孤高の御遣い Brave Fencer北郷伝54(上)
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ここは、涼州南に位置する金城

 

 

 

 

この地で、ある戦いがあった

 

一刀「五胡兵は、涼州方面から蜀に向けて進行中!!」

 

雷刀との死闘から僅か10日後、この涼州に五胡の大群が押し寄せてきたと狼煙台での緊急連絡があった

 

一刀「これより魏呉蜀、三国連合軍を投入し事態の収拾を図る!!作戦内容に変更無し!!!ミッションスタート!!!」

 

おかげで再開されるはずだった天下一品武踏会も再び中止となり、将達はイライラを募らせていた

 

ここで五胡の民族についての説明を付けたしておこう

 

もともと五胡とは、匈奴・鮮卑・羯・?・羌の五つの民族の総称である

 

匈奴は、前趙・夏・北涼を、鮮卑は、前燕・後燕・南燕・南涼・西秦を、羯は、後趙を、?は、前秦・後涼・成漢を、羌は、後秦を、漢族が前涼、西涼、冉魏、北燕をそれぞれが建てた

 

また、匈奴によって建てられた前趙、鮮卑慕容部によって建てられた前燕といった説明もされるが、これはあくまで中心となって建てた民族であり、その国家の中には複数の民族が混在していた

 

一刀「公国の行方はこの一戦にあり!!!各員!!!奮励努力せよ!!!」

 

雫「はい!!!一刀様!!!皆さん!!!奮励努力です!!!」

 

零「ご主人様の仰せの通りに!!!奮励努力!!!」

 

冥琳「応!!!奮励努力!!!」

 

朱里「はい!!奮励努力でしゅ!!!」

 

雪蓮「総員、奮励努力!!!」

 

華琳「奮励努力しなさい!!!」

 

桃香「みんな!!!奮励努力だよ!!!」

 

蓮華「みな!!奮励努力よ!!!」

 

本陣では、天の御遣いたる一刀がこの戦の総司令官を務め、彼を囲うように三国の名だたる名軍師達が勢揃いしている

 

本陣の真後ろには、魏と呉と蜀と書かれ旗が三つ掲げられ、三国同盟が確固たるものであることを物語る

 

其々の将が己の誇りである牙門旗を翻し、五胡を迎え撃つ体勢をとる三国連合軍

 

今では三国全ての騎兵達は鐙を装備しており、その機動性は今までにないものを見せる

 

村長「一刀殿!!三国の司令官をお勤めなされるお方にお仕えすることができ、恐悦至極でありますぞ!!」

 

一刀「・・・・・ところで、なんで村長がここにいるの?」

 

村長「何を仰るのですじゃ一刀殿!!?今ではすっかり老体となってしまった我が身なれど、一刀殿の盾くらいにはなってみせましょうぞ!!!」

 

一刀「・・・・・まぁ、なるべく無理しないでくださいね」

 

そう、一刀の隣には鎧兜に槍を装備した村長が立っていた

 

しかし、その気合にも関わらず老体には重い装備なため足はガクガク、槍を持つ手は震えている

 

一刀「(なんで着いて来たんだよ、いい加減大人しくしててくれよ)」

 

聖「一刀・・・・・わたし、怖いわ・・・・・」

 

一刀「大丈夫、聖は俺が絶対に守ってみせるよ」

 

聖「・・・・・うん♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

桂花「先陣は葵、恋、翠、蒲公英、霞、白蓮の騎馬隊に任せるわ!!紫苑と菖蒲の部隊は補佐を!!人和の部隊は後方支援をよろしく!!」

 

紫苑「わかってるわ!!桂花ちゃん!!」

 

菖蒲「はい!!お任せください!!」

人和「こちらも準備は出来ています!!」

 

詠「馬騰隊!呂布隊!張遼隊!公孫賛隊!馬超隊!馬岱隊!五胡の弓兵は侮っちゃいけないことは知っているけれどあなた達の突撃力の方が上だと僕は信じているわ!目に物を見せて流れを一気に引き寄せて頂戴!」

 

音々音「恋殿は最強なのですぞ〜〜♪♪」

 

三国連合軍の中央を受け持つ軍師は詠、桂花、音々音

 

涼州出身で五湖との戦いに慣れた者達を中心に、天下無双、神速、幽州の騎馬隊が加わる

 

豊富な涼州にあって選別された馬の旗を掲げた精鋭の騎馬軍がそれだけの言葉を残し、後の者はその旗に続けと、主に続けてと砂塵を巻き上げて走り行く

 

葵「お前ら!!!三国軍が居るからって手を抜くんじゃないぞ!!!生き残りたかったら一刀の言った通り奮励努力しな!!!」

 

霞「任せときや!!この張文遠の神速と突破力、よう目に刻みつけや!!」

 

恋「ん・・・・・ご主人様の敵・・・・・倒す」

 

白蓮「幽州の白馬将軍の名は伊達じゃないことを証明してやるぜ!!」

 

一個人の強さではどこのたいにも負けない者達と神速の名を欲しいままにする者と白馬で構成された俊足隊がそれに恥じない速さを見せ付けるかのように駆け出し、その他の部隊の者が後に続く

 

翠「おっしゃ!!西涼騎馬の強さが張遼の部隊に負けない事を教えてやるぜ!!突撃いいいいいい!!!」

 

蒲公英「もうお姉様ったらはりきっちゃって〜♪そんなにご主人様に良いとこ見せたいの〜〜♪

 

翠「ばばばば馬鹿なこと言ってるんじゃない!!!余計なことばっかり言ってると置いてくぞ!!!/////////////」

 

蒲公英「ってあぁん待ってよお姉様〜!!」

 

駆ける騎馬軍は開けた場所へと、そしてそこのはるか前方に五胡の群れをその視界に入れる

 

葵「俺は正面を食い破る!!霞と白蓮は左から、右は翠と蒲公英に任せる!!」

 

霞「よっしゃ任せい!!」

 

白蓮「遅れは取らないぜ!!」

 

蒲公英「頑張っちゃうよ〜〜〜!!蒲公英もご主人様に良いとこ見せるんだから〜〜〜!!」

 

翠「あいよ!そっちもしくじるんじゃないぞ!!」

 

葵「だ〜〜〜れに言ってんだ!!!」

 

三国連合軍の中央を受け持つのは詠、桂花、音々音

 

そして、その言葉通りに葵は正面に霞の部隊は左に流れ、翠と蒲公英の部隊は右へと折れる

 

右に折れた翠と蒲公英の部隊の前に筋骨隆々な五胡が立ちはだかる

 

翠「いいか我が友よ!!西涼の騎馬こそが大陸最強だという事をあの見かけ倒しの軍団に教え込んでやろうじゃないか!!いくぞ!!」

 

蒲公英「五胡との戦いなら蒲公英達の一八番なんだからね〜〜!!」

 

霞「速く速く!!もっと速く!!ウチは今!!神速を超えるで!!」

 

白蓮「いいか白馬隊の皆!!お前達は幽州にてわたしと共に長年鳥丸の進行を食い止めてきた精鋭だ!!やることは同じだ!!行くぞ!!」

 

両軍の兵が勢いづき馬の速度が増し

 

翠「おらあああああああああああああああああ!!!!」

 

霞「おおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」

 

翠の振るう銀閃が確かに煌めき

 

霞が振るった飛龍堰月刀が日の光を反射させる

 

ズバッ!!

 

バシュッ!!

 

「GOGYA!!!」

 

「GAHUUU!!!」

 

そんな肉を断つ音を響かせ、その絶命を始まりの音色とするかのごとく、両騎馬兵が真っ向からぶつかり合った

 

白蓮「くぅ、翠と霞に先を越されたか・・・・・っま、向こうに敵の主力騎馬がいるということはこっちは手薄に・・・・・っと!」

 

キキキン!!

 

そこまで呟いたところで視界に違和感を感じ、白蓮は咄嗟に自身の眼前を剣で薙いだ

 

白蓮「(なるわけもないか・・・・・)」

 

目に映るは五胡兵から降り注ぐ矢の嵐

 

白蓮「白馬陣を敷け!!敵の矢が来るぞ!!武器で弾くなりかわすなりしろ!!」

 

叫び己が武器で始終前方から飛び来る矢を叩き落とし突き進む

 

菖蒲「紫苑さんの部隊に近づけてはなりません!!!生き残った五湖兵はわたくし達が屠ります!!!」

 

紫苑「菖蒲ちゃんにばかり働かせるわけにはいかないわね・・・・・黄忠隊!!!援護射撃を敢行します!!!」

 

前衛の馬騰隊、呂布隊、張遼隊、公孫賛隊、馬超隊、馬岱隊が取りこぼした五湖兵がその前衛を援護する黄忠隊に寄り付かないように除晃隊が一掃する

 

蒲公英「はあああああああああああ!!!!」

 

バシ!!!ザシュン!!!

