真恋姫無双?三国に舞う鬼龍?part10
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「.....ん。」

 

目を覚ますとすっかり慣れた異世界のような天井が目に映る。

 

もはや、異世界なのだがこの際それはどうでもいい。

重要なのは横に一緒に寝転んでいる、金髪の少女のことである。

 

 

 

「......なんでこんなところにいるんだよ....」

 

 

金髪の少女...華琳が横に寝ているのを見て嘆息をついてしまう。

もし、春蘭にでも見られたりしたらその瞬間大剣が飛んでくるだろう。

いや、それより怖いのは秋蘭の静かな怒りかもしれない。

 

前に春蘭が本気で怒らせてるのをみたが、あれは怖かった。

 

 

「そうね、私も秋蘭の怒っているところはあまり見たくはないわね。」

 

「どぉわ!起きてたのかよ!!」

 

 

華琳がゆっくりと体を起こす。

服にあまりシワがついていないのをみると、寝台に忍び込んであまり時間はたっていないのだろう。

 

 

「当たり前でしょう。この私が男のあなたの寝台で無防備に寝るとおもう?」

 

「おもいません。」

 

襲われでもしたらどうするのよという華琳の言葉に襲わねぇよと冷静に返してやった。

 

そもそも、華琳なら抗おうとおもったら抗えるだろう。

 

 

「あらそれは残念ね。まあいいわ、さっさと起きて身支度なさい。」

 

「それはいいが、どうしたんだ華琳がわざわざ起こしにくるなんて。」

 

「仕事に決まっているでしょう。」

 

 

仕事にしたって華琳が自ら起こしにくるなんておかしい。

絶対に裏がある。

 

とは思いつつ、主である華琳にそう命じられてしまった以上はやくすませなければなるまい。

 

俺は寝間着を脱ぎ、軍服を着てその上に秋蘭が作ってくれたマントを羽織る。

 

最近はどうもこれが俺の代名詞となりつつあるらしい。

 

 

「.....少しは恥らいなさいよ...」

 

「うーん?なんか言ったかー?」

 

「なんでもないわよ!着替えたならさっさといくわよ!」

 

 

なにかしてしまったのだろうか....

とうなだれつつご機嫌ななめの主様の後についていく。

 

しばらく歩くとあることに気づく。

玉座の間に向かっているわけではない?

 

もし、仕事のことで起こしにきたなら玉座の間に向かうはずなんだけどな。

 

 

「なあ華琳。どこに向かってるんだ?」

 

「街よ。」

 

「街ぃ?視察でもするのか?」

 

「荷物持ちよ。」

 

 

相当不機嫌なのかものすごくそっけない返事に俺はそっすか...としか返せなかった。

 

待てよ。荷物持ち?買い物ということは仕事じゃない?

 

ということは?デート?

 

 

「ふぅうううう!」

 

「な、なによ急に!」

 

「いやー華琳もかわいいとこあるな!よし遊ぼう!」

 

「か、かわいい!?いきなりなによ!」

 

 

顔を赤らめて怒っている華琳が無性にかわいく見えて華琳の手を引っ張って街に向かう。

 

 

街に出たところで悲劇は起こった。

 

「ふんぎゅ!!」

 

俺の視界が茶色く染まった。

 

 

「まったく、調子に乗るんじゃないのよ。」

 

「だからって投げることはないだろ投げることは....」

 

 

大体遊びってなによ..仕事っていってるじゃないとなにかブツブツつぶやいてるご様子。

 

俺はよいしょと立ち上がると、ご機嫌ななめな主さまの手をつなぎ、今度はゆっくりと歩く。

 

それに少し満足したのかなにも言わずについてくる華琳。

 

 

 

「で、どこに向かってるんだ?」

 

 

「知らないわよ!あなたが勝手に歩き出したんでしょう!」

 

 

効果音にズコーって入りそうなシーンである。

 

