語られし者たちとIS 世界樹大戦 第34話 学園祭開始 敵の出現
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「はあ、はあ、た、倒せました……」

 

「お疲れさま、だいぶ成長したわね」

 

俺は今、特訓のため、異世界にいる

 

そして初めてギガントモンスターを一人で倒す事が出来た

 

倒したモンスターは、緑色の大熊、グリーンメニスだ

 

ギガントの中では、比較的弱い方だが、今の俺にはこいつが限界である

 

後は、少し前にリミッツトリオを手に入れた

 

オーバーリミッツを三段階調整して発動できるようになったため、以前よりもパワーアップができたはず

 

「さて、そろそろ休みましょうか」

 

ジュディスさんと一緒に異世界から元の世界の俺の部屋に戻る

 

「ヤッホー、お疲れ、一夏君」

 

本来一人部屋であるはずの俺の部屋には現在、楯無さんがいる

 

……このことがばれた時には大変だった

 

箒やセシリア、鈴にシャルロット、ラウラだけでなく簪や蘭も俺の部屋に泊まると言い出してきた

 

俺が断ってもダメだったが、楯無さんの言葉にはみんな頷いていた。そこはさすが生徒会長だと思う

 

「……楯無さん、やっぱり俺を一人にしないためですか?」

 

「あらら、勘がいいわね。ごめんね、正直迷惑よね?」

 

前から楯無さんがこの部屋に泊まっているのに教員が何も言わないのはおかしいと思った

 

理由は、俺への警護なのではないかと考えた

 

恐らく正解なのだろう

 

(まあ、しょうがないよな……楯無さんだって仕事なんだし)

 

「楯無さんだって俺と一緒だと疲れますよね? 気にしないでください」

 

さすがにギガント討伐は疲れた、そのまま俺は眠ることにした。

 

「……別にいいんだけどね……一夏君と一緒で楽しいし」

 

ん? 楯無さんが何か言った気がしたけど聞こえなかった……

 

それよりも眠いから寝よう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから学園祭の準備に加え、専用機持ち達とISの特訓、ジュディスさんと異世界で特訓の日々が続いた

 

最近、ジュディスさんとの特訓中、彼女の話をよく聞くようになった

 

元の世界で、彼女はギルドという自警団みたいなものに入っているらしい

 

そのメンバーが面白い

 

リーダーは、俺よりも年下の小さな男の子

 

だからこそこれからの成長が楽しみらしい、それは俺もらしいけど

 

もう一人は元騎士の男の人

 

ジュディスさんと同じで戦うことが大好きで、スイーツが好きらしい

 

もし逢えたら一緒に料理を作ってみたい

 

そして彼の飼い犬もメンバーで、立派な戦闘犬らしく俺では歯が立たないと言われた

 

今まではあまり話すことがなかったのにどうしたのか尋ねた

 

「そうね、なんとなく……かしら、すでに課題もクリアしたみたいだし、これからもまだまだ一夏とは、一緒に戦うのだからね。信頼しているわよ」

 

その言葉がとても嬉しかった。信頼できる仲間がいる、これ以上に嬉しいことはないと思う

 

「ありがとうございます、俺もジュディスさんのこと、信頼しています」

 

この時、俺は無意識に思っていた

 

家族よりも相棒である彼女に頼りたい、信頼されたい、本当の仲間になりたいと

 

そんな想いが俺の中に埋め尽くされていた

 

そしていつも通り、ギガントモンスターを倒したり、強い魔物から強力な素材を得るために狩ったりして、ボロボロになりながら元の世界に戻った

 

自分が強くなっているという実感がすごく出ているからボロボロになることは気にしていないけどな

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数日後、学園祭が開催された

 

「いらっしゃいませ、お嬢様。こちらの席にどうぞ」

 

クラスの出し物であるメイド喫茶(俺だけ執事)は大盛況である

 

目的は俺なのかもしれないが、楽しく仕事ができている

 

「織斑君、3番テーブルにコーヒーとケーキセットを持って行って」

 

「了解、それと5番テーブルの青いリボンを付けた子に紅茶をお願い」

 

「わかった」

 

開店してから約一時間は立っていると思うが、客足が減るどころかどんどん増えている

 

「随分と盛況ね」

 

「ああ、他の所に比べると客の量がすごいな」

 

「そうですね、正直こんなに来ていることに驚いています……」

 

「あたしのクラスもこれくらい客が来てほしいんだけどね」

 

「まあ、しょうがないんじゃない? 実際ケーキとかおいしそうだしネ」

 

ジュディスさんとガイさん、蘭に鈴、そしてマオが店の様子を覗きに来た。ちなみに鈴はクラスの出し物が飲茶喫茶のため、チャイナドレスだ

 

この学園祭には、生徒一人につき一人、外部の人を呼ぶことができる

 

俺はもちろん、ジュディスさんを呼んだ。基本的に皆はパートナーを呼んでいると思う

 

事実、シャルはジェイを、鈴はマオを呼んでいたのを確認している

 

