景』

 

昌景「 おぉ、颯馬、ここにいたか… 」

 

…噂をすれば、少年と呼ぶしかない姿なのに、歳はすでに六十を越えている山縣昌景殿。

 

姫武将ではないのに関わらず、何故か供にと志願されて、武田方の姫武将や義輝様の要望により、加わった方である。

 

しかし、年若い俺達の中で唯一の年長者のため、いろいろと頼らせてもらっている。

 

昌景「っと、光秀殿も居らしたか! 邪魔をして誠にすまぬ! 色恋沙汰は静かに様子を見守るに留めねば。からかい過ぎると面倒でな」

 

光秀「……昌景殿、何かあったのですか?」

 

額に青筋浮かばせながら、対応する光秀。

 

昌景「 颯馬に問いたいことが…っと、義輝公も居られたのなら、是非、お聞きかせ願いたい。」

 

昌景殿が居住まいを正して一礼を行い、義輝様に声高々に問う。

 

昌景「 義輝公は、大陸に渡りて、かの地の戦乱を鎮めると大義を掲げておられるが、戦略等はどうなされるおつもりか、お聞かせを願いたい!」

 

昌景殿が、真剣な眼差しで答えを求む。

 

義輝様は、まだ顔が真っ青だが、昌景殿の姿を確認されて、小さい声で一言だけ語る。

 

義輝「 ………上善如水…… 」

 

それから、義輝様は静かに目を閉じられた……。まだ、気持ち悪いようだ。

 

さて、『上善如水』か……。どこかで読んだ気がするが、どこだか急には思い出し辛い。

 

光秀が、少し考えて『あっ』と表情に浮かばす。

 

昌景「……ふむ、承知仕りました。この山縣昌景御期待に応え、粉骨砕身の働きをお見せ致しましょうぞ!! 」

 

昌景殿は、再度一礼をすると、俺に向き直る。

 

昌景「…颯馬よ、義輝公が船酔いなら早く言ってくれれば良かったものを。今の今まで気が付かず御無理をさせてしまったではないか… 」

 

颯馬「昌景殿が止める間も無く、問いを発したからですよ。……後で義輝様に詫びて下さい。で、今の言葉の意味、わかったのですか?」

 

昌景「おいおい、軍師がそんな事でどうする!」

 

そう言われても………あっ!!

 

昌景「ふむ、その顔なら分かったようだな。『上善如水』 老子の言葉よ。『最も善い生き方は、水のようなもの』の意味となる 」

 

あの意味を瞬時に察するなんて。昌景殿が噂通りの名将だと感じる瞬間だ。

 

光秀も同じらしく、先程のご機嫌斜めが収まり、尊敬の目で見つめている。

 

昌景「いや、この意味を教えてくれたのは、信玄様だ。儂がこのような事、知るはずがなかろう」

 

昌景殿が頭を掻きつつ、種を明かす。

 

義輝「……………………」

 

ふと、気づくと後ろから小さな寝息が聞こえる。

 

船酔いが無くなり、安心して寝入ったようだ。

 

光秀が義輝様を部屋にお連れしようと、世話を焼いている。顔も赤みを差してるから、大丈夫。

 

俺と昌景殿は、その場を静かに去った。

 

その途中、昌景殿が船外の海を見ていた。

 

昌景「 くくくっ!! 」

 

颯馬「ま、昌景殿…? 」

 

急に笑い出すので驚いたが、すぐに真顔になる。

 

昌景「義輝公は、信玄様とは違う英傑の器であるようだ。良かったな、颯馬」

 

颯馬「…………」

 

昌景「義輝公に戦略を問えば『上善如水』の四字。信玄様なら『風林火山』を呟くかもしれんがな。だが、戦略の話に『上善如水』と老子が出るのも変ではないか、と思わなかったか?」

 

そう言えば、軍略や戦略の話ならば、色々と浮かぶのに、今回はすぐに出てこなかった。

 

昌景「儂が思うに、戦で戦を鎮めるのではなく、道理で導いて鎮めるのでは思うのだ。」

 

あくまで、儂の考えじゃぞと前置きして話されたのは、義輝様の武の事だった。

 

義輝公は、日の本に知られた剣聖の名を持つ者の一人。儂等のような戦場での叩き上げの武では無く、人殺しを追求した技を束ねている武人。

 

そのために、人殺しに飽いてるのでないか。

 

だから、武ではなく道理で治めたいと考えているのではないかと、思ったという。

 

昌景「 水の如くの上善を示せば、民達は義輝公を敬慕するだろう。正に呼び水だな! 」

 

と笑った後、顎に手を当て目を閉じて語る。

 

昌景「徳で乱を鎮めるなど、夢想としか思えんが、天下統一をやり遂げた御仁だからの。だが、日の本とは別の地故、統治も変わるだろし…」

 

正直、義輝様から具体的な指示を受けていないため、どうだろう?とも思うし、あり得るな!とも思う。

 

それよりも、もし意見の相違で義輝様と昌景殿が仲違いでもされれば、大変な事になる。

 

その時は、昌景殿を何とか説き伏せるまでだと拳を握ると、昌景殿がニヤニヤしながら見ている。

 

昌景「そう難しく考えるな。儂の考えが当たろうが外れようが、儂は命令通りに動くまでの事。それにな、ここに志願したのも、颯馬を見ていると面白いので退屈しないからだ! 」

 

そう言って、笑いながら背を向けて離れる。

 

昌景(…御家や宿敵長尾家を下し、しかも敵であったお館様達に慕われる颯馬。その実力を間近で見たい、老骨最後の我が儘が志願の理由よ…)

 

別れた昌景殿の背が、少し寂しく感じられた。

 

 

 

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後書き

 

この小説を読んでいただいている方々、厚くお礼申し上げます。

 

散々投稿の仕方がわからないと嘆いていた自分ですが、やっとわかりましたので投稿致しました。

 

コメントで辛口の意見いただき、落ち込みつつもなるべくやり方を変えてみようと試した結果が、

これですが……。

 

ついでに、題名も『義輝様が行く』から『義輝記』に変えさてもらいます。

 

それでも、読んでいただけるのであれば、大変有り難いです。

 

後、当分は戦極姫で投稿いたします。

恋姫達に繋げるのに、舞台と道具と人物を書き出さないといけないので。よろしくお願いします。

 

 

 

 

 

 

説明
前作『義輝様が行く』を全編書き直しした小説を投稿しました。そのため、前作とは、話が完全に繋がらないためご注意下さい。また、登場人物の服装は、戦極姫4を参照して下さい。
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