GF 〜The Galaxy Century〜 序章 〜始まりにして終わり〜
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ドカァーーーン!!

 

???「くっ!!」

 

爆発と共に後退した俺は、”黒き異形”の方を視線を向く。

 

???「グルウウウウウウウウウ。」

 

その異形は、俺に視線を向けたまま動こうとしない。 おそらく、観察しているだろう。

 

・・・・・・ほんとは動向を探っているといえばいいはずだが、異形の方は”まるで好奇心で理解をしようとしているかのように”じっとみている・・・・・・。

 

実際、その異形は”それを解明するために喰らい、その特性や力全部取り込むんだから”このうえ厄介こと極まりない・・・・・・。

 

さらに取り込んだものを同じ異形の仲間に分け与えたり、巣にへと持ち帰ることで拡散したりなどで耐性やら量産して無限の軍勢を生み出しやがるもんだからよけいに厄介ともいえる・・・・・・。

 

そんな最悪の特性をもった”大いなる脅威(アークエネミー)”ことバディレスは、その力を得るために俺を喰らうために理解しようとしている。

 

あいつみたいに完全に把握さらたらとにかくヤバイので・・・・・・。

 

???「来い!! 『ヴェルセルク』!!」

 

と、俺を中心に魔方陣を展開し、そしてその魔方陣から刀身に刻印を刻んだ一本の剣ことヴェルセルクが俺の前にへと出現した。

 

???「いくぞっ!!」

 

そのヴェルセルクを片手に取り、真っ直ぐにバディレスに向かって勢いよく振り下ろした。

 

・・・・・・なんでそうなったのは、今から約”7億年前”に振り返る。

 

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運命は唐突に始まるといってもそれは大抵都市伝説みたいなもので、そのほとんどは漫画やら小説などのご都合的なシステムの一環としてよく使われる程である。

 

だが、現実ではそんなものは都合よく起こるわけでもなく、ましてやそれがある世界に対して強い羨望を持ったものがそれを求めすぎた結果、どうなったかというと・・・・・・。

 

???「おい、直!! すぐにアニメイトに行こうぜ!! 早くしねえと限定版が売り切れてしまう!!」

 

と、このように中二病的なオタク野郎がその成れの果てになったというわけである。

 

成れの果て?「なんか、すんげえ失礼なことを言わなかったか?  いま。」

 

そして、鋭い。 本人曰く、心眼というらしい・・・。 ただの中二病スキルだが・・・。

 

ちなみに、場所は高校ですでに放課後という時間帯である。

 

直「別に。」

 

俺は何事もなかったのようにしらを切るものの・・・。

 

???「そんなことより早くしないと、新刊が売り切れてしまうじゃないですか!!」

 

成れの果てその2が、俺を急かしてきやがる。

 

成れの果てその2?「なんかすんごい失礼なこといったよね!! いま!!」

 

あと・・・、面倒くさいから以下同文でスルーしておく。

 

成れの果てその2?「以下同文扱いで、スルーされちゃったよ私!!」

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

 

直「お前。 なんか俺に細工でもしてんのか?」

 

成れの果てその2?「え、普通じゃないですか。 いわゆる・・・。」

 

直「いや、それはいいから。」

 

成れの果てその2?「ひどいです!! その言い方!!」

 

・・・いいかげん。 このノリのままでいったらきりがないのでひとまず紹介しておく。

 

俺の名は、((五十嵐 直|いがらし なお))。 まあ、単純にいえばこの物語の主人公だ・・・。 特徴といえば、だいたい金髪の少年というイメージで適わない。

 

んで、さっきからやかましく騒いでいるのが、((遠月 春|とおづき はる))。

 

一応、ヒロインで赤髪のツインテールが特徴であるんだが・・・。

 

春「一応とはなんですか!! 一応とは!!」

 

と、このとおり何故か直接言った覚えはないのに人の心を読んでくる奴だ・・・。

 

春「それ失礼じゃないですか!! だいたい・・・・・・、」

 

このままかまっていたらうるさいだけなので、話をすすめておく。

 

んで、さっきからずっと黙っている白髪野郎が、((白崎 逢魔|しろざき おうま))。

 

唯一、俺の悪友なんだが、とてつもなく廃人レベルのオタク野郎だ。

 

逢魔「なんで、俺だけ扱いがひどいんだ?」

 

そして、春と同様。 人の心を読んでくる奴でいわば同類でもある。

 

