第二章【怒った青年・・・】
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昨日の出来事から翌日。今日はちゃんと起きて学院へと向かう。車で行くので、多少遅くても問題ない。のんびり走り学院に到着する。すると、目の前に人だかりが出来ている。俺は車を駐車場に停めてグラウンドに向かう。

 

翼「いったいなんの騒ぎだ?」

 

大和「おはよう兄さん。」

 

翼「よう大和。で、百代の目の前に凄い数の人がいるが?何時ものように挑戦者か?」

 

モロ「翼先輩は知らなかったね。あれは、モモ先輩にお金を貸した人達だよ。」

 

大和「返済日が近付いても返しに来ないから、こうして集まってるって訳。」

 

情けない。確かに百代は、武術等には右に出るものは余りいない。しかし、それ以外は全くもって駄目である。

 

不子川「川神家は高貴な家柄と思うて安心して貸したら、この体たらくじゃ!!」

 

弓子「間もなく返済期限にて候。」

 

あずみ「こう見えて私は、九鬼家のメイド長っ☆取り立てはきっちり!」

 

百代「見ろ金の亡者達を。人間こうはなりたくなよな。」

 

大和「酷いもんだね。」

 

百代「な。」

 

大和「姉さんがね!!何人に借りてんだよ!!」

 

百代「とにかく私は美少女らしく背中に隠れる!この場を何とかして・・・」

 

そう言いかけた百代だが、そこから先の言葉は出てこなかった。何故なら・・・

 

翼「百代、ちょっといいか?」ニコニコ

 

百代「な、なんだい?翼さん・・・」

 

翼「お前、自分がつくった借金を返さないで、挙げ句の果てに大和に任せるのはおかしいだろ?」ニコニコ

 

百代「そ、それは・・・その・・・」

 

大和(ヤバイ(;゜0゜)兄さんがキレてる・・・)

 

俺の怒りを感じたのか、先程とはうって変わって周りの意見する。

 

不子川「お、落ち着くのじゃ新井殿!!」

 

弓子「そうです!!私ならもう少し待ちます!!んんっ待つで候。」

 

あずみ「あたいも別に構わないから、頼むから落ち着いてくれ!!」

 

翼「いや、今回ばかりは百代が悪い。金なら俺が立て替えておくから、もう二度と百代には貸すなよ?しつこかったら、俺の名前を出せばいい。」ニッコリ

 

俺は、百代とは違った笑顔で謝る。

 

不子川「此方はそれで構わぬ(なんじゃあの笑顔は!こっちが恥ずかしくなるではないか///)」

 

弓子「私もそれでいい候(新井先生の笑顔、物凄く素敵///)」

 

あずみ「そちらがそれでいいなら(なんだいこの気持ちは!!あたいには英雄様がいるのに///)」

 

翼「悪かったな。」ナデナデ

 

俺はお金を渡し、3人の頭を撫でた。

 

不子川「ひょわ!?」

 

弓子「あぁぁ///」

 

あずみ「は、はずいから止めろ///」

 

翼「さて百代よ、覚悟はいいか?」

 

百代「そ、そこまで私にお仕置きしたいのか?」ブルブル

 

翼「ああ、流石に今回は許せないな。」

 

男子1「だったら、対戦すればいいんじゃ?百代先輩ならいくら先生相手でも勝てるでしょ?」

 

百代「!?」

 

百代と風祭ファミリーは驚いた。百代はその男子生徒を思いきり睨み付けた。それはそうであろう。翼の実力は、百代や鉄心にルー、それに風間ファミリーしか知らないからである。しかし、当の本人は普通にその提案を参考にした。

 

翼「そうだな。なら百代、今から俺と戦え。何時も言ってきてるし、丁度いい。」

 

百代「い、いや〜!!今回は私は遠慮・・・」

 

翼「因みに拒否権はない。いつもお前がしてることだ。その点についても反省しろ。」

 

百代「・・・」

 

大和「姉さん・・・生きて帰ってきてね。」

 

岳人「モモ先輩、ドンマイっす。」

 

こうして、俺と百代の決闘が始まった。

 

鉄心「悪いが、今回ばかりはモモに同情するわい。」

 

ルー「そうですネ。」

 

鉄心「しかし、モモも翼を怒らせるとはの。あれがキレたら、わしらでも止めるのは難しい。」

 

翼「鉄爺、準備は出来てるぞ。」

 

鉄心「うむ。それでは双方前へ!!東方、川神百代!!」

 

