リリカルHS 15話
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ピンポーンピンポーン

 

 

士希「はいはい、今開けますよーっと」

 

とある休日のお昼前、そろそろお昼作らなきゃなーと思っていると、突然インターホンがなる。

俺はお昼のメニューを考えながら玄関に向かい、扉を開けると…

 

ヴィータ「おーす、士希。お邪魔するぞ」

 

最近ちょくちょくウチに来ているヴィータちゃんが入ってきた

 

シャマル「へー、ここが士希さんのお部屋なんですね」

 

シグナム「存外、片付いているものなのだな」

 

リイン「男の人の部屋ってこんな感じなんですね」

 

そしてゾロゾロと、他の八神家の面々が押し寄せて来た

 

ザフィーラ「……突然、すまない」

 

そして最後に、ザフィーラが申し訳なさそうな顔で入ってきた

 

士希「…あっれー?」

 

どうやら今日のお昼は、多めに作らないといけないらしい

 

 

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士希「それで、今日は揃いも揃って、何の用だ?」

 

俺は7人分のお昼ご飯を用意し、八神家の面々に尋ねてみる。

ちなみにメニューは炒飯、青椒肉絲、回鍋肉、焼売、中華スープという中華尽くしだ。

さすがに満漢全席には程遠いな

 

ヴィータ「うまうま」

 

シグナム「ふむ、主はやてが作る中華も絶品だが、こちらも遜色ないな」

 

シャマル「本当に美味しいです!脂っこ過ぎなくて、どれだけでも食べてしまいそうです!」

 

リイン「でも、リインには少し辛いです。ピリリーっとします」

 

レーゲン「あ、これ飲むといいよ!しきさん特製の飲むヨーグルトです!辛いのが和らぎますよ!」

 

ザフィーラ「……はむっ……あむっ…」

 

士希「………」

 

皆がそれぞれ、一心不乱に食事をとっていた。

いや、美味しいって言って食ってくれるのは嬉しいし、冥利に尽きるって感じだけどさ

 

士希「ちょっといいか?お前らまさか、お昼の為だけに来たわけじゃないだろ?

それに、はやてはどうした?」

 

全員の箸が止まる。恐らくはやてというワードに反応したはずだ。

察するに、はやて関連でやってきたようだが

 

シャマル「あの、実は士希さんに頼みがありまして」

 

士希「頼み?」

 

シグナム「あぁ。実はもうすぐ、主はやては16年目の誕生日を迎えるのだ」

 

士希「そうなのか?」

 

ヴィータ「それで、その誕生日の日に、士希に夕食を作って欲しかったんだ」

 

士希「夕食?俺の?」

 

ザフィーラ「うむ、我らが主はお前の料理をたいそう気に入っておられるからな」

 

士希「そ、そうか…」

 

それは、嬉しいな

 

リイン「当日はなのはさん、フェイトさん、アリサさん、すずかさん、

アルフさんも来る予定なので、かなり大変になってしまうのですが、大丈夫ですか?」

 

アルフ?確か、フェイトの所にいる使い魔だったか?俺はまだ会ったことないな。

それはさておき、そうなると俺とレーゲンも含めて総勢13人か。

まぁ夕食なら、一日かけりゃ余裕で作れそうだな

 

士希「あぁ、別に問題はないな」

 

そう言うと、八神家の面々は分かり易いほど表情を明るくした。

こいつらは本当に、はやてが好きなんだな

 

シグナム「では頼むぞ、雑賀士希」

 

守護騎士のリーダー的存在らしいシグナムに頼まれる。何故か殺気付きで。

どうやら失敗は許されないらしい

 

 

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士希「さて、どうしたものか」

 

昼食をとりおえた後、シグナムは仕事だとかで、ザフィーラは普通に帰っていった。

ちなみにヴィータちゃん、シャマルさん、リインちゃんは、レーゲンと仲良くゲームしている。

俺はその光景を眺めつつ、今後について考えていた

 

はやての誕生日は6月4日。今日は5月29日だから、今日を含めて7日の猶予がある。

料理はいいとして、プレゼントも考えないといけないよな。女の子が喜ぶものってなんだろう?

