英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜 
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〜旧校舎・終点〜

 

「―――――」

パラスケヴァスと対峙した魔獣は鋭い爪で攻撃したが

「…………………」

石の身体を持つ魔獣より遥かに硬い鱗を持つパラスケヴァスにはビクともせず、パラスケヴァスは自分を攻撃している魔獣をまるで蠅を払うかのように無造作で巨大な尾を振るった。

「――――!?」

パラスケヴァスが振るった巨大な尾によって魔獣は吹っ飛ばされて壁に叩きつけられて怯み

「―――――」

咆哮を上げて傷ついた身体を再生した後翼を羽ばたかせて空へと飛びあがってパラスケヴァスに襲い掛かったが

「―――――――!!」

パラスケヴァスは水流を纏った巨大な槌を振り下ろし、パラスケヴァスの攻撃―――水流スマッシュを受けた魔獣は哀れにも全身を粉々に破壊されて消滅した!

 

「…………………」

「俺達が苦労して勝利した相手を僅か数秒で倒すなんて……」

「い、一撃必殺……」

「まあ、あれだけ体格差があるんだから当然だと思うけど。」

パラスケヴァスの圧倒的な攻撃威力を見たマキアスは口をパクパクさせ、ガイウスとエリオットは呆け、周囲の人物達が驚いている中フィーだけは冷静な様子で呟いた。

 

「―――――」

ペルル達と対峙した魔獣は口から炎のブレスを放ったが

「おっと。」

「遅いですわ!」

ペルルとフィニリィは上空へと退避し

「無駄だ!」

アムドシアスは片手で簡易結界を展開して自分に襲い掛かるブレスを防いだ。

 

「いっくよ〜!それっ!!」

そして上空へと退避したペルルは全身の回転させて敵に突撃するクラフト―――ごろごろで突撃し

「!?」

回転するペルルの攻撃をまともに受けた魔獣は凄まじい勢いで吹っ飛ばされて壁に叩きつけられた!

「集え!風の精霊達!双竜の大竜巻!!」

その時魔力を溜め込んだ槍をフィニリィが掲げると巨大な竜巻が二つ発生して魔獣を呑みこみ、竜巻に呑みこまれた魔獣は全身を切り刻まれながら上空へと打ち上げられ

「美しき我が弓技!受けるがいい!」

そこにアムドシアスが目にも止まらぬ速さで3本の矢を連続で解き放ち、解き放たれた矢は全て魔獣に命中すると共に貫通し、貫通した魔獣の身体に風穴を空けた!

 

「う、嘘でしょう!?旧式の弓であんな威力を叩き出すなんて……!?」

同じ弓使いであるアリサはアムドシアスの弓技の威力に驚き

「なっ……先程あの魔獣が俺達に放った魔法(アーツ)とは桁違いだぞ!?」

「あの竜巻の大きさからして、恐らく上位か最上位魔術かもしれないな……」

(なんて魔力…………それに周囲に漂う精霊達が彼女の一言で一瞬で集うなんて……)

ユーシスはフィニリィの魔術の威力に驚き、リィンは真剣な表情で呟き、エマは驚いた後真剣な表情でフィニリィを見つめていた。

 

「―――――!!」

3人の連携攻撃を受けて重傷を負った魔獣は落下しながら咆哮して自分の傷を回復した後地面に叩きつけられる瞬間翼を羽ばたかせて空中へと飛び上がったが

「ねこつめパ〜ンチ!!」

「――――!?」

羽の部分を鋭く尖らせて斬撃を解き放ったペルルの攻撃によって翼は斬られてしまい、地面へと落下し

「美しき我が魔力、受けるがいい!ケルト=ルーン!!」

落下して行く魔獣の周囲にはアムドシアスが発動した魔術によって発生した膨大な魔力の渦が発生して魔獣を呑みこんで全身を爆発させて瀕死の状態にし

「止めですわ!」

そこに槍に闘気を流し込んだフィニリィが勢いよく突撃して魔獣の顔を貫くと同時に破壊した!鉄をも貫く槍技―――貫鉄槍によって顔を貫かれて破壊された魔獣は全身を石と化させた後消滅した!

