リリカルHS 28話
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はやて「おはよーございまーす。八神はやてでーす」

 

リイン「おはようございます。リインフォースです」

 

夏休み某日の午前6時。私とリインは小声で挨拶する。場所は、士希の家!

 

はやて「前回は私の寝顔見られたんや。やり返されたって、文句は言えへんはず」

 

言ってしまえば、今回のこれは前回の仕返し。やられっぱなしはフェアじゃないからな

 

リイン「リインは今回カメラマンですー」

 

他の面子、ザフィーラ以外は寝ていたので、リインにお願いした。

ちなみにザフィーラはお留守番や。曰く「無駄足な気がするので」との事。

甘いなザフィーラ、士希は万年寝坊魔の男やで。こんな時間に起きてるわけないやん

 

はやて「さぁ行くでリイン!物音を立てず、静かに行動する!」

 

私は事前に士希に貰った合鍵で玄関を開ける。

この合鍵、私がお願いしたら作ってくれた。これでいつでも部屋に来ていいとのこと

 

リイン「合鍵って、はやてちゃん恋人みたいです」

 

はやて「残念ながら、まだ恋人ではないけどねー」

 

まぁ、時間の問題ではあるかな。この夏で一気に落としたる♪

 

私は静かに鍵を開け、ゆっくり扉を開ける。そしてさっと中に入ると…

 

士希「………」

 

士希が上半身裸、下はジーパンというスタイルでおった

 

はやて「な、な、な…」

 

うわぁ、めっちゃ引き締まって、ええ体しとんなぁ…って!

 

はやて「早よなんか服着ろ!」

 

士希「俺が悪いのかよ!?」

 

誰得やねん!

………リイン、録画したかな?

 

 

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はやて「てか自分、なんでこんな時間に起きてんの?」

 

士希は黒い無地のシャツを着て、私とリインにお茶を出してくれた。

アカン、まだあの裸の映像がまぶたに残っとる…

 

士希「俺の朝は早いんだよ。だいたい4時には起きて、早朝訓練してーって感じだからな。

てか、一学期お前らに弁当作ってたんだから、少し考えれば俺が朝早いのくらい想像つくだろ?」

 

いや、私の中では士希、朝弱いイメージしかなかったわ。

なるほど、ザフィーラが来なかったんは、これ知ってたでやな?

 

士希「前回の仕返しのつもりだろうが、残念だったな。

まぁ、シャワー上がりにお前らがいたから、びっくりはしたけど」

 

はやて「私らの方がびっくりしたよ。玄関開けたらいきなり半裸の男やで?

どう責任取ってくれるん?」

 

士希「いや、お前らの自業自得だろ」

 

リイン「それを言われるとそうなんですけどね」

 

クッ、これじゃあ起き損やん。今日は一日休みやで良かったけど

 

士希「はぁ…お前ら朝飯は?ついでに作るけど?」

 

はやて「あ、寝てる人らには作ったけど、私らのはないよ。作ってもらう気満々やったでな」

 

リイン「今日は洋風な気分です!」

 

士希「はいはい。作ってやるから、座って待ってな」

 

はやて「士希優しーなぁ」

 

士希「夏休みの間は、はやての言うこと聞かなきゃいけないからな」

 

ホンマに律儀やな

 

 

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レーゲン「おはよーござい…あれ?なんではやてさんとリインさんが?」

 

リイン「おはようですレーゲン君!」

 

はやて「おはよーさん。遊びに来たんよー」

 

レーゲンが寝ぼけ眼で歩いてやってきた。あー、改めてレーゲンとリインて似てるわ。

寝起きの感じがそっくりや

 

士希「おはようレーゲン。ちょうど良かった。いま飯ができたところだ」

 

そう言って士希は料理を机に並べて行った。

フレンチトーストにハムエッグ、サラダとヨーグルトや。

なんやこう、朝食!って感じやな

 

士希「じゃあ、いただきます」

 

『いただきます』

 

私らは手を合わせ、いただきますを言う。そして食べ始めた

 

はやて「おー、程よい甘さで美味しい」

 

リイン「士希さんの料理って、ご飯に合うものばっかりだったので、こういう料理が珍しいです!」

 

士希「俺自身、白米の方が好きだしな。飲み物はどうする?牛乳、珈琲、お茶ってあるが」

 

リイン「牛乳をお願いするです!」

 

レーゲン「僕もー!」

 