 

士希「そう言えば今日、はやてはどうしたんだ?仕事か?」

 

シャマル「いえ、今日は非番で、アリサちゃんとすずかちゃんとお出かけに行きました」

 

俺の疑問にシャマルさんが答えてくれる。

なるほどな。となると、今アリサとすずかに連絡を取るのは得策じゃないな

 

士希「チッ、姉や妹の好きな物ならわかるんだがな」

 

ヴィータ「ん?士希、姉や妹がいるのか?」

 

俺の呟きに、ヴィータちゃんが反応する。どうやら聞こえていたようだ

 

士希「いるよー。双子の姉が一人と、義理の姉が三人、妹が四人いるよー」

 

ヴィータ「そ、そんなにいるのか?てか、士希って双子だったのか?」

 

士希「あぁ、姉の方は咲希〈さき〉って名前だ。双子と言っても、似てないがな」

 

そして咲希は、俺以上に武力面で強い。いまだに姉には勝てる気がしない

 

リイン「ところで、先ほどから何を悩んでるんですか?」

 

普段は30cmくらいの大きさだが、今はゲームをするためにレーゲンと同じく小3くらいの大きさになっているリインちゃんが尋ねて来る。

そう言えば、どことなくレーゲンとリインちゃんって似ているな。主に髪色とか

 

士希「んー、誕生日なんだろ?プレゼントとか用意した方がいいよなーって考えててさ」

 

シャマル「あ、意外と律儀ですね」

 

ヴィータ「こっちとしては有難いけど、夕食も作ってもらうんだし、

そんなに無理しなくてもいいんだぞ?」

 

士希「いや、夕食は君たちの為にも作るんだし、それをプレゼントにするのはさすがに気が引けるんだ」

 

リイン「はやてちゃんの言う通り、意外と優しいんですね」

 

へぇ、はやて、そんな事言ってるんだ。意外は余計だけどな

 

レーゲン「ちなみに皆さんは、もうプレゼント用意したんですか?」

 

ヴィータ・シャマル・リイン『本!……え!?』

 

三人が三人とも同じ答えで、お互いを見やり驚いているようだ。

どうやら三人とも交えて話し合う必要があるようだ

 

 

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リイン「これはまずいです」

 

ヴィータ「まさか被るとは思わなかった」

 

シャマル「一応、タイトルだけは被らなかったみたいだけど」

 

レーゲン「仲良しですね」

 

士希「微笑ましいな」

 

四人はゲームを中断し、机に座り話し合いに参加することになった

 

士希「はやての好きな物や趣味ってなんだ?本以外で」

 

はやてが読書を好むってのは、こいつらのチョイスでわかったからな

 

シャマル「そうですね…料理とか?」

 

ヴィータ「掃除とか?」

 

リイン「家事全般は好きですよね」

 

あいつは主婦か

 

士希「となると、調理道具一式や、最新式の掃除機とかになるのか?」

 

シャマル「年頃の女の子が、それで喜びますかね?」

 

まぁ、あまりそうは思わんな

 

士希「ちなみに、シグナムやザフィーラは何を贈るか聞いたか?」

 

リイン「はい!先ほど聞いたところ、シグナムは万年筆、ザフィーラは低反発枕と言っていました」

 

それはまた、渋いと言うかなんというか…確かに便利ではあるが

 

シャマル「うーん…でしたら、私は調理道具一式にしようかな。

はやてちゃん、欲しがっていたはずですし」

 

なら最初からそれ買ってやれよ、ってツッコミは胸の内に秘めとくか

 

ヴィータ「あたしは小物でも買いに行くかな。リインはあたしらが買った本を贈ってやれ」

 

リイン「いいんですか?」

 

ヴィータ「あぁ。お前は妹みたいなもんだしな」

 

リイン「わかりました!ヴィータとシャマルの本も、責任を持ってしっかり贈ります!」

 

これでリインちゃんは決まったな。ヴィータちゃんは小物か。

女の子だし、そういうのが好きなんだろうな

 

ヴィータ「と言うことで士希、街に行くぞ」

 

士希「おう!………おう?」

 

街?

