俺は今、空中に立っている……

地面に叩きつけた響窃を見下ろしながら

気を溜めようとしていた

激戦に備えて………な……

　　　　　第八章‘対決’

　　　一節　?一刀VS響窃?

愛紗「す、凄い…………あの響窃を………」

蓮華「一刀………なんであんなに強いの………？」

左慈「そればっかりは俺達も分からねぇ………」

于吉「響窃と関係があるのでしょうか………？」

明命「っ!!一刀様が動き出しました!!」

一刀「はあぁぁっ!!」

俺は響窃に向かって突撃をした

響窃「くっ！おのれ!!」

一刀「もう一発、喰らえ!!」

ﾌｫﾝ!!

響窃「喰らうのは貴様のほうだ!!」

ﾌｫﾝ!!

ﾄﾞｶｯ!!

お互い右手で殴りかかったが、二人の拳同士がぶつかった

一刀「くうぅぅぅっ!!」

響窃「ぬうぅぅぅっ!!」

互いに一歩も引かないぶつかり合いは

ｺﾞｫﾝｯ!!

一刀「うわっ!!?」

響窃「ぬうっ!!?」

相打ちとなり、衝撃波を生み出した

それにより俺達は逆方向に吹き飛ばされた

一刀「っと!!」

響窃「くっ…………やるではないか………」

一刀「負けるわけにはいかないからな……」

響窃「ふっ…………だが、貴様はこの響窃に勝つことは出来ん……

その理由は圧倒的な戦力差だ………」

一刀「圧倒的戦力差？」

響窃「そう…………まず貴様は！」

ﾌﾞｫﾝ!!

響窃は掌に『死の剣』を出現させた

響窃「こういった得物が存在しない………」

一刀「凪や卑弥呼達はどうなるんだ？」

響窃「あ奴らには『素手』という得物があるからな………

そして第二に……………!!」

ﾋﾟｭﾝ!!

一刀「っ!!おっと………」

指先から突如放った『死の魔光』を俺は瞬時に躱す

響窃「敵を一撃で死に至らしめる気技がないこと………

『斬蹴』などという技だけで倒せるのか？」

一刀「正直辛いな………」

響窃「その二つが大きな要因だ……」

一刀「ふーん…………まぁ、納得はしたかな……」

響窃「反応が薄いな………そんなにこの響窃に勝てる自信があるのか………？」

一刀「自信があるとかないとか……

反応が濃いとか薄いとかそんなのどうでもいいんだ………

だけどな………」

響窃「む……………？」

一刀「勝てる勝てないじゃない………

勝つしかないんだ!!!」

思春「北郷……………」

春蘭「…………………」

響窃「…………ならば、『死』あるのみだ！」

ｺﾞｵｯｯ!!

一刀「っ!!」

響窃は『龍走』を行い、突撃をしてきた

響窃「はあっ!!」

ｶﾞﾂｯ!!

一刀「くっ!!」

響窃の右足の蹴りを何とか受け止めた

響窃「『天の御遣い』一人だけで倒される響窃ではないわ！」

ﾌｫﾝ!!

ﾌｫﾝ!!

ﾌｫﾝ!!

『死の剣』の斬撃…………っ！

一刀「っ！………おっと！………」

ｻﾞｼｭ!!

三度目の斬撃が左肩に当たってしまった！

一刀「うっ…………！」

焔耶「お館!!?」

響窃「その首………今、はねてやろう！」

一刀「っ!?」

ﾌｫﾝ!!

一刀「…………本当に斬れるところだった……」

響窃「っ!!この…………！」

ギリギリのところで躱すことが出来たけど、あと数秒遅れてたら………

首と胴がおさらばしてたな…………

華琳や思春の脅迫が現実になるところだった…………危ない危ない……

華琳「…………何か不快な気分になったわ……」

思春「奇遇ですね……華琳殿…

私も今そう感じたところです………」

…………背中に殺気を感じたが、それは置いといて……

一刀「そう簡単にはねられてたまるかよ！」

俺は素早く構え、

響窃「なっ………しまった！」

一刀「お返しだ！『斬蹴』!!」

がら空きの響窃の懐にフルパワーで『斬蹴』を放った

ﾌｫﾝ!!

ｻﾞｼｭ!!

響窃「ぬうっ!!?」

秋蘭「諸に喰らったぞ！」

響窃「ちっ………」

響窃は体制を立て直した

響窃の胸辺りから腹まで血で真っ赤に染まっていた

一刀「俺は今まで皆に助けられてきた………

皆の背中を見てきた………

皆に護られてきた……」

風「お兄さん…………」

一刀「だから…………今度は……

俺が皆を護る番だ!!!」

翠「ご主人様…………」

響窃「ふっ……………仲間など……いて邪魔なだけだ……！

死の絶対的力の前では、全ての者達が恐れ、嘆き、震え上がる！」

ｷﾞｭｫｫ！

一刀「っ!?」

っ!!響窃が気を溜めた瞬間、鳥肌になっちまったな………

何だ………この寒気は………

響窃「その身体に………その心に………刻み込んでやろう！

恐ろしき………暗黒の『死』を………!!」

　　　　　　　　　　　……終……