義輝記 蒼穹の章 その十壱
[全1ページ]

【 赤壁の戦いに向けて の件 】

 

? 江東 孫伯符居城 颯馬寝室 にて ?

 

《 赤壁の戦いまで 後6日 》

 

寝台の上で、上半身を起こし窓を眺める颯馬。

 

颯馬「…………………」

 

トントントントン ガチャ!

 

信廉「───颯馬! 起きては駄目です! まだ、安静にしていなければ!」

 

様子を覗きに来た信廉と凪が部屋を開け、颯馬を見つけ驚く!

 

颯馬「あれから、俺は…何日寝ていた? かなり寝入っていたようだが……」

 

凪「………一日ですよ……天城様!」

 

颯馬「そんなに!? 拙い!! 雪蓮達に、俺達の参加を認めてもらなくて──ぐっ!!!」 グラッ……

 

凪「───危ない!」 ガシッ!

 

信廉「──颯馬!!」 グッ!

 

急いで起きようとした颯馬だが、身体に痛みが走り、寝台で体勢を崩す。

 

慌てて近付き、颯馬を掴み落下を阻止する二人。

 

颯馬「た、頼む! この戦に参戦出来るようにしなければ、策が全部……無駄に…………!」

 

信廉「安心して下さい! 姉上と鹿介が……この戦に参加出来るよう、お願いして……許可を得たそうです!」

 

凪「ですから、安心して……お休み下さい……」

 

颯馬「……そうか…。 じゃあ……二つ程……お願いしたい………」

 

信廉「私に出来る事でしたら……」

 

颯馬「一つは………………。 もう一つは…………………」

 

信廉「……………………ですか? 一つめは分かりました。 もう一つは、二人に許可は得ているのですか? はぁ……、分かりました。 それでは実行します! もしかの時は、起こしますから……はい、お休みなさい!」

 

凪「…………どうでしたか?」

 

信廉「一つめの願い事は………………」

 

ーーーーーーーーーーーーーー

 

? 長江の岸部 にて ?

 

成美「………成美ちゃんの様子を、よ───く、見ててね!」

 

シュ──ン! トッ! トットットッ……トッ ポッチャン!

 

長江の川岸で、伊達家の者と鈴々、斗詩、猪々子、季衣、流琉が並び、遊びに来ていた…………。

 

政宗「颯馬は……本当に、この者達へ『水切り遊び』を覚えさせるように言ったのか?」

 

景綱「理由は分からないが……『出来るだけ遠くへ』と注文が付いているのだ。 私達が従わない理由は無いが……こうも曖昧模糊だと……ハッキリとした理由が欲しいじゃないか?」

 

二人は………『何故』と思考を巡らすが……答えが出ない。

 

季衣「面白〜い!! じゃあ、ボクの番だ! えーい!」

 

ボッチャン!!  シーン…………

 

季衣「あれっ?」

 

猪々子「ははははっ! きょっちー! こうだよ! こう────!」

 

ブン!! ヒュッ──!   ………ポッチャン

 

季衣「いっちー、ただ、投げただけじゃない………?」

 

猪々子「アレッ? ………っかしいな?」

 

流琉「季衣! 猪々子さん! これは、水平に投げて───」

 

ブ──ン! トットットッ ポッチャン!

 

季衣「すごいっ! よし! 負けずに頑張るぞ!」

 

猪子「きょっちー! 勝負だぁ!!!」

 

斗詩「はぁ……………」

 

元綱「ん? どうしたんです……顔良さん?」

 

斗詩「あっ……すみません。 実は……この『打水標』…得意なんです……」

 

ブン! シュ──ン! 

 

シュシュシュシュ……シュシュシュ……ポッ!

