バカとテストと召喚獣 五つの鎧を持つもの 第四十一話
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 雄二の頬に叩かれた跡が残っていることに鋼牙は言及せず、あえて何も言わなかった。

 そして第三試合、相手は三年Aクラス。あの・・・・・ツナ缶先輩だったか?まあどうでもいいが厄介な相手だ。ただでさえ因縁があるのにこうした形式だと乱闘が起こりそうだな。前もって策を学園長に言っておいて正解だったな。

 鋼牙がそう思っていると島田が戻ってきた。

「ゴメン、打てなかった。」

「いや、球の速さに召喚獣がついていけないのは無理も無い。今度はここぞというタイミングの前に振れ。召喚獣の操作は普通より少し上のほうだがバットの重さが関係していると思う。」

「わかったわ。」

 美波はベンチに戻っていく間に須川が召喚獣を召喚しバッターボックスに立たせる。

 1番 島田美波 サード

 2番 須川亮  ショート

 3番 冴島鋼牙 キャチャー

 4番 坂本雄二 ピッチャー

 5番 近藤吉宗 ライト

 6番 土屋康太 セカンド

 7番 君島博  センター

 8番 福村幸平 ファースト

 9番 横溝浩二 レフト

 

「Aクラス 夏川淳平 VS Fクラス 須川亮

化学   224点          59点 」

 須川の点数はあのバカ坊主先輩よりも明らかに低い。

『59点か。こいつぁまた随分貧相な点数だな。』

 相変わらず見下す態度しかとらないやつだな。

『けっ。言い返す勇気もねぇのか。腰抜けめ。』

 それは逆だ。逆に須川は己のことを素直に認めている。むしろ大人と見るべきだ。

 須川はそのまま三振した。

「どうだった?」

「ダメだ鋼牙。何処を探してもエロイ下着姿の先輩が見当たらない・・・・・・・!」

「・・・・・ふんっ!」

 鋼牙は思いっきり須川をチョップする。

「ぐあっ!」

 鋼牙は溜息を吐きながらバッターボックスに立つ。

「試獣召還」

「Aクラス 須川亮 VS Fクラス 冴島鋼牙

 化学   224点        789点 」

「な、なんじゃそりゃ!」

「ちゃんと勉強しましょうよ。」

「う、うるせえ!」

 須川の召喚獣がボールを投げる。ボールは内角低め。鋼牙はそのボールをカットする。

「チッ。打ちやがった。」

 須川は舌打ちするが鋼牙は次の球を考えた。

「喰らえ!」

 須川は二球目を投げる。

(外角に投げれば打てまい。)

 須川は内角の次に外角真ん中を投げることは簡単だと思った。しかし、そんなことは例えプロだとしても難しい。ただでさえコントロールが難しい上に技術も必要である。

 ボールは外角ではなくど真ん中に入る。

「くると思った。」

 鋼牙はど真ん中の球を芯に当て、そのままバックスタンドに放り込んだ。

「ホームラン!」

 審判がそう言うと鋼牙は召喚中を塁を回させる。

(素人らしい考えだな。)

 鋼牙はそう内心に考えながら召喚獣をホームインさせる。鋼牙はFクラスの方へと戻る。

その後の雄二は三振する。

「すまない鋼牙。」

「気にするな。今はこっちがリードしている。抑えればいい。」

 Aクラスの攻撃。先頭は堀田正敏が右バッターボックスに立つ。

「試獣召還」

「Aクラス 堀田正敏 VS Fクラス 坂本雄二 

 化学   271点         143点 」

 教えたかいがあったな。夏休みの間にスパルタに教育して正解だったな。

 鋼牙は雄二にサインを送る。雄二は頷き第一球を投げる。堀田はスローボールと思い溜め、バットを振る。しかしボールは落ちピッチャーゴロになりアウトになった。

「1アウト。」

『1アウト〜!』

 二番は常村、右バッターボックスに立つ。いやなモヒカン変態BL先輩だったな。

 鋼牙は雄二にサインを送った。雄二はそのサインを見て驚いた。

(おいおい、そんな握りしてもへんなのしか投げれないだろ!)

