副長は銀狼の義弟
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この作品にはオリキャラ成分が含まれておりますのでご注意ください。

 

 

 

 

 

 

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#02

 

 

 

 

 

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右舷一番艦"品川"

貨物艦であるために他国から仕入れた外来品等を扱っている店が多く存在しており、市場街まである。

その店の一つに列が出来ている。

男の列だ。

一番前に並んでいるのは白と黒の長ラン型制服に身を包んだ少年だ。

「さて、今日はアレを買ってから掘り出し物でも探すかなぁ…」

そんなことを呟くが人々の喧騒に飲まれて誰にも聞こえていない。

「あれ、トーリ君?君もエロゲーを買いに来たのかい?」

少年に話しかけてきたのは…神主だった。

「ん?あ!なんだ、浅間の父ちゃんじゃねぇか!!こんなところで何やってんだよ?」

「僕もまだまだ若いからね!人妻巫女モノの新作が出るという情報を逃してはいないよ!!」

神主の言葉に並んでいた男達が反応する。

「え!?総長!?」

「なんだよ、やっぱりいたのか…」

「げ!?総長がいるとエロゲの値段が跳ね上がるんだよなぁ…」

等等…

尊敬されているのか敬遠されているのかわからない言葉が次々と出てくるが、皆が笑っていることには違いがなかった。

そうこうしているうちに開店時間になり、男衆が店の中に雪崩込む。

 

 

 

 

 

 

 

 

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品川にロアルが着くと、すれ違うように1人の忍者が浅草に向けて忍者走りで駆けていくところだった。

「アレって…点蔵の親父さんか?」

ロアルが後ろに振り返って見てみるが、既に忍者の姿はなかった。

「まあいいや」

既にロアルは目的の場所へと歩を進めていた。

目的の店は直ぐに見つかった。

牽引帯のすぐ近くに店を構えていたのもあるが、店を取り囲むような形で行列が出来ているからだ。

男の行列だ。

いや、正確に言えば男の群れだ。

「ナルゼが見たらネタにしそうな光景だな。」

ロアルはそう呟いて店へと足を向ける。

「ん?げっ!?副長!?!?」

「「な、何ィィィ!?」」

ひとりがロアルに気づき、悲鳴じみた声を上げる。

その声に反応してか、男の群れがモーゼの十戒のように割れてレジまでの道を作る。

「別に騒動を起こしてなければ、鎮圧したりはしないぞ?

 ……起こしてないよなぁ?」

「「もももももももちろん!!」」

ロアルのため息混じりの質問に男衆は冷や汗を流しながら答える。

彼らは口が裂けても言えない。

総長のノリにノッてしまって、女の子をこの店(エロゲショップ)に入れて恥ずかしがる顔を見ようとしていたなどと…

前回はそのせいでココとは別の店がロアルの手によって物理的に潰れてしまっているのである。

よって、エロゲ信者にとってはロアルは天敵とも言える存在になっている。

今回も誰かが番屋に通報したのではないかと内心ビクビクしている。

「お?なんだよ親友、お嬢様系のゲームは新規入荷はねえぞ?」

「んなことは知ってるよ。今回は学長の分だ。

 …ったく、なんで俺が人妻物を買わなきゃいけないんだよ」

「あれ?ロアル君じゃないか」

店内に入りレジにいる店主にメモを渡す。

それだけで店主が商品を用意してくれるが、これは店主に気に入られた人しか出来ない。

文句を言いつつ店内にいたトーリに愚痴っていると、横から話しかけてくる人物が来る。

「智パパじゃねえか。

 また、巫女物かよ、懲りねえな…智に見つからないようにしてくれよ?

 なんでか知らねえけど俺に愚痴ってくるんだよ」

ロアルのクラスメートにしてトーリの幼馴染である、浅間・智の父親である。

手には既に購入済みの[R-元服]のパッケージが見える。

「わかっているよ。

 じゃあ、僕はこれで帰るよ。仕事もあるしね。」

浅間父はそう言って店から出ていく。

「あの人浅間神社の最高責任者じゃなかったか?」

ロアルの疑問に答える人間はこの場にはいなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

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右舷二番艦"多摩"

