真・恋姫†無双 〜孫呉千年の大計〜 第3章 15話
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第3章 群雄淘汰・天下三分の計編 15話 『 亡国 〜憎悪に囚われし者達の終着点〜 』

 

 

 

 

 

楓に先導された反乱軍は、雲霞の如く廬江皖城へと押し寄せ取り囲んだ

 

皖城には400名ほどの守備兵に対し、取り囲む反乱軍の兵数は2千をゆうに超える5倍以上にも及ぶ総数で

尚も反乱の様子を聞きつけた者達が、後から続々と参加を表明し合流、人数が劇的に膨らんでいたのである

 

この頃の兵はといえば、もちろん専業などではなく半農である

各都市の反乱軍の大半が、こうした農民出身者で構成されており、廬江周囲からの援軍など期待できる筈もなく

周囲をぐるりと取り囲まれてしまった皖城からは、本拠である寿春へと援軍要請を出すしか方法がなかったのである

 

だがその援軍要請を軍師である楊弘(=14話にて??の人物)が握り潰してしまった為に

廬江を守備する者達は絶望の淵へと追いやられていた

 

また袁術軍に属する者達は、黄巾賊が跋扈していた当事

孫呉の者達が防衛、守備にと就いていた為に、黄巾賊の者達が恐れをなして近づけず安全であったのだが

その頃の悪い癖が完全に抜け切っていなかったのだろう 

 

周囲を取り囲まれても尚、反乱軍に対する対応が遅く、全てにおいて後手後手となる失態を犯していた

 

「かつてこの者達に顎でこき使われていたと思うと・・・」

 

「苦笑を禁じえませんな」

「あはっはっは 笑い事では済まないのだが違いない」

 

楓と副将の董襲は皖城を眺めながら、そんな苦笑混じりの感想を述べていた

 

反乱軍の実態は、先導する楓を含めて戦闘に参加している者の数は

皖城防衛に参加している数より少ないくらいでそう大差がない

 

最前線前である城門を巡っての攻防では、弓での応酬、門の打ちこわし等の激しいせめぎ合いとなっているが

取り囲む反乱軍の中位から後方にかけては、武装してはいるが老人やなんと子供まで見受けられたりするお粗末さで

この者達は手持ちの鍋などを盛んに叩いて周囲を走り回ったり、声を出しと称して歌っていたりする滑稽さである

 

城内にいる者達は、慌てふためき焦っていること、遠めからだから判っていないのだろうが

楓や董襲でさえ、こんなに上手くいくとは思っていなかっただけに、拍子抜けしたぐらいなのである

 

勢いに乗った群衆ほど手のつけられないモノはない

・・・という教科書通り、お手本のような反乱といえた

 

漢王朝が初期の黄巾賊の内乱を軽視し、泥沼へと嵌まってしまったように

袁術の中核都市の廬江でさえこのザマだったのだ 他の都市を語る必要など無きに等しい

祭の心配は杞憂に終わっていた

 

「汝南、合肥、石亭、烏江、濡須口、廬江、尋陽といった各主要都市で住民による反乱が同時に多発しております

 その内、廬江、合肥はすでに陥落!廬江太守の劉勲様、皖城をすでに放棄し、逃亡され行方不明とのこと!

 合肥を守備していた陳紀様、民により打ち首にされましたとのことです!!」

 

伝令から次々と伝えられる悪報に、寿春城の玉座の間は一瞬で凍りつき、その後一時辺りは騒然となった

 

「なっなんじゃとぉーーーーーーーーー (棒)

 めっ名門袁家にたてつくのかや!(棒)

 うっ! ううぅ〜〜〜〜 急いでげっ迎撃するのじゃーーーーー(棒)」

 

美羽は烈火の如く?というより、今風でいうと激おこぷんぷん丸!といった可愛らしい表現が適切なのあろう

だが事情を知る者ならば、この美羽の三文芝居が、さぞ滑稽に映ったことだろう

 

傍近くで控えている七乃と紀霊は、美羽の”下手な演技発言”に笑いを必死に堪えていたりする

 

この反乱劇の第一報は、七乃と正対している軍師・楊弘が握りつぶしていた

それゆえに、現在皆その対応に追われて、寿春城の中はてんやわんやの大騒ぎである

 

寿春城玉座に居並ぶその中で、美羽を始めとした七乃に紀霊、そして軍師である楊弘の4人だけが

この事態に際しても、慌しい様子を見せることはなく異様に映るのであった

 

また各都市の反乱の状況を聞きつけたのか 

孫呉軍、魏軍、劉j軍が、この機に乗じて派兵したとの未確認情報も飛び込んできており

伝令が携えてくる報告も、どこまで正確なのかかなり疑わしかったのである

 

そして、寿春ではまだ大規模な反乱が起こってはいなかったものの・・・

 

ここ寿春の街にもそんな不穏な空気が伝染し

商店などは軒並み門戸を閉ざし、皆息をひそめ嵐が過ぎ去るのをじっと待ち望んでいた

 

だがそんな息をひそめる者達をあざ笑うかのように

汝南を守備する李豊、石亭を守備する橋ズイ、烏江を守備する楽就、濡須口を守備する梁剛、尋陽を守備する陳蘭

主な都市を守備する将達から支援要請が、この間にも続々と寿春へと送られてきたのであった

 

ここまで住民の反乱が上手くいったのは、各都市の魯家支店の倉に、山と詰まれた武装具を惜しげもなく全解放した事

反乱軍でありながら、孫呉の将が上手く紛れて手際よく先導し率いたから

そして明命、思春、瑠璃ら斥候衆による数々の助力があったからに他ならない

 

だが成功の最も重要な要素であったのは、袁術軍による初動の遅れが起因していたことも忘れてはならない

そうした全ての要素が重なり合った結果、見るも無惨、聞くも無惨な実に愚かしい光景へと変貌を遂げていたのだった

 

「一時はどうなるかと気を揉んでおったのじゃが・・・」

「冥琳様のおっしゃられた通りで、これはまた・・・想像以上に集まりました・・・ねぇ」

 

・・・と感想を漏らしたように、祭と高順の元には他都市の反乱の結果並びに噂を聞きつけたを超える5千は下らない人々が

すでに寿春郊外に指定していた集合場所へ、ひしめくように集まってくれていたのだった

 

「これで負けては恥じゃな」

「・・・ですね 反乱の締めでもありますし責任重大です」

 

この群集の光景を眺めていた祭と高順は、

 

「フフフ それこそ燃える闘魂じゃろ!」

「民の方々といい祭様といい、太陽が熱過ぎて近寄り難く感じるのですがねぇ?」

 

ここにきて祭に漸く慣れたのか? 高順の毒舌口撃が少しづつ混ざってきているような気がする

 

「ぬかせ! 高順! 地獄の鬼退治へいざ参るとするかのう!」

「ハッ! 地獄の果てまでお供仕ります!!」

 

互いに不敵な笑みを浮かべつつ、集まってくれた群衆の元へと、軽やかに勢いよく歩み寄っていく2人であった

 

「皆の衆よう集まってくれた 礼を申す! 

 皆も知っておろう? そして聞いておろう! 