 

季衣、流琉「「 ─────────!! 」」

 

猪々子「と、斗詩!? 何で、そんなに上手いんだぁ!?」

 

元綱「……………!」

 

斗詩「私は昔……苛められる事が多くて……こうやって、一人で遊んでいたんです。 文ちゃん……文醜に会う……話ですよ……。 ですから……これを行うと……辛い記憶が思い出され………」

 

猪々子「斗詩……聞いたぜ!」

 

斗詩「文ちゃん……」

 

猪々子「狡いぜ! 斗詩!! 折角、皆で……どこまで飛ばせるかやろうかって言っていたのに、斗詩だけ……こんな神業持ってるなんてぇ!!」

 

斗詩「??」

 

猪々子「罰として、アタイ達の練習に付き合う事! 成美先生に負けないように鍛えてくれよ!」

 

季衣「斗詩ちゃん! ボクもお願い! いっちーや流琉になんか負けたくないんだ!」

 

流琉「私だって、季衣に負けてあげる気は、全然ないんだから!!」

 

斗詩「でも……私…………」

 

元綱「うんうん。 いい友達が持て良かったね。 今度は……誇れる思い出に変えてきなよ? ワザと空気を読まずに、話し掛けてくれた文醜達に感謝しなきゃ……ね?」

 

斗詩「あっ………はいっ!!」

 

元綱「………颯馬は、ここまで狙っていた訳じゃないと……思うけど……なんか……良い方向に動いているんだよね…………」

 

───────ドボォーン!!

 

斗詩「文ちゃん! なんで、そんな大岩を投げるの!! 近くの船に当たるでしょう!!!」

 

猪々子「重い方が……遠くに行くと思ってさ! 何事も挑戦さ! 恋も賭事もこういう物も!!!」 ブゥーン! ドボォーン!!

 

斗詩「………お願いだから、私に迷惑掛けない挑戦をしてぇぇ……」

 

◆◇◆

 

【 苦肉の策 その一 の件 】

 

? 江東 孫伯符居城 にて ?

 

《 赤壁の戦いまで 後5日 夜 》

 

??「───────────!」

 

??「───────────!!」

 

??「─────『杖刑 百叩き』────!」

 

??「───────────────」

 

??「────! ────! ────!」 ボキッ!

 

??「グハッ!!」

 

ーーーーーーーーーーーー

 

? 荊州 鳥林付近 袁術船団 にて ?

 

久秀「……ふぅ。 結構、手間取ったわね……?」

 

順慶「仕方ありませんわ! 私自身が情報を集めるなんて、初めての事ですから! それに、ただでさえ……私の容姿は目立つため、気付かれないように動くのは、大変だったのですよ?!」

 

久秀「───よく言うわ。 向こうに居る時は、颯馬の部屋で『髪の毛』や『使用済みの何か』を持ってきたんでしょう? 同じ事よ……同じ事!」

 

順慶「全然ちがいますわ! 颯馬様の物は……貴重な宝探し! 今回の情報収集は……退屈な仕事。 やる気からして違いますもの!!」

 

久秀「はいはい………。 それで? 何か情報はあったの?」

 

順慶「私が直接見たわけでは無いのですが……黄蓋が周瑜を罵り、周瑜が配下に命じ、黄蓋に『杖計 百叩き』を受けたそうよ?」

 

久秀「───そう! 遂に始まるのね……『赤壁の戦い』が!」

 

順慶より、その言葉を聞き……久秀は天幕の外に出て、将兵を集める!!

 

久秀「全軍! 時は満ちた! 『赤壁』の地に船団移動! 残りの者は陸路より赤壁へ移動せよ!!」

 

ーーーーーーーーーーーー

 

? 江東 孫伯符居城 一室にて ?

 

《 赤壁の戦いまで 後4日 》

 

祭「『使者』を送ったぞ! 冥琳!!」

 

冥琳「見張りは………?」

 

祭「明命、思春、百地を向かわせた……」

 

冥琳「そうですか……祭殿、あの男で良かったのですか? 私としては再考したい相手ですよ? 罪の無い民間人を殺し、反省の色など皆無! それに祭殿にも数々の暴言を吐いた無礼な奴を…………!!」

 

祭「なぁ〜に、今回の使者役はアイツ程……適正な奴はおらん!! 後始末も兼ねて貰いな……クックックックッ!!」

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

? 荊州 鳥林付近 袁術船団 にて ?