 

「―――――」

プリネとツーヤと対峙した魔獣は地面を叩きつけて衝撃波を発生させたが

「ハッ!」

「フッ!」

二人は跳躍して回避し

「十六夜―――”突”!!」

ツーヤは抜刀の構えをして一瞬で闘気を溜め込んだ後抜刀すると共に溜め込んだ闘気をエネルギーとして解放し、解放されたエネルギーは魔獣の腹の部分を貫いて巨大な風穴を作った。

「暗黒の霧よ………全てを崩壊させよ!――――崩壊のディザイア!!」

そこに魔術の詠唱を終えたプリネが発動した魔術によって魔獣を中心に包み込むような暗黒の霧が発生し

「―――――――!?」

暗黒の霧に包みこまれた事によって全身を破壊されるような痛みを感じた魔獣は悲鳴を上げた!そしてツーヤはプリネの魔術によってできた隙を逃さないかのように魔獣に詰め寄り

「神速!鳳凰剣舞!!」

まるで踊りを舞うかのような動作で次々と刀による斬撃を繰り出して魔獣の全身に斬撃を叩き込み、更にそれぞれの持つオーブメントが出す青い光の線でツーヤと結ばれたプリネが魔獣に詰め寄り

「――――瞬雷!!」

電光石火の速さで雷を宿したレイピアを魔獣に叩き込むと駆け抜けた!

 

「――――!?――――――!!」

二人の連携攻撃によって瀕死の重傷を負った魔獣は咆哮を上げて傷ついた肉体を再生させた後翼を羽ばたかせて空中へと飛び上がって二人に魔法(アーツ)を放つ為に滞空してアーツの発動準備を始めた。

「させません!」

しかしその時ツーヤが壁に向かって走った後、己に秘められた”竜”の脅威的な身体能力を活かして大きく跳躍して壁を蹴った後魔獣の上空へと向かって落下し

「十六夜――――”破”!!」

「!?」

上空でアーツの発動をしている魔獣の背に強烈な一撃を叩きこんで地面に叩き落とし

「貫け!烈輝の陣!!」

地面に叩き落とされた魔獣に向かってプリネは片手から魔力を凝縮させたエネルギー――――レイ=ルーンを放って魔獣の翼を貫いて斬り落とした!

 

「――――――――!!??」

翼が貫かれた痛みによって魔獣は悲鳴を上げてその場で暴れ

「―――これで決めるわよ、ツーヤ!」

「はいっ!」

プリネとツーヤは暴れる魔獣を挟み込む形でそれぞれ武器を構え直すと二人が装着しているオーブメントが強い光を放ち始めた!

 

「―――暗黒よ!我が仇名す者達を捉えよ!!」

レイピアに魔力を込めたプリネがレイピアを天へと掲げると暗黒の霧が魔獣を拘束し

「―――今こそ吹雪け!全てを凍てつかせる竜の吹雪よ!!」

プリネと同じように魔力を込めた刀をツーヤが天へと掲げると魔獣を中心に極寒の吹雪が発生して暗黒の霧によって拘束された魔獣をまるごと凍り付かせ、そして二人は同時に地面を蹴って魔獣に詰め寄り

「「ハァァァァァァァ………!!」」

それぞれ常人では決して見えない動きで華麗に舞いながら怒涛の連撃を次々と叩き込んだ!すると二人の連撃によって魔獣を凍り付かせた氷は砕かれ、砕かれた氷の破片は光輝きながら周囲に落ち

「「奥義!絶氷剣舞!!」」

華麗な連撃を叩き込んだ二人は最後の一撃を斜め十字(クロス)する形の斬撃を叩きこんで魔獣の背後へと駆け抜けた!すると全身をズタズタに切り裂かれた魔獣は二人が斬撃を叩きこむと同時に駆け抜けた際に発生した闘気の爆発に呑みこまれ、爆発が収まると魔獣の全身はそれぞれ地面に落ちて石と化してやがて消滅した!