直「というか、おまえらだけでいけよ。 それくらいできるだろ。」

 

ここで、切り上げておかないといろいろとやかましくなるから先手をきっておく。

 

春「なにをいいますか!! 私達は一蓮托生にして、三位一体ではないですか!!」

 

直「いつからそうなった。 それ・・・。」

 

お前らといつ一つに融合したっつうの・・・・・・。

 

逢魔「生まれてからずっとに決まっているだろ!!」

 

直「それ、あきらかに違うだろ。 あとそうなったのは、小さい頃からだろうに。」

 

言い忘れていたが、普通は家がすぐ隣だとか正面とかいろいろあるものだが、俺の・・・。 いや、俺達の場合は、”三人一緒に暮らしているのだ。”

 

正確にいえば、アパートとかそういうものではなく、ごく普通の家で暮らしているというと・・・。

 

まあ、噛み砕いて言うのならば、シェアハウスに近い状況で住んでいることである。

 

勿論、私室は別々になっているからそこは安心するように・・・。

 

それはさておき、そうなった理由は俺が小さい頃に両親と一緒に博物館にいったのだが、突然の崩落事故で両親は俺を庇って意識不明の重傷を負い、すぐに救助され病院にへと搬送されたが、数時間で息を引き取った。

 

俺は軽傷ですんだが、その後親族もいないことから孤児院に引き取られたこの時に、春と逢魔に出会った。

 

ここまではいいのだが、なぜ三人一緒に住んでいるのかというと、理由は単純。

 

中学の頃、遊び半分でやっていた”宝くじで偶然大当たり”したからだ。

 

その時はバイトをしていたのだが、逢魔が急に。

 

逢魔「宝くじをやろうぜ!!」

 

それがきっかけで宝くじを買った。 どうせ当たりもしないとそう思っていたが・・・・・・。

 

当日、その宝くじが大当たりして孤児院のみんなは勿論パニックになった。

 

まあ、だれも想像していなかったからな・・・。 ちなみに6億なのだがそれはともかく。

 

こうして、孤児院のみんなにちょいと寄付をしてから残りの金を持って出て行き。

 

三人で家を購入して、いまという状況になったのだが・・・。

 

逢魔「その時は、まさか連続大当たりするとは思わなかったからな。」

 

直「確かに・・・。 天運は一度きりだと思っていたが。」

 

春「ありあまる大金が出すぎたせいで、宝くじの業者さん泣いていましたよ。 もう勘弁してくれと。」

 

直「そういえばそうだなあ、そのせいかクラスメイトや知人が奢って貰おうと魂胆丸見えで寄ってきた奴もいたが・・・。」

 

逢魔「その時は、全部寄付したといえば。 なんだもったいねえなとか自分の好機を手放しやがってとかいいながら俺らから離れていったんだよな。」

 

春「とはいっても、まだたんまりとあるんですけどね・・・。」

 

・・・・・・一応誤解のないようにいっておくが、ちゃんと被災者などの募金をしている。

 

傍から見ると、守銭奴みたいな印象を受けるような気がするから。

 

直「んなことより、さっさといったほうがいいんじゃないか? 急いでいるんだろ。」

 

二人「「直と一緒じゃなきゃ駄目!!!!」」

 

直「ガキかお前らは・・・。」

 

結局しぶしぶとオタクコンビと一緒に買い物に付き合わされるはめになった・・・・・・。

 

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逢魔「いやあ、なんとか限定版を買えてよかったよ。 おかけで今夜はじっくりとみれるわ・・・。」

 

春「ほんとほんと。 この新刊であんなことやこんなことも・・・・・・。」

 

その後、すぐに学校から全力疾走で目的地に着き、なんとか目当てのものを買えて非常に満足げな表情をみせる二人。

 

ちなみにいろいろ寄り道くったせいか、いまはもう5時くらいの時間帯になっている。

 

直「それはいいが、あんまり夜更かしするなよ二人とも。」

 

二人「は〜〜〜〜い。」

 

まったく、俺はお前らの世話女房か・・・。

 

(ま、いつものことでこれからも続くだろうな。 ・・・・・・きっと。)

 

そう思いながら帰り道を歩いていたところ・・・・・・。

 

直「ん?」

 

俺はあることに気づきそこで立ち止まる。

 

逢魔「どうした?」

 

春「なにかあったんですか?」

 

逢魔や春は、俺が立ち止まっているのみて歩くのやめた。

 