 

《 赤壁の戦いまで 後4日 》

 

久秀「………………お前が……黄蓋殿からの使者?」

 

久秀の前に連れてきたのは、八尺(約185a)の背丈を誇る筋肉隆々の大男。

 

髪も髭も伸ばしきり、衣服だけは清潔な物だったが……使者とは…とても言えない風体(ふうてい)だった。 

 

使者「そうだよ……ネエチャン! 俺は、あの『口煩いババア』に小間使いにされて来たんだよ! 敵大将に……『黄蓋』が寝返るから、その旨を記した竹簡を渡すようにってな! ケッ! 

 

………本当は、こんな事やりたきゃねえんだが……この仕事を無事に済ませれば、死刑の俺を……無罪放免にしてくれる話になってるんだ! 竹簡にもそうやって書いてあるだろう! ──ったく、面倒くせぇ説明させんなよな?」

 

言葉使いさえも……使者として適っていない無礼者を無視して………竹簡を解き、読み始める久秀…………。

 

久秀「…………………。 ふ〜ん、分かったわ!」

 

使者「じゃ! 俺の役目は終わり…『 待ちなさい! 』 ──んだよぉ?」

 

久秀「誰ぞある! この慇懃無礼な使者を『特別室』に案内して差し上げなさい! 厳重に捕縛し猿轡をはめて部屋に閉じ込めておきなさい!」

 

護衛兵「はっ!!」

 

使者「何だとぉぉぉ!? 俺は…もう…孫策達と関係なんかねぇぞ!!」

 

久秀「確かに死刑になるぐらいの者。 孫呉にも見捨てられるわね。 

 

だけど───久秀に、此処まで無作法で下品で楯突いた者を、そのまま逃がすなんてあるわけ無いじゃない! 

 

…『特別室』で……じっくり丁寧に……久秀自身が歓待してあげるわよ!!」

 

使者「ばっ、止めろ! 離せ! 離せぇ!!」

 

久秀「それにね……黄蓋の竹簡には……『使者の始末は任せる』と記してあるの。 残念だったわね……新しい『玩具』の制作のため、有り難く使わせてもらうわよ……黄蓋」

 

使者「あんのぉ───ババアがぁ──騙しやがったなぁ──!!」

 

護衛兵「大人しく来い!!」 ドゴッ!

 

元使者「────ゴフッ!!」

 

使者の役割を果たした男は……『不審者』として、今度は扱われた。

 

久秀「…………益の無い者を『死間』で送って証拠を絶つ………黄蓋に出来る策とは思えないわ? 周瑜の関与がありそうね……。 こういう想定外も仕掛けてくれないと面白みが無いわよ? 周瑜、黄蓋……諸葛亮!!」

 

ーーーーーーーーーーーー

 

? 江東 孫伯符居城 にて ?

 

《 赤壁の戦いまで 後3日 》

 

雪蓮「────連絡が来たの?」

 

祭「うむ……冥琳! 策殿にも、お見せしてくれ!」

 

冥琳「これが……………そうだ!」

 

 

 

******************

 

国を憂う真の忠臣殿へ

 

先代を懐かしみ、今の治世を憂う忠臣よ!

 

袁公路様は、昔の罪は問わず…今の実績だけ評価する者。

 

早く投降すれば、印象と褒美も倍になるだろう。

 

 

我が軍は………三日後、孫策討伐を開始する。 

 

それまでに、袁公路様の膝元に伏される事、期待して待とうではないか!

 

司馬仲達

 

******************            

 

 

 

祭「策殿! 心配されるな! 儂は不満なぞ無い!!」

 

雪蓮「大丈夫よ! 誰が疑うもんですか!! 祭は私達の『お……姉さん』みたいな者よ!? 家族にも等しい者なんだから!!」

 

祭「嬉しい事を言って下さる! しかし…言い淀んだ部分が気にかかるな?」

 

雪蓮「…………!」ブンブン!

