北郷一刀の外史紡ぎ 第十四話
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第十四話―出発〜到着

 

 一刀視点

 

 その後俺達は遅れてきた事を謝りながら雅臣(東屋で許された)達に婚約の話、劉璋の話、黄忠達の処遇などを聞いた。・・・聞いてましたなんて口が裂けても言えないです。それから俺達は旅の準備をして、それなりの装備を携えて、襄陽の西門前に来ている。

 

 一刀「さてと、これから益州の成都に向かって旅を再開させるんだけど・・・」

 

 七乃「紫苑さん達遅いですね〜」

 

 美羽「璃々もおるんじゃ。少しぐらいは身支度に時間がかかるじゃろ。」

 

 ちなみに雅臣と同時期に二人の真名も預かっている。黄忠さんの真名は紫苑(さんは要りませんって念を押された)、張允さんは((紫庵|しあん))(こちらも言わずもがな)。

 

 紫苑「遅くなって申し訳ありません。」

 

 璃々「遅くなっちゃった〜」

 

 紫庵「申し訳ない。」

 

 一刀「いや、そんな気にしなくてもいいよ。それより美羽。忘れ物はないかい?」

 

 美羽「ん。雅臣からの紹介状と武器。携帯食料。行軍鞄。ばっちりじゃ。」

 

 そうして俺達は互いを見て頷きあい、襄陽を出発した。

 

 現在俺達傭兵団はそれなりのメンツになってるだろう。

 

 団長の美羽

 

 副団長の俺

 

 専属軍師の七乃

 

 軍師補佐の紫庵

 

 武官筆頭の紫苑

 

 その補佐の双葉

 

 そして精鋭二十人の女性団員達。

 

 総勢二十六名による一団だ。傍から見ると商人の一団に見えなくもない。

 

 一刀「それでこれから成都に向かうんだけど・・・紫苑の友達って確か厳顔さんだったよね。」

 

 紫苑「はい。彼女は今梓潼にて城主を務めています。」

 

 一刀「彼女も説得して味方に引き込むんだよね?」

 

 紫苑「ええ、彼女なら今の美羽様を見てもちゃんと納得して下さると思います。」

 

 紫庵「ああ、私達から見ても美羽様の偉大さはすさまじい物があるからな。」

 

 美羽「/////////////////////////」

 

 そんな言葉を聞いて美羽は顔を真っ赤にして俯いてしまう。

 

 全員(可愛いなぁ)

 

 美羽「と、とにかく先に進むぞ!さっさと用事を終わらせて旗上げをせねば一刀の言っていた群雄割拠に間に合わぬ!」

 

 ごもっとも。そんな言葉を聞き俺達はちょっと足早に梓潼に向けて歩き出した。

 

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 場所は変わって此処は梓潼

 

 梓潼の城主厳顔は一応玉座に当たる場所にある椅子に座り報告書を読んでいた。

 

 厳顔「ふむ、劉表の所で黄祖が悪事を暴かれ捕まったか・・・あのアホがやっと捕まったのは重畳。それにしても・・・さすが紫苑じゃの。」

 

 そんな言葉を聞き何の事かを聞いてくる少女。名を魏延。

 

 魏延「どうされたのですか桔梗様。紫苑様が何か快挙を?」

 

 厳顔「ん?いや何、荊州に長年住みついていた小悪党をついにしょっ引いただけよ。」

 

 魏延「その報告書はそれだけなのですか?」

 

 厳顔「・・・いや、紫苑は夫とともに劉表の所を出たらしい。」

 

 魏延「へ?」

 

 厳顔の返答にアホ面で返す魏延。

 

 厳顔「あ奴は今・・・袁術と共にこちらに向かってきておる。」

 

 魏延「は?」

 

 さらにアホ面にアホ面を重ねる魏延。

 

 厳顔「あの暗愚とされた袁術に従うとは・・・何かあるのか?」

 

 魏延「・・・あはは、まっさか〜。偽報ですよ、偽報。桔梗様ったら〜」

 

 厳顔の神妙な面持ちに軽く返す魏延であったが・・・

 

 厳顔「この報告書は紫苑からの手紙も兼ねておる。」

 

 魏延「・・・はい?」

 

 再三言うが魏延はアホ面をさらにさらした。

 

 厳顔「さらにこちらに向かっておる。くっくっく、ちょっと楽しみだの。」

 

 魏延「あぁ・・・桔梗様の悪い癖が・・・」

 

 厳顔のいたずらを思い付いたようなそれで居て嬉しそうなそんな笑みを見て魏延はため息をつく。

 

 魏延「それにしても・・・紫苑様。紫庵様。どうして袁術なんぞに・・・」

 

 魏延は窓から彼女達が居るであろう方向の空を見上げるのだった。

 

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 一刀視点

 

 一刀「さぁ、此処が梓潼か。」

 