 この祭りの締めは我らじゃ! 存分に暴れてくれようぞ!」 

 

「「「オオォォォーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」」」

 

闇夜を焦がす群集という名の篝火へと

祭はありったけの想いをのせ燃料を投下し、皆の魂を奮い立たせ業火へと変じてみせた

 

祭も高順も、そしてこの場に集いし民衆達も

昔日の怒り、苦しみ、嘆き、全ての感情の奔流を飲み込み、巻き込み、そして荒れ狂い舞い踊る

 

そう楓の廬江襲撃から始まる反乱劇、これはまさに「亡国」という名の”祭り”といえるのであった 

 

いつもなら本陣を構えている場所には、息巻いた武将・知将が入り乱れるのが常ではあるが

今回ばかりは、皆各地へと出払っており閑散とした様子で、一刀や雪蓮、冥琳、明命と数は少ないのだが

各地の反乱の報告に訪れる伝令の数は、逆にひっきりなしに続いていたりする

 

「これで名門・両袁家が倒れたことになるのか 盛者必衰の理をあらわすとはよく言ったものだな

 さ・て・と! それじゃ祭さん達が起こした人波に紛れ込んで、袁家という名の鬼退治と洒落込もうか!

 それじゃ冥琳 最後の仕上げに行ってくる ・・・行こうか 雪蓮」

 

「ああ 行ってこい」

「ええ すぐ行くわ! 明命 ”先導”して!」

「はい! ただいまっ!」

 

コレ地味過ぎない?似合ってる?

なんて服を着替えながら感想を漏らしていた雪蓮を笑いつつ

農民の風体に着替え終わった一刀と雪蓮は、明命に先導され本陣を悠々と後し集団へと合流すべく

本陣を足早に後ににするのでありました

 

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「あはは それにしても上手いこといったなぁ〜〜 敵さんのあっけなさちゅ〜たらありゃせんわ」

 

「そうですね 廬江の報がここにも届いていたのでしょう

 それにしても毎度の事ながら惚れ惚れといたします 軍師様たちの神算鬼謀見事でございます」

 

「それにしてもさすが祭の副将だけあるやん 手際の良さにびっくりしたわ」

「お褒めに預かり嬉しく存じます」

 

「そう謙遜せんでもええで?」

 

蒋欽の背中をバンバンと勢いよく叩きながら、廬江より一足先に手際良く合肥を制し終えた霞は

臨時副将の蒋欽とそんな感想を述べあってお互いを称えあっていた

 

「そやな〜 ちと早いけど城の縄張りへと移ろうか! 周囲をぐるっと回ってみようや」

「ですね」

 

霞の提案に頷きながら、少し前方を馬で疾駆する霞の少し後を慌てて追いかけていく

 

「それにしても冥琳の奴、事情を聞いたときは半信半疑やったんやけど

 これから先の事を考えると、今から興奮が押さえ切れんもんやな〜」

 

「さすがにこれから城を建てる段階ですから さすがに早すぎるとは思いますが?」

 

さすが戦闘狂、祭様もそうだが、この方も生粋の戦闘民族なのだと

先程から感心しきりの蒋欽でありました 

 

霞や蒋欽が担当した合肥を始めとした、この度勇気を振り絞り反乱に立ち上がった都市は

最後の寿春を除き勢いにのり次々と制圧、成功を収めるに至るのであった

 

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反乱の流れを整理すると・・・

 

汝南を守備する李豊、石亭を守備する橋ズイ、烏江を守備する楽就、濡須口を守備する梁剛、尋陽を守備する陳蘭と

全ての都市において、反乱軍が勝利を収めすでに陥落していた

 

その後、太守を含めた城主達は逃亡、または捕えられ

民衆の怒りの矛先が彼らへと向けられ、彼らの眼前に引き出され斬首されるに到る

 

・・・残すは美羽の本拠地である寿春を残すのみとなっていた

 

続々と入る凶報に、最初は責任問題を追及していたものの・・・

ある者は「所用を思い出したので!」と退散したり、「小用を」と言って出かけたきり戻ってこなかったりと

今では寿春の玉座はお通夜状態、もはや諦めムードが漂い、集まる者達の関心はすでに自己保身へと移っていた

 

「寿春郊外から反乱軍が湧き起り、城へと進軍しております その数ゆうに5千を超える人数かと思われます」

 

そこへ空気の読めない伝令が勢いよく飛び込んできて

静まりかえる玉座に響き渡る大音声で語り出したものだからさぁ大変

 

もはや美羽の事に構っていられる余裕がなくなったのだろう 周囲から続々と人が去っていくのであった

 

「七乃 もう演技はよかろう?」

「そうです・・・ね」

「・・・・・・」

 

現在の美羽が座る玉座の周りには、信頼できる七乃と紀霊しか残っていなかったのである

 

「最初からわらわにはそち達しかおらん 

 そち達がいれば十分じゃ 計画をこのまま遂行するとするかの」

 

美羽の言葉を聴いた七乃と紀霊は、互いの顔をみやり笑顔で頷くと、連れ立って寿春城の玉座を後にするのでした

 

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寿春城の城門は、反乱軍へと加担した城内の者達が解放してしまい

 

「袁術は何処にいった!? 探し出せぇーーー!」

「重臣達は何処へ逃げた 全員逃すな! 捕らえろーーーーー!!」

 

易々と侵入を果たした反乱軍は、こうした人々の怒号が激しく飛び交う城内に

美羽を始めとした重臣達の姿を追うものの・・・その姿はなく

一部の忠臣達が盾となり、逃亡の時間稼ぎをしている様子であった

 

「どうされますか? 祭殿」

「大方逃げた後といった所じゃろうよ」

 

そう答えた祭であったが、高順の表情は尚も硬く、何かを言い足りない表情をしていたのだ

 

「いえ、それは見れば分ります この暴走気味の反乱軍をどうするのかと聞いております」

 

高順が問いたかったのは一歩先の事で、むしろ美羽達の行方などに関心がなく

過度の略奪や暴動に発展しないかを心配していたのである

 

「逃げた袁術達の行方は、策殿達が追っておるだろうし

 捨て置け 高順 この城に目ぼしい金目の物は全て持ち去られ、大したモノは残ってはおらん

 それに奴らの気の済むまで探させればよかろう? 策殿より早く見つけられるとは到底思えんしの

 疲れ果てれば連中も黙るだろうさ」

 

細かいことなどまで知ったことか!とお構いなしの様子の祭に

 

「はっ・・・はぁ〜 (やはり思った通り、貴方様も隊長と同類でしたか)」

 

玉座の間に踏み込んでいた高順は、やれやれと溜息を漏らしつつ、そんな感想を頭の中で愚痴っていたのだった

大将の良くいえば大きすぎる器、悪くいえば穴の開いた器のお陰で

馬車馬のように働かねばならぬ自身と同じ境遇の副将の蒋欽に、妙な親近感を覚える高順でありました

 

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「お急ぎください! すでに反乱軍の者達は玉座の間に踏み込んだ様子ですし」

 

先導する紀霊が、退路を絶たれた様子を察して、美羽や七乃へ向けて警戒を発する

最初は美羽も走っていたものの・・・同族の麗羽とは違い、あまりの逃げ足の遅さに、今では七乃がおぶって走っている

 

「御待ちくださらぬでおじゃるか? 袁術殿」

 

寿春城の秘密の脱出口をひた走る美羽、七乃、紀霊の3人の前方に

突如として50名ほどの盾や重装備をし、ニヤつくガラの悪い兵達が現れ、退路を絶たれた格好となった

 

紀霊は美羽や七乃を守るように、三尖刀を即座に前方へと突き出し牽制する

 

「此度の不手際の全ての責を背負ってもらわねばの〜う〜?

 それにそのそっ首 まろの今後の為に役立てる予定でおじゃるからのぅ〜」

 

よくものうのうとそんな言葉を吐いて! ・・・この脱出口までやはり知られていたのか

七乃はもはや、笑顔を浮かべ誤魔化そうともせず、苦々しい表情をし歯噛みして悔しがった

 

「誰が最後の時まで言うことを聞きますか! 