 

「す、凄い……息ピッタリだわ……」

「へえ。”協力技(コンビクラフト)”まで使えるんだ。」

「―――見事な剣だ。私もまだまだ精進が必要だな……」

二人の協力技にアリサは驚き、フィーは目を丸くした後感心し、ラウラは静かな笑みを浮かべて二人を見つめた。

 

「―――皆さん、お疲れ様です。後は私の中でゆっくりと身体を休めて下さい。」

そしてレイピアを鞘に収めたプリネがペルル達を見つめて呟くとペルル達は光に包まれ、プリネの身体と同化した。

「わわっ!?」

「こ、今度は消えて彼女に宿ったのか……?い、一体どうなっているんだ!?」

「…………………」

ペルル達の様子を見たエリオットとマキアスは驚き、エマは真剣な表情でプリネを見つめていた。

 

「ね、ねえ、プリネ。今の人達は一体何者なの?」

その時アリサはおずおずとプリネに話しかけた。

「ペルル達の事ですか?あの娘達は私の使い魔です。」

「つ、使い魔??」

「それは伝承で出てくる”魔女”が従えている存在の事か?」

「…………………」

プリネの答えを聞いたアリサは首を傾げ、ユーシスの質問を聞いたエマは複雑そうな表情をして黙り込んだ。そしてプリネは自分達の世界―――ディル・リフィーナでの使い魔の事について説明した。

 

「”契約”によって力を貸す、か。異世界は不思議な事だらけだな……」

「伝承の中でしか出てこない天使や妖精が存在している事と言い、まさに伝承の世界と言ってもおかしくないな。」

説明を聞き終えたガイウスとユーシスはそれぞれ考え込み

「そ、それに妖精―――それも妖精の王女様みたいな存在やあんな凄く大きい怪物まで力を貸してくれるなんて、さすがは”姫君の中の姫君(プリンセスオブプリンセス)”だね……」

「というか君達自身、そんなに強いんだから、さっき現れた人達が力を貸す必要もないんじゃないか!?」

「同感。正直戦力過剰と言ってもおかしくないと思う。」

エリオットは表情を引き攣らせ、マキアスは疲れた表情で指摘し、マキアスの指摘にフィーは頷いた。

 

「アハハ……私達なんてお父様達と比べたら大した事はないですよ?」

「”お父様”って……」

「―――”英雄王”リウイ・マーシルン皇帝陛下か。確か他の異名では”剣皇”という異名があるが……一体どれほどの腕前の剣士かアルゼイドの剣を学ぶ者として気になるな……。」

苦笑するプリネの説明を聞いたアリサは呆け、アリサの疑問に答えたラウラは真剣な表情で考え込み

「あ、あのプリネさん。比べる対象をリウイ陛下達にする事自体が間違っている気がするのですが……」

「た、確かに………」

表情を引き攣らせたツーヤの意見にリィンは冷や汗をかいて頷いた。

 

「それにしても……さっきと僕達が戦った事に起こった最後のあれ、何だったのかな?」

「そう言えば……何かに包まれたような。」

「ああ、僕を含めた全員が淡い光に包まれていたな。」

「なんだと……?」

何かを思い出したエリオットの疑問を聞いたアリサとマキアスはそれぞれ頷き、ユーシスは眉を顰め

「ふむ、気のせいか……皆の動きが手に取るように”視えた”気がしたが……」

「……多分、気のせいじゃないと思う。」

考え込んでいるラウラの疑問にフィーは静かな表情で答え

「ええ。それに先程の”協力技(コンビクラフト)”、恐らくこのオーブメントのお蔭だと思うんです。」

「プリネさんの動きどころか、考えもわかって、あたし達、先程の技を自然にできたんです。」

「―――となると、この戦術オーブメントが全ての鍵という訳か。」

プリネとツーヤの説明を聞いたガイウスは自分が装着しているオーブメントを見て呟いた。

 

「―――そう。ARCUSの真価ってワケね。」

するとその時サラ教官の声が聞こえ

「あ―――」

声を聞いた方向をリィンが見つめるとそこにはサラ教官とレオン教官がいた。

 

 

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既にお気づきと思いますがプリネはイルザーブの技を使えるようにしましたww父親のリウイが魔法剣を使えるんですから、イルザーブが使う魔法剣を使えてもおかしくないかとwwちなみに現在の所はレヴィアの”必殺・連撃”や天秤で出てきた”魔術・古神神聖”か”魔術・現神神聖”もプリネのクラフトに加えようかなと考え中ですww

説明
第11話
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コメント
感想ありがとうございます 本郷 刃様&ジン様 まさにレベル差による蹂躙戦でしたww(sorano)
使い魔の蹂躙だけでもひどいのに更にコンビクラフトって^^; 次回の更新も楽しみに待っているので頑張ってください応援してます。(ジン)
相変わらずメンフィルは最強ですねww(本郷 刃)
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