華琳達に『極死の宝玉』が放たれかけていた……

俺は無我夢中にそれを阻止するために行動に移しただけだったんだ

それなのに…………

何で俺の右手に『死の剣』が握られていたんだ………？

　　　七節　?魔人のミス?

一刀「こ、これは…………」

響窃「そ、それは『死の剣』!?何故貴様がそれを!?」

俺の右手には紫色に禍々しく光る『死の剣』が握られていた

右手には全く違和感がなく、手が焼けることもなく普通に刀を持っているようだった

響窃「貴様は『死の剣』や『死の極み』といった補助系の技は模倣出来ないのではなかったのか!?」

一刀「そのはずだけど………ふむ……」

一刀「(もしかして………)」

俺の頭の中ではある仮説が浮かび上がっていた

と、その時

左慈「(おい、北郷)」

一刀「っ!?」

頭の中に左慈の声が流れてきた

左慈「(聞こえてると思うが、何故聞こえるかは省くぞ)」

一刀「(う〜ん…………まぁ、いいけど………

で、何だ？)」

左慈「(恐らく俺とお前の考えた仮説の内容は同じのはずだ)」

一刀「(っ!!じゃあ………やっぱり……〃〃〃〃で……〃〃〃〃〃だからか………？)」

左慈「(あぁ、恐らくな………

まぁ、とりあえずお前の口から説明しろ………)」

一刀「あぁ…………ん？はぁっ!?

お、俺がか!?何で左慈、お前がしないんだよ!?」

左慈「(俺が言ったら信憑性に欠けるだろ？

なにより、お前の身体の事だ

俺は関係無いしな………)」

一刀「(…………それが一番の要因だろ……？)」

左慈「(…………うるせぇ！いいから早く説明しろ!!)」

一刀「(っ!!分かった分かった!!)」

そこで左慈の声が途絶えた

一刀「……………さて、響窃」

響窃「っ!!何だ、北郷…………」

一刀「お前は決定的な失敗を犯した…………」

響窃「何だと…………!?」

響窃は驚きを隠せず、黙ってしまった

思春「決定的な失敗………？」

雛里「どういう意味ですか？ご主人様…………」

一刀「それはな…………………」

一刀「………響窃、お前は俺の身体を使い過ぎたんだよ……」

響窃「使い過ぎた………だと………!?」

一刀「あぁ………」

俺は横目で左慈を見てみると

左慈「…………………」

口元がニヤリと笑っていた

響窃「私が…………貴様の身体を使い過ぎた為？」

一刀「そうだ」

まだ左慈以外の全員が分かっていないようだったが

ここで

冥琳「……………っ!そうか……そういう事か……」

冥琳が声を上げた

雪蓮「なになに？冥琳分かったの？」

冥琳「あぁ、恐らくだがな………」

雪蓮「ねぇねぇ、教えてよ?」

冥琳「…………言っていいのか？北郷」

一刀「別にいいよ、冥琳なら分かってると思うし」

冥琳「分かった、なら言わせてもらおう」

雪蓮「で？どういう事？」

冥琳「つまりな………」

冥琳「響窃は北郷の身体に『存在能力』を流し込み過ぎたんだ」

霞「『存在能力』をか？」

一刀「冥琳、正解！」

冥琳「ふっ…………何だか照れるな」

冥琳は僅かに頬を朱くさせた

雪蓮「むーーっ!!どういう事よ!?」

雪蓮は何故か頬を膨らませて怒りだした

一刀「『存在能力』は字のとおり、『自分の存在の能力』のこと

ようは響窃は自分に存在する力を俺の身体に流し込み過ぎてしまったんだよ」

冥琳「それにより戦闘前半は『死の魔光』や『死の閃光』、『空走』などを扱うことが出来たんだ」

淡々と俺と冥琳は話していく

一刀「だけどただ流し込んだ『存在能力だけでは『死の極み』や『死の剣』といった補助系の能力は扱うことはできなかった………

しかし……」

冥琳「于吉が北郷にした二つの事、これが北郷に流し込まれた『存在能力』が覚醒したのだろう………

そして今に至るわけだ」

響窃「っ!!な、なら…………」

一刀「そうさ、響窃…………」

俺はニヤリと笑い、響窃を見た

一刀「ようはお前は自分と戦っているようなものなんだよ……

響窃……今、お前の前にいる俺は………」

一刀「魔人と一緒なんだよ!!!」

　　　　　　　　　　　……終……