 お嬢様共々、ホント長い茶番劇に付き合わされたモノですよ 馬鹿馬鹿しいったらありゃしない・・・」

 

七乃は唾棄唾棄すべき男を見据え言い放つと同時に、美羽を守らんが為に腰に佩く剣を抜き放った

 

「ほっほっほ 気付かれておったでおじゃるか まことに油断のならぬ女狐でおごじゃる

 その足掻きも今日で見納め・・・でおじゃるなぁ〜〜〜♪ おっほっほっほっほ〜♪」

 

脱出口に反響し響き渡る、男版・麗羽の高笑い声、気色悪いにも程があった  

 

・・・とはいえ、ここは狭い脱出口であり、大勢で囲まれないだけマシというだけで

紀霊の武勇を計算に入れたのだろう 盾やら鎧やら重装備で備えているように見受けられた

 

”美羽さまだけでも早くお逃げください!”

 

そう格好良く叫びたい七乃ではあったが、前方の虎は50名ほどの盾や重装備をした楊弘達

後ろの狼は狂気に彩られた反乱軍、美羽、七乃、紀霊の3人は絶体絶命の死地にいるといえた

 

「さぁ 皆斬り捨てるでおじゃる! 袁術の首だけは綺麗にのぉ〜 

 女狐の処分は、お前達が好きにすればよいでおじゃる ほっほっほ」

 

もはや勝ち誇ったような言い草をし指示を飛ばす楊弘であった

 

「袁逢様に受けた恩を仇で返す数々の所業

 お嬢様に一切知らせず勝手気ままに、商人達からの多額の賄賂を含め、国庫の財政を放蕩三昧で逼迫させた!

 

 しかもその悪行三昧を、全てお嬢様1人の責任にして、自分はのうのうと・・・! 恥を知りなさい!

 お嬢様の蜂蜜水だけで国庫の財政が破綻する訳ないでしょ!!

 

 お嬢様の命を弄んだ罪と罰、私達と共に受けなさいな!」

 

抜き放っている剣を楊弘へと突き出すも、すぐに護衛の兵達の後ろへと隠れてしまう

 

将軍として軍を率いていた紀霊を追放処分にしたのもこの男(=楊弘)              ※外伝「砂上の楼閣」参照

美羽が何も知らない子供と侮り、軍師という地位まで賄賂で上り詰めたのがこの男の正体であった

 

その後軍師の1人として、袁家の絶大な権力を握り、政を腐敗させた”楊弘”こそ、全ての元凶であった

 

「くっくっく おっほっほっほ そんな証拠が何処に存在しているでおじゃる?

 まろは張昭殿を介してすでに繋ぎをつけておじゃる もはや”孫呉の一員”なのでおじゃる

 無様に散るはそち達のほうじゃ! ほっほっほ! 愉快!痛快じゃの〜う♪」

 

「なっ! ・・・なんですって! この外道!」

 

七乃がここまで激昂するのも珍しい それだけ許せる存在ではなかったのだろう

しかもこの外道、孫呉という逃げ道まで確保していたなんて・・・歯噛みして悔しがる七乃でありました

 

「ここまでご苦労様 張勲殿」

 

「あっ・・・あっ貴方は孫策っ!」

 

「おぉ〜〜 孫策殿でおじゃるか♪ まろを出迎えに来て戴けるとは! それではの おさらば張勲殿」

 

楊弘は自身の勝利に確信を抱き、七乃達3人をみて嘲り笑うのだった

 

「ええ ここまでホントご苦労様・・・ 楊弘 

 可哀想なのはあんたの方よ ホント騙すのも楽じゃないわ〜〜という訳なので、さっさとあの世に逝ってくれる? 

 

 袁術ちゃんとの((約束|・ ・)) ちゃんと守ったわよ? これでいいのよね? 

 なんならこいつを煮るなり焼くなり好きにしていいわよ?」

 

楊弘が”こやつを斬るのじゃ!”と命令を発する前に、雪蓮がそう言い放つや、腰に佩く古錠刀真打を一瞬にして抜き放ち

楊弘の周囲に控えていた重装備の者達の首元を次々と斬り裂き

大量の血飛沫、いや噴水と断末魔をあげて、ガシャン!ガシャン!!と通路に音を響かせて倒れていった

 

それと同時に楊弘の後方からも、一斉に断末魔と倒れた鎧が出す音が、不気味に木霊した後、辺りは元の静けさへと戻るのであった

楊弘を守っていた者達は誰一人として、起き上がったり、傍に寄ってくる護衛の者は皆無だった

 

楊弘、七乃共に、この事態の推移を判別するのに時間を要した 

それほどに気が動転しており、の事態の推移に頭がついて行かなかったのである

 

「みっ・・・美羽さまが!?」

「なっ? 何をいうておるのじゃ? 孫策殿ぉ〜 何の冗談なのでごじゃるか? 冗談はよしてくれんかのう?」

 

七乃、楊弘共に、まるで狐につままれたような、何とも言えない驚きの表情をしていた

七乃でなく美羽自身が、独自に雪蓮と交渉をしていたなど、2人は知る由もなかったからだ

 

「首謀者を追い込める場所まで、誘導して欲しいと頼まれたのじゃ」

 

「冗談? 冗談嫌いなのよね〜 わ・た・し 

 私達孫呉の者が、この脱出口を知っているという事はそういうことよ おわかりかしら?

 それと張勲、袁術ちゃんが交渉したのは、私でなく夫の一刀とよ?」

 

美羽と雪蓮は、共に七乃へと種明かしをしながら

楊弘という獲物を前に、ジッと見据え眼を細め、鞘へと納め直した古錠刀・真打をいつでも抜けるよう構える雪蓮

 

「それに諦めるのです! 貴方が張譲や司馬懿と通じていた事は我らに筒抜けなのです!」

 

後方に待機していた楊弘の護衛を殺ったのは、明命と一刀の2人であったようだ

 

「うぐっ なっ何を馬鹿な事を! 証拠があるのでおじゃるかっ! 

 口から出任せをいいおってからに!」

 

何処からともなく突然現れた明命の追求の言葉に、さらに驚きと胸の内を隠せなくなった楊弘は激昂し

口から唾を大量に飛ばしながら、すぐに消え去った明命を探し周囲を慌しく探しつつ、雪蓮に対してこう反論してみせた

 

「証拠 証拠って・・・ 悪事を働いていた者が、追い詰められた時にいうセリフのまんまだなぁ〜 おまえ

 証拠ならほれ この書簡でいいのかな?」

 

後ろから突然現れた一刀は、張譲への賄賂金などの明細が書かれた書簡を楊弘へ向けて放り投げた

 

「なっ!? だっ!!・・・」

 

「こんな書簡1つや2つじゃ足りないぐらい保管されてあったぞ? 

 それとこの前、司馬懿の家臣へと渡りをつけていたこともな すでにお見通しだ 

 

 十常侍筆頭の張譲という後ろ盾が亡くなり、帝を抑えた司馬懿へと鞍替えしたかったようだな

 この機に乗じて孫呉へと潜入を果たし、我々の情報を司馬懿へと売るつもりだったのであろう?

 

 孫呉の斥候の情報網を舐めすぎてたようだな まぁ、お陰で易々とお前を嵌めこむ事ができたけどな

 

 先程渡した証拠の書簡の事だが、大半は反董卓連合時の火事で焼失してしまってな

 持ち出せたのはそれを含めて極一部だけなんだけどな お前が主張する”証拠”とやらには十分効果があるだろう?

