北郷一刀の外史紡ぎ 第十二話
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第十二話―黄祖討伐戦

 

 

 一刀視点

 

 俺と美羽、七乃、双葉は現在街の南に隊列(と言っても十数人程度)を組んで突撃準備に入っていた。そして細作の報告で北は董卓軍が、東は孫策軍が賊に当たり始めた報告を受け、西の砦では黄忠から賊の討伐に成功したと言う報告を受け、俺はそのまま皆を見渡し確認をとる。

 

 一刀「さて、皆準備はいいか?」

 

 双葉「問題ないです。」

 

 七乃「こっちもいいですよ〜」

 

 美羽「・・・うむ。全員準備万端なのじゃ。」

 

 一刀「よし、美羽。君が号令をかけるんだ。」

 

 美羽「う、うむ。」

 

 俺は美羽に前に出るように促し美羽と入れ替わるように隊列に戻って行った。

 

 美羽「皆の衆、今回の戦は妾たちの初陣となる。此処にいる者は皆黄祖に恨みを持つ者達じゃ。じゃから黄祖を殺すなとは言わん。じゃが、あ奴は曲がりなりにも劉表の配下でありあの街の支配者じゃ。妾はお主たちが感情に任せて力を振るう者達じゃないと信じておる。そして、黄祖を失脚させてあの街の民、黄祖によって苦しめられていた多くの村の民を救うために力を貸してたもれ。皆も知っての通り妾はかつて良き主では無かった。それこそ黄祖と同じ人種じゃったろう・・・じゃが妾は変わった。いや、知ったのじゃ。知った故に自らの足で歩き始める事が出来た。そして妾と共に戦う事を、この新しき旗“紅炎の袁旗”の元立ち上がってくれた事を礼を言う。さあ、妾たちはこの戦を持って大陸にその名を広めよう、いずれ手にする領土を繁栄させる為の布石としよう。悪行を成す者を追い出し、平和な世を作る為に妾たちが血を流そう。ただ平和な世の為に!」

 

 全員「応!」

 

 美羽「突撃じゃ!妾に続け〜!!」

 

 その号令の元俺達は黄祖の元へと進軍を開始した。

 

 

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 一刀達は南門に居た憲兵を気絶させるとそのまま城までの最短距離を一直線に駆け抜ける。一刀や黄忠と言った戦える人間に直接指導された団員達は住民の間をスルスルと駆け抜け物の数分で城門までたどり着いていた。

 

 門番「な、なんだ貴様等!?と、止まr」

 

 ブシャァ

 

 美羽「邪魔なのじゃ。」

 

 美羽の直刀居合を受け門番はその首を切り落とされた。

 

 七乃「お嬢様さすがです、カッコいいです、痺れます、憧れます〜」

 

 美羽「////////////////」

 

 衛兵「き、貴様等。此処を黄祖様のおられる城と知っての狼藉か!?」

 

 一刀「はいはい、知らなきゃきませんですよ〜。こんな辛気臭い場所。しぃ!!」

 

 ゴキャ!

 

 衛兵「ぐぺ!」

 

 一刀の木刀に首をへし折られそのまま壁にぶつかって動かなくなる衛兵、その騒ぎを聞きつけどんどん兵が集まってきた。

 

 七乃「さすがにいますね〜。ですが・・・双葉さん。お願いします。」

 

 双葉「七乃さんが相手取らないのは納得できませんが・・・我が二刀の切れ味その魂に刻みなさい!」

 

 双葉はそのまま抜刀すると次々と寄せてくる敵兵の死体を山にしていく。

 

 双葉「兵舎の方は私にお任せください。美羽様、一刀兄様、七乃様は玉座にお向かいください。」

 

 一刀「頼むぞ双葉。」

 

 双葉「御意!」

 

 一刀達は双葉にその場を任せ三人は玉座の間に駆けて行く。

 

 双葉「さぁ、まだまだ私の剣舞は終わりませんよ?」

 

 黄祖兵A「ガキが!」

 

 黄祖兵B「ナマ言ってんじゃねぇ!!」

 

 双葉「ほざいてんじゃないですよ。雑魚様方!!はぁぁぁぁぁ!!」

 

 双葉の剣舞により黄祖兵の死体の山が一つ、また一つと築かれていった。

 

 

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 一刀「ここか。黄祖のいる場所は。」

 

 七乃「のようですね。」

 

 道中黄祖兵が群れている場所には団員達が足止めに残ってくれている、とは言え時間は掛けて居られないだろう。

 