 

蒲公英「も〜〜〜〜、切っても切っても湧いてくるよ〜〜〜〜、これじゃあいくら叔母様や恋でも・・・・・」

 

葵「どうしたどうした!!!これじゃあクソ面白くも無いぞ!!!一刀のような奴は居ないのか!!!?おらああああああ!!!!」

 

恋「・・・・・お前達・・・・・弱い」

 

乱戦によって周りから叫び声やら気合一声が上がっているにも拘らず、蒲公英の居る所まで葵の声が響き渡る

 

中央は葵と恋によってすでに五胡兵の屍の山が積み上がっていた

 

蒲公英「・・・・・いらない心配だったね」

 

霞「今のウチは誰にも止められへんでーーーーーー!!!」

 

翠「うおおおおおおおおお!!!あたしだって負けてられるかーーーーー!!!」

 

飛龍偃月刀と銀閃が迫り来る五湖、そして矢を次々と切り払っていく

 

白蓮「おお〜〜〜〜、凄い凄い、流石は神速の張遼と綿馬超と言われるだけあるな」

 

蒲公英「ああ〜〜〜ん、待ってよ〜〜〜〜」

 

霞&翠「ぬ〜け〜た〜(でええええ)!!!!」

 

矢の嵐を掻い潜り五湖を切り払った霞と翠は返り血を浴びながらも堂々としていた

 

霞「張遼隊!!ウチは抜けた!!ウチの自慢の兵ならば抜けれる!!来い!!」

 

翠「馬超隊!!張遼隊に遅れを取る奴はいるはずがないよな!!」

 

騎馬の扱いにかけては両者ともに譲れないものがる

 

しかし、このライバル心がいい方向へ向くとお互いの技量をもう一つ上の領域へ押し上げていく

 

今この形が最もいい形と言えるだろう

 

翠「さてと・・・・・どっちが多く五胡の息の根を止められるか、勝負と行こうか」

 

霞「ええな・・・・・競馬の時はほとんど互角やったし、前の戦いじゃ一騎打ち出来なかったから、ここでどっちが強いかはっきりさせよやないか」

 

飛龍偃月刀で天を仰ぎかっかっかと高笑いを上げる

 

翠「強い相手とやりあえるのならば武将としてこれ以上も無いぜ・・・・・いくぞ霞!!」

 

銀閃の十字の煌めきには悲壮感など微塵も無く

 

霞&翠「「おりゃーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!」」

 

二つの刃は、二人の雄たけびと共に五胡の命を刈っていく

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

春蘭「は〜〜〜〜っはっはっはっはっは♪♪今日のわたしは頗る調子がいい♪♪どらあああああああああああああああ♪♪」

 

雪蓮「あはははははは♪♪楽し〜〜〜〜〜♪♪やっぱ戦場が一番ね〜〜〜〜〜♪♪」

 

戦場の右翼では、久しぶりの戦場にいきなり絶好調な春蘭と雪蓮がいた

 

春蘭が闘気を七星餓狼に溜め五胡兵を蹴散らしながら歓喜の雄叫びをあげ、南海覇王の錆になっていく

 

華琳「稟!!春蘭を止めなさい!!」

 

稟「前に出過ぎです春蘭殿!!他の方との連携を考えてください!!」

 

隱「余り前に出過ぎないでください雪蓮様〜〜〜!!冥琳様から雪蓮様のことをよろしくいわれているんですから〜〜!!」

 

嵐「まったく、雪蓮のやつも一刀にかなり叩きのめされているはずなのに、なぜあそこまで天真爛漫でいられるのだ?」

 

地和「そうよ!!後方支援するちぃのことも少しは考えてよね!!」

 

しかし、そんな両者の声はハイテンション真っ盛りな二人の耳には届かない

 

小蓮「大丈夫♪シャオに任せて♪」

 

穏「?・・・・・小蓮様?」

 

稟「小蓮殿?」

 

小蓮「すぅ〜〜〜〜〜〜・・・・・」

 

大きく息を吸い込んだ小蓮は、おそらく三国の将達全てに効果のある一言を口にする

 

小蓮「お姉ちゃ〜〜〜〜〜ん♪♪春蘭〜〜〜〜〜♪♪あんまりお転婆が過ぎると一刀に嫌われちゃうよ〜〜〜〜♪♪」

 

雪蓮「うっ!!?・・・・・それは嫌ぁ〜〜〜〜〜〜・・・・・」

 

春蘭「なっ!?・・・・・師匠に嫌われるのは嫌だ・・・・・」

 

穏「ふふっ♪なるほど、流石小蓮様ですね〜〜♪」

 

星「はっはっはっは♪雪連殿も主の前では子猫ですな〜〜〜〜♪」

 

華琳「ふふふふ♪春蘭もだいぶ丸くなってきたわね♪」

 

稟「そうですね、魏武の大剣と恐れられた春蘭殿も一刀殿の前では形無しですね」

 

小蓮の言葉に雪蓮と春蘭は自らの武器を鞘に納め最前線から少し離れた

 

その直後

 

ドガッ!!

 

呉兵「ぐあっ!!!」

 

春蘭「っ!!!?雪蓮!!!」

 

嵐「おい雪蓮!!」

 

小蓮「お姉ちゃん!!!」

 

2人の五胡兵が最前線の呉兵を突破し雪蓮に襲い掛かる

 

雪蓮「ふっ!」

 

シュババッ!!

 

「「GOHUAA!!!」」

 

鞘から南海覇王が抜き放たれ二人の五胡は両断された

 

春蘭「い、今のは!?師匠の!?」

 

雪蓮「ええ♪抜刀術よ♪」

 

嵐「今のはわたしもかすかにしか見えなかった・・・・・雪蓮の剣の腕は一刀の領域に入ってきているのではないか?」

 

雪蓮「・・・・・いいえ、あたしの腕は一刀にはまだまだ届いていないわ」

 

小蓮「ええ!!?そうなの!!?」

 

雪蓮「一刀が言うには、剣は極めた者が振るえば切られた相手は例え腕を両断されても痛みを感じないんですって」

 

小蓮「うそ!!?本当に!!?」

 

雪蓮「そう、だからさっき切った五胡は叫び声をあげちゃったのよ・・・・・だからまだまだあたしの実力じゃ一刀との約束は守れそうにないわね」

 

稟「約束って・・・・・まさか!!泰山でのあの約束ですか!!!?」

 

地和「ちょっと本気なの!!!?一刀を殺すって約束!!!?」

 

雪蓮「あたしは本気よ・・・・・葵さんにも約束していたみたいだけど、一刀の命は誰にもあげない、一刀の命はあたしのものよ」

 

稟「・・・・・そんな・・・・・」

 

小蓮「お姉ちゃん!!!そんなのないよ!!!」

 

戦場であるにも拘らず呉の陣営でそんな激論がかわされている最中でも戦況は動く

 

華琳「あなた達!!!死にたいの!!!?今は目の前の敵に集中なさい!!!」

 

星「その話は後だ!!!はぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こちらは戦場左翼

 

 

 

愛紗「くっ!!こやつらしつこいぞ!!こんなべったり張り付かれてはこっちの間合いが取れない!!」

 

亜莎「皆さん!!!なんとか引き剥がしてください!!!」

 

思春「くそっ!!これではキリがない!!」

 

天和「いや〜〜〜ん!みんなわたしを守って〜〜〜!」

 

ここでは五湖の奇襲によりいきなり危機的状況に陥っていた

 

ガキーーーーーーーン!!!バキーーーーーーーーン!!!

 

蜀兵「がっ!!!」

 

呉兵「ぐおっ!!!?」

 

魏兵「〜〜〜〜〜っ!!つえ〜〜〜・・・・・」

 

五胡の首狩り刀が三国の兵士達の攻撃を弾き、向い来る兵を確実に仕留めていく

 

愛紗「よせ!!!先走るな!!!」

 

亜莎「そうです!!最低でも二人一組で当たって下さい!!!」

 

秋蘭「まともに相手にするな!!!陣形を整えろ!!!」

 

「「「「「おう!!!!!」」」」」

 

そう、五胡の個人の強さは呂布隊のそれに匹敵する

 

おまけに五胡の兵力は三国全軍のそれを超えているのである

 

これではまともに戦えるはずが無い

 

桃香「うわわわぁ・・・・・どうしよう、蓮華さ〜〜〜ん・・・・・」

 

蓮華「くっ・・・・・このままでは一刀の作戦に支障が出てしまうわ」

 

秋蘭「おい!!乱戦に持ち込まれたらこちらも援護が出来ん!!なんとか引き離せ!!」

 

焔耶「お前達!!!桃香様の前にまで五湖を行かせるなんてことわたしが許さないからな!!!」

 

凪「はぁ〜〜〜〜〜〜!!猛虎強襲連撃!!!」

 

ズドヴァ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ン!!!