百代「・・・はい。」

 

鉄心「続いて西方、新井翼!!」

 

翼「ああ。」

 

鉄心「ルールは、どちらかが参ったと言うか気絶したら負けじゃ。後、戦闘続行不可とわしが思ったらそこで終了じゃ。両方よいな。翼よ、結界は張っておるが頼むから程々にの。」

 

翼「分かってるよ。」

 

準「おい大和、いくらなんでもモモ先輩には勝てないだろ?」

 

冬馬「そうですね。いくら新井先生が強いと言われても、あの百代先輩に勝てるのかどうか。」

 

小雪「翼ニーチャンは僕のヒーローなんだから、絶対に負けないよ!!」

 

準「って言ってもな・・・」

 

大和「見てればわかるよ。」

 

翼「悪いが百代、俺は後で何時ものお仕置きをするために体力を残したいから、今回はコイツに相手をさせる。鉄爺、皆に下がるように言ってくれ。」

 

鉄心「お主、まさかあれを使う気か!?」

 

翼「悪いけど、その通りだよ。」

 

俺はそう言うと、手をあげる。

 

翼「開け、ゲート・オブ・バビロン!!」

 

俺がそう叫ぶと、空間が捻れそこから大量の武器が出現する。

 

準「おいおいおい!!なんなんだあれは!!」

 

モロ「空間から武器!?あんなのゲームの世界だけじゃないの!!」

 

翔一「スッゲ〜♪」

 

岳人「流石にあれはおかしいだろ!!」

 

百代「!?」

 

百代はかろうじて避ける。しかし、俺は無限と言ってもいいくらい武器はある。百代も何時までも避けれない。そして・・・

 

翼「百代、これでチェックメイトだ。」

 

百代「なに!?」

 

気付いたときには既に遅かった。今まで飛ばさなかった武器をすべて百代に飛ばす。流石の百代も、これには対応出来ず直撃をくらう。

 

百代「グッ・・・瞬間回・・・」ドサッ

 

言葉途中に百代は崩れ落ちた。

 

鉄心「勝者、新井翼!!」

 

勝負ありだな。

 

準「なんなんだよ。モモ先輩に勝ったぞ!?」

 

大和「今回はあの技を出したってことは、手加減したんだね兄さん。」

 

モロ「あれで手加減したの!?」

 

一子「ええ、翼お兄様が本気で戦うときは、自分からちゃんと出ていくもの。」

 

クリス「ではなにか!?あの技が一番の手加減とでも言うのか!!」

 

大和「いや、一番の手加減は・・・」

 

岳人「あれだな。」

 

モロ「あれだね。」

 

京「・・・あれ。」

 

一子「あれは、私も嫌よ!!」

 

由紀江「皆さん、あれとはいったい?」

 

大和「・・・尻叩き。」

 

ク&由「「はい?」」

 

大和「子供の時にやられたろ?悪いことすると尻をパシンと叩かれる。」

 

岳人「翼兄は、モモ先輩だけには未だ続いてるからな。」

 

ク&由「「・・・」」

 

二人は、黙ってることしか出来なかった。

 

翼「鉄爺、取り合えず百代を保健室に運んであげて。」

 

鉄心「既に手配しておるわい。それにしても、今回はその技じゃったか。加減感謝するぞい。」

 

翼「俺がもう少し怒ってたら、約束された勝利の剣(エクスカリバー)だったけどね♪」

 

笑顔で恐ろしい事を言う俺に、鉄爺とルーさんは冷や汗をかいていた。騒ぎも収まり、何時ものように金曜集会に参加する。

 

翔一「今日の会議内容は・・・ズバリ!クリスとまゆっちを風間ファミリーに入れたい!!」

 

モロ「相変わらずキャップは急だね。何時もの事だけど。」

 

翔一「それで皆に反対か賛成か聞きたい。」

 

百代「私は賛成だ。まゆっちもクリも可愛いし、何よりまゆっちは強そうだ。」

 

岳人「俺様も賛成だ!!可愛いし女の子なら、尚賛成だ!!」

 

京「私は反対。ファミリーは今のメンバーだけでいい。」

 

モロ「僕も反対かな?これ以上増やすこともないし。」

 

一子「私は・・・むむ〜クリやまゆっちが入ればいい稽古になるけど・・・」

 

翔一「賛成3、反対2、中立1。で、大和は?」

 

大和「俺もワン子と同じで中立かな?まだ、二人の情報が少ないからなんとも。」

 