ちなみにジェイは別の場所に行っているらしい

 

すぐに五人を案内して、注文を聞く

 

「僕はケーキセットネ、執事さん、よろしく!」

 

「俺はコーヒーを頼む」

 

「私は、クッキーを……ねえ、この執事へのご褒美セットって何かしら?」

 

ジュディスさんの質問に注文を書いていた俺の手は止まる

 

どうしよう、あんまり答えたくない。俺がそのセットの存在に気が付いたのは、今日のことだ

 

誰かが俺に内緒でこっそり加えたのだろう

 

「ええと、俺にお菓子を食べさせる事が出来ます」

 

それを聞いた5人は様々な反応を示した

 

マオは良くわからないという感じで、ガイさんは大変だなと言う同情

 

ジュディスさんはあらあらという感じで面白がっている

 

鈴と蘭は熟考している。おいおい、まさか……

 

「「じ、じゃあ執事のご褒美セットで」」

 

おいおい、まじかよ……

 

断るわけにもいかないからとりあえず準備をする

 

3人が注文したものを置き、蘭と鈴の隣の席に座る

 

「すまないけど、俺も仕事があるから早めに頼む」

 

蘭と鈴は緊張しているのか、固まっている

 

そして鈴が動き始めた、ポッキーを1本つまみ、俺に食べさせた

 

続けて蘭も同じようにやった

 

……二人とも顔を真っ赤にしているが正直俺も恥ずかしい

 

「わ、悪いけど俺接客に戻るから……」

 

その場から逃げるように去ることにした。とどまっていたらどうなっていたか正直わからない

 

すぐに別のお客の相手をすることにした

 

「少しよろしいでしょうか?」

 

ん? どこかの企業の人だろうか? スーツを着た女性が俺を呼び止めた

 

「はい、何でしょうか? ご注文ですか?」

 

「いえ、織斑一夏さんですよね? 実は私こういう者でして」

 

名刺を受取り、見てみる。どこかの企業の人かな?

 

「ぜひあなたに我が社の装備を……」

 

「大変申し訳ございません、そう言った話はまず教員を通してからにしてください、それと商売の邪魔になってしまう為、そろそろお引き取りお願いいたします」

 

笑顔で彼女を追い返した。まあ、理由はもう一つあるんだけどな

 

一時間くらい働いただろうか、一度店の体勢を整えるため、休憩をもらうことができた

 

何処に行こうかと考えていると、一組の専用機持ち達が何か言い争っている

 

相変わらず、仲がいいのか悪いのか……

 

「専用機持ちといえばあの子がいたわね、様子を見に行ったら?」

 

ジュディスさんの提案に賛同し、俺は着替えを済ませてから4組に向かった

 

向かう途中、やけに視線を感じた

 

「織斑君の隣にいる人誰?」

 

「彼女かな?」

 

そういう会話が聞こえてくる。弁解していて、休憩時間が終わるのは困るため、無視して4組に行こう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いらっしゃいませ……い、一夏? それにジュディスさんも」

 

和服を着た簪が対応してくれた

 

4組は和風の喫茶店みたいだ。やけに飲食店が多いな

 

「よう、今こっちは休憩中だから寄ってみたんだ。いいかな?」

 

「え、えっと……席はこっち……メニューは、これ」

 

緊張しているのかな? なんか、いつものように落ち着いた感じがしない

 

「和風のメニューが多いんだな。じゃあ、俺は甘味セットで」

 

「私も」

 

「え、えっと……かしこまりました」

 

簪が対応している間、教室の内装を見ていた。メニューや服装からも判断で来たけど、和風のお店なんだな

 

ん? 何か厨房の方が賑やかだな

 

「お、お待たせしました」

 

緊張しながら持ってきてくれた。ちょっとだけ、落とさないか心配だったのは内緒だ

 

「ありがとう、ん、おいしい」

 

早速お汁粉を食べてみたけど、いい味。ジュディスさんも納得している

 

「このお店って簪のアイディアなのか?」

 

「ううん、クラスの子の実家が、こういうお店みたいで……作業がしやすいかと思って」

 

なるほど、そういう人がいると質のいいものができるよな

 

「それにしても簪ちゃんの和服にあっているわよね、一夏君」

 

「……いきなりですね、楯無さん。まあ、否定はしませんけど」

 

いつの間にか俺の後ろにいた楯無さんの質問に答えた

 

どうやら簪の様子を見に来たみたいだけど……それだけじゃないような気がする

 

「何だかその顔はお見通しみたいね、ちょっと生徒会の出し物を手伝ってほしいの。ああ、クラスの子にはもう伝えてあるから」

 

それ、逃げ場がないですよね?