 

「GUAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!」

 

散弾銃のような氣弾の嵐をまともに受け五湖兵達は吹っ飛んだ

 

凪「よし!!今が反撃の好機だ!!」

 

その隙を突き前衛の部隊が五湖を押し返し体制を整える

 

悠「おらおらおらおら!!!あたしの鉤爪の錆になりたい奴はどいつだ!!!」

 

秋蘭「よし今だ!!!一斉射撃!!!」

 

引き剥がした五湖に向けて夏候淵隊が矢を一斉に放ち殲滅する

 

亜莎「ふぅ〜〜〜〜、ありがとうございます、凪さん」

 

蓮華「助かったわ、凪」

 

凪「いえ、これくらいならお安い御用です」

 

桃香「ホントありがと〜〜♪凪ちゃ〜〜〜ん♪いい子いい子♪」

 

なでなで

 

凪「あうう、桃香様、お止めください/////////」

 

愛紗「やるな、凪・・・・・流石はご主人様の一番弟子だけある」

 

凪「そんな・・・・・褒めるならこれだけの郡の統率を任されている亜莎さんを褒めてあげてください」

 

焔耶「それもそうだ!!だいたいお館は本陣で殆どの軍師を独占しているじゃないか!!こっちのことも考えろ!!」

 

亜莎「いえ、それは仕方がないかと・・・・・」

 

秋蘭「うむ、本陣からの指示やこちらからの報告は、一人や二人ではとても賄いきれないからな」

 

蓮華「それに本陣は、戦場全体を見ないといけないのよ、これだけの大規模な戦いじゃあれでも足りるかわからないんだし」

 

焔耶「・・・・・・・・・・」

 

天和「って!!?きゃ〜〜〜〜〜〜〜!!!」

 

シュババババババババ!!!

 

そうこうしている間でも五湖兵達は矢を放ってくる

 

凪「天和さん!!?ふっ!!!」

 

ゴオオオオオオオオオオオオオ

 

全身に氣を纏い氣の壁を作り出し全ての矢を防ぐ

 

凪「秋蘭様!!!」

 

秋蘭「よし!!射掛けよ!!!」

 

シュバババババババババババババババ!!!

 

「「「「「GOHAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!」」」」」

 

一瞬で氣の壁を解除し間髪入れずに夏候淵隊が射返し五湖を葬っていく

 

思春「おい貴様ら!!!何をやっているんだ!!!」

 

蓮華「そうよ!!ここは戦場なのよ!!」

 

桃香「あうう〜〜〜〜・・・・・はい・・・・・」

 

愛紗「うう・・・・・すまない・・・・・」

 

悠「まっ♪気楽に行こうぜ♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一刀「右翼の様子はどうだ、冥琳」

 

冥琳「報告によると、雪蓮のやつがいつもの如く派手に暴れまわっているらしい」

 

一刀「おいおい、あまり前に出過ぎると危ないぞ」

 

冥琳「その点は穏に一任してある、この機会に雪蓮の手綱を操れるようになれなければ、後できついお仕置きをしてやると言ってあるからな」

 

一刀「・・・・・穏も苦労しているんだな・・・・・雫、零、中央はどんな状況だ?」

 

雫「葵さんと恋さんの部隊が中心となって五胡の主力部隊を押し気味ではありますけど、一気に突破は難しそうです、霞さんと翠さん、蒲公英さんと白蓮さんは周りの五胡兵に突撃、進軍はしていますが状況は五分というところでしょうか」

 

零「菖蒲と紫苑が後につかえているから中央から本陣に五胡が来ることはないでしょう、人和の後方支援部隊も奮闘しているみたいね」

 

朱里「左翼は、五胡の伏兵が潜伏していたようで足止めを受けていましたが、凪さんが機転をきかせてくれて、なんとか乗り切ったようです」

 

一刀「凪を桃香と蓮華に付かせたのは正解だったみたいだな」

 

零「そうですね、けどわたしとしては後方につかせた風が気になります、これだけの数がいればいくらでも分隊を作ることは可能ですので・・・・・」

 

冥琳「それについては心配なかろう、祭殿も付いているからな・・・・・心配があるとすれば・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本陣後方

 

ここは、周囲を山と谷に囲まれている馬などでは移動しにくい地形である

 

一刀が戦場全体を見渡せる平地に本陣を敷いているのは後方がこんな地形になっているからである

 

 

 

 

風「それでは皆さん〜、五胡の人達を袋叩きにしちゃってください〜」

 

そんなのほほんとした号令から発せられるのは

 

 

純夏「一刀の後ろはあたしが守る!!」

 

沙和「隊長の背中は取らせないの〜!!」

 

祭「行くぞひよっこ共!!ワシに続けい!!」

 

鈴々「にゃ〜〜〜〜!!!燕人張飛、参上なのだ〜〜〜〜!!!」

 

明命「奇襲は忍の見せ場です!」

 

とこのように、三国の将達参加のあまりに鬼畜な十面埋伏

 

「「「「「GAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!」」」」」

 

後ろから大回りに回り込み、本陣を奇襲しようとしていたつもりが逆にこちらが奇襲を受けるという思わぬ展開に五胡は完全に混乱状態に陥っていた

 

太史慈隊、于禁隊、華雄隊、黄蓋隊、張飛隊、周泰隊、これら6つの部隊を10の部隊に分けそれら全てを伏兵化させる

 

山の上から、谷の影から次々間断無くやってくる三国の兵士達に一方的に蹴散らされる五胡兵

 

風「・・・・・はい〜、これくらいでいいでしょう〜、みなさ〜ん集まって下さい〜」

 

純夏「はぁ・・・・・なんだか歯ごたえがないわね・・・・・」

 

鈴々「にゃ〜〜〜〜、鈴々もこんな卑怯なやり方嫌いなのだ〜〜〜・・・・・」

 

祭「おいおい!いきなり何を言い出すのじゃ!お主ら!」

 

明命「そうです!五胡も一刀様の本陣を奇襲しようとしていたんですよ!」

 

沙和「そうなの〜!卑怯もへったくれもないの〜!」

 

純夏「うっ・・・・・そうね・・・・・」

 

鈴々「ごめんなのだ・・・・・」

 

風「全くしょうがない奴らだぜ〜、こんな暴れん坊共の手綱をいっぺんに引いている風はやはり一流なのです〜」

 

純夏「なにぃ〜〜〜」

 

祭「言わせておけばこいつめ」

 

鈴々「お調子に乗るななのだ!」

 

沙和「それは自分で言う台詞じゃない気がするの〜」

 

風「ぐぅ・・・・・」

 

「「「「「寝るな!!!」」」」」

 

風「おおう!?皆さんの視線が痛すぎて、思わず現実逃避してしまいました〜」

 

祭「まったく・・・・・コイツといるとどうも調子が狂う・・・・・」

 

純夏「風の相手をいつもしている稟もなかなかの大物かも知れないわね・・・・・」

 

祭「それはそうと、我らの次の行動はなんじゃ?軍師殿」

 

風「そうですね〜、奇襲が失敗した以上、五胡も同じ手は使ってこないと思いますが、念の為に風達は引き続きお兄さんの後ろを守っていましょう〜・・・・・というわけで皆さんは五胡の生き残りの捜索および見張りをお願いします〜」

 

純夏「またなの・・・・・亀のようにじっと待つのは性に合わないんだけど・・・・・」

 

鈴々「うう〜〜〜、つまんないのだ〜〜〜〜」

 

明命「純夏さん、鈴々さん、文句を言わないでください」

 

祭「そうだぞ、一刀は五胡の奇襲を見越してこの布陣を組んだのだ、我慢せい」

 

純夏「え、ええ・・・・・」

 

鈴々「・・・・・わかったのだ」

 

そうして、風の指示通り各々が散らばっていく中で

 

純夏「・・・・・それにしても珍しいわね」

 

風「なにがですか〜、純夏さん〜?」

 