翼「俺もだな。由紀江はともかく、クリスがこの雰囲気になれるかは微妙だな。」

 

モロ「見事に割れたね。」

 

翔一「なら、二人はお試し期間で入ってもらうぜ?それで、ファミリー内で気に入らなければ加えない。それでいいか?」

 

一同「意義なし。」

 

こうして翌日、翔一は二人に声をかけて俺達がたむろしてる秘密基地に案内した。

 

クリス「ここは?」

 

大和「一見ただの廃ビルだけど、中は・・・俺達の秘密基地になってるんだ。」

 

由紀江「ひ・・・秘密基地。素敵です!!憧れだったんです、こう言うの。」

 

松風『何時も一人だったから、秘密にする相手がいなかったんだぜ〜!』

 

翼&大(由紀江(黛さん)・・・)

 

俺達の後に続いてクリスも入ってきた。すると、入ってきてクリスはとんでもない一言を口にする。

 

クリス「所で、この場所はどういう意味があるんだ?遊びたければ寮でもいいだろう?わざわざこんなところに集まる意味が分からないぞ。」

 

大和「いやいやクリス、寮とは違ってさこういうのも遊びなんだ。まずはくつろいでみろよ。」

 

クリス「そうはいかない直江大和。ここは少なくとも、建設的な行為ではない。第一危険ではないか!」

 

一同「・・・」

 

大和「クリスは真面目だからね。でも、今日はその辺にしといてよ。折角初めての集会なんだし。」

 

クリス「いや、自分は間違っている事を間違ってると言ってるだけだ。率直な意見を言えば、このような廃ビルは、さっさと取り壊すべきだ。」

 

一同「!!」

 

いくら何でも言い過ぎだクリス。俺が立ち上がろうとするより先に、京がテーブルを叩く。

 

京「お前・・・死ねよ。」ボソッ

 

京が立ち上がり、クリスに襲いかかる!!殴る直前で俺と百代が京を止める。

 

京「よくも・・・!よくも好き放題言ってくれたな!!お前にはこの場所がどれだけ大事か分かってないんだ!!壊すべき?何様だと思っている!!」

 

クリス「京・・・ま、待て。話を・・・」

 

突然の事に、混乱するクリス。

 

京「だからこんな新参者入れるの嫌だったんだ!帰れ!!お前なんか仲間でも何でも・・・」

 

翼「ストップだ京。これ以上言わなくていい。」

 

京「翼兄・・・だって、コイツここを侮辱した。否定した!ゆ・・・許せないよ!」ポロポロ

 

翼「もういいから。」ポンポン

 

京「う・・・うぅぅ・・・うぅ!」

 

クリス「な、なんだ?何が気に障った?自分は正しい事を言った筈だが?」

 

モロ「クリス、まだそれが本当に正しいと思ってるの?」

 

クリス「あ、ああ。」

 

モロ「じゃあお試しは終了・・・本当にさよならかな。仲間にはなれなかったね。残念。まあ、学校では普通に話そう。気をつけて帰ってね。」

 

普段は温厚なモロ迄もがキレていた。

 

クリス「待て!理由を言ってくれ、納得できない!!」

 

百代「あのなクリ、私達は理屈抜きで好きでここに集まってるんだ。誰に指図されてもやめる気はないぞ?」

 

クリス「いや、自分はただ・・・」

 

翼「そこまでだ。はっきり言う、ここではお前が悪い。」

 

クリス「わ、悪い!?自分が悪だと!普通は皆同じことを言うはず!!何が悪だと言うのだ!!」

 

翼「昔から『義』が好きだったが、行き過ぎると今回のような事になるぞ。いい機会だから反省しろ。」

 

クリス「!・・・裏工作でせこせこ稼ぐような大和はどうなんですか!」

 

大和「ああ、せこいしずるし卑怯だぜ?俺には誉め言葉だけどな。」

 

由紀江「あの!私ごときが口を挟んで恐縮なのですが、その・・・ここは穏便に・・・」

 

翼「それから由紀江!」

 

由紀江「えっ!?」

 

翼「『私ごとき』とか言うな。翔一・・・キャップが言ったこと理解してるか?お前も昔から人の顔色をうかがいすぎだ。それ、結構不快だ。」

 

由紀江「あ・・・えぅ・・・」

 

クリス「なんなのださっきから。意味不明だ・・・」

 

大和「何が意味不明だ。仲間の話をしてんだろお馬鹿娘。」

 