直「なあ、お前ら。 空ってあんなに光ってたっけ?」

 

俺はその異変が起こっているだろうと空へと指をさした。 まだ、”明るいにも関わらず点々と赤く光っているのだ。” その異変に逢魔は・・・・・・。

 

逢魔「確かに。 光っているなあ。 ・・・・・・もしかして流れ星?」

 

と、間の抜けた言葉を発し・・・・・・。

 

春「あ、じゃあ縁起がいいんですよね。 ええっと今年はいいことがいっぱい起こりますように。 それも無尽蔵でたくさん!」

 

逢魔「それかなり欲張ってねえか?」

 

と、それにボケる春に対してツッコミをいれる逢魔。 いや俺が言いたいのは・・・・・・。

 

直「そうじゃなくて!! なんでこんなに流れ星がたくさんでているかってことだ!! 」

 

しかも、かなりの重量質のある隕石が”まるで意思を持っているかのように”こちらに突っ込んでくる!!

 

逢魔「おい、なんかやばくねえかあれ。」

 

春「そんなことを言っている場合じゃないです!! はやく逃げないと!!」

 

俺達はすぐに隕石の着陸地点から逃れようとするが・・・。

 

直「なに!?」

 

その隕石は突然急停止したと思った直後。 隕石から”謎の色をしたガスみたいなもの”が地表に降り注ぎ・・・・・・。

 

逢魔「やばい!! 振り切れねえ!!」

 

その言葉と同時に俺達はそのガスみたいなものに飲み込まれてしまい、そのまま意識を失った。

 

そして、これから起こるであろうということすらも気づかずに・・・・・・・・・・・・・・・。

 

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直「ん・・・・・・。」

 

しばらくして俺は目を覚まし、まず最初の光景を目にしたのは廃墟みたいな雰囲気だった。

 

直「なんだ・・・・・・これ?」

 

勿論、それに驚いたものの目を覚めたばかりでうまく状況をつかめない。

 

直「先に・・・・・・身体の回復を専念しておくか・・・・・・・・・。」

 

そうじゃなきゃ、まともな状況把握はできないからな・・・・・・。

 

・・・・・・・・・・・・。

 

10分くらいたったのだろうか。 だいぶ身体を動かせるくらいにはなっただろう。

 

直「・・・・・・よし。 さっそく周囲の状況の確認をしておきたいが・・・・・・。 その前にあいつらはどこにいるんだ? まさか死んでないといいんだけど・・・・・・。」

 

とはいっても、今の状況を見る限り最悪どこかに吹き飛んである意味のバラバラに・・・・・・。

 

・・・・・・・・・・・さすがにそれはないかも知れないな。 ・・・・・・多分。

 

そう思いながら周囲を見渡すと、すぐに時間はかからず目的のものを見つけた。

 

二人とも気を失っているのを見て少しばかり安堵をした。

 

直「ま、俺も無事だったんだから二人とも無事だよな。」

 

俺はすぐに二人のところに駆け寄り起こそうとしたが・・・・・・。

 

春「ん〜〜。 もう食べられない〜〜〜。 もっと〜〜〜。」

 

逢魔「おおっ!! ついに俺の嫁が現実に光臨したーーーーーーーー!!」

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・なんじゃこれ?

 

いま一瞬でも二人を心配した俺が馬鹿みてえじゃないか・・・・・・・・・。

 

ちなみに、こいつらは寝言をいっているのであって決して起きているというわけではない。 このいかにもシリアス的な状況をぶち壊しやがって・・・・・・。

 

・・・・・・・よし。 なんかむかついたからしばいておこう。

 

少し荒いが、そこはしばらくお待ちください・・・・・・。

 

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春「痛いじゃないですか〜〜〜!! 人が最高峰にいいところをみていたのに〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!」

 

逢魔「そうだ、そうだ!! いま最高に昇天しようと思ったのに〜〜〜〜〜〜〜!!」

 

しばらく、少々荒行事をしたためか、二人ともところどころに手の跡が見られる。

 

まあ、全部俺がやったんだけどね。 特に逢魔の方は思いっきりぶん殴ったけどな・・・。 それのせいで物凄いことになっているが気のせいということに・・・。

 

結果として、二人からのブーイングがきたという状況になっているというわけだが・・・・・・。

 

直「うるさいぞ、シリアスブレイカーども。 あと最後のセリフ、お前死ぬつもりかよ・・・。」

 