純夏「いや、風が割とあっさり一刀の後ろを引き受けたことよ」

 

明命「そうですね、風さんだったら絶対本陣に残ると言いそうですのに」

 

風「みなさん何を言っているんですか〜?夫の背中を守るのは正妻である風の勤めなのですよ〜♪」

 

沙和「ええええ〜〜!!?それは聞き捨てならないの〜〜!!」

 

鈴々「にゃ〜〜〜〜!!?お兄ちゃんの正妻は鈴々なのだ〜〜〜〜!!」

 

純夏「一刀の正妻を名乗るのはこの口か!!?この口か!!?」

 

祭「こいつめ、その性根を叩き直してくれようか?」

 

明命「はうあ!?わたしも一刀様の正妻になりたいです!」

 

風「おおおお〜〜〜〜!?」

 

まさに地獄耳(このことに関しては)

 

散らばっていった将達の耳に風の言葉が届き、またもや口論を開始する一同であった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

冥琳「・・・・・と、調子に乗っていそうだ」

 

一刀「そんなのいつもの事だろう」

 

冥琳「いや、あやつは本気で一刀の正室を狙っているからな、なかなかに油断ならん」

 

一刀「・・・・・それって、まさか」

 

冥琳「うっ・・・・・まぁ、その、なんだ・・・・・わたしも一刀さえ望めば正室にならんでもないというか///////」

 

一刀「・・・・・俺は別に誰を正室に迎えると決めているわけじゃないけど、むしろ冥琳だったらこちらからお願いしたいくらいさ」

 

冥琳「・・・・・ふふふふ?その時は可愛がってくれよ?/////////」

 

一刀「・・・・・ああ♪」

 

聖「(いきなり二人だけの世界を構築しないでよ〜〜〜)」ゴゴゴゴゴゴゴゴ

 

村長「ああ、一刀殿の子供ならワシの孫同然ですじゃ♪一刻も早く孫の顔を見たいものですじゃ♪」

 

零「・・・・・雫、冥琳もかなりの強敵みたいね」(ひそひそ)

 

雫「はい、なんでも冥琳さんは、一刀様の初恋の人という噂がありますから」(ひそひそ)

 

零「わたしも、もっと早くご主人様と出会っていれば・・・・・」(ひそひそ)

 

雫「わたしの方が一刀様と先に出会っているのに・・・・・」(ひそひそ)

 

二人共自分が一刀の初恋相手になれなかった事に悔しさを滲ませる

 

朱里「(はわわぁ〜〜〜、わたしもご主人様の正室になれるようにもっと頑張らないと)」

 

ここに完全に存在を忘れられた伏龍がいた

 

徐栄「隊長!!報告です!!」

 

そこに血相を変えて陣に飛び込んでくる徐栄

 

朱里「はわわ!?何かあったんですか!?徐栄さん!?」

 

徐栄「はっ!中央の左右から五胡のやつらが迫ってきます!」

 

雫「中央からですか!?」

 

零「まさか中央の陣が崩れたというの!?葵と恋はどうなったの!!?」

 

徐栄「いえ、中央の両脇、菖蒲殿と紫苑殿の左右から回り込んできています!」

 

冥琳「数はどれくらいだ!?」

 

徐栄「左右二千ずつ!合わせて四千です!」

 

一刀「なんだ、それくらいだったら十分計算の範囲内だ、真桜には打ち合わせ通りに頼むと言ってくれ」

 

徐栄「え、あはい」

 

一刀の指示のもと徐栄は本陣から退出していった

 

朱里「あの、ご主人様・・・・・本当に大丈夫なんですか?」

 

雫「はい、なにせ相手は恋さんの部隊と同等の能力を持った者達なんですよ」

 

一刀「確かにまともに行ったんじゃ、ここの北郷隊だけじゃ防ぎきれないだろうな・・・・・だけど、強いこと、それ即ち戦に勝てることと思ったら大間違いだ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

徐栄「真桜殿!」

 

真桜「なんや、隊長何て言うとったん?」

 

徐栄「はい・・・・・打ち合わせ通りに頼むと・・・・・」

 

真桜「だから言うたやろ、別に報告せんでもええって」

 

張済「そうだぞ、徐栄は心配し過ぎだ」

 

徐栄「だが本陣は最小限の数しか配備していないんだ、たったこれだけの数でどうやって防ぐんだ」

 

真桜「そこで、ウチと隊長の発明品の登場や♪持ってき〜〜な♪」

 

李典隊「「「「「おう!!!」」」」」

 

真桜に支持された兵士達は長さ6メートルはあるであろう棒の付いた四輪車を6台ほど引っ張ってきた

 

徐栄「・・・・・前から気にはなっていましたが、これは一体何なのですか?」

 

真桜「それは見てのお楽しみや・・・・・よっしゃお前ら!!装填や!!」

 

李典隊は棒の先端のくぼみに直径1メートル近い岩石の塊を載せていく

 

真桜「張済はん!敵の距離はどれくらいや!?」

 

張済「はっ!ざっと1里(500メートル)です!」

 

真桜「よっしゃ・・・・・放てーーーーー!!!!」

 

ヒュ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ドゴ〜〜〜〜〜〜ン!!!!

 

「「「「「GAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!」」」」」

 

ドガ〜〜〜〜〜〜〜ン!!!!ズガ〜〜〜〜〜〜ン!!!!ヅド〜〜〜〜〜〜〜ン!!!!

 

ゴガ〜〜〜〜〜〜〜ン!!!!ボゴ〜〜〜〜〜〜ン!!!!

 

そう、真桜と一刀の発明品とは投石器のこと

 

投石器から発射された岩石が次々と五胡を押し潰していく

 

真桜「次や!!弩討てーーーーーー!!!!」

 

シュビビビビビビビビ!!!!

 

「「「「「GAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!」」」」」

 

次に登場したのが、長さ2メートルはあるであろう槍をそのまま打ち出す弩

 

普通の弓矢とは数十倍の威力がこもった槍の雨に流石の五胡兵達もなすすべなく餌食になっていく

 

真桜「もちろんこれだけやないで〜〜〜♪二番目発射や〜〜〜〜〜♪」

 

バフンバフンバフンバフン!!!

 

張済「お前ら!!援護射撃だ!!!」

 

シュババババババババババババババババ!!!!

 

「「「「「GOHAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!!」」」」」

 

真桜「うは〜〜〜♪効果絶大やな〜〜〜♪」

 

投石機から射出されたのは煙玉、それが五胡の視界を奪い行く手を阻む

 

そこに北郷隊の弓隊が一斉射撃を敢行し煙の向うから五胡達の叫び声が聞こえてくる

 

徐栄「凄いものですな、真桜殿」

 

張済「ええ、最初何を作っているのか分かりませんでしたが、流石兄上と真桜さんの発明です♪」

 

真桜「そらそやろ♪なんせこいつらはウチと隊長の最高傑作やで♪・・・・・ほれほれ〜〜〜!!お前らもっときばりや〜〜〜!!まだまだ五胡はぎょ〜〜〜さんおるで〜〜〜!!」

 

「「「「「おう!!!!」」」」」

 

真桜の号令のもと、李典隊は次々と岩を再装填していった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

詠「ほら言ったでしょ、心配無いって♪」

 

紫苑「そうね、わたしの取り越し苦労だったみたいね♪」

 

菖蒲「・・・・・良かったです」

 

紫苑「あらあら、ここにも一人心配性の人がいたわね♪」

 

菖蒲「そそそんな、わたくしは、一刀様の身を案じているだけで・・・・・」

 

紫苑「ああん♪可愛いわよ♪菖蒲ちゃん♪」

 

ぎゅうううううううううう

 

菖蒲「あうううう、止めて下さい、紫苑さん(うわ、この人凄く胸が大きい)////////」

 

紫苑に抱き締められた菖蒲は、紫苑から溢れんばかりの母性を感じた

 

そして、その魅力は決して自分には無いものだということを理解した

 

桂花「ちょっと!!遊んでないで援護しなさい!!」

 

人和「そうです!!左右に別れた五胡もなんとかしないといけません!!」

 

菖蒲「あはい!・・・・・除晃隊!!左右の五胡に突撃です!!」

 

紫苑「はいはい♪・・・・・黄忠隊!!援護をするわよ!!」

 

桂花「ふぅ・・・・・これでここが囲まれることはないわね」

 

詠「これから五胡はどう動くと思う?」

 

桂花「・・・・・・・・・・」

 

これからの戦の展望を語り、そして相手の出方を読もうとする

 

