「よし、出来た！」

模型研の部室の中、ようやく完成したそれを見て、僕…((蒼井　翔|あおい　かける))

は声を上げた。

机の上には今まさに完成したばかりのガンプラ、『((ＢＤ|ブルーディスティニー))１号機』が立っていた。

そこへ一人の女子生徒が駆け寄ってくる。

「・・・見せて。」

「あ、先輩。どうｚ」

スッ…

どうぞと言い切るまえに先輩、((烏丸　影子|からすま　えいこ))は手に取ってガンプラを観察している。

「・・・これ、色々仕込んでるね。・・・原作に無いのが沢山。」

「はい。だめ…ですか？」

「・・・創るのは自由。使えるんなら・・・いい。」

そう言ってガンプラを返してくれる。

と、先輩の携帯が着信を告げ、なにやら話している。

その間に僕は散らかった机の上を片付け、再びＢＤを立たせて眺める。

「・・・翔、行くぞ。」

「え？どこにですか？」

「・・・模型店。馬鹿が呼んでる。」

それだけ言うと先輩は手早く荷物をまとめて部室を出て行ってしまう。

僕も出来上がったガンプラを大事にしまって…

「待って下さいよ〜。」

先輩の後を追いかけた。