 美羽「一刀、七乃。妾が奴を捕らえるから、この扉は任せるぞえ。」

 

 一刀「出来る?」

 

 美羽「任せるのじゃ。」

 

 七乃「気を付けてくださいねお嬢様。」

 

 美羽「うむ、二人も気を付けるのじゃぞ。」

 

 二人「御意」

 

 美羽「では往くのじゃ。」

 

 そのまま美羽は扉を開け、玉座の間へと足を踏み入れた。

 

 一刀「・・・さて、ここから先へは行きたくば。」

 

 七乃「私達二人を相手取ってもらいましょうか。」

 

 黄祖兵C「こいつ等・・・」

 

 黄祖兵D「賊の分際で!!」

 

 一刀「賊・・・ね。ならいい機会だから名乗りを上げようか。」

 

 七乃「そうですね。もう後がない事を教える意味を込めて。」

 

 一刀「劉表軍直属」

 

 七乃「賊討伐部隊黄忠隊の要請により」

 

 二人「極悪非道黄祖を捕らえに来た袁術傭兵団!」

 

 一刀「副団長、北郷一刀」

 

 七乃「軍師、張勲」

 

 二人「自らの悪行を悔いぬのなら掛かって来い!」

 

 黄祖兵C「ふざけんじゃねぇ!おらぁぁ!!」

 

 一刀「はぁ!」

 

 ゴッ!

 

 黄祖兵D「な、嘗めるなぁ!!」

 

 七乃「えい!」

 

 ザシュ!

 

 二人は向かってくる黄祖兵を次から次へと地に沈めて行く。中に居る美羽の元に行かせないがために、その剣をふるい続ける。

 

 

 

 

 美羽「・・・貴様が黄祖かえ?」

 

 黄祖「な、何者だ!!」

 

 美羽「袁術、字を公路じゃ。」

 

 黄祖「え、袁術だと!?」

 

 美羽「袁術傭兵団団長、袁術。貴様を捕らえ、その悪行を終わらせに来たぞえ?」

 

 黄祖「ななな、何で袁術なんかがこんな所に・・・兵は、衛兵は如何したのだ!?」

 

 美羽「今外で妾の仲間達が屠っておる。あぁ、ちなみに南の賊は妾たちが、西は黄忠達が、東は孫策軍、北は董卓軍に殲滅させられとる。お主が賊に繋がっとる証拠はうぬの部下達が証言してくれるじゃろ。妾たちも賊に直接聞いておるからの。」

 

 黄祖「・・・き、貴様を殺せば形勢は逆転できる!お前たち、あのガキを殺せ!!」

 

 黄祖近衛兵A「はっ!」

 

 黄祖近衛兵B「やるぞ、手前等!!」

 

 黄祖近衛兵C「おお!!」

 

 美羽「・・・ざっと三十人と言う所かの?ならば・・・」

 

 そのまま美羽は懐刀を逆手に持ち兵の一人に肉薄すると首を掻っ切り180度回転させ持ち手を変えたと思うと、直刀を逆手に持ちながら抜刀、近くにいた近衛兵を切り伏せる、そこからまるで舞うように近衛兵を切り伏せていく。

 

 黄祖「な、なな、何で袁術がこんなに強いんだ!?」

 

 美羽「ふぅ・・・」

 

 全員を切り伏せた美羽はそのまま黄祖に向き直り呟く。

 

 美羽「ま、妾も子供のままではいられないと言う事じゃ、黄祖よ。妾をネタによくも孫文台を罠にはめてくれたの。おかげで孫策からいわれのない非難を受ける事になったのじゃ。」

 

 黄祖「ひ、ひぃ!!」

 

 美羽「殺しはせぬ、抵抗しなければの。じゃが抵抗すれば・・・」

 

 黄祖「わ、分かった。降伏する。この城もやる。この街もお前が治めればいい。だ、だから、た、助けて・・・」

 

 美羽「・・・来たようじゃの。」

 

 黄祖「へ?」

 

 その言葉が発せられたと同時に玉座の間が開かれる。

 

 黄祖「・・・こ、こここ、黄忠!?わわわ、助け・・・助けて・・・」

 

 黄忠「まったく情けないですわね。」

 

 美羽「黄忠、外の敵はどうなったかの?」

 

 黄忠「私の部隊に取り押さえてもらっています。」

 

 美羽「うむ、それでは後は頼めるかの。妾も皆の無事を確認せねばならんのでの。」

 

 黄忠「分かりました。」

 

 黄祖「ひ、ひぃぃぃ・・・」

 

 黄忠「さて・・・黄祖、貴方を捕らえます。理由は言わなくても分かりますわね?」

 

 黄祖「・・・わ、わかった。だから・・・命だけは・・・」

 

 黄忠「それを決めるのは劉表様ですわ。」

 

 その言葉を聞き黄祖はがっくりと膝をつき自身が完全に敗北した事を悟った。

 

 こうして、袁術傭兵団と黄忠隊との共同作戦は幕を閉じた。

 

 

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あとがき(と言う名の・・・なんだろう?)