シリアスブレイカーども「「それでこそ!! 私達のツッコミ役!!」」

 

直「誰がツッコミ役やねん・・・・・・。」

 

イェーイ!と、互いに手を合わして鳴らす春と逢魔。

 

まったく、・・・・・・・・・・・・なんでこうなるねん。

 

逢魔「それにしても。 どうなっているんだこれ?」

 

春「そうですよ。 まるでいかにも廃墟って感じじゃないですか。」

 

まさにいかにも状況をつかめていない二人。 こいつら映画かドラマのセットの中にいると勘違いしてやがる。 いい加減いわないとわからないだろうなあ。 ほんと。

 

直「まるででもいかにもってわけじゃなく、ほんとにそうなっているんだが・・・・・・。」

 

そう教えると・・・。

 

沈黙する二人「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

 

二人は周囲を見渡したあと。

 

納得する二人「あ、そうなんだ・・・・・・。」

 

あっさりと受け入れやがった。

 

直「リアクション薄いなぁ。 おい・・・。」

 

二人の対応に俺は頭が痛くなってきた・・・・・・・・・・・・。

 

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それから、春や逢魔と一緒に状況を把握するためにいろんなところに行動した。 

 

・・・・・・やっとだけどね。 ほんとに・・・・・・。

 

そうして幾つかわかったことだが、まず最初に俺達が最初に目を覚ましたときには誰もいなかった。 どこかに避難でもしているのかと思ったが、そうでもなく曲がり角を曲がってすぐに倒れている人がいた。 俺達はすぐに起こそうとしたが、どんなにやっても反応はなくすでに息を引き取っていた。 勿論その人だけじゃなく見上げれば大勢の人がたくさん倒れていた。 どうやらたまたま人気がないところで気を失っていたらしい。 俺達と同じように無事ってわけではないんだなと実感したが、俺達を含め全員が”どれも無傷で倒れていた”のが奇妙であったが、すぐに後にした。

 

次に場所だが、最初の印象はとにかく廃墟でところどころに建物が壊れており、なかでも印象に残ったのはあの時の隕石があちこちに鎮座していた。そういえば、あの隕石からでたあの奇妙なガスはいつの間にか消えていたが、なんのためにしたんだろとそう思いながら状況把握に専念した。

 

そして、どうやら俺達だけが難を逃れた模様だったのが、最後の情報だった。

 

”2652年6月23日”

 

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逢魔「・・・にしても。 まめだなあ、おい。」

 

ちょうど、状況把握したのをまとめあげてメモ帳に記載したところに逢魔が声をかけてきたので、ひとまず書き終えてから対応をした。

 

直「なにが?」

 

逢魔「お前のその閻魔帳みたいなやつ。 また書き込んだのか?」

 

直「まあ、趣味だからな。 それにこうやって書き込んでいくと割りと覚えやすいぞ?」

 

逢魔「・・・・・・もしかして。 俺の恥ずかしいとこも記載しているの?」

 

直「ああ。 なんなら見るか? ほら。」

 

これまでに書き込んだあるメモ帳をみせると・・・・・・。

 

逢魔「いやあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ。」

 

俺の黒歴史を見せんじゃねえーーーー!!と、のたうちまわりながら苦悶をしている逢魔。 俺、そんな当たり前なことをしただけなんだけどね?

 

逢魔「どこが当たり前なことなんだよ!! 思いっきし誰がどうみても黒歴史帳じゃねえか!! それも人の恥ずいことばかり!!」

 

おお。 すぐにレスポンスしやがった。 まあタフだしなあ。

 

直「ん? ああ。 お前に見せたのは人の記録日記だからね。 さっき俺が書き込んでいたのは日常記録のメモ帳だからなあ。」

 

逢魔「いやいやいやいや。 だとしても何のためにしてんねんそれ!!」

 

直「何のためにって、そりゃ孤児院で院長がしているのを見てまねをしただけだが?」

 

変な奴だなあ。 そんなに不思議か?

 

逢魔「・・・・・・・・・まさかとは思うが。 引越しの時にみたあのやたら馬鹿でかい量のあれって・・・・・・。」

 

直「ああ、あれ? 全部俺が記録した日記だが?」

 

逢魔「ノオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!」

 

逢魔がこれまでにない悶絶をしまくっているが、まあ以下同文にしとこ。

 

それよりもさっきから春はどこにいるんだ? まさか迷子になってなきゃいいけど。

 

春「私はそこまで馬鹿じゃないですよ!!」

 

・・・・・・案の定すぐに反応した。 まああれだけ元気なら心配いらねえな。 ・・・ん?