いやだって、街にいこうっていったの華琳だしどこかいきたいとこあるのかなぁって。

そんな俺のつぶやきにため息つかれた。

 

そのまま、てくてくと歩き出したのでそれに追いつき隣を歩く。

 

 

 

「どこに行くんだ?」

 

 

「本を見に行くのよ。」

 

 

「本?城にある書庫にはないのか?」

 

 

城にある書庫は相当でかい。華琳が本好きであり、本を重宝する性格なせいか、かなりの量の本が書庫には眠っている。

 

前に全部読んだのかと聞いたことがあったが、当たり前よの一言だけだった。

 

 

「ええ、水鏡殿が新しい本をだしたらしくて、それがやっと届いたってわけ。」

 

 

「水鏡?水鏡塾のか?」

 

 

「あら、知ってたのね。」

 

 

「まあ、名前だけな。」

 

 

そうこうしている間についたらしく、本屋...といっても現代のようなものではなく本が積まれてるだけなのだが。

 

その本屋に入ると、奥から老人が現れた。

 

 

「お客様とは珍しい、なにかお探しですか?」

 

 

「ええ、ここに水鏡殿の本があると聞いたのだけれど。」

 

 

「ああー水鏡殿の本ですねーちょっとお待ちくださいねー。」

 

 

再びに奥に下がると、奥から誇りと老人の咳が聞こえてきた。

 

おいおい大丈夫かよ。

 

しばらくすると、一冊の本をもってきた。

 

 

「これでよろしいでしょうか?」

 

 

「ええ、これで間違いないわ。ありがとう。」

 

 

 

お目当ての本はあったようでご満悦な華琳様は本屋からでる。

 

俺もでようとしたら、老人に腕を掴まれた。

 

 

「なんだ?」

 

 

腕は振りほどきはしないが、睨み圧力をかける。

 

目の前にたつ老人は本当にさっきの老人なのだろうか。さっきまでの明るい笑顔は消え、今は顔に影をつくり表情が見えない。

 

 

「お主、この世のものではないな。」

 

 

ビク

一瞬肩が動いてしまったのを感じた。

 

 

「おいおいなんの冗談だよ。俺は死んでねーぞ。」

 

 

できるだけ、自然に。

相手を老人だとおもうな、この隙のなさは只者じゃない。

 

 

「大局には逆らうな、逆らえば身の破滅。」

 

 

「は?なんの「龍華?なにしてるの?はやくきなさい。」ああ、今行く。」

 

 

外から華琳の声が聞こえて、老人から目を離し、次に視線をもどしたときには既に老人の姿はなかった。

 

 

 

 

いいか、現に生きる物の怪よ。忘れるでないぞ。

 

 

 

声が聞こえ、部屋をみわたしても老人の姿はない。

どういうことだ、大局?なんのことなんだ。そもそも、姿くらますってどういうことだ。

 

 

「龍華!おそいわよ!」

 

 

しびれを切らした華琳が扉を勢いよく開けて入ってきた。

 

 

「あれ?さっきの老人はどうしたのよ。」

 

 

「すまんすまん、もう下がったよ。」

 

 

華琳は怪訝な顔をしているが、その華琳を連れて店をでる。

 

 

「そういえば、この後はどうするんだ?」

 

 

「特に決まってないわよ。」

 

 

「華琳が今日一日休み...?」

 

 

華琳は普段相当忙しい。

こうしてゆっくり買い物してるのをみるのもかなり久しぶりだ。

 

 

「....まったく今日のためにわざわざあけたというのに...」

 

 

「え?なんか言ったか?」

 

 

「なにも言ってないわよ。」

 

 

小声でなにか言ったとおもったら、いきなり俺の股間を蹴り上げてきた。

 

 

そして悶えてる俺を尻目にすたすたと歩き出す。

 

 

「はやくついてきなさい、置いていくわよ。」

 

 

我らが覇王さまは待つということを知らないらしい。

やれやれと呆れながらも、華琳の顔が少し赤らんでいるのを見逃しはしなかった。

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