 

冥琳「これは、祭殿が街へ向かわれていた時、子供から渡されたそうだ。 なかなか大胆な行動をしてくれる………」

 

雪蓮「その子は……大丈夫だったの?」

 

祭「知らない綺麗なお姉ちゃんが……『黄蓋様に渡して欲しい』と頼まれたと言っておったわい。 しかも、監視していたらしく……殺気がその子に向けられていてな? 急いで受け取り、相手を探したが、既に見当たらなかった…。

 

子供は家まで…………送り届けてきたわい!」

 

冥琳「私達は、明日に実行を起こす! これから颯馬達と最終の相談に入るから……呼ぶなよ……………?」

 

雪蓮「……うん、絶対呼ばないから。 え〜と、冥琳、祭……『ご愁傷様』」

 

◆◇◆

 

【 司馬懿の正体 の件 】

 

《 赤壁の戦いまで 3日 》

 

? 江東 孫伯符居城 颯馬室 にて ?

 

俺は、今……一通の竹簡を覗いている。

 

冥琳から渡された、祭殿の寝返り承諾の竹簡だ。 

 

★☆★  ★☆★  ★☆★  ★☆★

 

《 赤壁の戦いまで 後5日 昼 》

 

信廉殿達に寝かし付けられた/////………俺は、あれから数刻してから起き上がり、雪蓮や北郷殿、関羽殿に挨拶に行った。 

 

城外に居る姫武将達も、城に収容をお願いしようと思い、頼みに行ったついでだ。 ちょうど、皆集まっていると聞いて。

 

そうしたら、歓迎会始まって……呑んでた。 外の将も……既に収容済みで部屋もあてがわれていると聞いて………力が少し抜けたよ。

 

挨拶だけに来たつもりだったのに、多くの将より真名を預けられたり、道雪殿達には拗ねられるやら、心配されるやら大変!!

 

そのどさくさ紛れに、軍師としての指揮権まで預かり……びっくり!!

 

冥琳「………悔しいが、あの司馬仲達に勝てそうなのは、お前しか考えられない!! 将も……お前の軍略の凄さを身を持ってわかっているしな。 

 

────────だから頼む!!!」

 

冥琳に頭まで下げられば………仕方がない。

 

それに、その方が都合が良かったのもある。 俺が全軍の指揮権を持てば、策発動時期に、命令系統の時間差が無くなる!!

 

俺は、承諾して……我が策の手助けを………お願いした!!

 

ーーーーーーーーーーー

 

雪蓮には『折角、私達のために苦労かけたのに、また荷を背負わせてごめんなさい』と……深々と謝られた。 

 

『勘違いして貰って困るが、これが俺の目標だ!! 平和な大陸にして、俺達の世界に皆で戻る!! そのために力を尽くしているのだ。 雪蓮だけの為じゃないよ!!』

 

と………説明したら、頬を可愛く膨らませた。 ………わからん。

 

 

北郷殿は、俺と共に戦えるのが……とても嬉しいようで、質問や何か話題があれば、すぐに話掛けてくる………。 

 

俺は、反董卓連合で貴方達の仲間を殺した男ですよ! 仇を討たないのですかと言ったが……

 

『確かに悔しい気持ちもあるが、尊敬の気持ちの方が大きい! 出来れば…その知謀を学び、今後の平和に役立たせたい!』

 

と言うので、時間の許す限り教えている。

 

………で、肝心の関羽殿が…………謝罪をするが、何故か目を合わせない。

頬が赤く、指をこねてモジモジしている。

 

まぁ、協力してくれるからいいな……と思いそのままだ。

 

ーーーーーーーーーーー

 

この世界で真名は大切な物。 

 

そう……月様から教わり、気を付けていたが……ここで、一挙に真名を預かる事になり困惑状態。 他の姫武将も差はあるが…似たり寄ったりで大変!

 

雪蓮達は……ほぼ全員が預けてくれた。 主君である雪蓮の真名を預かり、冥琳の命を救い、孫呉建国に影で手助けしてくれたからだという。 断るのも失礼、俺を信用してくれた事もあるため預かった。 

 

華琳達も……一部を除き預かった状態だ。 

 

この風習に不慣れな俺達でも、言葉で信頼を託してくれるのは、非常に分かり易くていいじゃないかと思う。 だが、誤って呼んだら、有無を言わさず首切って良し……と言うのは、改善して欲しい。

 

★☆★  ★☆★  ★☆★  ★☆★

 

颯馬「この字………どう見ても……久秀殿の字だ…………」

 

洛陽に攻め込んだ軍勢を囮に、月様、詠、姉さんを襲い、貂蝉のおかげで撃退できた魔の手。 それが……久秀殿だったと聞いている。

 

その後の行方は……杳として知れなかった。

 

でも、今回………この竹簡と言う物証を得た。

 

もしかすると………司馬仲達…………は………

 

バタン!!