 俺達が襄陽を出発してから半月ほどで梓潼に到着、道中立ち寄った邑で情報を集めながら順調に旅を進めてきたのだが、どうやら中央では黄巾党の討伐令がやっと出て来たらしいのだ。紫苑曰くこれで各諸侯が大々的に軍を動かせるとのことである。これは急がないとまずいかもしれない。

 

 美羽「それで紫苑。厳顔はどう言った奴なのじゃ?」

 

 紫苑「そうですわね・・・よくて剛胆、悪くて手癖が悪いでしょうか?」

 

 美羽「・・・だ、大丈夫なのかえ?」

 

 紫苑「はい、人となりはよいので大丈夫ですよ。」

 

 一刀「ひとまず会ってみようか。紫苑、取り次ぎの方は任せるよ。」

 

 紫苑「分かりましたわ。」

 

 そう言って紫苑は城の方へと駆けて行った。ちなみに七乃は璃々と一緒に宿の手配、紫庵と双葉は街の様子を見てくるそうだ。

 

 一刀「・・・何もすることがないな。」

 

 美羽「・・・じゃの。」

 

 一刀「そうだ、そこの茶屋で一服しようか。」

 

 美羽「おお、それは名案じゃの。」

 

 と、いう事ですぐ近くの茶屋で俺と美羽はお茶をする事になった。

 

 店主「いらっしゃい。何にしましょう?」

 

 一刀「お勧めのお菓子とお茶を二つお願いします。」

 

 店主「あいよ。」

 

 しばらくして出てきたお菓子は見た目が・・・その・・・

 

 一刀「すごく・・・和菓子です。」

 

 美羽「なんじゃそれは?」

 

 一刀「俺の国の独特のお菓子だよ。それにそっくり・・・」

 

 美羽「なんと・・・」

 

 店主「ああ、それは旅の漢女と名乗るお人から教わった製法で作ったんだよ。なんでもこっちに天の御使いが来るらしいからこれを作っていれば喜ばれるって聞いてね。それでは私はこれで。」

 

 そう言って店主は店の奥に引っ込んでいった。

 

 一刀「・・・漢女・・・いやそれより・・・」

 

 美羽「一刀?」

 

 一刀(その漢女ってやつは俺の事を知ってるな・・・結璃と同じ管理者か?日本人って事を知ってなきゃ和菓子を出して喜ばれるなんて早々言えやしない・・・)

 

 物思いにふけって俺は思考を巡らせていたのだがふと違和感が出てきた。

 

 美羽「むぐむぐ・・・おお、美味いの。」

 

 一刀「ぬお!?美羽、俺のまで食うな!」

 

 なんと美羽がお菓子を全部食べていた!

 

 美羽「呼んで気付かぬ一刀が悪い。」

 

 一刀「おう・・・ジーザス・・・」

 

 美羽「・・・冗談じゃ。ほれ。」

 

 そう言って美羽は自らの太ももに乗せてたであろう皿を取り出して俺の前に置いてくれた。美羽、そんな悪戯しないでよ。と言うより・・・

 

 一刀「まったく・・・それより自然の流れで流したよね。俺の言葉。」

 

 美羽「ん??・・・あぁ、じーざすじゃったか?一刀の国の言葉なのであろう?つまりは落ちこむ時の言葉か何かじゃと思ったのじゃが、違うかの??」

 

 一刀「あ、合ってるよ。」

 

 正確には驚きなんかも含まれる粗雑な表現の一つだけど・・・補足では人の名前、イエス=キリストのイエスに当たるのだが・・・それはもはやどうでもいいだろう。そう言えば此処って1800年前なんだよな・・・キリストって此処ではもしかして女性なのかな??確かめられないのがもどかしい!

 

 七乃「あ、お嬢様と一刀さん。ずるいですよ二人だけでお茶なんて!」

 

 璃々「ずる〜い、一刀お兄ちゃん、璃々もお菓子〜」

 

 一刀「うぉ!?り、璃々か・・・分かったから背中から降りて・・・」

 

 璃々「・・・当ててんのよ?」

 

 一刀「その言い回しは七乃に教わったのかな?」

 

 璃々「うん!」

 

 良い笑顔だ。だが・・・

 

 一刀「美羽、璃々にお菓子を注文してあげてね。七乃の分は良いから。」

 

 美羽「う、うむ。了解なのじゃ。」

 

 七乃「あ、あれ、一刀さん??ちょ、ま・・・いたたたたたた!!耳、耳は引っ張らないでください〜」

 

 そのまま俺は七乃に宿まで案内させそのまま正座でお説教をした。まだ幼い璃々に何教えてんだ!?って小一時間ほどお説教をした。少しげんなりしていたがしばらくして二人きり二人きりと呟いて微笑んでいたけど・・・反省してないのかな?