 

 最後に俺の名だったな 申し遅れたが俺の名は北郷 一刀 

 

 今では天皇として孫呉を統括し、昔は天の御遣いとも呼ばれていた事もあるけどな

 ちなみにお前へと構えている孫策は俺の妻だ」

 

全ては月と詠のおかげであった 彼女達を洛陽から逃がせたからこそ、今日の追い込みが可能だった訳である

地図と台帳を持ち去る際に、ついでに色々と物色していた一刀達なのでありました

 

一方の楊弘の表情はというと、一転して青ざめたまま血色がより悪くなっていた

 

どっどうして、まろの壮大な計画が既に露見しておるのじゃ!

それにこれは・・・確かにまろ自身の手蹟 どうしてこんなモノが奴らの手に渡っておるのじゃ!

先程から何を偉そうに! 誰なんでおじゃるか おのれは!

 

書簡を持つ手を震わせながら、そう言おうとしていた楊弘の言葉を遮るように、証拠品の説明を含めて言葉を発する一刀

その傍らには、何時の間にか美羽が一刀へと抱きついており、もはやどんな言い訳をしようとも逃れようなど出来よう筈もなかった

 

「こちらにはこれの他にも、まだお前のいう証拠とやらを抑えているぞ? 

 我らの挙げた証拠を覆し、上手く言い逃れできる自身の潔白証明とやらを貴様は出来るのかな?」

 

一刀から引導を渡された楊弘は、酸素の足りない金魚のように口をパクパクさせ

一刀と雪蓮とを指差し、交互に視線を忙しく這わせながら、そのまま驚愕の表情で凍りついたようだ

 

           ・

           ・

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「危ない所を助けて戴きまして、本当にありがとうございました

 

 今更説明する必要があるとは思えませんが

 

 あれよあれよと孫策さん、曹操さん、劉備さんに囲まれ、動くに動けなくなってましたし

 徐州などにも介入しましたけど、曹操さんに全てを見事に掻っ攫われましたしね

 もはや死に体もいい所で、ここらが引き際かなと思いまして 

 

 なれば死なば諸共 ・・・という訳だったりします

 けれどまさかお嬢様が、直に交渉していたとは意外でした」

 

「先程現れた斥候の者が、首謀者の確認も含めて接触してきたのでの 

 わらわも利用させてもらったのじゃ」

 

お嬢様も成長なされて・・・七乃感激です!と喜びに沸き抱き合う主従を前に

 

「後は君達の処遇だけれど・・・」

 

一刀は申し訳なさそうな表情をしつつ、スルーを決め込み

容赦なく現実を突きつけようとする事に対して、最悪を想定し先回りを試みる七乃

 

「そっその事なのですけど・・・」

「あやつのように、煮るなり焼くなり好きにすればよいのじゃ」

 

七乃は自身の命を投げ打って、美羽の命を助けようとしていた

しかし一方の美羽はというと、袁家という縛りを失くしてしまった以上、もはや命など捨てる気満々だったのである

そんな対照的な2人に対して、一刀の表情は一向に変らない事態に観念したのか

 

「みっ美羽さま! ・・・と紀霊

 出来ましたら美羽さまの命だけでも! お願いします!!」

 

思い出したように、紀霊の名を付け足す七乃であったが、すぐさま思い直し

美羽の命だけはと一刀へと縋り付き、必死に嘆願を繰り返す七乃でありました

 

「やめよ 七乃 すべてはわらわの・・・不徳の致すところであろう?」

 

「君達とて、民が苦しんでいるのをこれまで見過ごしていた罪は大きい

 3人とも死罪で妥当だよ」

 

全てを悟っていた美羽は、七乃に諦めるよう言い聞かせる

一刀もまた無慈悲な言葉を発するに至り、七乃と紀霊の表情がみるみる青ざめ硬くなるのであった

 

「うむ 承ったぞな 御遣い殿」

「そっそんな・・・ そこをなんとか!」

「・・・ぐっ 私からも美羽様の命だけはなんとかっ!」

 

自身の運命を受け入れる美羽と

いつもはそんなにもの分かりがよくない駄々っ子なのに・・・と頭の中で愚痴りつつ

尚も反骨精神を奮い立たせ抗ってみせる七乃と紀霊、それぞれの反応であった

 

「はぁ〜〜〜 一刀 お芝居はもう止めにしましょ?」

 

この主従の臭い芝居?染みた様子を端から散々見ていて、もう見飽きたのであろうか?

先程から雪蓮が、全く言葉を発しなかったのがその証左であろう

 

「うん? もう終わりするの?」

 

やれやれ まだやるつもりだったの?といった風な呆れた態度を見せる雪蓮と

対して、まだまだ反省が足りないじゃない?と苦笑する姿勢をみせる一刀

 

普段の彼や彼女を見ている者達からすれば、むしろ今みせている2人の反応は真逆といってもいい

 

この雪蓮と一刀の話の流れについていけない美羽、七乃、紀霊の3人は、逆に口をあけたままぽか〜〜んとしている

 

「面倒だけれど、結論を先に説明するとね あなた達3人、表向きには斬首って事で死んでもらうわ

 この度民達を先導した目的は”袁術達の悪政からの開放”な訳 

 もし貴方達を生かしたとあっては、今度は私達の立場が危うくなるからね」

 

表向きには斬首、この言葉自体嘘なのであるが

恩着せがましくした方が、彼女らの今後の行動を鑑みた結果いい薬になるだろうと思ったがゆえである

 

この雪蓮の言葉が功を奏したのだろうか?

聴いた美羽、七乃、紀霊の3人は、その場で喜びあって抱き合い泣き叫んだ

 

「まぁ 存亡の危機にあった孫呉を利用する為とはいえ

 救ってくれた事に変わりなく、こちらもその恩義は感じ忘れていないからね?

 今回君達の命を救うことで、これで帳消しってことでよろしくね

 

 あと、過去に愛する妻の雪蓮をいい気になってイジメてた事は絶対許さないから

 

 それと申し訳ないのだけれど、君達をこのまま放逐する訳にはいかなくて

 孫呉並びに君達が苦しめてきた人達の為に、これから容赦なくキッチリ働いてもらうからね? 

 逃げ出したり、今後の態度次第では・・・ 聡い君達なら判るよね? 覚悟しておいてね?」

 

抱き合い、泣き崩れていた3人と同じ目線へと屈み込んで話し込む一刀

 

「うっ うぐっ・・・ わっわかった いっいえ! わかりましたのじゃ・・・」

「はっはい! 承りました・・・」

「・・・承知! 務めさせて戴きます」

 

前半、死からの解放に喜びに満ち溢れていた3人の笑顔も

生きるのが辛くない?お尻ペンペン事件の折りのように、見事に表情がみるみる凍りつく結果となった

 

中盤から後半にかけて、笑顔できっちり脅迫?とも思える発言をし

3人へのきっちり再教育を忘れない一刀でありました

 

「ん〜〜〜〜 さ・て・と! これで面倒な仕置きは全て終わったわね!

 ・・・という訳で! 明命いる?」

 

伸びをし終え気分を切り替え終えた雪蓮は、何処かへと消え去っていた明命へと呼びかける

 

「はい! 雪蓮さま! 呼ばれれば飛び出す! それが私ですっ!」

 

「それじゃ この3人 他の人に見つからないように”簀巻き”にして、”ある場所”へと運んでおいてね〜♪」

 

苛めた意趣返しとばかりに、雪蓮は明命へと命を下した

 

闇から明命が現れるや、雪蓮の無慈悲な言葉で、今置かれている立場を認識せざるを得なくなるような

容赦なくかつ強制的に現実へと引き戻された美羽、七乃、紀霊の3人なのでありました

 

「なっ! なんじゃと!?」

「一気に扱いが・・・」

「酷い・・・」

 

「”ある場所”ですね!! 承知いたしました! 雪蓮さま!!」

 

明命の服のどこにしまわれてあったのだろう? 