桂花「これだけ開けた場所、そしてこっちは数だけでは圧倒的に劣るけど、何かしてくるとしたら何が考えられるかかしら?」

 

詠「それが分からないから困ってるのよ、う〜ん・・・・・順当に考えれば本陣への奇襲でしょうけど・・・・・」

 

桂花「それはさっき失敗に終わったわって報告があったわよ」

 

詠「そうなのよね、無いと思わせて行動すればそれは最高の奇襲になるわ・・・・・でもその奇襲も一刀はよんでいた・・・・・そうね、ここで敵大将の首を上げられればこの戦は勝ちなんだろうけど、その大将が何処にいるかが皆目見当がつかないのよね・・・・・」

 

自身の考えを一息に、その早口と頭の回転の速さに桂花は大きく溜息をつき

 

桂花「そうね、大将を打ち取るにしてもとりあえず生け捕りが理想的ね、敵の情報も知っておきたいし」

 

詠「でもそいつがどこにいるかが問題なのよね・・・・・桂花は見当付いてるの?」

 

桂花「知らないわよ、五胡なんてみんな同じに見えるし、奴らの牙門旗なんて見当たらないし、あいつらに大将そのものが居るのかが疑問よ」

 

そう、五胡は自らの旗は所持しているが、大将らしき旗が何処にもないのである

 

それどころか、隊を率いる隊長各らしい人間も見当たらない、それでも集団としての纏まりは見せている

 

正直薄気味悪い、そんなグループを率いる人物もいないのにこれだけの纏まりがあり、一人一人の戦闘力がこれだけ高いというのは

 

詠「あぁもう面倒くさい!こうなったら居なくなるまで徹底的に殲滅するまでよ!ほら、菖蒲も紫苑も早く行く!」

 

菖蒲「あはい!」

 

紫苑「はいはい♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時雨「華佗さん!!次の方です!!」

 

月「皆さん、もう大丈夫ですからね」

 

百合「柊ちゃん!!雛罌粟ちゃん!!お願い!!」

 

華佗「おう!!元気になあああああああれええええええええええ!!!!」

 

柊「はい!!元気になあああああああれえええええええええ!!!!」

 

雛罌粟「もう一丁!!元気になあああああああああれええええええええええ!!!!」

 

本陣の横では医療班が待機していて、戦場から運ばれる負傷兵を次々と癒していっていた

 

時雨と月と百合は、助手兼看護婦さんである

 

華佗「ふぅ〜〜〜、こちらは終わった、少し休憩をさせてもらうぞ」

 

時雨「お疲れ様です華佗さん、お茶をどうぞ」

 

華佗「ああ、ありがとう、時雨さん」

 

百合「・・・・・それにしても〜、華佗さんはよく今回の医療班の責任者をお引き受けしましたね〜」

 

華佗「・・・・・そうだな、以前の俺だったら戦争行為に五斗米道(ゴッドヴェイドー)を預けるなんてことは死んでもしなかったんだろうけど、一刀を見ているとそういったことも必要なことなんだって思えるようになってきたんだ・・・・・でもそれを言うなら百合さんだって、戦場に行くような人にはとても見えないんだけどな」

 

百合「・・・・・わたしもまさか自分が戦場に行く事になるなんて夢にも思っていませんでした、でも一刀君のように純粋に平和を願っている人を見ていると、自分もいつまでも戦いが嫌いだなんて言っていられないと思って、こうして志願してしまったんですけどね」

 

華佗「やはり一刀には、人の考え方を変える何かがあるんだろうな」

 

百合「はい〜♪流石はわたしの亭主様です〜♪」

 

時雨「え!!?まさか百合さんも旦那様の正妻を狙ってるんですか!!?」

 

柊「え〜〜〜〜〜!!!?時雨さんは今更でしょ!!?一様の正妻はわたしがなります〜〜〜〜!!!」

 

雛罌粟「僕だよ〜〜〜〜!!!僕僕〜〜〜〜!!!」

 

百合「ああ〜〜〜〜〜ん♪♪♪こればっかりは優しさを心情にしているわたしでも譲れないです〜〜〜〜♪♪♪」

 

月「へうぅ〜〜〜〜、わたしもご主人様の正妻になれるかなぁ〜〜〜〜//////////」

 

華佗「・・・・・一刀・・・・・お前はなんて罪なやつなんだ・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

蓮華「桃香、思春、焔耶、天和、今の状況を確認するわよ」

 

桃香「うん」

 

思春「はい」

 

焔耶「おう!」

 

天和「はいは〜い♪」

 

蓮華「・・・・・わたし達は、五胡の伏兵を殲滅し左翼に展開していた遊撃隊も撃退したわ、これよりわたし達は山中に潜伏し機会を伺おうわよ」

 

一応と思われるその言葉に首を振る者も不満を言う者もいない

 

蓮華「今の左翼は、愛紗と凪と秋欄と悠と亜莎が前線を支えてくれているわ、戦況を見ると我が軍が優勢、しかしいくら優勢だとは言っても戦場では何が起こるか分からないわ、そこで思春と焔耶の二人は最悪、わたしと桃香の護衛を離れ前線の援護に行ってもらうわよ」

 

思春「蓮華様!いくらなんでも護衛無しというのは迂闊すぎます!」

 

焔耶「そうだ!もし桃香様に何かあったらどうするつもりだ!」

 

蓮華「大丈夫よ、いざとなれば、わたしも戦う覚悟は出来ているわ」

 

蓮華は腰の試作忠久を握り締める

 

桃香「うん、わたしもいつまでも守られてばっかりだなんて嫌だもん」

 

桃香も靖王伝家を力強く抱いた

 

蓮華「安心して、さっきも言ったようにそれは最悪の話よ・・・・・しかしその時は、わたしと桃香が伏兵の指揮をするわよ」

 

桃香「うん、わたしも手伝うよ」

 

焔耶「ご立派です、桃香様」

 

蓮華「天和さんは、今まで通り後方支援をお願いします」

 

天和「うん♪」

 

思春「では、わたくし達はこれより潜伏活動に入ります」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

愛紗「関羽隊!!左から来るぞ!!」

 

凪「楽進隊!!受け止めろ!!」

 

悠「あたし達は右を蹴散らすぞ!!」

 

秋蘭「夏侯淵隊!!援護だ!!」

 

左翼の平野では、四つの部隊が能力で勝る五胡の軍団を必死で抑えていた

 

凪の盾の部隊が敵の進行を食い止め、愛紗の槍隊が迎撃し、悠の遊撃隊がかき乱し、秋蘭の弓隊が援護、亜莎の部隊が補助を担う

 

そして、それらの部隊を率いる一騎当千の三人が敵を蹴散らす

 

凪「はあああああああああ!!!猛虎爪撃!!!」

 

スバアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!!!

 

凪が氣を集中させた手を横に振るうと、閻王から放たれる3本の氣の爪が五胡を薙ぎ払った

 

亜莎「うわ、相変わらず凄いですね」

 

愛紗「ああ、凪がいる魏によく我々は勝てたものだ・・・・・」

 

秋蘭「当時の凪は、今の実力を持っていたわけではないからな」

 

凪「あはい、わたしがここまでの気力を持つことができたのはつい最近の話です」

 

悠「そうだよな、一刀が帰ってきてからだな、凪の成長が著しくなったのは」

 

凪「はい、これも隊長のご指導の賜物です♪」

 

愛紗「・・・・・・・・・・」(じ〜〜〜〜〜〜)

 

亜莎「・・・・・・・・・・」(じ〜〜〜〜〜〜)

 

凪「・・・・・な、なんですか?わたしの顔に何か付いていますか?」

 

亜莎「・・・・・いえ、わたくしは凪さんが羨ましいと思ったんです」

 

凪「え、なぜですか!?」

 

愛紗「わたしもだ・・・・・そこまでご主人様の寵愛を頂けるなど、とても名誉なことだ」

 

凪「いいえ!わたしはただ少しでも隊長のように強くなりたくて!/////////」

 

愛紗「そこまで強くなれるのは、ご主人様が凪の事を常に考えてくださっているからだぞ」

 

凪「隊長がわたしの事を・・・・・/////////////////////」

 

この言葉で凪は耳まで真っ赤っかになる

 

亜莎「うふふ♪凪さん可愛いですね♪」

 

愛紗「はぁ〜〜〜〜♪凪、なんて可愛いんだぁ♪//////////」

 

悠「あははは♪そうだろそうだろ♪凪は魏の忠犬凪ワンコだからな♪うりうりうりうり♪」

 

もみもみもみもみ

 