表層部にある建物の屋根を艦首の方角へ走る教師の後ろから既に梅組の後続集団は動きを見せていた。

"浅間・智"という名札の黒髪巨乳の少女だ。

点蔵の声が掛かる前から、既にどうやって前にいる教師に攻撃を当てるかを思案していた。

方法が決まったのと、点蔵から声がかかるのは同時だった。

浅間は自身愛用の弓"片梅"を取り出す。

だが、ここで一つ問題がある。

浅間は走りながら弓を打てないということ。

正確には出来なくはないが、確実性に欠けるということ。

そんな中後方集団の中からネシンバラの声が届く。

「ペルソナ君、足場をお願い!」

その声に答えたのは、バケツヘルムに上半身裸の大男だった。

彼は既に左肩に梅組の良心と言われる少女を抱えながら、速度を上げて浅間に追いつく。

右腕を伸ばして浅間の足場になるようにする。

浅間も速度を緩めてペルソナ君の右肩に乗る。

「地脈接続」

浅間の左目の義眼が光る。

「どう見ても教師というよりリアルアマゾネス。

 ━━行きます!浅間神社経由で神奏術の術式を使用しますよ!!」

浅間は片梅に矢を番え、構える

そして、浅間の声に呼応するかのように制服の右襟が開き、彼女の((走狗|マウス))が出る。

『接続:浅間神社・走狗:サクヤ型01:━━確認』

『浅間神社に接続しました。修祓・奏上・神楽、走狗にて完遂』

『浅間・智 様、御利用有り難う御座います。加護の選択をどうぞ』

赤い鳥居型の((表示枠|サインフレーム))が3つ出た。

「浅間の神音借りを代演奉納で用います!

 ハナミ、━━射撃物の停滞と外逸と障害の三種祓いに照準添付の合計四術式を通神祈願で!」

ハナミというのは先程浅間の襟から出てきた走狗の名前だ。

ハナミは浅間の周りを眠そうな顔で周り、

『神音術式 四つ だから 代演 四つ いける?』

浅間にそう問いかける。

「代演として昼食と夕食に五穀を奉納!その後二時間の神楽舞いとハナミとお散歩+お話!

 OKだったら加護頂戴」

術式。

浅間の使うソレは極東メジャーの神道、神奏術。

簡単に言えば"流体"を制御するための術だ。

『うん 許可出たよ 拍手』

ハナミの拍手と同時に浅間の構えた矢は強い輝きを放つ。

「義眼"木葉"━━会いました!」

女教師をロックオンしたのを確認して、すぐさま射る。

「行って!!」

光線が離れたように浅間の弓から屋が放たれる。

放たれた矢は一直線に女教師へと飛んでいく。

女教師は跳躍している。

つまりは回避行動ができない。

跳躍中の女教師がとった行動は、矢を切り捨てるという動きだ。

術式のかかっていない矢ならそれでよかったのだろう。

女教師は長剣を首元に構え、鞘から僅かに刀身を覗かせる。

「無理です!回避性能も添付済みですから回り込みます!!」

浅間の言うとおりに女教師の斬り払いを矢が避けてそのまま女教師を追尾する。

女教師は次の手段として長剣を障壁のように盾にするが、それすら避けて女教師を矢が狙う。

教師を撃墜したから今日はちらし寿司ですね!!食後にはアイスよ!!

浅間のその妄想は打ち砕かれた。

命中した。

「…やったか!?」

みんなの声に反応したのは浅間だ。

「違います!!手応えが軽い!?そんなどうして!?━━食後のアイスが!!」

浅間の少し違う落ち込みにハナミがフォローしているが疑問が頭の中を駆け巡る。

その回答をしてくれるのは後ろから走ってくるネシンバラだ。

「髪だ」

ネシンバラの手には数本の女教師と同じ髪色の髪があった。

先程宙にあったソレを掴んだのだ。

「さっき刀身を覗かせた時に髪を切ってチャフがわりにしたんだ。」

ネシンバラの説明に浅間はなっとくした。

確かにそれなら髪を本人と判断して術は効果を失う。

「でも二年の時は髪を切らせることもできなかった。」

それはつまり、成長しているということ。

ネシンバラの後ろから速度を上げてきたネイトが槍投げの要領で先程拾ったアデーレの槍を女教師に向けて投げる。

だが、いとも簡単に避けられてしまい、槍は"品川"方面に飛んでいってしまう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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授業は実技に移行していた。