 

3人分の筵が即座に出てきて、あっという間に見事なお寿司!!

・・・の出来上がりではなく、見事なまでに簀巻きにされた美羽、七乃、紀霊の3人が床に転がされ

いと哀れ・・・何処かへと担がれ運ばれていくのであった・・・

 

 

-2ページ-

 

 

「結果に不満はないけど、暴れ足りないわね」

 

本陣へと帰還した雪蓮は、開口一番そんな不謹慎ともいえる言葉を洩らしていた

 

一刀や雪蓮が帰還する頃になると、各都市の反乱へと派遣されていた蓮華を始めとした将達数名が無事成功を収め

早々に寿春郊外に設置されていた本陣へと、報告を兼ねて帰ってきていたりする

 

「今回はそういう作戦だったからな 雪蓮 致し方あるまい? 

 この度の作戦の真なる目的は、袁術達には申し訳ないが、全て次なる戦いへ全力を出す為の”序章”に過ぎないのだからな

 それに暴れるのは、劉j・・・いや義父である呉公の敵討ち、蔡瑁との決戦時にでも存分に暴れるがいいさ」

 

やれやれ妻となり母となりし今でも、以前と全く変らない雪蓮の態度に苦笑する一刀と冥琳でありました

 

「はぁ〜い」

「フフフ お人が悪い 陛下には気づかれていましたか」

 

冥琳は冗談混じりに一刀へと呟いてみせた

 

「まぁね あの時の悲劇を2度と繰り返したくはないのだろう?」                     ※外伝 砂上の楼閣参照

 

一刀の言葉をうけ、雪蓮と冥琳の表情は先程までとは違い、硬く険しいモノへと変じていた

 

「ああ すべてはこの敗北から始まったと言っても過言ではあるまい? 

 順調なればこそ・・・全ての決着をつけるべく、現在の全力をもって倒すのが礼儀というモノであろう?」

 

「フフフ 私の古錠刀・真打が喜びに疼き、熱くうち震えているわ!」

 

まだ劉j達との戦は始まっていないというのに、彼女達から感じる熱気は最高潮へと達していた

 

「その血に飢えた喜びだけは、あまり理解したくはないわね 

 汝の喜びはわが重荷なり・・・って所かしら?」

 

「あら? 冥琳ったら冷たいのね 一刀なら分るでしょう? この血の猛り! そして胸の高鳴り!」

 

冥琳風の茶化しで熱気を冷まし調節しているのであろう

漸くここまできた、来ることが出来た 感慨も((一入|ひとしお))なのであろう

2人の声が普段とは違っている事がすぐに判った

 

「・・・俺は雪蓮出会った当初、その血の猛りと胸の高鳴りで殺されかけたんだけどなぁ〜?」

 

2人のそうした熱が一刀へも移ったのだろうか?のってみせる一刀に対し

 

「ふふふ まだあの時の事、憶えていてくれたの?

 今でもあの時の一刀の事を思い出すと・・・今でもゾクゾクしちゃうわ!」

 

今にでも爆発しそう?いや暴発?した雪蓮が、ものすごい勢いのまま一刀へと抱きついた

 

「・・・って、皆が見ている前でふざけて抱きつかないでくれよ!」

 

そう何時の間に集まっていたのか、蓮華を始めとした将が周りにいたのだった

蓮華はというと、嫉妬神の権化ともいうべき、冷ややかな冷凍ビームを眼で発しつつ、2人を凝視・・・睨んでいた

 

「やぁ〜〜〜だ!」

「おいおい 仲が良いのは分ったから、勝利に沸く民達の前へとさっさと逝ってくれ! 

 ・・・周囲の者達にとっても眼の毒だ」

 

呆れ果てたというような、冷ややかな態度をみせ突き放す冥琳に対し

 

「あっああ・・・ なんか字が違ってる気がするが・・・いいか それじゃ行って来る冥琳」

「べぇ〜だ! 夫婦の睦み合いの邪魔して! それじゃ いってきまぁ〜す♪」

「あっ! まっ待ってください兄様! 姉様!」

 

一刀の左側の腕に、雪蓮は自身の腕を絡ませて、枝垂れかかりながら歩く2人へ割り込むように

一刀の右へと回り、姉への対抗心を剥き出しに同じく枝垂れかかる蓮華

 

嫉妬神の視線を一向に気にする様子もなく、本陣を後にする一刀と雪蓮、蓮華の3人でありました

 

「ようやく行ったか 本当に騒がしい近所迷惑な夫婦なことだ 

 少しは当てられる身にもなって欲しいものだな ぶつぶつ・・・」

 

冥琳が毒をブツブツと吐きながら、城壁へと歩いている頃

寿春城の玉座には、この度協力を得ることが出来た各都市の各村々の長老又は代理が一斉に集められていた

 

皆が集まりアレコレと妄想、不安を口々にし騒ぐ中、そこへ颯爽と皆の現れた琥珀、穏、藍里は

反乱軍に参加した後始末の事から、これからの政に関して”再度”説明を始めるのであった

 

「お忙しい所お集まり戴きまして、誠にありがとうございます

 以前にも皆様へと御提示しました通り、都市の運営は我々孫呉に一任されるという事でよろしいでしょうか?

 この機に乗じて独立したまま、治めたいと思われる皆様はいらっしゃいませんか?」

 

そう提議してみせる琥珀であったが、もはやこの最後の提言に関してはデキレースに等しかった

 

・・・というのも、天の御遣いが降臨してからというもの、孫呉が益々繁栄しているのは周知の事実であり

その恩恵を受けたいが為、反乱の提案に対して皆が協力し積極的になったのである

反論があるのなら、この寿春の玉座の間に現れる筈も無く、すでに自治を始めているはずだからである

 

「無い・・・ということで、今後孫呉の支配を受け入れるという事でよろしいですね?」

 

藍里が発言し賛同し頷く者達を安堵の表情で見守る合間に、穏と琥珀は周囲を素早く見渡し

反論する発言が無いことを確認した上で、琥珀は皆に関係する事柄へと話を切り出したのである

 

・・・その内容とは以下の通りである

 

反乱軍にて使用した武装具に関しては、魯家が高額にて引き取り、生活資金への援助として扱う旨があること

租税に関して、5年の間3公7民と軽減する事、孫呉各地への移住の許可、孫呉独自の貨幣通貨での流通

城の築城、修復、河川事業を始めとした、各都市に必要な公共事業への従事者の募集等など

 

次から次へと琥珀の口から出された施策に対して、先だって不安の喧騒だった場はいつしか・・・

長老と代表者達による質問攻めへと様変わりしていたのだった

 

城内で質問攻めにあっている一方で、寿春城広場では解放されたこの日を記念してイベントが催されていた

 

「今日まで皆様を苦しめた元凶は、幼い袁術本人ではなく

 先に反董卓連合時に消滅した十常侍筆頭・張譲達と結託し 

 この楊弘を始めとした一部の重臣達が賄賂による腐敗した政治を行ったことに起因している

 

 その不義の証となる品はすでにこちらで抑えており、もはや言い逃れする事も出来ない事実であります!!

 

 十常侍・張譲はすでに洛陽の陥落と共に粛清されており、皆様の無念を今ここで晴らす事も出来ませんが

 楊弘を始めとした一部の重臣達に関して、今まで彼らが皆様を苦しめた報いを受けるのは当然であろう

 

 孫呉の長であり天皇であるこの北郷一刀が誓おう! 厳正なる処分を行う事を皆様へと御約束します!