凪「ひゃああああああ!!悠さん止めて下さい!!////////////」

 

高速移動で凪の真後ろに移動した悠は、いきなり凪の胸を鷲掴みにする

 

秋蘭「ふふふ♪凪は忠臣という意味では姉者にも勝るとも劣らないからな♪」

 

愛紗「凪の忠臣ぶり、これはわたしも見習わなければ、そして凪を超え、わたしがご主人様の正室に・・・・・」

 

凪「ええええ!!?せせせせ正室って!!?////////////」

 

亜莎「まままままさか!!?ああああ愛紗さんも!!?////////////」

 

愛紗「いいいいやいやいやいや!!わたしは別に・・・・・って!?『も』とは何だ『も』とは!!?/////////」

 

亜莎「そそそそそんな!!!わたくし如きが一刀様の正室になど!!!///////////」

 

悠「おいおいおいおい!あたしを忘れてもらっちゃ困るぜ!あたしが一刀の正室に最速でなってやるぜ♪」

 

秋蘭「ふふふふ♪お主達の反応を見ているのも面白いが、ここは戦場だということを忘れてもらっては困るぞ」

 

亜莎「あはい!ごめんなさい秋蘭さん!・・・・・では、蓮華様と桃香様との打ち合わせ通り、わたくし達はここで敵の目を引きつけます、その後は合図を待ちます・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

冥琳「よし、敵を十分に引き付けることができたぞ!」

 

雫「今が好機です!一刀様!」

 

零「ご主人様!今ですよ!」

 

朱里「策、ここに完成せりでしゅ!」

 

本陣の高台から戦場全体を見ていた4人の口から飛び出したのは、一刀の策が完成した合図

 

一刀「よし、みんなに連絡!!真桜!!頼む!!」

 

真桜「ほいきた!!徐栄はん!!張済はん!!やるで!!」

 

徐栄「はっ!!」

 

張済「了解です!!」

 

真桜「おりゃあああああああああああああ!!!!」

 

ギュイイイイイイイイイイイイイイイイン!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

稟「・・・・・っ!華琳様!!雪蓮さん!!来ました!!」

 

華琳「来たのね!!」

 

雪連「うふふ♪そろそろじゃないかと思ってたわよ♪」

 

本陣からの光の点滅に隱が気付き、その言葉にすかさず華琳と雪蓮が反応する

 

そう、今回一刀が真桜に作らせたのは船同士が連絡を取り合う時に使う探照灯である

 

筒の中に螺旋槍のモーターを仕込み、それに氣を通し発光させ筒の蓋を開け閉めさせ点灯させる

 

氣の使い手しか使えないというのが痛いところではあるが、今回はこれで十分である

 

隱「おお〜〜〜♪まさに絶妙な呼吸ですね〜〜〜♪」

 

華琳「春蘭!!存分に暴れなさい!!」

 

春蘭「ははっ♪♪華琳様♪♪おおおおおおおおりゃああああああああああああ!!!!」

 

華琳「季衣!!流琉!!あなた達も春蘭に加勢しなさい!!今回はわたしの護衛の任を解くわ!!」

 

季衣「はい!!華琳様!!」

 

流琉「行ってきます!!華琳様」

 

雪蓮「よっしゃ〜〜〜〜〜!!!行くわよ小蓮!!!」

 

小蓮「うん!!尚香隊の皆〜〜〜!!行っくよ〜〜〜〜!!」

 

稟「星!!嵐殿!!今こそ総攻撃です!!」

 

星「分かった!!行くぞ!!嵐!!」

 

嵐「おう!!くらえ五胡共!!」

 

稟「地和殿!!後方支援をお願いします!!」

 

地和「まっかせなさ〜〜〜い♪♪♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

蓮華「っ!桃香!ついに刻来たれりよ!」

 

桃香「うん!焔耶ちゃん!みんなを助けてあげて!」

 

焔耶「ははっ!!お任せ下さい!!桃香様!!」

 

思春「天和!!補給は任せた!!」

 

天和「うん♪皆〜〜〜♪♪張り切っていってみよ〜〜〜♪♪」

 

山の中で伏兵として潜伏していた桃香と蓮華は本陣からの合図に気付き一斉に五胡に向けて突撃を敢行した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

亜莎「皆さん!!ついに来ました!!」

 

悠「おう!!そう来るだろうと思って体を温めておいたぜ!!」

 

凪「前進!!ただ前進あるのみだ!!」

 

愛紗「桃香様も蓮華殿も来てくださったか、皆!!!今こそ逆撃の時ぞ!!!」

 

秋蘭「一射一殺!!!五胡を一人も逃すな!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

猪々子「あ!!おい雛里!!本陣から合図が来たぜ!!

 

雛里「あわわ、皆さんよろしくお願いします」

 

麗羽「お〜〜〜〜〜っほっほっほっほ♪お〜〜〜〜〜っほっほっほっほ♪さあ皆さん、雄々しく、勇ましく、華麗に奇襲ですわ〜〜〜〜〜♪」

 

みい「にゃ〜〜〜〜〜〜〜行くのにゃ〜〜〜〜〜ガルシア〜〜〜〜〜〜♪」

 

美羽「うはははは〜〜〜♪高いのじゃ〜〜〜〜♪」

 

斗詩&ミケ&トラ&彩&シャム&七乃&猪々子「アラホラサッサー!!!!」

 

戦場の後方、隴西寄りの山岳地帯に潜伏していたみい達南蛮兵が誇る象兵達が一斉に五胡に向けて突撃を仕掛ける

 

既に象兵に乗っていた麗羽、みい、美羽は気分良く声高らかに突撃宣言をする

 

その圧倒的な体格の前に五胡兵達は成す術なく踏み潰されていく

 

その他の者達は、ド○ンボーやられ役覆面のような返事をし、象兵を囲むように一緒に突撃していった

 

突然後方斜め方向からの奇襲に五胡達は一気に混乱状態に陥っていった

 

雛里「あわわ、ご主人様、奇襲しちゃいました」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

蓮華「っ!!??」

 

思春「っ!!!?蓮華様!!!?」

 

思春の部隊を力ずくで突破した五胡は蓮華の部隊の横を突こうとした

 

しかし

 

ドゴーーーーーーーーーーーーーン!!!!

 

「GAHUAAAA!!!??」

 

先頭の五胡がいきなり吹っ飛ぶ

 

五胡兵達も何が起こったのか分からず足が止まってしまう

 

思春「これは、桔梗か!」

 

蓮華「まさに金色の鷹の目ね、頼もしいわ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

杏奈「桔梗さん!2時の小蓮さんの部隊を援護です!」

 

桔梗「おうっ!」

 

戦場から300メートルほど離れた岩山の天辺、ここに桔梗と杏奈が居座っていた

 

桔梗が豪天砲による狙撃を務め、金色の千里眼の異名を持つ杏奈が一刀の考案で作った望遠鏡で戦場を見渡し桔梗に指示を出す

 

もともとこの世界には眼鏡というどう考えてもオーバーテクノロジーな代物が存在しているので、望遠鏡(古い言葉でいえば遠眼鏡)くらいは真桜に頼めば簡単に作ることができた

 

豪天砲は、一刀の知識と真桜のオーバーテクノロジーで威力も射程も以前と比べ格段に上がっていた

 

しかし、流石にこれを大量生産するまでに漕ぎ着けることはできなかったために桔梗には援護役に回ってもらったのである

 

ちなみに桔梗の隣には豪天砲の弾が山と積まれているため弾切れになることはまずないであろう

 

桔梗「お〜〜お〜〜、これは凄い威力じゃの〜〜〜」

 

以前にも真桜に改良してもらった豪天砲を試射していたからその威力を知っているつもりだったが、戦場でかつ人間に使うのは初めてだったために改めてその威力に驚いた

 

桔梗「は〜〜〜〜っはっはっはっは♪♪♪」

 

ズドンズドンズドンズドン!!!!

 

杏奈「・・・・・楽しそうですねぇ、桔梗さん」

 

桔梗「はっはっはっは♪最前線で戦えんからつまらんと思っておったが、これはこれで楽しいのう♪」

 

ズドンズドンズドンズドンズドンズドンズドンズドン!!!!!!!