はやて「私は珈琲にしよかな」

 

士希「はいよ。すぐ用意するよ」

 

私はご飯を食べながら、士希が珈琲を淹れてくれる姿を眺める。

私の隣には仲のええ子ども達。あ、なんかこのシチュええなぁ

 

士希「お待たせ。はやて、砂糖とかいるか?」

 

はやて「あ、ブラックでええよー」

 

士希「ほい。熱いから気をつけろよ」

 

私は士希から珈琲を受け取り飲む。美味しい。料理だけやなくて、珈琲まで美味いんか

 

士希「食って片付けたら、少し寝るか」

 

士希は食べながらアクビをして言った。なるほどなぁ。

朝がめっちゃ早いから、こういう時間帯に眠くなるんか

 

はやて「えー、遊ぼうよー。せっかく来たんやでさぁ」

 

士希「レーゲンが遊んでくれるよ」

 

はやて「私は士希と遊びたいの!」

 

士希「はいはい、わかったわかった。一時間だけ寝かせてくれたらな」

 

はやて「もう、一時間やでなー」

 

そして士希は朝食をサッと済ませ、リビングのソファで寝始めた

 

はやて「ホンマに寝よった…」

 

レーゲン「7時〜9時の間が、しきさんには辛いみたいです」

 

リイン「だからいつも遅刻するんですね」

 

 

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はやて「さて、せっかくやし士希の家漁ってみよか」

 

私らは朝食を済ませ、食器を洗った後、三人で何しようか話し合った。

そこで私は、士希さん家を見学する事を提案。実は私、士希の家来たんこれで二度目なんよね

 

リイン「それ、怒られません?」

 

はやて「おあいこやでリイン。私も部屋覗かれたんやでな」

 

レーゲン「あー、前回の…」

 

はやて「そういうことや。ならさっそく、このクローゼットオープン!」

 

私はリビングにあったクローゼットを開けてみる。そこには…

 

はやて「………なぁレーゲン、士希は銃刀法違反って言葉、知ってんのかな?」

 

レーゲン「あー、あはははー…」

 

クローゼットの中には、拳銃やライフル、刀や槍など、どえらい物騒なもんがギッシリ入ってた

 

リイン「うわ、しかもこれ、全部本物ですよ」

 

はやて「士希、余裕で警察のお世話になれるで…」

 

やっぱり士希は何かと真っ黒やった

 

 

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はやて「次はこの部屋やな」

 

私らは移動し、別の部屋にやってきた。

てか、めっちゃ今さらやけど、このマンションめっちゃ豪華で広いよなぁ。

家賃どれくらいすんのやろ

 

レーゲン「あ、その部屋はしきさんの仕事部屋ですね」

 

仕事部屋?私はさっそくその仕事部屋とやらを覗いてみる。

中はパソコンやら本棚やらでいっぱいやった

 

リイン「確かに仕事部屋って感じです」

 

リインの言うとおりやな。本棚の本も、えらい分厚いし

 

はやて「なになにー、六法全書、帝王学、量子力学…どんな内容やねん…」

 

高校生がやるような内容ちゃうやろ

 

リイン「士希さんのお仕事って、何なんです?」

 

レーゲン「何かいろいろしてますよ?デイトレードやら研究やら。

お仕事と言うより、本人は趣味と言ってましたね」

 

どんな趣味やねん

 

 

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はやて「レーゲン、この部屋は?」

 

私らは再び移動し、別の部屋の前にやってきた

 

レーゲン「あ、そこは寝室ですねー」

 

ほー、ここが…ではオープン!

 

リイン「おー、広いです!」

 

中は結構広かった。大きめのベッドがあって、犬小屋があって、テレビやデスクがあってって感じや

 

はやて「………」

 

私はベッドに近づく。ここで、士希が毎日寝てんのや

 

はやて「んー、ちょっと疲れたで横になろー」

 

私は誰に言い訳する必要があるわけでもないのに、そう言ってベッドに寝転ぶ。

うわぁ、なんやろ、士希の匂いがするせいか、めっちゃドキドキする…

 

リイン「はやてちゃん、顔が緩み切ってるですよ」

 

はやて「ハ!アカンアカン!」

 

リインの注意で、トリップしそうやった頭がハッと目覚めた。危ないところやった…

 

リイン「レーゲン君は、いつも犬小屋?」

 