クリス「ば、馬鹿!?」

 

大和「1つ聞くけど、お前にとって何か大切な持ち物ってあるか?」

 

クリス「持ち物?ふむ・・・やはり父様に貰ったぬいぐるみだな?」

 

大和「はぁぬいぐるみ?子供じゃあるまいし、部屋がかさばるし役にたたないじゃんか?」

 

翼「捨てちまえそんなの。」

 

クリス「なんだと!!」

 

翼「クリス、お前の真似だ。俺達にとって、ここはお前の大切なぬいぐるみと一緒なんだ。」

 

クリス「!?」

 

翼「大切な場所や物は、人それぞれ違う。それは確かに他人からしてみれば、理解出来ない。」

 

クリス「そう・・・ですね。皆、本当にすまなかった。」

 

由紀江「わ、私もすみません・・・」

 

二人が謝ると、いいタイミングで翔一がやって来た。

 

翔一「待たせたな〜♪差し入れの寿司だぞ〜!訳あって大半は玉子だけどな♪・・・ん?どうしたんだ?」

 

大和「ちょっと色々あってね。」

 

翼「ま、それも落ち着いたし問題ないさ。」

 

翔一「ならいいけどよ。」

 

翼「クリス、由紀江。今日言われたことをしっかりと心に留めておけよ。」

 

クリス「はい。」

 

由紀江「ありがとうございます。」

 

翼「ま、物の価値は俺にも分からない物はあるけどな。モロの持ってるものと岳人だな。ま〜モロはヲタクだし、大体は分からなくはないけど、岳人の大切なのがプロテインは笑ったな。だから女に逃げられんだよ。」

 

岳人「喧しいわ〜!!」

 

一同「アハハハハ」

 

こうして、気まずい空気も少しずつ収まっていき、帰るときにはすっかりと打ち解けてた。めでたしめでたし。二日後、何時もの様に川神学院に向かう。すると、何故かS組の連中と、百代ファンクラブのリーダーが揃って俺に決闘を望んできた。理由は、S組は『あんな技を出さないと勝てない腰抜けが、教師と認めない。』。そして、百代ファンクラブのリーダーは『百代先輩が負けて、そして百代先輩を屈服させるつもりですね!!』等と訳の分からないいちゃもんをつけてきた。で、結局時間削減の為に二人とも相手にする事となった。そして、何時もの様に何処からともなく出ていた鉄爺に審判をお願いする。

 

鉄心「それでは、今回のルール説明じゃ。翼は、前に使った技は使用禁止。それ以外は、前と同じじゃ。武器はお互い一人1つまでとする。」

 

翼「了解。」

 

S組男子「他愛もない。」

 

リーダー(百代ファンクラブリーダー)「自分もいいです。」

 

鉄心「それでは・・・始め!!」

 

S組男子「さて、今回はあの技は使えませんし、どうされますか?新井先生?」

 

リーダー「悪いけど、百代先輩の敵はとらせてもらいます!!」

 

S組男子「あんたにはさっさと引導を渡して、この学園から去ってもらう!!はあ!!」

 

そう言いながら、S組男子は翼に向かって刀を振りかぶる。しかし・・・

 

ガキン

 

S組男子「なっ!?」

 

その攻撃は防がれた。見ると、翼は何処から出したか分からないが、大剣を握っていた。因みに、その大剣のモデルは、アーロンのです。よく見ると、衣装もアーロンと同じになっています。

 

翼「悪いな。百代の時と違って手加減は出来んぞ?流星!!」

 

アーロンのオーバースキルでリーダーが吹っ飛ぶ。

 

一同「ええええええええ!!」

 

翼「さて、お前はほんの少しきつめな♪陣風!!」

 

次は巨大な竜巻があらわれてS組男子を飲み込む。

 

翼「ほいっとな。」

 

俺は腰にぶら下げてた酒瓶を放り投げた。すると、中身の酒の量が多すぎたのか、予想よりかなり大きな爆発となっていた。ま、気を纏わせているから、命に別状はない。もっとも、全治2ヶ月は覚悟してもらうけどね♪

 

鉄心「勝者、新井翼!!と言うか、流石にやりすぎではないかの?」

 

翼「酒の量が多すぎたよ。」

 

ルー「相変わらず翼の技は、底が見えないネ。」

 

決闘も終わり、生徒達が教室に戻っていった。その時、全校生徒はこう思った。『あの人だけは怒らせてはいけない』と・・・

説明
クリスの一言で、主人公激怒
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