 

面白いように吹っ飛んでいく五胡兵に桔梗のテンションは上がりっぱなしになり豪天砲を際限無く乱射していく

 

杏奈「・・・・・これは、ご主人様と真桜さんが使用禁止にするわけですねぇ・・・・・」

 

そう、豪天砲はその高くなり過ぎた威力のせいで一刀と真桜が朱里と雛里に桔梗が普段持ち歩くことを厳禁にしてもらったのである

 

こんな物騒なものを普段持ち歩いていては、酒癖の悪い桔梗が酒屋に入る度に酔った勢いで町を壊滅させかねない

 

杏奈「ああ!今度は11時の焔耶さんの部隊が!」

 

桔梗「ええいまったく!!いつになったらワシの手を離れるのじゃ!!?焔耶のやつは!!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

季衣「すごいです華琳様♪この調子でいけば♪」

 

流琉「はい♪わたし達が圧倒的に優勢です♪」

 

華琳「季衣、流琉、あなた達も曹魏の将、ましてはわたしの親衛隊隊長ならこれくらいで油断していては駄目よ」

 

季衣「は、はい!!」

 

流琉「申し訳ありません!!」

 

華琳「(・・・・・でも、確かに一刀の策とはいえこちらに有利に進み過ぎている感があるわね)」

 

いくら一刀と真桜が発案した投石機や煙玉、桔梗の強化型豪天砲があるからとはいえ上手く行きすぎではないか

 

華琳が懸念していたその矢先

 

雪蓮「っ!?・・・・・な〜〜〜〜んかあたしの勘がまた騒ぎ出したんですけど」

 

小蓮「ってそうゆうこと言わないでよお姉ちゃん!!お姉ちゃんがそういう事言うと絶対良くないことが起こるんだから!!」

 

雪蓮「しょうがないじゃない!騒ぐ者は騒ぐんだから!」

 

ゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロ!!!!

 

春蘭「ん?なんなのだ?この音は?」

 

嵐「春蘭!!あれを見ろ!!」

 

春蘭「ん?・・・・・って!!?なんだあれは!!!?」

 

季衣「ええええ〜〜〜〜〜!!!??なんなのあれ!!!?」

 

流琉「あんなの見た事ありませんよ!!」

 

華琳「・・・・・あれが五胡の切り札ってところかしら?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

純夏「ちょっと!!?何なのよあれ!!?」

 

明命「はうあ!!?凄く大きい毬みたいなものが転がってきています!!」

 

祭「あんなものは見たことが無いのう!!」

 

本陣後方から戻ってきた純夏、明命、祭が目視でそれを確認した

 

そう、地平線から現れたのは直径3メートルほどもある巨大な丸い塊

 

それが10を超える数でかなりのスピードで転がってくるのである

 

???「BUOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO!!!!!」

 

その丸い塊が唸り声をあげながら分解したかと思うと、身長4m越えの角が生え牙を丸出しにした巨人になったのである

 

巨人は足が約1m、胴体が約3m、ウエストがいくつあるか分からないくらいのズングリ体系でと何ともバランスが悪い

 

そう、丸い塊の正体はこの巨人がでんぐり返しで転がってきた容姿だったのである

 

確かにこれだけの短足であれば転がってきた方が早く目的地に辿り着けよう

 

翠「おいおい母様!!なんだよあれ!!?」

 

葵「知るか!!俺も長年五胡と戦っているが、あんなものは初めてだ!!」

 

地和「・・・・・なんだか妖術の匂いがぷんぷんするわね」

 

春蘭「あれも妖術から生まれたものだというのか!!?」

 

バキャーーーーーーーーー!!!ガシャーーーーーーーン!!!ドゴーーーーーーーン!!!

 

三国兵「うわーーーーーーーー!!!!ぐわーーーーーーー!!!!」

 

この巨人の攻撃に三国の兵士達は成す術なく薙ぎ倒されていった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

愛紗「よしっ!!ここでもう一押しすれば勝利は目前だ!!皆の者気合を入れろ!!!」

 

「「「「「おう!!!!」」」」」

 

ゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロ!!!!

 

亜莎「え?この音はなですか?」

 

焔耶「おいおい、なんだか嫌な予感がするぞ・・・・・」

 

秋蘭「な!!!?あれはいったいなんだ!!!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

麗羽「きゃ〜〜〜〜〜!!!なんなんですの〜〜〜〜こいつらは〜〜〜〜!!!」

 

みい「にゃ〜〜〜〜〜!!ガルシア〜〜〜!!!こんな奴吹っ飛ばすのにゃ〜〜〜!!!」

 

美羽「七乃〜〜〜!!彩〜〜〜〜!!助けてたも〜〜〜〜!!」

 

「「「「「GOGAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!」」」」」

 

突撃した当初は五胡の分断に成功していた雛里達であったが、突然現れた巨人の前に前進できないでいた

 

象兵と巨人のパワーはほぼ互角らしく一対一の戦いに持ち込まれるがなかなか撃破には至らなかった

 

七乃「雛里さ〜〜ん!!どうしたらいいんですか〜〜!!」

 

雛里「・・・・・まさか、このような切り札が五胡にあったなんて・・・・・ここは本陣からも、他の皆さんからも離れているため援軍は見込めません、ここは防御に専念するしかありません」

 

彩「他に方法はないか・・・・・」

 

猪々子「大丈夫だ♪あたいに任しときな♪」

 

斗詩「も〜〜〜文ちゃ〜〜〜ん!!一人でなんとかできるわけないよ〜〜〜!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真桜「な、何やあれ!!!?」

 

張済「わ、分かりません!!!」

 

徐栄「あんなの隊長からも聞いたことありませんよ!!!」

 

遠目で見ても脅威と分かるくらいその巨人の存在は際立っていた

 

張済「あれを近付けるのは拙くありませんか!!?」

 

徐栄「ええ!!前線が混乱していますよ!!」

 

真桜「せやな・・・・・お前ら!!あのでかぶつに集中や!!!」

 

李典隊「「「「「おう!!!!」」」」」

 

真桜の号令のもとに投石機の照準を巨人に合わせ次々と射出する李典隊

 

だが

 

ガキーーーーーーーーーーン!!!ゴキーーーーーーーーン!!!ガアーーーーーーーーーン!!!

 

ドガアアアアアアアアアアアアアン!!!バキャアアアアアアアアアアアン!!!グキャアアアアアアアアアアアアアン!!!

 

真桜「ああああーーーーーーーー!!!!ウチと隊長の最高傑作がーーーーーーー!!!!」

 

なんと、巨人達は自らの手に持つ武器で飛来する岩を投石機に打ち返してきたのだ

 

当然こんなものを食らえば投石機はバラバラに砕けてしまう

 

張済「なななな!!!??真桜さん、どうするんですか!!!?」

 

徐栄「ど、どうにかして直せないんですか!!!」

 

真桜「無茶言うな!!!こないなもん直ぐに直せるかい!!!」

 

張済「しかしこんな有様では皆さんを援護できませんよ!!!」

 

真桜「〜〜〜〜〜〜〜っ・・・・・仕方あらへん、隊長に報告や!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

桔梗「な!!?何じゃあれは!!?」

 

杏奈「五胡にあんなものがいるなんて・・・・・」

 

桔梗「くっ!拙いの!これでもくらえ!!」

 

ズドンッ!!!

 

三国の兵達が薙ぎ倒されていく様を目の当たりにし、急いでその巨人に狙いを定め豪天砲の引き金を引く桔梗

 

ガキーーーーーーーン!!!

 

桔梗「何!!?」

 

杏奈「あ!!?」

 

しかし、豪天砲の弾は巨人の剛腕に防がれてしまった

 

桔梗「っ!しからば!!」

 

ズドンズドンズドンズドン!!!!

 

一発では足らないと判断し次々と巨人に向けて撃ちまくるも悉く防がれてしまう

 

そして、さらに宜しくない事態が発生してしまう

 

ズドンズドンズドンズドンガキン!!

 

桔梗「ぐっ!拙い!詰まった!」

 

連射のし過ぎで豪天砲は玉詰まりを起こしてしまった

 

杏奈「そんな・・・・・何とか直せないんですか!?」

 

桔梗「く〜〜〜〜っ!・・・・・なんとかやってみるが、豪天砲を強化したのは真桜じゃ、真桜でなければ直せんかもしれん!」

 

今前線にいる真桜を呼びに行ったところで時間が掛かり過ぎることは明白である

 

桔梗と杏奈はあの巨人を一刀達が自力で撃退してくれることを祈るしかなかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

朱里「な、なんですかあれは!!?」

 

一刀「あれは拙いな・・・・・真桜!!左翼と右翼!!そして中央を呼び戻せ!!」

 

真桜「でもそれやと、みいや麗羽はん達はどないするんや!!?」

 

一刀「あそこはいくらなんでも遠すぎる!!合図を出すのは左翼と右翼と中央だ!!」

 

真桜「り、了解や!!」

 

そして、一刀の指示通り左翼と右翼と中央に探照灯で本陣に戻るよう合図を送る真桜

 

その合図に従い本陣に左翼と右翼と中央の将兵達が戻ってくる

 

ズガシャーーーーーーーーーーーン!!!!