 

 

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そして気付けば、俺とレーゲンとヴィータちゃんは街にやって来ていた。

なんだこの展開の早さ。フットワーク軽いなおい。

ちなみに、シャマルさんとリインちゃんは夕方から仕事との事なので先に帰ってしまった

 

士希「そう言えば、街に買い物に来たのは初めてだな」

 

ヴィータ「そうなのか?」

 

士希「あぁ。食料も商店街の方で調達しているからな。こっちまで来ることはほとんどない」

 

レーゲン「おかげで商店街の皆さんとは仲良くなりました!」

 

最近は顔見知りも増えて、オマケしてくれるようになったからな。地域の付き合いは大切だ

 

士希「それにしても、海鳴市ってのはなんでもあるな。

雑貨屋に始まり、女子向けのファンシーショップ、海外の有名ブランドの服屋、

果てはミリタリーショップか。どれ…」

 

俺は真っ直ぐミリタリーショップの方に足を運ぶ。すると…

 

士希「な、なんてこった!?ヴィータちゃん、これを見ろ!」

 

ヴィータ「あぁ?流石にはやてがミリタリー物で喜ぶとは……な!?まさか、サムライエッジ!?」

 

士希「あぁ。しかも絶版になったバリーモデルだ」

 

レーゲン「そんなに凄い物なんですか?」

 

ヴィータ「当然だ!マニアならよだれもんの一品だぞ!」

 

在庫は…二つある!これは買うしかない!

 

ヴィータ「クッ!はやてのプレゼント代しか持って来てない!これを買うとはやてのプレゼントが…」

 

士希「ふっ、問題ないぞヴィータちゃん!俺が払おう!」

 

ヴィータ「な!いいのか士希?これ結構高いぞ?」

 

士希「これくらい、安い買い物だ。ちょっと買ってくる!」

 

そして俺は二つ買い、一つをヴィータちゃんに手渡した

 

ヴィータ「ありがとう士希!お前本当に金持ちなんだな。ブラックカードなんて初めて見たぞ」

 

士希「いろいろしてるからね。それより、さっさと帰って開けようぜ!一対一で撃ち合うのも…」

 

レーゲン「はやてさんへのプレゼントは!?」

 

 

 

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士希「さぁ、気を取り直して、はやてへのプレゼントだが…」

 

興奮気味だった俺とヴィータちゃんは、レーゲンのツッコミにより一旦の落ち着きを取り戻した

 

レーゲン「はやてさんは普段、何して遊んでいるんですか?」

 

ヴィータ「そうだなぁ、あたしと一緒にゲームしてるか、麻雀とかかなぁ」

 

士希「麻雀?それはまたずいぶんと…」

 

ヴィータ「はやて強いぜ。今年入って役満何回出したっけな」

 

マジかよ。人は見かけに…いや、あいつならやりかねんか

 

ヴィータ「お!ちょっとあそこ寄っていいか?」

 

そう言ってヴィータちゃんが向かったのは、女子向けの雑貨屋だった。

まぁ、無難なところだよな

 

ヴィータ「これ可愛いなぁ。これにしようかな」

 

ヴィータちゃんが手に取ったのは、ウサギのストラップ。

赤をメインカラーに、シンプルながらもどこか女性らしい一品だ

 

ヴィータ「ちょっと買ってくるわ」

 

ヴィータちゃんは散々悩んだ挙句、結局ウサギのストラップを手にし、購入に至った

 

レーゲン「僕はこれにします!」

 

レーゲンは犬がプリントされてあるハンカチを持ってきた。

これは狙っているのか?このプリントされた犬、限りなく犬型レーゲンに似ている

 

士希「さて、俺はどうし……ん?」

 

俺の視界にふと、ある物が映った。

まぁ、面白味はないかもしれないが、これでいいだろう

 

 

 

 

説明
こんにちは!
今回は誕生日イベント前半!
どうせなら、6月まで待ってから書きたかったです(笑)
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コメント
調べた、かっけぇな…あのゲームの武器なのが残念です(昔映画館でみて悪夢をみて以来避けている)(肉豆腐太郎)
マジです!調べるとわかりますよ!かっこいいですよ!(桐生キラ)
…マジ?(肉豆腐太郎)
あ、売ってましたよ!(桐生キラ)
へー…てか売ってんの?それ?(肉豆腐太郎)
バイオハザード内に出てくる銃ですねわかります。(黒鉄 刃)
あ、サムライエッジって言う架空の銃があるんですよ。私の愛銃の一つです(笑)(桐生キラ)
サムライエッジって何?(肉豆腐太郎)
シグナム、頼む側が殺気を出してはならんよ……(ohatiyo)
士希くんは一体どんなプレゼントを贈るのか(・∀・)ニヤニヤ。(黒鉄 刃)
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