レーゲン「犬小屋だったり、しきさんのベッドだったりですねー。

最近は暑いので、しきさんのベッドで寝る事が多いですね」

 

いいなぁレーゲン。士希と毎晩一緒に寝とんのやぁ…

 

レーゲン「抱きつかれたりするのが玉に瑕」

 

それ逆に暑いやろ

 

 

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はやて「お、そろそろ時間やな。士希起こそっか」

 

一通り部屋を見てった私らは、再びリビングに戻ってきた。士希は依然、グッスリや

 

リイン「レーゲン君、あれあります?」

 

レーゲン「あれだね!待ってて!」

 

そう言ってレーゲンは、なにやら箱を持ってきた。あぁ、これ知ってるで

 

レーゲン「『起こし方百選!』これで起こし方を決めましょう!」

 

私は前回の事を思い出し、顔が熱くなるのを感じる。うわぁ、これで決めるんやぁ

 

はやて「なぁ、参考までに聞きたいんやけど、これ例えばどんなんが入ってんの?」

 

レーゲン「えっとー、前回の『添い寝しながら起こす』の他に『グーパンで起こす』や

『キスで起こす』なんてのも入ってますね」

 

なんやその両極端なチョイス。てかキスて…

 

レーゲン「さぁ、はやてさん!引いちゃって下さい!」

 

はやて「うーん…せめてまともなん来い!」

 

私は勢いに任せて引いてみる。内容は…

 

はやて「うわぁ、今さらやけど、これ罰ゲームやろ…」

 

レーゲン「おー、前回とはまた違った…」

 

リイン「頑張ってください、はやてちゃん!」

 

うえー、これやらなアカン?

 

 

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士希視点

 

 

 

「…きて……起きて……なた…」

 

誰かが俺を呼ぶ声が聞こえる。柔らかい声音と口調。

あぁ、この声は知ってる。俺が最近気になってる、あいつの声だ

 

はやて「起きてください、あなた。遅刻しますよ!」

 

士希「………」

 

目を開けると、はやてが俺を揺すって起こしている姿があった。

ただ、何故かエプロン姿でおたまを持って…

 

はやて「あなたより、ダーリンのがよかったかな?コホン…

起きてーダーリン!早よしやなご飯冷めるよー」

 

察するに、新婚プレイ的なアレなのだろうか?これは、俺も乗ってあげるべきなのか?

 

士希「あぁ、今起きるよハニー…」

 

レーゲン・リイン「ぶっ!」

 

こらそこ、吹き出すんじゃない

 

はやて「もう、やっと起きてくれた。今日大事な会議あるんやろ?ご飯どうする?」

 

士希「あぁ、せっかくはやてが作ってくれたんだ。いただくに決まってるだろ。

会議なんかより重要だよ」

 

はやて「嬉し?ならすぐよそうね」

 

士希「いつもありがとうな」

 

はやて・士希「………ぷっ!あははは!」

 

少しの間の後、俺とはやては盛大に吹き出してしまった

 

はやて「ちょ、士希ノリ良過ぎやろ!似合わんっちゅうねん!」

 

士希「お前こそ、なんだよダーリンとかあなたとか。そういうキャラじゃねぇだろ」

 

俺とはやてはお互いを見やり、また笑い出してしまった。

あー、はやてもはやてだが、俺も俺だな。バカみてぇだ

 

リイン「知ってますレーゲン君、あれでまだ付き合ってないんですよ」

 

レーゲン「びっくりだなー、もうあれ夫婦でしょ」

 

 

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はやて視点

 

 

 

士希「あー笑った笑った。あれ、洗い物してあるじゃん」

 

はやて「あ、士希が寝た後に洗っといたよー」

 

士希「あ、悪いなはやて。ありがとうな」

 

はやて「ええてええて。美味しい朝ご飯のお礼や」

 

私、士希、リイン、レーゲンはリビングでくつろいでた。

うーん…ちょっと暑なってきたなぁ

 

はやて「なー、エアコンつけへんのー?」

 

リイン「暑いですー」

 

士希「あ、悪い悪い。普段つけないからなぁ。レーゲン、つけてやってくれ」

 

レーゲン「はーい!」

 

レーゲンは壁に設置してあった端末を操作する。するとどこからか冷気が来た。

凄いなこの家、セントラルエアコンかいな

 

レーゲン「しきさん、エアコンあるのにほとんどつけないんですよねー」

 

リイン「えー、暑くないんですか?」

 