 

「「「ワアアァァァァァーーーーーーーーー!!」」」

 

「ただし長である袁術本人にも責任がない訳ではありません

 よってこれから呉の為、そして治めていた各都市の皆様の未来の為に、奉仕し返してもらうことに決定致しました

 奉仕してもらう内容につきましては、追って詳細を皆様へとお伝えするつもりでおりますので、それまで御待ちくださいませ」

 

「「「ワアアァァァァァーーーー!」」」

 

「辛く厳しく険しい忍従の日々は過ぎ去りました! 過去の辛く忍従に耐えるだけの日々を全て忘れ去ることなどできません!

 少しづつでいい! 一歩一歩! 着実に前へと! 明日を見据え! 我々と共に明るい未来へと歩んでいこうではありませんか!!」

 

「「「ワアアアアアァァァァァァァァァーーーーーーーーーー!!!」」」

 

天皇である一刀のこの演説を聴き、民衆達は咽び泣く声や歓声で、寿春の城は一時騒然となっていた

 

「孫呉は皆様とこの喜びを分かち合い、共に輝かしい未来へと歩めるよう、全力で取り組み支援することをここに誓わせて戴きます!」

 

「「「オオォォォーーーーーーーーーー!!」」」

 

蓮華のこの宣言により、圧政に苦しみ抜き心まで折られていた民衆達の顔には、今では生きる気力で満ち溢れていた

 

「景気づけと言ってはなんだけど、解放という日を記念して、我々の保持する糧食を解放するわ!

 思いっきり飲んで食べて! 今日という日を!未来を共に祝いましょう!」

 

「「「ワァァァァーーーーーーーーーー」」」

 

後日、民衆の面前にて引き出された

楊弘を始めとした、賄賂に手を染め国を腐敗させ滅びへと導いた重臣達、その悉くを粛清したのでありました

 

           ・

           ・

           ・

 

一刀や雪蓮、蓮華達と別れた冥琳は、本陣から出て寿春の城壁へと来ていた

ここでは、むさ苦しい群集や一刀達も豆粒ほどで歓声すらも心地いい音量だ

 

「劉表に惨めにも惨敗を喫し、存亡の危機に陥りこの城の城門をくぐった当事の我らからは・・・

 希望的観測は常に持っていたものの、現在の姿は想像だに出来んな」 

 

今日で何度目であろう冥琳の呟きであったが、今回は

 

「あの惨敗から・・・よく立ち直れたものね」

「そうさね 再びこの地へ ましてや支配者として立てようモノだとは思わなんだ 実に感慨深いものさね」

 

「紅に・・・王林か やけに駆けつけるのが早かったな」

 

「今まで全力で走ってんじゃ 今日ばかりは皆に任せて休ませてもらうとするさね」

 

「そうね・・・」

「・・・だな」

 

そう微笑みながら、冥琳は視線だけを2人へと向けるものの・・・ すぐに皆、城壁外の景色へと移してしまう

王林も紅もまた、冥琳の心情を汲み取り話しかける事はなく、ただただこの光景を心に刻みつけていた

 

3人の胸に去来する遠き昔日の想いはそれぞれなれど

夢を描き、未来へと歩んできた道程は決して平坦なものではなかった 

そんな事は百も承知であり、今更これ以上雄弁に語る必要など何処にもなかった

 

孫呉の再生、全てはここから、この地から産声をあげ始まったのだ 

 

存亡の危機から脱した記憶も、今では時間という流れの中薄れつつあるものの・・・

心に刻み込まれた苦杯の想いは、尚も身をジリジリと焦がし続ける

 

我々のこの傷を一刻も早く癒さねば、孫呉の再生、ひいては大陸の安寧など夢のまた夢

 

今共に袁家の呪縛から解き放たれ喜ぶ者達もまた同様で

1人1人の痛む胸の内を秘め抱きつつ、今というこの時を必死に生き抜いて

今日を・・・明日の幸せを掴める事を信じて、皆、力強く明日の空へと羽ばたいていくのであった

 

 

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●『真・恋姫†無双 − 真月譚・魏志倭人伝 −』を執筆中

 

※本作品は【お気に入り登録者様限定】【きまぐれ更新】となっておりますので、ご注意を

人物設定などのサンプル、詳細を http://www.tinami.com/view/604916 にて用意致しております

 

上記を御参照になられ御納得された上で、右上部にありますお気に入り追加ボタンを押し、御登録のお手続きを完了してくださいませ

お手数をおかけ致しまして申し訳ありませんが、ご理解とご了承くださいますよう、何卒よろしくお願いいたします<(_ _)>

 

■■■【オリジナル人物紹介】■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

 

 

 ○孫堅 文台 真名は緋蓮(ヒレン) 

 

  春秋時代の兵家・孫武の子孫を称し、各地で起こった主導権争いに介入し

  『江東の虎』の異名で各地の豪族を震撼させた

  優秀な人材を率い転戦、やがて軍閥化し孫家の基礎を築いた

 

  容姿:髪は桃色で、孫家独特の狂戦士(バーサーカーモード)になると、右目が赤色に変化するのが特徴で、平時は量目とも碧眼である

  祭と同じく胸が豊満で背は祭より高い 体格は祭よりすこし大きい 顔立ちは蓮華というより雪蓮に似ているだろうか

 

 ○張紘 子綱 真名は紅(コウ) 

 

  呉国の軍師の一人で主に外交を担当。 魏の程c(風)の呉版と考えていただけると理解しやすいだろう

   『呉郡の四姓』と呼ばれる有力豪族の張氏の出 雪蓮直々に出向き、姉の張昭と共に臣に迎え入れられる

  張昭と共に『江東の二張』と称される賢人

 

  ※史実では、呉郡の四性でも張昭と兄弟でもありませんのでお間違い無きように。。。 

   呉郡の四性の中で張温しか見当たらなかった為、雪月の”脳内設定”です

 

  容姿は青眼で背丈は冥琳より少し低い 顔は姉の王林とは似ておらず童顔で人に安心感を与える顔立ちである

  髪は腰にまで届こうかという長く艶やかに保った黒髪を束ね、ポニーテールと呼ばれる髪型にしている事が多いが

  その日の気分により、長髪を肩辺りで束ね胸の前に垂らしている場合もあるようである

  服装は藍色を基調とした西洋風ドレスを身を纏っている

 

 ○魯粛 子敬 真名は琥珀(コハク)

 

  普段は思慮深く人当りも良い娘で、政略的思考を得意とし、商人ネットワークを駆使し情報収集・謀略を行う

  発明に携わる時、人格と言葉遣いが変化し、人格は燃える闘魂?状態、言葉遣いは関西弁?風の暑苦しい人に変化する

  このことから「魯家の狂娘・後に発明の鬼娘」と噂される

 

  ※穏(陸遜)は本をトリガーとして発情しちゃいますが、、琥珀(魯粛)は発明に燃えると・・・燃える闘魂に変身って感じです

 

  容姿は真名と同じく琥珀色の瞳をもち、髪は黒で肌は褐色がかっており月氏の特徴に似通っている

  背は明命と同じくらいで、服装は赤を基調としたチャイナドレスを身に纏っている

 

 ○張昭 子布 真名は王林(オウリン) 

 

  呉国の軍師の一人で主に内政を担当。 冥琳とはライバル同士で互いに意識する間柄である

   『呉郡の四姓』と呼ばれる有力豪族の張氏の出 雪蓮直々に出向き、妹の紅(張紘)と共に臣に迎え入れられる

  張紘と共に『江東の二張』と称される賢人

 

  妹の紅は「人情の機微を捉える」に対して「政(まつりごと)の機微を捉える」という感じでしょうか

 