 

「ぐああああああああああああああ!!!!」

 

とうとう巨人達は本陣を守る北郷隊の前に到達し丸太のような剛腕で北郷隊を薙ぎ倒した

 

桃香「うわわわわ〜〜〜〜、大きいよ〜〜〜」

 

雫「いけません!!弩隊、一斉射!!!」

 

本陣を守る北郷隊の中の弩部隊が巨人に向かってその槍のような矢を一斉に放つ

 

ガガガガガガガガガガ!!!

 

冥琳「なにぃ!!?」

 

しかし、巨人の身に纏う鎧に弾かれてしまう

 

本陣に陣取る三国の誇る軍師達は、今まで見たことも聞いたことも無い敵の出現とその強さに流石に焦りまくる

 

しかし

 

一刀「・・・・・・・・・・」

 

三国の将及び兵士達が仰天している中で、一刀だけは手を顎に沿え冷静にその巨人を観察していた

 

一刀「・・・・・はっ、な〜〜んだ、大したことないな」

 

桃香「ええええ!!?あれが大したことないの!!?ご主人様!!?」

 

鈴々「そうなのだ♪♪鈴々に任せておくのだ♪♪」

 

愛紗「勝手に突っ込むな鈴々!!あんなもの一人でどうこうできるものではない!!」

 

隱「まぁ〜・・・・・確かに一刀さんからすれば大したことないかもしれませんが〜・・・・・」

 

一刀「確かに今のみんなじゃ一人であいつを相手にするのはきついだろうな・・・・・ただし、恋と葵さんと嵐と凪なら一人で相手にできる」

 

凪「え!!?わたしが一人でですか!!?」

 

嵐「わたしにはまだあいつを一人で相手にできる実力があるとは思えんが!!?」

 

恋「(コク)・・・・・大したことない」

 

葵「ああ、最初見た時は一瞬焦ったがよくよく見てみれば大したことはないな」

 

雫「それは、恋さんや葵様から見ればそうかもしれないですけど・・・・・」

 

零「ええ、いくらなんでも・・・・・」

 

一刀「分からないなら俺が見本を見せてやるよ、あれくらいのやつなら氣なんて使わなくても勝てる」

 

華琳「な!!?氣も使わないで勝てるの!!?」

 

一刀「北郷隊!!!俺がやる!!!いったん退け!!!」

 

その号令により北郷隊は巨人達から距離を置き、一刀は本陣から蔦歩で北郷隊の真上を飛び越し巨人達の前に立ち塞がった

 

「GAHUUUU!!!!」

 

目の前に立つ一刀に向けて一体の巨人が手に持つ棍棒を振り下ろす

 

ドゴオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!!

 

蓮華「きゃああああああ!!!一刀おおおおおおお!!!」

 

巨大な棍棒により舞い上がる砂塵

 

一同の目には一刀が押し潰されたように見えたであろう

 

「GUGYAAA!!!!???」

 

しかし、いきなり巨人の首筋から大量の血が噴き出しその場に蹲る

 

その後ろには一刀が立っており手に持つ忠久の切っ先が赤く染まっていた

 

「GUOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO!!!!!」

 

新たな巨人が一刀に向けて大斧を薙ぎ払おうとするも

 

ズバッ!!

 

ブシュウウウウウウウウウウウウウウ!!!

 

「GYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!」

 

いつの間にか巨人は右の足首を両断されその場にのたうち回る

 

そして、またもや新たな巨人がメイスのような武器を振り下ろそうとするが

 

ズドンッッッ!!!

 

無造作に武器を振り上げそのまま一刀に振り下ろそうとする巨人の懐に縮地でもぐりこみ、腹部の真ん中に拳を叩きこむ

 

「GUUUUU・・・・・・・・・・」

 

三体目の巨人はそのまま腹部を押さえたまま蹲り、悶えていた

 

一刀「分かったか?いくらでかくても急所は人間と変わらない、ただ単に的が大きくなっただけだと思えばいいんだ」

 

愛紗「・・・・・なるほど」

 

嵐「そうと分かれば怖くはない♪」

 

一刀「ただ、葵さんと恋と凪と嵐以外は二人か三人一組で当たった方がいい、一人で相手にしていたんじゃ逆に効率が悪くなる」

 

春蘭「なにをーー!!わたしだってあんなのの一体や二体一人で軽く捻り潰してくれるわ!!」

 

思春「北郷!!わたし達を過小評価してもらっては困るぞ!!」

 

華琳「春蘭、今は一刀の言に従いなさい」

 

雪蓮「そうね、思春も従いなさい」

 

春蘭「そんな、華琳様ぁ」

 

思春「雪蓮様!わたしはあんな図体には負けません!」

 

華琳「春蘭、一刀はあなたの剣の師でしょ?師の言葉が信じられないの?」

 

雪蓮「今回の戦の最高司令官は一刀よ、命令違反は厳罰だと分かっているはずよ」

 

春蘭「むぅ〜〜〜〜〜・・・・・」

 

思春「・・・・・承知いたしました」

 

凪「隊長!!いったいさっきなにをやったんですか!!?本当に氣を使っていませんでしたが!!」

 

一刀「ああ、さっきのは空手の浸透突きと言って、衝撃を後方に打ち抜く荒技だ、この技を使えば例え相手が分厚い鎧を装備していたとしても衝撃だけで倒せるんだ」

 

凪「そんな技もあるんですか♪・・・・・でも、どうして今まで教えてくれなかったんですか?」

 

一刀「この技は、習得するにはかなりの時間がいるからな、凪には空手と柔術と忍術と縮地の基礎をまず教えたかったから、浸透突きまで教えている時間は無かったんだ」

 

凪「・・・・・分かりました・・・・・でも、今度教えてくださいね!」

 

一刀「お互いに連携していくことを意識しろ!!!ここからは俺も前線に出る!!!」

 

雫「そんな!!!?一刀様がお手を煩わせることなんてありません!!!」

 

一刀「あんな奴が出てきたんじゃそうも言っていられない!!!それに後方に孤立している雛里達も救出しないといけないんだ!!!」

 

雫「・・・・・はい!!」

 

一刀「行くぞ!!!あのデカ物は俺達に任せろ!!!突撃――――――!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そこからはまさに一方的だった

 

三国総司令官の一刀が前線に立ったことで、三国兵の士気は有頂天を通り越しあの世に達しそうなほど

 

一気に前線を押し上げていく

 

雛里「あ!ご主人様達が来てくださいました」

 

一刀「みんな!!無事か!!?」

 

斗詩「はい!!斗詩は無事です!!」

 

猪々子「よっしゃ〜〜〜〜♪兄貴のご到来だぜ〜〜〜〜♪」

 

みい「にゃ〜〜〜〜!助かったにゃ〜〜〜〜!お兄〜〜〜〜〜!!」

 

麗羽「一刀さ〜〜〜〜ん♪♪♪わたくしの救世主様〜〜〜〜〜♪♪♪待っていましたわ〜〜〜〜〜♪♪♪」

 

美羽「ひっぐ・・・・・遅いのじゃ〜〜〜〜、一刀〜〜〜〜」

 

彩「七乃!!!美羽様を頼んだぞ!!!」

 

七乃「はいは〜〜〜〜い♪」

 

一刀「よし!!!全軍突撃!!!五胡を一挙に粉砕せよ!!!」

 

華琳「総員、突撃!!!」

 

雪蓮「孫呉の勇者達よ!!!今こそ総攻撃の時ぞ!!!」

 

桃香「みんなが笑って暮らせる世の中を守るために、頑張ろう!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、後方の雛里達と連携する形で一気に五胡達を国境まで殲滅しつくした三国連合軍

 

涼州金城における五胡戦役は三国の圧勝で幕を閉じるのであった

 

一刀「よくやったみんな!!!これにてミッションコンプリート!!!勝鬨だ!!!」

 

「「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!」」」

 

この大勝利に今までに聞いたことのない歓喜の声が涼州全体を覆い尽くすかのように響いていたのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

説明
たいへん長らくお待たせしました

北郷伝、ついに完全なる完結です
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コメント
俺得ww(心は永遠の中学二年生)
欠陥製品さんへ、たいへん長らくお待たせしました(Seigou)
待ってました!!(欠陥製品)
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