ゼロの使い魔〜魔法世界をかける疾風〜 第三十話
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「わたくしの娘と我がヴァリエール家の跡取りを、死んでしまって当然の紛争地帯に送り込む?…姫殿下、少々お戯れが過ぎるのではないですか?」

 

 

跡取りって俺がヴァリエールを継ぐのは既に確定事項なんですか義母上

…冗談はこのくらいにして、今のカリーヌはブチギレている

抑えきれない魔力がそこら中の家具を傷つけている

アンリエッタ姫はその圧力に耐え切れず、既に涙目だ

 

「…し、しかし『烈風』どの。肝心のルイズはわたくしの依頼を受けてくれているのですよ?母親とはいえ、干渉のし過ぎは問題ではないのですか?」

 

涙目になりながらも、反論するアンリエッタ

 

「自分の娘と義息子が死地に赴こうとしているのに、止めない母親がどこにいますか!!」

 

とカリーヌが一喝する

 

「…しかしカリーヌよ。物は考えようではないか?」

 

そこへ公爵が口を挟む

カリーヌはその公爵をキッと睨みつけるが、公爵は臆さず話を続ける

 

「実際問題、その恋文が革命軍…レコン・キスタの手に渡れば、折角のゲルマニアとの盟約が破棄されることは確実だ。ならば実力と身元において信頼できる、婿殿に恋文の回収を頼むのも間違いではなかろう」

 

公爵が自分の考えを皆に話す

アンリエッタはそういう事が言いたかったとばかりに胸を張る

 

「それにそのついでといっては何だが、婿殿がアルビオン王家の者をこちらに亡命させてもいいだろうし、レコン・キスタの頭領を討ち取ってもいいだろう。アルビオン王家に恩も売れるし、あちらは不満が残るだろうが生きていれば国は再生できる」

 

王家を亡命、の部分でアンリエッタが顔をほころばせる

 

「…………………確かにトリステインの利害を考えたら、あなたの案の方が有益なのは確かよ。…でも理解できても納得は出来ないわ」

 

頭で理解は出来ても、感情が納得できないカリーヌ

彼女の肩をを両手で抑えて公爵は彼女を説得する

 

「なあ、落ち着いて考えてくれカリーヌよ。ここで婿殿が功績を挙げれば、貴族位の申請も通りやすくなる。それはお前も望んでいることだろう?」

 

しばしカリーヌは落ち着いて考えを巡らす

 

…確かに自分がハヤテ殿の叙勲申請をすれば、臆病な宮廷の官吏達はすぐさま申請を通すだろう

だがそんな強引な手口では、少なからず良くは思わない人間達も出てくる

自分で言うのもなんだが、ヴァリエール家は大貴族

いきなりぽっと出の…しかも召喚された使い魔が婿入りして公爵家を継ぐとなれば尚更だ

 

 

 

 

しかし、他国の問題を解決したとなったら?

他国の王族を救って、恩を売ったとなれば?

―彼への貴族位の叙勲に反対する人間は限りなく少なくなる

 

「…わかりました。依頼をお受けいたします、姫殿下」

「ほ、本当ですk「ただし」…?」

 

光るような笑顔を見せるアンリエッタの言をカリーヌが遮る

それを訝しむ様な表情でアンリエッタは疑問符を浮かべる

 

 

 

 

 

 

「やるなら徹底的に、です。国を挙げてアルビオン王家を援護しなければ、うちの跡取りをお貸しはしません」

 

 

 

 

 

目を光らせたカリーヌの言葉に、その場にいる全員の背筋が凍る

 

「それはつまり…どういうことでしょうか?」

 

アンリエッタはカリーヌの言う事がいまいち分からず、彼女に尋ねる

 

「国軍をアルビオンに派遣してアルビオン王家を援護し、王軍と共闘してレコン・キスタを倒すのですよ。姫殿下」

「そ、そんな事…マザリーニが許す訳ありませんわ!そもそも今のトリステインは財政難なのです、戦費の負担は誰がするというのですか!?」

 

財政難を理由に国軍の派遣を断るアンリエッタ

しかしその言を待っていたと言わんばかりに、カリーヌは口の端を吊り上げ獰猛な笑みを浮かべる

 

「戦費の負担ならば、一割…いえ二割までなら我がヴァリエール家が負担します。残り八割なら他の貴族からも徴収すればどうにかなりますでしょう?」

 

 

 

 

 

「…それにわたくしも戦場に出ます。『烈風』が出るとなれば、兵達の士気も高まるでしょう」

 

 

 

 

 

公爵はその言葉に目を剥く

戦費の話も聞き捨てならなかったが、自身の妻が戦場に出ると言えば色めき立つのも当然だ

 

「待てカリーヌよ。何故お前も戦場に立つ必要がある!」

「言ったとおりの理由です。それに…もう最近は婿殿との模擬戦しかしていないので、ストレスが溜まっているのですよ」

 

ストレスで戦場に出ることを決めるとは、少し戦闘狂の気があるのかもしれない

それはともかく、妻が行くのなら、と公爵もまた戦場に赴く事を決意していた

 

「…ならば私も行く!妻が戦うと言うのに、男が屋敷で帰りを待っている訳にはいかん!…久々に私たちの連携をレコン・キスタの奴らに見せてやろうではないか、カリーヌよ」

 

当たり前ですわ。とカリーヌが返事をする

 

 

 

部屋にいるその他の者は置いてけぼりだ

しばしその部屋には、ヴァリエールの最強夫妻の高笑いしか響かなかった…

 

 

 

 

 

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第三十話です

今回はヴァリエール夫妻…と言うかカリーヌさんの独壇場でしたね

ハヤテなんか主人公なのに今回一言も喋ってないんですよ?←

ヒロインのはずの5人娘も描写すらありませんでしたし←

 

まあ、それはともかく次々回辺りにはアルビオンへ出発したいですね

下手したら年跨ぐかもしれないですけど、そこはまあ…頑張ります

 

 

では次回の更新をお待ちください

説明
第三十話です。お楽しみいただければ幸いです
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コメント
〉天衣無縫の歌武鬼者 鬼龍院獣侍郎さん 今の所はほかのサイトに投稿することは考えてませんが、ハーメルンも便利そうなサイトなので気になってます(ディアーリーズ)
ハーメルには出陣しないのですか?(天意無法の歌武鬼者 鬼龍院獣侍郎)
〉ミッキーさん 出ないですねー…。この世界に来たのは、あくまでもハヤテとクラマだけなので。能力だけならネギまの方に出そうと思ってますよ(ディアーリーズ)
そういえば、思っていたのですが、他の一尾から八尾の尾獣達は出ないのですか?(ミッキー)
〉ulyssesさん 実は今回かなり苦労しました。何故ならカリーヌさんがキレるビジョンしか浮かばなかったので…。何とか戦闘好きの部分を出して、こんな形になりました(ディアーリーズ)
事前にオヤバッカーズが知ったら、こんな展開になるのも頷けるわーw(ulysses)
〉Unknownさん それをあなたが言いますかw …まあ、このハヤテ大分チートなのでいつか苦労させようとは思ってますがw(ディアーリーズ)
この一級フラグ建築士爆散しないかな?いや、爆散させよう!(Unknown)
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