"品川"の艦首側にあるヤクザの事務所。

その前で梅組の良心以外が倒れ伏していた。

そして、女教師の背後には四本腕の魔神族だ。

既に倒れており、講義通りに魔神族を倒せというのが今回の実技だ。

「「あんな曲芸できるかぁ!!」」

生徒たちの叫び声が響くが、女教師は涼しい顔をしている。

事務所は警戒して扉を閉めて鍵までかけている。

それもそうだ。

魔神族というのは体内に流体炉に近いものを持っているばかりか、装甲も厚く軽量級武神とサシでやし会える存在だ。

それをものの数秒で倒す相手を警戒しない方こそおかしいのだ。

どうしようか。と、女教師が韓げていると生徒たちのさらに後ろから二人の人物が来る。

「あれ?おいおいおいおい、皆、何やってんだよ?」

「授業に決まってんだろ」

一人は極東式の長ラン型制服に袖を通した茶髪の少年。

もう一人は袖無しの長ラン型制服に袖を通し、その上から炎のように紅い着物を肩に羽織っている赤髪の少年。

二人の少年の名を見物していた住民が言う。

「トーリ"((不可能男|インポッシブル))葵……!"」

「ロアル"((炎狼|フラン・ルウ))"ミトツダイラ……!」

武蔵アリアダスト教導院の総長兼生徒会長と副長の二人だ。

トーリは軽食屋で買ったパンを頬張り脇には袋に入った何かを抱えている。

それに対してロアルは手ぶらで制服のポケットに手を突っ込んでいる。

うん。俺俺。ってなんだよ、皆。俺、葵・トーリはここに居るぜ?」

トーリは笑みの顔を崩さず、皆の前に行く。

ロアルは溜息をついてからネイトのすぐ隣に座り込む。

トーリの馬鹿発言を尻目にミトツダイラ姉弟は話し込む。

「書類が終わったから授業にきたって感じではなさそうですわね?」

「ああ。学長から買い出し頼まれてたからソレを済ませただけ。

 教導院に戻ったらまた雑務だよ。」

馬鹿の発言が真面目なものに変わった。

「あのさ、皆、ちょっと聞いてくれ。前々から言ってたと思うんだけどさ。

 俺、明日告ろうと思うんだ。」

「「え?」」

殆どがこの反応だった。

別の反応を示したのはロアルだった。

「という訳で、お前等。明日は馬鹿の失恋パーティーだ。

 盛大に虐めてやろうぜ!!」

ロアルの発言にまたもや、

「「え!?」」

という反応が帰ってくる。

「おいおい、親友。未来は誰にもわからないんだぜ!?もしかしたら成功するかもしれないだろ?」

「「発言が後ろ向きだよ!!」」

皆からのツッコミを愛想笑いで躱す。

そして、いち早く復帰したのはトーリの姉の喜美だ。

「フフフ愚弟。いきなり出てきて酷吏予告とは。エロゲの包み持ってる人間のセリフじゃないわね。

 告る相手が画面の向こうにいるなら、コンセントに((○○○|ピーーー))突っ込んで痺れ死ぬといいわ!素敵!」

喜美の狂人発言にロアルの隣にいるネイトが顔を赤くして驚く。

「おいおい、姉ちゃん。何一人でおいしい空気吸ってんだよ。これはエロゲ卒業のために買ってきたんだぜ?」

葵姉弟はもうダメだろうと誰もが思ったが誰も口に出さなかった。

優しさではない。今更だからだ。

「じゃあ、愚弟。相手の名前をこの賢姉にゲロしなさい。さあ!!」

なおも会話は続く。聞きたくないと思いつつも相手が気になるのか誰も会話を止めない。

「馬っ鹿!皆、知ってるだろ。━━ホライゾンだよ」

相手の名前に皆が絶句する。

「馬鹿ね。十年前にあの子は亡くなったじゃない。アンタの嫌いな"後悔通り"で。」

肩を落としてトーリにいう喜美は普段と違って寂しそうな声だった。

「わかってるよ。ただ、そのことからもう逃げねえ。」

トーリは皆を見て口を開く。

「告った後はきっと皆に迷惑かける。俺、何もできねえしな。それに、その後やろうとしてるのは世界に喧嘩売るようなことだしな。」

皆、誰ひとりとして何も言えなかった。

「明日で十年目なんだ。だから、明日告ってくる。この一年いろいろ見て考えてそれとは別で好きってわかったから…

 だから━━もう、逃げねえ」

トーリの言葉のあとに続いたのはロアルだった。

「やめとけ。傷口が増えるだけだぞ?

 ━━点蔵みたいに…」

「おいおい、親友。不吉なこと言うなよ!不安になってくるじゃねえか!!」

「なんで、自分にまで飛び火したんでござるか!?」

約二名が騒ぎ出すがロアルは無視を決め込む。

と、その時トーリの肩を叩く人物がいた。

トーリに旨を揉まれた女教師、オリオトライだ。

「先生!今の聞いてたかよ!?俺の恥ずかしい話!!」

トーリ以外の皆は自分に被害が来ないように距離を取る。

「ん?人間って怒りが頂点に達すると周りの音が聞こえなくなるんだ」

オリオトライの声には怒りの色が見え隠れしていた。

怒りが凄くて隠そうとしても隠れない。そんな感じの声だった。

トーリはもう一度オリオトライに説明する。

オリオトライの表情にも気づかずに…

「いいか?…今日が終わって明日になったら俺、告りに行くんだ。」

「よっしゃあ!!死亡フラグゲットおおおおおおおおおおおお!!」

オリオトライの回し蹴りがトーリに叩き込まれ、トーリはそのまま事務所の壁をブチ抜き、

事務所の奥にある倉庫にぶち当たり、人形の凹みを作る。

「あ〜あ。俺、し〜らね」

ロアルの発言に皆が首を傾げるがそれはすぐに分かることになった。

事務所から魔神族が出てきたからだ。

それも2体。

「ロアル。遅刻した罰よ。アンタがやりなさい。」

オリオトライの発言に皆が「え!?」という反応を見せるが、

「もう終わってるよ…」

ロアルがそう言うと倒れた魔神族が一つから三つに増えていた。

もうすぐ、三河…

この地から運命は始まる…

 

 

 

 

 

 

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後書

 

 

 

 

あー特に書く事はない。

そんなこともないんだけど…

誹謗中傷は勘弁です

説明
お久の更新だよ!!
まだ死んではいないよ?
車には惹かれたけどね、リアルで
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ネイトマジ天使(小鬼ユリ)
副長パネェ!?(アサシン)
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