 

春「だいたい、いつもいつも私を子ども扱いにしてませんか!! そんなだから・・・ってどこいくんですか!!」

 

直「お前らすぐに来い!! いまさっき生存者らしきものがいた!!」

 

逢魔「まじで!! さっきまでいなかったのに。」

 

春「そんなことより、はやく行きましょう!! もしかしたら避難している場所がわかるかもしれない!!」

 

直「ああ!! そうだな!!」

 

俺達は、さっき生存者らしきものが通ったと思われるその道にいったのだった。

 

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逢魔「それで? その生存者はどんな格好だったんだ?」

 

俺達が生存者を追いかけている最中に、逢魔が生存者のことについて俺に尋ねてきた。 ・・・・・・ああ、確かに言ってないなあそれ。

 

直「ええっと、確か・・・。 ”10代くらいの少女で白いワンピース”を着ていた。」

 

逢魔「えっ? それってもしかして・・・・・・。」

 

春「ロリコンだったんですか!! 正直ドン引きです・・・・・・。」

 

と、青ざめた表情で後すざる阿呆二人に・・・・・・。

 

直「違うわ!! なんで生存者の特徴を言っただけでロリコン扱いされなきゃならないんだ!! っていうかどっからそういう発想がでてくるんだお前らは!!」

 

・・・ったく。 アニメの見すぎだろ。 そんなことよりも!!

 

直「どこいったんだ? ああもう!! お前らが変なことをいうから見失ったんじゃねえか!!」

 

逢魔「え? だってお前がロリコン的な発言をいうから・・・・・・・・・・。」

 

直「理由にならんわ!! アホっ!!」

 

とりあえずむかついたので、殴っておく。

 

逢魔「いたっ!! 暴力反対〜〜!!」

 

直「・・・・・・お前なあ。 避難している場所がどこにいるか聞けたかもしれないのに・・・。」

 

これじゃどうしようもないなあと、そう思っていたとき。

 

春「あっ!! 白いワンピースの少女発見!!」

 

逢魔「なに!! ロリコンか!! 今度こそ逃がすな追うぞ!!」

 

・・・・・・おいおい。 これじゃ俺達がある意味の犯罪者みてえじゃねえか・・・・・・・・・。

 

直「っていうか。 俺を置いて行くなよ。」

 

二人が白いワンピースの少女を追いかけて曲がり角を曲がり、俺もそれに続いて曲

 

がったときに目の前に”とてつもない黒い大穴”が待ち受けていた。

 

逢魔「なんじゃこりゃああああああああああああああ!!」

 

春「きゃあああああああああああああああああ!!」

 

いうまでもなく、二人はその黒い大穴に落ちていくが・・・・・・。

 

直「って、そんなこと思っている場合じゃねえ!!」

 

というか、そもそもこんな大穴さっきまでなかったぞ。 そう思っていくうちに先ほどの白いワンピースの少女が”なぜか空を飛んで”いた。 いや、正確には浮いている。

 

それも”黒い大穴のある場所”で。 そして白いワンピースの少女は・・・・・・。

 

白いワンピースの少女「いってらっしゃい。 ”全ての始まりにして終わりとなる場所”に・・・・・・。」

 

謎の言葉を残しながら、俺達は目に見えないほどの深さに落ちていった・・・・・・。

 

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それから、どれほどの深い場所に落ちてきたんだろう・・・・・・。 一時間か? いやもっとかもしれない。 そう自問自答していると・・・・・・。

 

???「お目覚めですか?」

 

と、不意に女性らしき声にかけられた。 ってことは大穴の底に着いたのか?