士希「暑いとか寒いとか、あんまり気にしたことないからな。扇風機とうちわがあれば問題ないし」

 

士希は窓を閉めながら答えた。ようそんなんで、この日本の夏過ごせるな

 

はやて「私らは無理やなー。すぐエアコンに頼るわぁ」

 

士希「まぁ、無理はいけないからな。それで熱中症になっちゃ世話ないし」

 

レーゲン「なら、ずっとエアコンつけましょうよー。僕かなり暑いですよ」

 

士希「あんまりエアコンに慣れると、外出る時キツイぞ」

 

まぁ、こんな快適な空間になってまったら、外に出る気なんてなくなるわな

 

リイン「それにしても、士希さんの家は凄いです。家賃とか大丈夫なんですか?」

 

リインが気になってたことを聞いてくれた。家賃、予想は15万ってとこか?

 

士希「家賃か、確か90万ちょいだったかな」

 

予想を遥かに越えた…

 

はやて「って!90万!?ここそんな高いんか!?

いやそりゃ、海鳴市内でも有数の高級物件とは聞いてたけど、そんなにすんのかいな!?」

 

士希「まぁ、5LDKですげぇ広いし、空調完備だし、最上階だから海も見えるし。

むしろこの条件で90万は安いくらいなんじゃねぇか?」

 

はやて「90万が安い…金銭感覚狂っとるやろ」

 

士希「デイトレードで荒稼ぎしたからなぁ」

 

リイン「ちなみに貯金は?」

 

士希「100億あるかないかくらいだったかな」

 

100億ってなに?それ東城会が騒ぐレベルの金やで?

 

士希「あ、ちなみにミッドと地球の金合わせて100億だからね」

 

はやて「それでも十分多いわ!」

 

 

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はやて「あ、クローゼットん中見たんやけどさ、士希、銃刀法違反って知っとる?」

 

士希「……あー、知ってる知ってる。獣頭・鳳胃・飯ね。俺は食った事ないなー」

 

はやて「字がちゃう!あんな量の武器、どうやってかき集めたんや!」

 

私はクローゼットの中を開けて答える。何度見ても物騒やわ

 

士希「ほら、世の中物騒だろ?一人暮らしだし、それくらいないと不安なんだ」

 

はやて「どう考えても、士希の方が物騒やわ!」

 

刀とか槍とか斧とか戟とか銃とかC4とか

 

リイン「ていうか、士希さん素手でも十分強いですよね」

 

レーゲン「なんか、虎くらいなら余裕とか言ってましたよ」

 

士希の存在そのものも物騒やった

 

 

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士希「あ、そうだ、今日ちょっと翠屋に行かないか?」

 

私らが大富豪してると、士希が提案してきた

 

はやて「翠屋?なんかあるん?」

 

士希「あぁ、ちょっと確かめたい事があってな」

 

確かめたい事?なんやろ?翠屋のケーキの味とか?

 

はやて「私は構へんよー」

 

リイン「リインもです!そして上がりです!」

 

レーゲン「ノー!この面子で大富豪は勝てる気がしない!」

 

士希「うい。そしてレーゲン、残念だったな。俺も上がりだ」

 

はやて「あ、私も上がりやで」

 

レーゲン「いじめだー!」

 

レーゲンは持ってたカードを机に叩きつけ、机に突っ伏してしまった

 

士希「ほらほら、レーゲン。ケーキ好きなの食っていいから、機嫌直せよ」

 

レーゲン「うー、次は負けない…」

 

そして私らは、身支度を整え、翠屋に行く事になった。

微妙に士希の考えてる事がわからんだ私は、この後の展開なんて予想もしてなかった

 

 

 

説明
こんにちは!
今回は士希の家での一コマ
感覚的には短編集って感じです
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コメント
>黒鉄 刃さん あ、そっちは素で間違えました(笑)修正します!指摘、ありがとうございます!(桐生キラ)
空中完備も方言?普通は『空調完備』かな?。(黒鉄 刃)
それは失礼しました。初めて知った関西弁なもので。(ohatiyo)
>ohatiyoさん 「こやんだんは…」って「来なかったのは…」って言う方言なんですよね。三重弁という中途半端な関西弁が混じり申し訳ない…(桐生キラ)
住みたいなぁ(東文若)
この家たか!?(肉豆腐太郎)
ザフィーラがこやんだんは→拒んだんは(ohatiyo)
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