 雄二はそう思いながらも鋼牙に言われるがままボールを握らせ、投げる。常村は真ん中に投げられた球に微笑み、渾身の力で当てようとする。しかし、ボールは外角低めに落ちる。

「なっ!」

 ボールはファーストゴロになり、雄二が投げアウトになる。

「ナイス雄二。」

「おい鋼牙。なんだあの球!」

「雄二、あえて言うな。」

「わ、わかった。」

「てめえら!卑怯なことすんじゃねえぞごらぁ!」

「いい加減なこと言うじゃねえか、先輩。」

「あったりめぇだごら!なんだ今の球!絶対なんかイカサマしただろ!」

「ああ!うっせえぞごら!」

 雄二と常村先輩が言い争っている。

「うるさいジャリ共だね。」

 学園長が腕組みをして近寄って来る。

「どうしてこちらへ?」

「組み合わせが問題あるから少し様子見に来てみたらこんなになっているからね。アンタ達が余計なことしないように女子以外の全員にフィードバックを行うよ。」

『えっ!』

 鋼牙以外の男子全員は驚く。待てよ、ここは俺が投げれば正解だ。だとしたらキャッチャーは・・・・・・

 鋼牙はそう考えながら自軍のベンチに戻った。

 二回表、Fクラス攻撃、先頭は近藤。

「近藤。」

 鋼牙は近藤の耳元でささやく。

「そ、そんなことでいいのか?」

「ああ。それでいい。最悪手を傷めるがいいか?」

「点数削れそうだが・・・・・まあやってみっか。」

 近藤はバッターボックスに立つ。

「試獣召還」

「Aクラス 須川亮 VS Fクラス 近藤吉宗

 古典   208点        102点 」

 一部だがスパルタに教えていて良かった。最も、成績がFクラスを下から数えて10番目くらいの奴は回答を見て頭痛がしたからな。スパルタにして正解だ。

 須川が第一球を振りかぶろうとする。近藤はバットを縦に構えた。

「なっ!」

 須川は驚きのあまり暴騰した。

「近藤!」

「わかってる。」

 近藤はバットを退く。

「ボール。」

「チッ、変なことしやがって。」

 須川は舌打ちをする。

(当たり前だ。最初はこうした戦法で攻めるんだ。)

 須川は第二球を投げる。近藤はまたしてもバットを縦に構えた。ボールは外殻を大きく逸れる。近藤はバットを退き、ボールになった。

「ボール。」

「クソッ!」

 須川は苛立つ。鋼牙は近藤に指示を信号で出した。近藤は頷く。

「面倒臭いことすんじゃねぇ!」

 須川はそういらだちながら第三球を投げる。しかしボールは近藤の頭部に向け投げられる。近藤は身体を低くするがボールはヘルメットをかすった

「で、デッドボール。」

 ヘルメットがあったため点数は削られなかった。

 次のバッターは土屋。鋼牙は初球の指示を土屋に送る。

「・・・・・わかった。」

 土屋はバントの構えをする。Aクラスの守備陣は前進する。須川が第一球を投げる。しかし土屋はバスターをしようと構えなおす。守備陣は後ろに少し下がるが土屋はそのボールを見送った。

「ストライクッ!」

「へっ、なんだただの脅しかよ。」

 余裕をかます須川が一塁を見る。須川は驚いた。土屋に気を取られていて一塁を見ていなかった。近藤は既に二塁に盗塁していた。

(ま、まさかこれも作戦の内なのか!)

 須川は動揺する。そんな須川に構わず鋼牙は土屋にサインを送る。

「・・・・無茶を頼む。」

 土屋は構える。そして須川が第二球を投げる。ボールは内角低め。しかし土屋はバントをせずバットを下に力いっぱい振る。ボールはバウンドし宙に長く舞う。その間に土屋は自慢の俊敏な動きで二塁まで進む。