 

「まあ、いいですけど……何をやるんですか?」

 

「ん? ちょっとしたゲームよ。時間もないからすぐにお願い、簪ちゃんもよかったら来てね」

 

楯無さんに急かされる形で、俺は店を出て行った。もちろん、お会計は払った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「一夏君、着替え終わった?」

 

「ええ、大丈夫です」

 

「よし、じゃあ私の合図で、出て来てね」

 

アリーナに到着した途端、すぐに更衣室に引っ張られ、着替えるように言われた

 

王子様っぽいけど一体何をやらせるのだろう。それにこのメダルは一体……

 

「間もなく、生徒参加型のゲームを始めます。まずは王子様の登場です」

 

さて、早速出番か。一体何をやるのか

 

「頑張ってね、近くで見ているわ」

 

ジュディスさんは更衣室で待機らしい

 

とりあえず、表舞台に出ると目の前には大勢の女子生徒達

 

何が始まるんだ?

 

「さて、あなたたちの目的は王子様のメダルを手に入れることです、しかし王子様は争い事がとても嫌いです。何かと交換してメダルを手に入れましょう」

 

「そして王子様にとって、3つのメダルはとても大事な物。このアリーナのどこかに隠れている金庫のカギを2つ手に入れて、金庫にしまってしまいたいのです」

 

「制限時間内に金庫の中にメダルが入るか、全てのメダルが王子様の手から離れたらゲーム終了、メダルを持っている人には生徒会から商品を上げます。さあ、始めてください」

 

要するに今持っているメダルを死守すればいいのか

 

どうやって行動するかな?

 

「お、織斑君、メダルを頂戴」

 

「いいや、私によこしなさい!」

 

こ、怖! 何だか襲われているような感じがする

 

身の危険を感じた俺は逃げることにした

 

必死に逃げること約5分、簪が俺の所にやってきた

 

「一夏、これ……」

 

これって鍵じゃないか、さっき楯無さんが言っていた奴だよな?

 

「えっと……メダルと交換でいいかな?」

 

成程、一番いいものと交換をしてきたじゃないか

 

俺は簪にメダルを渡し、鍵を受け取った

 

さて、もう一つの鍵を探すことにしよう

 

適当に誰かに渡してもいいけど、それでは楯無さんもつまらないだろう

 

少しはこのゲームに参加しないと

 

そう思った瞬間、足を誰かに引っ張られ、セットの上から転げ落ちた

 

そのまま何処かに連れて行かれた

 

ここは更衣室か、そして目の前には一人の女性が立っていた。確か

 

「先ほどのお客様ですか、今度はどのようなご用件で?」

 

「はい、この機会に白式をいただこうかと思いまして」

 

……は?

 

「いいからとっととよこしやがれよ、このクソガキ!」

 

一発腹に来た蹴りを防いで、戦闘態勢に入る

 

目の前にいる敵を倒すために

 

 

 

 

 

 

 

執事の心得

 

「一夏さん、お辞儀の角度はもう少し深くですよ」

 

「ほら一夏、笑顔が固いぞ」

 

「一夏、カップの置き方」

 

学園祭で執事をやることになった一夏に対してローエンとガイ、ジュディスは指導をしている

 

ローエンとガイは執事を、ジュディスは一時的にウェイトレスをしたことがあるので教えることができる

 

「ほら、一夏君。紅茶をお願いね」

 

「一夏、頑張って……」

 

「はい、ただいま」

 

そして更識姉妹を相手に練習をしている

 

彼女たちの家もそれなりに大きな家だから使用人はいる

 

だからこそ気が付く視点もあるのではということで練習に参加している

 

「ん〜やっぱり虚ちゃんの紅茶には及ばないけどいいと思うわよ」

 

「……おいしい」

 

そんな一夏を見て、ローエンは楽しそうに笑っていた

 

「まさか執事の教育をするなんて……しかし楽しいですね」

 

「まあ確かに、でも俺も勉強になるな」

 

「それにしても一夏、ずいぶんと呑み込みが早いわね。素質がありそうね」

 

ジュディスの言葉に二人は納得していた

 

「言われてみれば……」

 

「このまま一夏さんの進路先が決まりそうですな」

 

本人の知らないところでそんな会話がされていた

 

 

 

 

 

執事のご褒美 その後

 

一夏にお菓子を食べさせた鈴と蘭の顔はまだまだ赤くなっている

 

「ねえ、何が楽しいの? 人にお菓子食べさせて」

 

「ははは、マオにはまだわからないかもな」

 

ガイの言葉に不機嫌になるマオ、子ども扱いされていると思っているのだろう

 

「ふふふ、いつか好きな人が出来たらわかるかもしれないわよ」

 

ジュディスの言葉に納得するマオ

 

そして二人を改めて一言

 

「う〜ん、あんなふうに呆けるならわからなくてもいいかも」

 

ガイとジュディスは二人の言葉に苦笑していた

 

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前回の投稿から約2か月

ようやく投稿ができました。遅れてしまい、大変申し訳ございません。

うまくまとめるのに時間がかなりかかってしまいました。

今後も頑張って作成していきます。

次回はなるべく早く投稿できるように頑張ります。

 

感想・指摘等あればよろしくお願いします。

説明
書かせていただきます。
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