 

三太夫「だ、旦那! 大変だぁ────!」

 

余程………慌てていたようだな。 

 

いつもなら、急に出てくる奴が……普通にドアから入って来たよ……。 大きな音立てながら……………。

 

三太夫「使者の野郎を捕まえる様を見ていたら、司馬仲達が出てきたんだけど………アイツは『 松永久秀 』だったんだ!!」

 

そうか……………貴女………だったのですか! 順慶殿と共に、この世界に渡りし姫武将とは………!

 

三太夫「天城の旦那! あんまり……驚かないな! 予想していたのかい?」

 

俺は、黙って竹簡を三太夫に見せた。

 

これは……気合いを入れないと………………

 

トントン! 

 

冥琳「……颯馬、私だ! 入らせて貰うぞ!!」

 

前代未聞の『赤壁の戦い』が始まった……………!!

 

◆◇◆

 

【 苦肉の計 の件 】

 

? 荊州 鳥林付近 袁術船団 にて ?

 

《 赤壁の戦いまで 当日 朝 》 

 

ドタバタ ドタバタ ドタバタ!!

 

兵「し、し、司馬様! 申し上げます!! こちらに……こ、『黄蓋』を名乗る者が………到着致しました!」

 

久秀「……投降するのは……分かっていたはずだけど………何をそんなに慌てているの?」

 

兵「黄蓋が………『周瑜』を捕らえて……投降致しました!!」

 

久秀「──!?」

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

黄蓋?「ガハハハハ────ッ!! 黄公覆! 約定通り、投降をしてきたぞ!! うぬらの主、司馬仲達に会わせいぃぃぃ!!!」

 

周瑜?「私ぃぃとした事が………不覚なのねぇぇぇん!! 黄公覆殿の寝返りぃを防ぐ事が出来ずぅぅ──こんなぁ恥ずかしめを受けるなんてぇぇん!」

 

久秀「………………………………」

 

そこには、祭と冥琳の服を着用した……漢女が二人……。

 

久秀「………………………………」

 

黄蓋?「司馬仲達ぅぅぅ!! 孫呉を裏切り『杖刑 百叩き』を食らい、更にダーリンより離れた心身共に傷だらけの儂に向かい───何を呆けておるうぅぅぅ!!」

 

周瑜??「ダメよぉぉ〜卑弥……ゲフン! 黄蓋殿ぉ! 別の心情を漏らしちゃいけないわよぉぉん! それに、司馬仲達が固まっているのは、も・ち・ろ・ん! 私の艶姿のために、決まっているでしょぉぉぉう!! 」

 

黄蓋?「何をいうかぁぁ! まだまだ、この黄蓋……老いても魅惑的な肢体はますます輝いているぞぉぉぉぉ!!」

 

久秀「──何をしているのよ!! 変質的な偽者達!!」

 

黄蓋?「──待てぇぇいい!! 何を証拠に可憐な儂を疑う! この白髪、この服装! 正に瓜二つでないかぁぁ!!」

 

周瑜?「私ぃも、この艶やかな黒髪、この服装……どう見ても………あらぁ〜ん!! 貂蝉ちゃん一生の大ふ・か・くぅ?  アレを忘れていたわぁぁぁん!」

 

黄蓋?「うぬは一体……何をおぉぉぉ忘れているのだぁぁ!!」

 

周瑜?「───孫呉の軍師必須アイテム『眼鏡』を忘れていたわぁぁん!!」

 

黄蓋?「うぬ〜〜っ!! そのような些細な事に気付いた司馬仲達を誉めるべきか、眼鏡と言うアイテムが無いため、隠し切れなかった貂蝉の麗しい美を褒めるべきか…………悩むではないかぁぁぁ!!!」

 

久秀「…………その前に色々露見しているのに、気付かないの? 