 

 その後、美羽達と合流した紫苑、紫庵、双葉は璃々に連れられて宿に到着。明日にでも会ってくれるそうだ。紫苑がなんだか良い顔してなかったのが気になるけど・・・そうして俺達はそれぞれ割り当てられた部屋で就寝と相成った。

 

 余談だが紫苑、紫庵、璃々が一部屋、美羽、双葉が一部屋、俺と七乃で一部屋だ。・・・持てよ、俺の理性。

 

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 あとがき

 

 

 羽生「遂に括弧を付けなくなったのです。」

 

 結璃「面倒になったんでしょ?それより羽生・・・」

 

 羽生「言いたい事は分かるのですが、その部屋割をした七乃を責めるといいのです。」

 

 結璃「あんたは関与してないと?」

 

 羽生「・・・僕の想像で出来た物語なので主犯はボクなのd」

 

 結璃「死ねやごらぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

 羽生「だが断る!!」

 

 結璃「な!?何処行った!!何処消えた!!!!」

 

 羽生(はははは!僕は古手羽生。オヤシロ様でもあるのです!!姿を消すのはおてのm)

 

 結璃「そこかぁぁぁぁぁ!!」

 

 羽生(ぐほぁ!?)

 

 羽生「・・・ど、どうやって殴ったのですか・・・」

 

 結璃「私は管理者よ!原理が理解できていれば触れるのは容易よ!後は声のする場所に拳を振り抜けばいい!!」

 

 羽生「・・・お、お見事・・・(がく」

 

 結璃「・・・羽生?」

 

 羽生「・・・」

 

 結璃「・・・うぁぁぁぁ!!!ちょ、ま、人工呼吸!蘇生措置ぃぃぃぃ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 羽生「・・・はっ!ボクは一体何を!?」

 

 結璃「よ、よかった・・・」

 

 羽生「結璃・・・?ボクは・・・あぁ、結璃の一撃を心臓に喰らって・・・」

 

 結璃「う、うん、やりすぎた。頑張って心臓マッサージと人工呼吸をしたの。戻ってきてくれてよかった・・・」

 

 羽生「そ、そうなのですか・・・」

 

 結璃「そ、それじゃ私は一刀君の様子を見てくるからこれでね。じゃ、また次回〜」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 羽生「・・・・行ったのです。・・・人工呼吸・・・な、何故本当に死んでるのですかボクは!?ゆ、結璃のくくくく、唇が・・・ぼぼぼぼ、ボクの・・・あうあぅあぅあぅ////」

 

 

 

 

説明
十四話になりますのです
それにしても全体の構成ができていてそれを文章にできないこの無能ぶり、どうにかならないのでしょうか。
それでは本編どうぞ。
え?拠点??それこそ前作から無理ぽって言ってるじゃないですか!?
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コメント
XOPさん<こちらは誤用ですね。修正しました。一刀の場合滑る可能性がある以上ある意味合ってる気はしますが・・・(ユウヤ)
口が滑っても言えない→口が裂けても言えない:一刀の行っていた群雄割拠→言っていた(XOP)
三ヶ月後に七乃からアレが来ないのと言われるんですね。(神木ヒカリ)
七乃がかわいいなぁ〜w怒られてるのに二人きりなとこに喜ぶとはw(nao)
羽生様ドン━(。-ω-ヾ(∀`。)━マィ。(黒鉄 刃)
N.博也さん<羽生「ゆり!?結璃だけに?そんなことよりボクは結璃の親友なのです。そそそそそんなこと有る訳ないのです。」結璃「そうなの?ちょっと残念」羽生「えぇぇぇぇぇぇ!?」結璃「じょ、う、だ、ん、よ★」羽生「orz」(ユウヤ)
禁玉→金球さん<一般人に見抜かれるほど柔な性癖ではない!(ユウヤ)
Kyogo2012さん<恥ずかしさのあまり気付いておりません。まだまだ半人前なのですよ〜(それでも異常なんだけどね)(ユウヤ)
ツナまんさん<黄祖をちょっと・・・じゃなくてただの誤字でした。粛正・・・じゃなくて修正しときます。(ユウヤ)
M.N.Fさん<中二病ですが何か?(笑)(ユウヤ)
凄く・・ゆりです・・(あとがき(mame)
「紫苑さん達襲いですね〜」成る程作者様の性癖が垣間見えた!!(禁玉⇒金球)
あれ。前回の出歯亀の問い詰めが無かったな。美羽なら、気づいていそうな感じだったけど・・・・。あと、あとがきは、M.N.F.さんと同じ意見ですね。神(作者)殺しのワってなに?(Kyogo2012)
「紫苑さん達襲いですね〜」 ・・・一体何を襲ったんだ!?(ツナまん)
神殺しの拳とかなんなんすかアンタら;^_^(あとがきしか見ていない)(M.N.F.)
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