 

直「んっ・・・・・・。 いま起きる。」

 

俺はその女性を春だと思っていたが、ゆっくりと起き上がるとそこに見たこともない女神のような女性がいた。

 

その女性は、青緑のロングストレートで黒っぽいドレスコートを着用している。ヴェールのようなものに乗ってふよふよと浮いているが、そんなことよりも。

 

直「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

 

俺はその姿に見とれて動けなかった。 だってこんなに綺麗な女性は見たこともなかったから・・・・・・。

 

???「ふふっ。 お褒めに預かり光栄です。」

 

その女性は笑顔で応えたが、俺の心を読まれたことも驚いた。 だって俺の心を読んだのは”春と逢魔”しかいなかったからだ。 ・・・・・・ということは。

 

直「もしかして俺の親戚? それとここ天国?」

 

そうだとするんのなら、俺はもしかしなくても死んじゃったということになる。 そして俺がいまいる奇妙な色をした空間はつまるところあの世ってことになる。

 

・・・・・・前者の方はなんとなくだけど。

 

???「ふふっ、安心してください。 少なくとも死んではいませんが、血縁の方ではありません。 それとここは”−−−−”というところですよ。」

 

なにやら物凄く重要な発言をしたっぽいが、肝心なところで”なぜか掻き消された”。

 

???「無理もありません。 だってあなたは”物語の始着点”にいますので。」

 

直「えっ? つまりスタートラインってこと?」

 

???「ええ。 そうなりますね。 だってあなたはこの物語の”フェイアブル”に選ばれたのですから。」

 

フェイアブル・・・? なんだそれ? 見たこともきいたこともない単語が次々とでてきて若干戸惑ってしまう。

 

直「それはどういうことなんだ? 教えてくれ。」

 

???「そのことを話すと少々長くなりますが、・・・どうやら時間切れのようですね。」

 

その女性の会話した直後、突然視界が揺らぎ・・・。

 

直「なっ・・・!!」

 

(これは動けねえ!! それどころが段々と眠りに落ちて・・・いく。)

 

思考が定まらないまま、どんどん進行していく。

 

(まだ・・・この人の・・・・・・名前を・・・・・・聞いても・・・・・・いないのに・・・・・・。)

 

それと春と逢魔の安否すらも聞けていない・・・・・・。

 

???「その人達なら、もう既に始着点ともなる世界に移行していますよ。」

 

そう・・・か・・・・・・。

 

じゃあ、あんたの名前はなんていうんだ・・・・・・?

 

???「うふふふ。 それはまたの今度ということになります。」

 

その女性が言い終えた直後に、俺は深い眠りに落ちていった・・・・・・・・・。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

・・・・・・・・・・・・・・・。

・・・・・・・・・・。

・・・・・。

 

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直「・・・・・・んっ。」

 

俺が次に目覚めたときには何故か見知らぬところにいた。 よく見ると羽毛というか布団をかけてあるみたいだ・・・・・・。 ・・・・・・・ん? 布団?

 

直「ってことは、誰かに救助されたと考えたほうが自然だな・・・。」

 

だって、周りを見渡せばホテルみたいなところにいるし、そうと考えれば他の二人も無事ってことにもなる。 

 

どうせあいつらのことだからどっかでピンピンしてるだろうて・・・。

 

直「それに・・・。 なにかあったけ・・・。 上手く思い出せねえな・・・。」

 

まあ、なんか女神みたいな女性と会話した夢を見たが、・・・・・・どちらにしても思い出せないからいいっか・・・・・・。

 

直「さて・・・。 ここにいても意味ないし、まずあいつらを探しにいくか・・・。」

 

そう思ってベットから降りようとしたときに、一瞬思考が停止した・・・。

 

なぜなら、そこに金髪の少女が俺がいるベットで寝ていたからだ・・・・・・。

 

(・・・・・・よくよく思えば。 そりゃ看病される立場であったんだなそういや・・・。)

 

だからそこで寝ているんだってことを俺は理解する。 そうでなきゃわざわざ人のベットで寝たりなんかしないもんな・・・・・・。

 

(となれば、これはどうするべきかなあこれ。 起こすべきか起こさぬべきか・・・・・・。)

 

そう思いながら考えていると・・・。

 

金髪の少女「ん〜〜〜。」

 

その金髪の少女はおぼろげながらも目が覚めていたが、寝起きのためか思考が定まっていないため目を擦って状況を認識しようとする。

 

金髪の少女「あ、おはよ〜うござい〜ます〜。」

 

そして、俺の方に向かって挨拶をした。 若干間延びした口調になっているのは寝起きのせいだろう。

 

直「ええっと・・・、おはようございます・・・。」

 

まあ、挨拶されたからとにかくしておかなくては、さもなきゃ無礼ですよとかよく院長に言われていたな・・・。 

 

(そういや、孤児院のみんなはどうしたんだろうか・・・。 無事に避難しているといいんだけど・・・・・・。)

 

そう思っていると・・・。

 

金髪の少女「・・・・・・・・・・・・・・・。」

 

その金髪の少女はじ〜っと俺を見た途端。

 

金髪の少女「ああ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!」

 

直「うおおっ!?」

 

物凄い絶叫にも似た声量で叫んできた。 そのせいか俺もつられて叫んでしまった。

 

・・・・・・我ながらなんか情けない。

 

金髪の少女「あっ!!」

 

その拍子に、勢いで飛び出したせいかバランスが崩れて後ろに倒れようとする。

 

直「って!! そんな場合じゃねえ!!」

 

なにのんきに実況なんかしているんだ俺!! 早く助けないと!!