  容姿は冥琳より少し高めで、紅と姉妹でありながら顔立ちが似ておらず、冥琳と姉妹と言われた方がピッタリの美人系の顔立ちである

  眼鏡は使用しておらず、服装は文官服やチャイナドレスを着用せず、珍しい”青眼”でこの眼が妹の紅と同じな事から

  姉妹と認識されている節もある 紫色を基調とした妹の紅と同じ西洋風のドレスを身を纏っている

 

 ○程普 徳謀 真名は楓(カエデ)

 

  緋蓮旗揚げ時よりの古参武将であり、祭と並ぶ呉の柱石の一人 「鉄脊蛇矛」を愛用武器に戦場を駆け抜ける猛将としても有名

  祭ほどの華々しい戦果はないが、”いぶし銀”と評するに値する数々の孫呉の窮地を救う働きをする

  部下達からは”程公”ならぬ『程嬢』と呼ばれる愛称で皆から慕われている

 

  真名は・・・素案を考えていた時に見ていた、某アニメの魅力的な師匠から一字拝借致しました・・・

 

  容姿は祭と同じくらいの背丈で、端正な顔立ちと豊かな青髪をうなじ辺りでリボンで括っている

  均整のとれた体格であるが胸は祭とは違いそこそこ・・・ちょっと惜しい残念さんである

 

 ○凌統 公績 真名は瑠璃(ルリ) 

 

  荊州での孫呉崩壊時(※外伝『砂上の楼閣』)に親衛隊・副長であった父・凌操を亡くし、贈った鈴をもった仇がいると

  知った凌統は、甘寧に対して仇討ちを試みるものの・・・敵わず返り討ちにあう間際に、一刀に救われ拾われることとなる

  以来、父の面影をもった一刀と母に対してだけは心を許すものの・・・未だ、父の死の傷を心に負ったまま

  呉の三羽烏の一人として日々を暮らしている

 

  容姿はポニーテールに短く纏めた栗色の髪を靡かせて、山吹色を基調とした服に身を包んでいる小柄な少女

  (背丈は朱里や雛里と同じくらい)武器は不撓不屈(直刀)真名の由来で目が瑠璃色という裏設定もございます

 

  ○朱桓 休穆 真名は珊瑚(サンゴ)

 

  『呉郡の四姓』と呼ばれる有力豪族の朱氏の一族

  槍術の腕を買われ、楓の指揮下にいた 一刀の部隊編成召集時に選抜された中から、一刀に隊長に抜擢された『呉の三羽烏』の一人

  部隊内では『忠犬・珊瑚』の異名がある程、一刀の命令には”絶対”で元気に明るく忠実に仕事をこなす

 

  容姿:亞莎と同じくらいの背丈で、黒褐色の瞳に端正な顔立ちであり黒髪のセミロング 人懐っこい柴犬を思わせる雰囲気をもつ  

  胸に関しては豊満で、体格が似ている為よく明命から胸の事で敵視されている  

 

  ○徐盛 文嚮 真名は子虎(コトラ)

 

  弓術の腕を買われ、祭の指揮下にいた 一刀の部隊編成召集時に選抜された中から、一刀に隊長に抜擢された『呉の三羽烏』の一人

  『人生気楽・極楽』をモットーにする適当な性格であったが

  一刀と他隊長である珊瑚と瑠璃・隊長としての責に接していく上で徐々に頭角を現し

  後に部隊内では『猛虎』と異名される美丈夫に成長を遂げていくこととなる 

 

  容姿:思春と同じくらいの背丈で黒髪のショートヘア 体格も思春とほぼ同じく、遠めからでは瓜二つである 

  二人の区別の仕方は髪の色である(所属部隊兵談) またしなやかな動きを得意としている為、思春の弓バージョンと言える 

 

  ○諸葛瑾 子瑜 真名は藍里(アイリ)

 

  朱里の姉 実力にバラツキがあった為、水鏡から”猫”と称される

  その後、水鏡と再会時に”猫”が変じて”獅子”になりましたわねと再評価される

  天の御遣いの噂を聞きつけた藍里が冥琳の元を訪れ、内政・軍事・外交とそつなくこなす為

  未熟であった一刀の補佐にと転属させられる 

 

  初期には転属させられた事に不満であったが、一刀に触れ与えられる仕事をこなす内に((蟠|わだかま))りも消え

  一刀に絶大な信頼を寄せるようになる

  後に亞莎が専属軍師につくと、藍里の内政面への寄与が重要視される中で、藍里の器用な才を愛し、軍師としても積極的に起用している

 

  容姿は朱里より頭一つ高いくらい 茶髪で腰まであるツインドテール 朱里とよく似た童顔でありながらおっとりした感じである

  服装に関しては赤の文官服を着用しており、胸は朱里と違い出ている為、朱里とは違うのだよ 朱里とは・・・

  と言われているようで切なくなるようである(妹・朱里談)  

 

  ○太史慈 子義 真名を桜(サクラ)

 

  能力を開放しない雪蓮と一騎打ちで互角に闘った猛者  桜の加入により瑠璃が一刀専属の斥候隊長に昇格し

  騎馬弓隊を任されることとなった(弩弓隊・隊長 瑠璃→子虎、騎馬弓隊・隊長 子虎→桜に変更)

  本来の得物は弓で、腕前は祭を凌ぎ、一矢放てば蜀の紫苑と互角、多矢を同時に放てば秋蘭と互角という

  両者の良い処をとった万能型である

 

  武器:弓 不惜身命

  特に母孝行は故郷青州でも有名であり、建業の役人街が完成した際に一刀の薦めもあって一緒に迎えに行く

  隊長として挨拶した一刀であったが、桜の母はその際に一刀をいたく気に入り、是非、桜の婿にと頼み込む程であった

   

  容姿はぼん・きゅ・ぼんと世の女性がうらやむような理想の体型でありながら身長が瑠璃ぐらいという美少女系女子

  眼はブラウン(濃褐色)であり、肩下までの黒髪 気合を入れる時には、白い帯でポニーテールに纏める

  一刀の上下を気に入り、自身用に裁縫し作ってしまう程の手先の器用さもみせる

 

  真剣に話している時にはござる口調であるが、時折噛んだりして、ごじゃる口調が混ざるようである

  一時期噛む頻度が多く、話すのを控えてしまったのを不憫に思った為

  仲間内で口調を指摘したり笑ったりする者は、自然といなくなったようである

 

 ○高順

 

  「陥陣営」の異名をもつ無口で実直、百戦錬磨の青年 

  以前は恋の副将であったのだが、恋の虎牢関撤退の折、霞との友誼、命を慮って副将の高順を霞に付けた

  高順は恋の言いつけを堅く守り続け、以後昇進の話も全て断り、その生涯を通し霞の副将格に拘り続けた

 

 ○馬騰 寿成 真名を翡翠(ヒスイ)

 

  緋蓮と因縁浅からぬ仲 それもその筈で過去に韓遂の乱で応援に駆けつけた呉公に一目惚れし

  緋蓮から奪おうと迫り殺りあった経緯がある

 

  この時、緋蓮は韓遂の傭兵だった華雄にも、何度と絡まれる因縁もオマケで洩れなくついて回ることとなるのだが・・・  

  正直な処、緋蓮としては馬騰との事が気がかりで、ムシャクシャした気持ちを華雄を散々に打ちのめして

  気分を晴らしていた経緯もあったのだが・・・当の本人は、当時の気持ちをすっかり忘れてしまっているが

 

  この事情を孫呉の皆が仮に知っていたのならば、きっと華雄に絡まれる緋蓮の事を自業自得と言いきったことだろう・・・

 

