英雄伝説〜焔の軌跡〜 リメイク
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ヨシュアがブライト家の一員となって数年後、レンの両親が借金を返し終え、普通の生活をしている事を遊撃士協会の情報網によって知ったルークは、一度だけ話してみないかとレンを誘った。レンは最初は嫌がっていたがカシウスやレナからも一度面と面を向かい合って話し合うべきだと言われ、渋々頷き、ルークと共にクロスベル自治州にある住宅街に向かうと、レンの本当の両親達が家から出て来て、その事に気付いた二人は物陰に隠れて様子を見守り始めた。

 

〜雨・クロスベル市・住宅街〜

 

「ふふ、本当に可愛いね。お前にそっくりだよ。」

「ほ〜らよしよし。」

菫色の髪の男性は夕焼けのような橙色の髪の女性が抱いている赤ん坊を女性と共に幸せそうに見つめていた。

 

「ふふ、前の子達はあんなことになってしまったけれど……でもよかった。女神様は私達をお見捨てにならなかったんだわ。」

「おいおいその話はしない約束だろう?昔のことはもう忘れよう。」

「ええ……哀しいけれどその方があの子達のためよね……おお、よしよし、いい子でちゅね〜」

「あぶぅ、あぶぅ。」

赤ん坊は女性に甘え、また女性も男性と共に笑顔であやしていた。

 

「………………………………」

その様子を物陰に隠れて見守っていたルークは愕然とした表情をし

「……………っ!」

顔を俯かせ、何かに耐えるように身体を震わせていたレンは持っていた傘を捨てて、赤ん坊をあやしている夫婦に背を向けて突如走り出し

「あ、おい!どこに行くつもりだ!?」

走り出したレンをルークは慌てた様子で追って行った。

 

「違う、違う、違うっ!レンの”本当の家族”はルークお兄様やエステル達っ!あんな”偽物”の人達なんか、知らないっ!」

雨にうたれるレンは涙を流しながらうわごとのように呟きながら走り続け

「おい、待てって、レン!」

ルークは長髪の黒髪の男性と共に歩く太った体型をしている眼鏡の男性とすれ違い、レンの後を追って行った。

 

〜工事現場〜

 

「ハア、ハア……――――え。」

全速力で走り続けたレンは息を切らせて立ち止まり、目の前に血だまりの中に倒れている青年―――ガイ・バニングスを見て呆けた。

「やっと、追いつけたか…………って。―――なっ!?お、お前は確かクロスベル警察の!?おい、しっかりしろって!」

その時レンに追いついたルークがガイに気付いて血相を変えた後、ガイにかけよって声をかけたが、ガイは返事を返さなかった。

 

「脈が弱まってやがる……!心臓を撃たれたのか!―――いや、まだ身体は暖かいから助けられるはずだ!」

血によって真っ赤に染まっているガイの胸元に視線を向けたルークは荷物の中から最後の一瓶である”エリクシール”を取り出してガイの口の中に流し込んだ。

 

万物の霊薬たる液体はガイの体内に入ると、失ったガイ血を戻すかのようにガイの体内の細胞に働きかけて液体を元に失った分の血を復活させ、更には銃弾によってできた貫かれたガイの心臓も何事もなかったかのように再生し、銃弾によって貫かれた傷跡も塞がった。

 

「お兄様。その人、助かったの?」

「ああ。発見が早かったお蔭で何とかな。―――それよりレン。本当にごめん!俺のせいでスゲェ嫌な思いをさせちまって……!」

嫌がっていたレンに”本物の家族”に会う事を提案した事を強く後悔するルークはレンを見つめて頭を深く下げた。

 

「クスクス、変なお兄様ね?どうしてわざわざレンが”偽物”を気にしなくちゃいけないの?レンも最初からわかっていたんだから。――――あの人達は”偽物の家族”でお兄様達が”本当の家族”だって。」

「………………………」

笑顔で何の躊躇いもなく血が繋がる両親を否定したレンにかける言葉も無いルークは重々しい様子を纏って黙り込んでいた。

 

「グッ………!?あ、あれ?俺、生きてんのか??」

その時地面に倒れていたガイが呻き声を上げながら起き上がった。

 