 

直「げっ。 やばっ。」

 

すぐに行動したせいか俺もバランスを崩れてしまい。 そしてそのまま・・・・・・。

 

ドシーン!! と、共倒れともいうべきか棒のようにまっすぐ倒れてしまった。

 

直「いたたたた。」

 

金髪の少女「大丈夫ですか!! けがはありませんか!?」

 

おお、自分の事よりも他者を心配するとは・・・、これが俗にいう天使やら女神というやつなのか・・・? ・・・というか。

 

直「ああ。 大丈夫だ。」

 

そう言ったものの、実をいえば足がろくに動かない。 これが病み上がりという現象なのかね・・・。 今までなかったが実際起きるととてもつらいんだなって思うけど・・・。

 

(やばいなあ・・・。 あの大きさでなったんだし・・・・・・。 もし誰かに・・・・・・・・。)

 

これ死亡フラグくるよね・・・。 なんて思っていると・・・・・・。

 

???「ちょっと!! 大丈夫なのルミ!!」

 

ルミ「あっ。 アルティ・・・。」

 

ですよね〜〜。 だってそんな予感してたし・・・・・・。

 

っていうか、金髪の少女ってルミっていうのか・・・。 あの蒼い髪の少女はアルティというらしい・・・・・・。 なるほど、よくよくみれば二人とも同じ長い髪で後ろの先端に束ねているんだね。 ・・・・・・ってか、そんな場合じゃないよね。

 

傍から見れば俺、ルミを押し倒している形だし・・・。

 

アルティ「・・・・・・・・・・・・・・・。」

 

そして案の定、蒼い髪の少女アルティは俺とルミの状況を見て。

 

アルティ「ルミから離れろ!! このドスケベが〜!!」

 

ガゴンっと、重くて鈍い膝蹴りを顔面喰らわされた・・・。 おそらく俺が知るなかで一番痛いであろう苦痛を末長く味わうことになった・・・・・・。 

 

ついでに肘も喰らわされた・・・。

 

世界のご都合的なシステムってこんなに性質が悪いんだねと、改めて思った。

 

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アルティ「ふ〜ん。 つまりあんたがルミを助けようとした結果、あの状態になったってわけ? それも押し倒すような形で?」

 

あの後、俺は気絶をしてしまい。 気が付くと二人に看病されていた。 なにやら鼻にティッシュが詰め込まれていたが、ルミによると物凄い量の鼻血が流れていたらしい・・・。

 

そして、俺はアルティに正座させられこうして状況を説明をしているわけだが・・・。

 

直「うん・・・。 勿論すぐに起き上がろうとしたが、起きたばっかでろくに動けなかったし・・・・・・。」

 

その直後にあんたに顔面喰らわされたうえに、追撃も喰らったからなあ。 と、そう付け足して説明する。 そのおかげで鼻血を貰ったうえに脳震盪まで起こしたし・・・・・・。

 

アルティ「しょうがないでしょ!! だって誰がどうみても結果的にルミを襲っていたようにしか見えなかったわよ!!」

 

ルミ「まあまあ、落ち着いてアルティ。 元はといえば私が悪いんだし・・・・・・。」

 

すぐに反論するアルティをルミがそれをたしなめ。

 

アルティ「わかったわよ・・・。 ルミがそういうならば・・・。」

 

アルティはしぶしぶとそれを受けて大人しくなる。 案外物分かりがいいんだな・・・。

 

ルミの方もアルティの扱いがなっているんだねえ。

 

アルティ「言っておくけど、悪いのはあなたなんだからね。」

 

直「ああ、わかっている。」

 

さきほどの口調とは荒くないものの、これ以上アルティの逆鱗に触れたら今度はただじゃすまなさそうな気がするから素直にしておこう。

 

でなきゃこんなに鼻血がでるわけないよね・・・。 ガチで蹴り上げたし・・・。

 