 

はぁ…………期待した……久秀が馬鹿みたい…………。 兵達よ! 偽黄蓋、偽周瑜共々牢屋に突っ込んでおきなさい!!」

 

兵「はっ、はい!!」

 

偽黄蓋「ええぇい! 気安く触るでない!!」

 

偽周瑜「ダメよぉぉん! そこは感じるからぁぁぁん!!」

 

二人は捕まり………牢屋に直行。

 

そして、颯馬の策は……第二策目を発動していた。

 

ーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーー

 

あとがき

 

まずは一言。

 

冥琳ファン、祭ファンの方……申し訳ありません!!

 

青州攻略戦を執筆中に……急に思いついた話が元です。

 

こんな、とんでもない策は、多分考える人は居ないでしょうね……。 

 

颯馬の策は……勿論これだけではありません。

 

第三、第四の策が久秀に襲いかかります。

 

次回も宜しければ、読んでください。

 

説明
義輝記の続編です。 宜しければ読んで下さい。
それと、冥琳ファン、祭ファンの方……ゴメンナサイ。
総閲覧数 閲覧ユーザー 支援
1382 1214 7
コメント
関羽はどうしようかな……と思案中。 まさか、あんな反響があるなんて思いもしなかったので。 作者の悪足掻きですね。(いた)
naku様 コメントありがとうございます! 久秀に捕まったのは……理由が。 まぁ……明日か明後日には判明しますw。  mokiti1976-2010様に半分見破られましたので。 斗詩の話は………ありえるのが怖いですね。   (いた)
雪風様 コメントありがとうございます! 原作でも二人の行動に悩んでいた箇所がありましたのでね………。(いた)
「やっぱり、腹黒い女の子や、身内が策略家だとは颯馬に嫌われちゃうのかな・・」by宇喜多秀家・「剣聖将軍様と、久秀様の仲は険悪・・」by今川氏真(雪風)
ふかやん様 コメントありがとうございます! 確かに詰問することになりますが………返答はどうなるか? 置いていった理由も颯馬だけではなく、義輝様の意向もあります。 久秀と義輝様の仲の悪さは有名ですし、順慶はストーカーに近い性癖持っていましたから、他の仲間との軋轢の心配もありましたから。(いた)
さてようやく颯馬が久秀の存在に気づきましたが…この後どうなるかが問題ですね。恐らく颯馬の事ですから久秀と順慶に対して詰問をすると思いますが、おそらく二人の事。『だったら、だったらなんで置いて行ったのよ!!』と逆切れしそうですよねぇ。まあそもそもの発端は颯馬殿が置いて行ったのが原因なんですけど…。(ふかやん)
全然狙っていません。 『死間』……死んで役に立つ間者ですので、ヒョロイのじゃ久秀に申し訳ないので。 (いた)
禁玉⇒金球様 コメントありがとうございます! 関羽どうしよかと思いつつ思案中です。 混ぜるな危険扱いで颯馬達に修業させるか、再利用で頑張って貰うか………むぅ。  (いた)
筋肉隆々の男にガッチビ漢女とか狙ってるのですか?(禁玉⇒金球)
冥琳と祭さん…策には奇を衒うのも無論あり故に許される!!だが忘れまい。颯馬よ気にするなお前は理不尽な火の粉を払っただけだなにより恩人、民草、友軍を騙し見殺した野郎だから尚更だ。颯馬の払った代償に見合わない漢関こと関羽は別にもういいよ今は要らない娘 嫌いじゃないんだけどもねぇ…(禁玉⇒金球)
mokiti1976-2010様 コメントありがとうございます! 漢女達は『表裏暗転の計』の布石です。 関羽は……どうなることやら。(いた)
えっ…あの二人は牢に入った位じゃ拘束した事にはならないのでは?それも策の内という事ですかね?それと…関羽さん、モジモジしてても解決しませんよ?(mokiti1976-2010)
タグ
戦極姫 真・恋姫†無双 

いたさんの作品一覧

PC版
MY メニュー
ログイン
ログインするとコレクションと支援ができます。


携帯アクセス解析
(c)2018 - tinamini.com