 0S0B0O、2・3塁。バッターは君島。

「クソッ!こんな奴らに出塁を許すなんて!」

「落ち着け須川。こんな奴らに苛立つな。」

「わかってる!」

 苛立つ須川の状態を見て鋼牙は君島にサインを送る。近藤と土屋もそのサインを見て頷いた。

 須川が第一球を投げる。君島はバントを構える。番とは成功しサードに転がる。サードがキャッチし、一度三塁を見てから一塁に送球する。

「GO!」

 鋼牙の指示で近藤がホームへ走る。一点が入る。

「アウト!」

 ホームへ一点が入ったすぐあとに君島がアウトになる。

「土屋!」

「・・・加速。」

 土屋の得意技の加速が召喚獣の速度を加速させ一気にホームへと進む。一塁から送球しようとした時には既に土屋はホームにたどり着いていた。

「セーフ!」

 その後に続く福村、横溝、須川が三振しチェンジになる。

「審判、守備の後退をお願いします。雄二、いいか?」

「ああ。誰を交代させるんだ?」

「ショートを須川から雄二、ピッチャーを雄二から俺に、キャッチャーを俺から姫路に。」

『えっ!』

「そ、そんなこと・・・」

「姫路!」

 鋼牙は姫路の両肩を掴む。

「このクラスの中で俺に近い点数を持っているのはお前くらいだ。俺の球を受け止めてくれ!」

「は、はい!」  

 姫路は顔を紅くしながら返事をした。

「・・・・・・・お前、すごいな。」

 雄二があきれた顔で感心している。なぜだ?

 そんなことを余所に鋼牙は姫路にサインを教えておく。そして鋼牙はスタンドに立つ。

「プレイ!」

 鋼牙は第一球を投げる。コースはど真ん中。しかしボールは一瞬で姫路のミットに入る。

 Fクラス 冴島鋼牙 & 姫路瑞希

古典   512点   498点

『なんじゃそら!』

 その後も何人ものバッターが出るも、三振、三振、三振の連続である。バントしようとした者は手に衝撃が走り召喚獣の操作が的野に出来なくなってしまう始末である。そして鋼牙の打順にはいるたびに一点が入る。

 そして九回裏Aクラス攻撃2O2S2B、バッターは須川。

「ストライク!ゲームセット!」

 3年Aクラス 2年Fクラス

      0−7

 圧倒的戦力差でFクラスが勝利した。

 

 Aクラスと戦いで勝利したことにより次は教員チームとの対戦。鋼牙達は食事を取っていた。

「これで後は教師人との対戦で勝てばいいだけだな。」

「まあな。」

 雄二が少し余裕をかましているとザルバが鋼牙に話しかけてきた。

「オイ鋼牙、結果ガデタゾ。」

「どうだった?」

「教員側が4、お前たちが6って割合だ。」

「お、おい鋼牙。何だのそ割合って?」

「ああ。ただ野球で勝負するのは面白くないから賭けにしようと思ってな。」

「で、4:6の割合になったわけか。」

「ああ。ちなみにこれは余計なことかもしれないが霧島のクラスはこっちに掛けたぞ。」

「なんでテメェは余計なこと言うんだ。」

「まあ余慶かもしれないがもう一つあるぞ。ザルバ。」

「アア。実ハ本来ハ姫路ガ言ウハズダッタンダガ本人ハ用事ガ少シハイッテ抜ケラレナクナッチマッタンダ。オイ雄二、霧島ガ没収サレタ物ハナンダカワカルカ?」

「どうせ婚姻届だろ。」

「イイヤ。没収サレタノハ「ブーケ」ダ。」

「っ!」

「以外ダッタカ?アイツハオ前ニモラッタモノガ一番大事ナンダ。」

「・・・・・・・」

「マア、オ前ノ勘違イダッタンダヨ。」

「・・・・・・たく、翔子の奴。そんなもん・・・・」

 全く、これだから雄二は正直になれないんだな。本当は少し嬉しいくせにな。

「雄二、わかってるな。」

「ああ。わかってる。」

「「俺たちは勝つぞ!!」」

 

説明
最近思ったんですけどバカテスとウルトラマンギンガの頃ぼっていけそうに思いません?

タイイクタイカイガハジマッテユウジノホホニキリシマガハタイタアトガノコッテイルガソコニハフレナイデオコウ。
「体育祭・中篇」
ツギハアイツラカ。
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五つ バカテス バカとテストと召喚獣 

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