そして、顔とその後頭部がまだヒリヒリとしててかなり地味に痛い・・・・・・。

 

アルティ「その・・・。 怪我のほうは大丈夫なの?」

 

直「えっ? ああ、大丈夫だけど・・・。 正直にいえばまだ痛い・・・。」

 

ルミ「もう、アルティ。 駄目だよそういうことしちゃ。」

 

アルティ「ううっ。 それはわかっているっていったじゃない。」

 

意外とアルティの方から心配してくれるとは思いもしなかったが、・・・そりゃまあ多少の罪悪感を持っているんだろうな。

 

アルティ「それにしても、まだ痛むなら医者に診てみる? 連れてってあげるけど。」

 

直「そうして置きたいのは山々なんだが、まず聞きたいことがある。」

 

状況も落ち着いているし、今のうちに確認したいことが山ほどあるんだからな。

 

ルミ「なに? 私達で答えれる範囲ならなんでもいいよ?」

 

直「まず、白髪の少年と赤いツインテールの少女を見なかったか?」

 

白いのが逢魔で、赤いのが春なんだけど。 と、その二人の人物のことを聞くと・・・。

 

アルティ「えっ? あの二人ならあなたより早く目が覚めて”私達の時空艦”の探検にいっているわよ。」

 

直「そうか、よかった・・・無事で。」

 

ま、それほど心配する必要もなかったな。 ・・・・・・ん? 私達の時空艦?

 

アルティ「そういえば、まだ名前を言ってなかったね。 私、アルティ・ロウキル。」

 

ルミ「あ、私はルミナス・アルマリック。 ルミでいいよ。」

 

直「ん? ああ、俺は五十嵐 直だ。 よろしくな。」

 

俺があることに疑問を持っていると二人からの自己紹介をしてきたので俺も自己紹介した。 ・・・・・・それよりも。

 

直「なあ、時空艦って? それってここは海なのか?」

 

アルティ「ええ? 海といえば海だけど・・・。」

 

その瞬間に、俺は思考がフリーズすることになる。

 

アルティ「”宇宙よ?”」

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

 

直「ええ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!」

 

本日、二度目の叫び・・・。 いや、そうじゃなく!!

 

直「ちょっと待て!! 宇宙ってどういうことだ!! ここは地球で日本じゃないのか!!」

 

ありえないことを耳にして驚愕する俺。 なんで? どういうこと? なぜに宇宙なの?

 

だって”さっきまで街にいた”はずなのに!! その俺をよそに・・・・・・。

 

アルティ「はあ〜。 それ、前のお二人もびっくりしたわよ。」

 

そしてしばらくしたら、宇宙キターーーーーーー!! なんて突然言い出したんだからね。 と、呆れながらの説明に、ああ、あの二人なら言うわな・・・・・・それ。

 

直「んで? 一応聞くがこの船の名前は?」

 

ルミ「”時空艦アルシオン”。 半永久の”ヴォルトコア”で稼動しているからチャージすればどこでも行けますよ。」

 

但し、飛距離に応じて長〜い”ハイパースペース”の旅になっちゃうんだよね・・・・・・。 

 

と、ご丁寧に説明してくれるが・・・・・・。 ”それほどの技術が進んでいる”ってことはつまり・・・。

 

直「ちなみに”いま何年だ?”」

 

ある確信を得たまま、恐る恐る二人に聞いてみると・・・・・・。

 

アルティ「ん〜? 正式な年数でいうと長くなるから。」

 

ルミ「アクタリア銀河暦7835年で、ざっと”7億年くらい”だったと思いますよ。」

 

・・・・・・予想が当たった。 それも遥か未来の世界に・・・。

 

つまり、俺と・・・、春と・・・、逢魔は・・・、”7億年後の世界”に来ていたことに・・・・・・。

 

直「ははっ。 ははははは。」

 

そのあまりにも飛び抜けた状況に俺は笑うしかなかったのだった・・・・・・・・・。

 

それが後に大きな出来事に巻き込まれることも知らないまま・・・・・・・・・。

 

序章 END

説明
初投稿記念になる作品です。 
概要は、主人公がいる世界から約7億年後の世界「スピリエンスワールド」を舞台とした物語です。
要するにタイムスリップしたわけですが、気楽に読んでください。
(初心者全開ですけどね・・・。)
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タグ
GF スピリエンスワールド 7億年後 オリジナル 

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