 ○孫紹 伯畿 真名を偲蓮(しれん)

 

  一刀と雪蓮の間に生まれた長女で、真名の由来は、心を強く持つ=折れない心という意味あいを持つ『偲』

  ”人”を”思”いやる心を常に持ち続けて欲しい、持つ大人へと成長して欲しいと2人が強く願い名付けられた

  また、偲という漢字には、1に倦まず休まず努力すること、2に賢い、思慮深い、才知があるという意味もある

 

  緋蓮、珊瑚、狼をお供に従え?呉中を旅した各地で、大陸版・水戸黄門ならぬ

  ”偲”が変じて”江東の獅子姫様”と呼ばれる

 

 ○孫登 子高 真名を桜華(おうか)

 

  一刀と蓮華の間に生まれた次女で、子供の扱いが分らぬ蓮華の犠牲者1号となり

  早々に侍従長の咲と思春の手により育てられることとなる

 

  そんなエピソードがあるのにも関わらず、聡明な娘で人望も厚く育ち、王となってからは自身の才能をいかんなく発揮させる

  一刀や蓮華に似ているというより、姉である雪蓮に似ているとの蓮華談有り

  後年孫呉の王として、天皇となりし姉・偲蓮を支えることとなる

 

 ●その他武将

 

  蒋欽ー祭の副将、董襲ー楓の副将

  歩シツー珊瑚の副将、朱然ー昔は瑠璃、現在子虎の副将、丁奉ー昔は子虎、現在は桜の副将 周魴ー瑠璃の副将

 

 ○青(アオ)

  白蓮から譲り受けた青鹿毛の牝馬の名前 

 

  白蓮から譲られる前から非常に気位が高いので、一刀以外の騎乗を誰1人として認めない 

  他人が乗ろうとしたりすれば、容赦なく暴れ振り落とすし蹴飛ばす、手綱を引っ張ろうとも梃子でも動かない

  食事ですら・・・一刀が用意したモノでないと、いつまで経っても食事をしようとすらしないほどの一刀好き

 

  雪蓮とは馬と人という種族を超え、一刀を巡るライバル同士の関係にある模様

 

 ○狼(ラン)

  珊瑚の相棒の狼 銀色の毛並みと狼と思えぬ大きな体躯であるが

  子供が大好きでお腹を見せたり乗せたりする狼犬と化す

 

 

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【あとがき】

 

常連の読者の皆様、お初の皆様 こんばんは 雪月でございます

いつも大変お世話になっております 

 

この度の話は区切りを意識したGWVer?みたいな形で

長めかな?とも思える尺となりましたが、いかがでございましたでしょうか?

 

白蓮VS麗羽さんの戦いが9〜11話の計3話、桃香の蜀統一が12話の計1話のみ

そして13〜15話の計3話(計画では2話に抑えるつもりでした)と皆少々短いのですが

これにて袁術編に終止符を打たせて戴きました

 

それぞれの話を長々と詳細を書いても良かった所なのですが

初期からGWの休みという区切りを見据えて、一週お休みというアクシデントはありましたものの

余り無理に引き延ばすというような事無く、敢えてテンポを重視し制作しました次第です

 

この度の話に関しまして、前話での??ですが、正体は楊弘さんでございました 

今回のメイン悪役さんなので、ちょっとは??のシルエット付きで面白くしようとしたのですが

以降いいアイデアが思いつきもせず、また何の捻りもございませんでして、大変申し訳ありませんでした(汗

 

袁術軍の将の配置なども、名前だけ借りた全て雪月の創作でございます

 

また敢えてなのですが、明命に簀巻きにされ連れ去れました、美羽さん一行の今後の消息につきまして描いておりません

ですが、何処で何をしているのか?という事などは既に頭の中で設定しておりまして

また近い機会に描こうと計画しております それまで暫し間御待ちくださいませ

 

話の流れから、すでにお分かりの鋭い読者の皆様もいらっしゃる事とは推測しておりますが

それまで何処へ連れ去られて行かれたんだろう?と、ご想像を膨らませ明かされる時までお楽しみくださいませ

 

今後の予定をカキコしておきますと、30日(水)に魏志倭人伝の第5話めを投稿する予定でおりますが

本来なら、翌月である7日(水)に更新すべき予定なのですが、GW明けに仕事の出張予定も入っておりまして

【14日(水)更新予定】へと変更させて戴きたいと思っております 本当に無理言って申し訳ありませぬ ぐぬぬ・・・(汗

 

なので、随分と期間をあける事となってしまうのですが、御了承くださいますよう、何卒よろしく御願いいたします<(_ _)>

 

これからも、皆様の忌憚のない御意見・御感想、ご要望、なんでしたらご批判でも!と何でも結構です

今後の制作の糧にすべく、コメント等で皆様のご意見を是非ともお聞かせ下さいませ 

 

それでは完結の日を目指して、次回更新まで(*´∇`)ノシ マタネ〜♪

説明
常連の皆様&お初の方もこんばんは いつもお世話になっております

この作品は真・恋姫†無双・恋姫†無双の2次創作となっております
主人公は北郷一刀 メインヒロインは雪蓮と蓮華と仲間達でお送りしております
※猶、一刀君はチート仕様の為、嫌いな方はご注意を! ※オリキャラ紹介は本文下記参照のこと

袁術軍崩壊の兆しはすでに止めようのない所まできていた
各地で起こった民達による反乱のうねりが、袁術軍を容赦なく飲み込もうとしていた 

そのうねりに対し、美羽達袁術軍はどういった対処をするのだろうか?
楓が!霞が!そして祭が先導する反乱軍の勢いは、美羽達袁術軍を無事に追い詰める事が出来るのだろうか?
美羽達の結末や如何に!?

それでは心の赴くままに・・・ 作品を心行くまで、ごゆるりとご堪能くださいませ どうぞ!
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コメント
>以後も皆様からのコメントカキコお待ちしております いつもコレクション並びに支援ボタンを押してくださる皆様、本当にありがとうございます&lt;(_ _)&gt;(雪月)
>禁玉⇒金球様 いつもコメントありがとうございます 確かに腐敗を助長した一因はありますしね この度利用した民意は、天災と同様コントロールするのは容易ではなく、備えるといった方の意味合いが強いかと思います 一刀にとっても他人事ではなくなっていますしね あの方達ですしやる時はやってくれますよ アハハ (雪月)
理由の如何に係らず袁術の非力が生んだ腐敗に違いなしきっちりケジメ付けましょう甘えは許さん故に美羽は大したもの。膨れ上がった民意は途轍もない悪意も持ち合わせている、故に操るのもまた為政者の役目だ泥に塗れろ一刀。暴れるのが目的じゃないでしょう馬鹿武将さん達w、仇討といっても美化はさせんぞ孫呉の皆さんよ。面白いです。(禁玉⇒金球)
>観珪様 斬首エンドまでは考えておりませんでお尻ぺんぺんエンドなら(ぇ 主従のその後につきましては、またの機会にでも出したいと思っております(雪月)
>たっつー様 いつの時代も悲哀に満ちているのですね(泣 一刀さんに薬の調合知識がありませんからねぇ 民間伝承という形での漢方の原型?は設定であるのですが、かなりいい加減なモノだったりします それだけに華佗の医師としての力量が抜きん出て大陸中の噂として伝わっているのでしょう(雪月)
>たっつー様、観珪様 いつもコメントカキコくださいましてありがとうございます&lt;(_ _)&gt;(雪月)
美羽ちゃん斬首エンドにならなくて安心しますた← とりま一刀くんの下で美羽ちゃんが大変であろうとも笑顔で過ごせるのなら、最良の新たな始まりです(神余 雛)
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