 

 結璃「こっちに聞かないでください!」

 

 羽生「ごめんなさいなのです・・・新キャラもおらず、あまつさえ追加設定も無いので、こうしてあとがき会話、もとい、お疲れ様会的な事しかできないのです。そんな僕を許してほしいのです。本当にごめんなさいなのです。もう僕は甘いもの断ちをして反省すれいいのです?梨花とも合わずに再び云億年孤独に過ごせば許してもらえるですか?」

 

 結璃「そこまで言ってない!!と言うか何があったの!?羽生、こっちに戻ってきて。帰って来てよ羽生!!」

 

 羽生「は!?ぼ、僕は何をしていましたですか??」

 

 結璃「とんでもなくネガティブ謝罪モードになってたわよ。どうしたの??」

 

 羽生「・・・圭一が・・・」

 

 結璃「圭一が?」

 

 羽生「新しい女性とイチャ付いてたのです。」

 

 結璃「斬り殺していいんじゃないかな?」

 

 羽生「!?・・・殺ってくるのです。」

 

 結璃「うぉい!?言っておいてなんだけど冗談だよ!!さすがにいつも通りだから小言か罰ゲーム辺りで勘弁してやりなさい!!」

 

 羽生「・・・分かったのです。他のメンバーに報告しておく事にするのです。」

 

 結璃(・・・どのみち死刑確定ですね。)

 

 羽生「それで何の話でしたか?」

 

 結璃「いや、あとがきだよ。」

 

 羽生「おお、思い出したのです。じゃ、此処は心機一転次回予告でもしましょうです。」

 

 結璃「次回予告?」

 

 羽生「です。次回、第十三話、春が来た。」

 

 リリー「春ですよ〜」

 

 結璃「お呼びでない!!」

 

 リリー「酷いですよ〜春と聞いて飛び出してきたのに〜」

 

 羽生「・・・では一緒に叫びましょうか。」

 

 二人「春ですよ〜!」

 

 結璃「え?これ乗らなきゃ駄目だったの??」

 

 二人「まったくノリ悪いですね〜」

 

 結璃「・・・皆さんまた次回お会いしましょう。・・・・・・・・・さぁ、地獄に行く準備はできたか?」

 

 二人「・・・戦略的撤退!!」

 

 結璃「待てぇぇぇぇぇ!!」

 

 

 

説明
第十二話なのです。
戦闘描写はあまり得意でない。
それでも良いって方はご覧ください。
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コメント
XOPさん<よし、修正完了。(ユウヤ)
XOPさん<いろいろ指摘してもらってありがたい、時間があれば直しときます。(ユウヤ)
あ奴は紛いなりにも→曲がりなりにも:玉座の間に賭けて行く→駆けて(XOP)
ツナまんさん<一派に加われと!?そっちの美羽様に仕込んでくださいw(ユウヤ)
神木ヒカリさん<一刀「嫁にする?嫁にしちゃう?ウチの娘はやらね〜よ!?」羽生「一刀は長江に沈んでろなのです。」(ユウヤ)
いっそ美羽様にウチの和輝の居合いを仕込もうw(ツナまん)
ツナまんさん<剣閃のイメージは鞘から剣先が出た瞬間柄を中心に剣が下回りで動くイメージですね。武も智も歌もできる美羽様に惚れまくる〜(ユウヤ)
美羽様、カッコかわいいー。(神木ヒカリ)
M.N.F.さん<そうなんですよね。七乃があれでしたから・・・ですが本作の七乃は腹黒じゃありませんよ〜(ユウヤ)
naoさん<美羽はいい素体・・・素材なんです。さすがに天武の才までとはいきませんが・・・華琳さん並みの素質と思ってください(部に関しては上方修正ですが)(ユウヤ)
直刀居合いとはまた難しいことを。しかしそれをいとも簡単にやってのける美羽様!そこに痺れる!癒されるぅ〜!(ツナまん)
まあ麗羽と違って素材はいいからまっとうに教育してくれる人さえいれば・・・(M.N.F.)
美羽が強くなりすぎな気がw実は才能あったのか!(nao)
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