「お前は”焔のルーク”……それに嬢ちゃんはあの時ティオと一緒に助かった………もしかして俺を助けたのは二人か?」

「ああ。まあ、レンがお前を見つけてくれなきゃ、助けられなかったけどな。よくやったな、レン。」

「うふふ、お兄様に褒められちゃった♪」

ルークに褒められたレンは先程までの悲しみを全て吹き飛ばすかのように嬉しそうな表情で微笑んだ。

 

「えっと、ガイ……だったよな?一体何があったんだ?」

「………………………」

命の恩人である2人に事情を話すことにガイは躊躇ったが

「―――わかった。俺の命を救ってくれたお前達だからこそ話す。だけどその代わり絶対に誰にも話さない事を約束してくれ。」

やがて決意の表情になって、ルーク達に事情を説明した。

 

「なっ!?ア、アリオスやIBC―――”クロイス家”が”D∴G教団”と繋がっていて、何かとんでもない計画を考えているって、本当なのか!?」

「ああ。計画の詳しい内容まではまだわからないがな……」

「うふふ、”風の剣聖”が聞いて呆れるわね。―――それでレン達のお蔭で運良く助かったお兄さんはどうするの?」

驚愕の事実を知ったルークは驚き、レンは口元に笑みを浮かべてガイを見つめて尋ねた。

 

「俺が生きている事が先生たちにバレたら、俺を殺す事に何の躊躇いもなかったあの二人の様子だと、今度はロイドやセシルまで狙いかねないからな。一端身を隠して機を窺おうとは思っているんだが……どうしたもんかな……」

「―――でしたら、僕達が貴方を匿いましょうか?」

ガイが考え込んでいると聞き覚えのある声が聞こえ、声が聞こえた方向に視線を向けるとイオンとアリエッタがいた。

 

「あんた達は確か……あの”教団”の壊滅作戦に参加した”星杯騎士”……」

「イオン!それにアリエッタも!何でここにいるんだ??」

「騎士団の極秘任務の関係でこのクロスベルを訪れ、任務を終えて帰ろうとした所をリベールにいるはずのルークが慌てた様子で走っている所を見かけまして。それで気になって追ってきたんです。」

「アリエッタ達がここに来た事、絶対に誰にも、言わないで下さい。エラルダ大司教に知られると、とても厄介な事に、なりますので。」

「エラルダ大司教?」

「このクロスベルの大聖堂を取り仕切っている司教様だ。………確か”星杯騎士団”のクロスベル入りを頑なに禁じられているんだってな?」

アリエッタの説明を聞いて首を傾げているルークに説明するかのようにガイは自分が知っている限りの知識を説明した。

 

「うふふ、大司教さんに嫌われるなんて、”星杯騎士団”はよっぽど悪いことをしたのかしら?」

「………………―――今はその件は後にさせて下さい。それでガイさん、でしたね?どうでしょうか、しばらく僕達”星杯騎士団”と行動を共にしませんか?」

小悪魔な笑みを浮かべて尋ねたレンの疑問を静かな表情で答えを濁したイオンは真剣な表情でガイを見つめて尋ねた。

 

「俺に”星杯騎士”になれってか?」

「いえ。僕が”個人的に僕に協力してくれる協力者”という扱いにしておきます。こう見えても騎士団内ではかなり上の地位を持っていますので、そのぐらいの融通を効かせる事はできます。それにもしかしたら貴方の知りたい事が騎士団にあるかもしれませんよ?」

「……………わかった。そう言う事ならお言葉に甘えさせてもらうぜ。」

こうしてガイは自分が生きている事を判明しないように正体を隠すために髪を染め、名前を『フレン・ガルディオス』へと変えると共にイオン達と行動を共にする事となり、死亡した事を偽装する為に血だまりの中に警察手帳とバッジ、ジャケットを置き、イオン達と共にその場から去って行った。

 

 

 

説明
外伝〜改変される因果〜後篇
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コメント
感想ありがとうございます Kyogo2012様 まあ、保護されるのが一番妥当な線かと。生きている事がアリオス達にばれたらマジでロイドやセシルが人質にとられかねないですし(sorano)
ほほぉー。もし、ガイが殺されそこなっていたら、どこかに保護されているだろうね。ま、確実に殺されるだろうけどね・・・・・。(Kyogo2012)
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