仮面ライダーディケイド?破壊者と天使達? 第二十一話
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仮面ライダーディケイド?破壊者と天使達?

 

 

 

 

 

 

 

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ミーノース

「くっ…」

 

 

 

ミーノースの攻撃は怪人達には通用せず、防戦一方となっていた。

 

 

しかし、全てを防ぎきれるわけではなく、体の至る所に傷ができてくる。

 

 

 

カムイ

「やはり、手駒の多い方が有利だな。手駒を失ったシナプスの王など、下等な生物でしかない。」

 

 

 

怪人達の間から、カムイはミーノースに近づく。

 

 

 

ミーノース

「手駒…か…」

 

 

 

そのカムイの言葉に、ミーノースは違和感を感じた。

 

 

確かにエンジェロイドは自分の手駒に過ぎない。

 

 

しかし、それを思うと、何故かあの2人のエンジェロイドの姿が浮かぶ。

 

 

 

ミーノース

「ハーピー…」

 

 

 

以前、自分のために自分達の命さえも投げ出した彼女達。

 

 

その2人に、手駒という言葉は何処か合わない気がする。

 

 

 

カムイ

「む…?」

 

 

 

その時、カムイとミーノースの静寂を破るような足音が聞こえた。

 

 

ゆっくりと迫るその音の方を見る。

 

 

 

カムイ

「お前達か…」

 

 

 

そこに立っていたのは、

 

 

 

士郎

「とっととロックシードをよこせ。さもなくばお前を倒す。」

 

 

竜見

「まるで悪役だね。」

 

 

凛奈

「まぁ、お兄ちゃんらしいけど。」

 

 

晴那

「緊張感無いな?。」

 

 

守形

「それはお前も同じだろう?」

 

 

智樹

「……ま、堅苦しいのは性に合わないしな。」

 

 

 

それなりに覚悟を決めていた智樹も、士郎達のペースに乗せられてしまった。

 

 

 

ミーノース

「サクライ……トモキ…」

 

 

智樹

「あんたも、わかってくれたんだな。」

 

 

ミーノース

「何の…事だ…」

 

 

智樹

「ハーピーは…俺達が助ける。」

 

 

 

その言葉に、ミーノースはハッと口を開いた。

 

 

以前にもこの男には情けをかけられたが、その時とは違った感じがする。

 

 

心の何処かで、ミーノースは智樹の言葉に期待しているのだ。

 

 

 

士郎

「さてと、さっさと終わらせるぞ。」

 

 

 

士郎と竜見は、それぞれの変身アイテムを取り出す。

 

 

 

カムイ

「無駄だ。」

 

 

 

ニヤリと笑いながら、カムイはリモコンのような物を取り出し、躊躇無くスイッチを押そうとする。

 

 

 

晴那

「!」

 

 

 

晴那が何かに感ずき、カムイがスイッチを押す直前に士郎のディケイドライバーと、竜見のディエンドライバーを、蹴りや手刀でそれぞれの手から弾き飛ばす。

 

 

そしてそれらが宙を舞う中、カムイがスイッチを押すと同時に2人のドライバーは爆発し、粉々になった。

 

 

 

士郎

「なっ??」

 

 

 

あのままディケイドライバーを手にしていたら、確実に士郎は死んでいただろう。

 

 

それは竜見も同様だ。

 

 

士郎は、それを察知して素早く反応した晴那を少しだけ見直した。

 

 

 

カムイ

「ほう、気付いていたのか?」

 

 

晴那

「無能なあんたの考えなんて、私にはすぐにわかるわよ。どうせ、用済みになったら消すつもりだったんでしょ。」

 

 

カムイ

「強がるのも今の内だ。もうお前達には戦う力などあるまい。」

 

 

智樹

「俺だ。」

 

 

 

智樹が士郎達の前に出て、カムイと対峙する。

 

 

 

智樹

「俺が戦う!」

 

 

 

そんな智樹の覚悟に応えるように、彼の腰にアークルが現れる。

 

 

 

智樹

「待ってろよ…お前ら…今度は俺が戦う番だ……だから…見ててくれ…」

 

 

 

智樹の脳裏に、儚くも散って行った天使達の姿が映る。

 

 

智樹は閉じていた目を見開き、スッと構えをとる。

 

 

 

智樹

「俺の、変身!」

 

 

 

智樹の全身が紅蓮の炎に包まれ、姿を変えていく。

 

 

その熱気は凄まじく、士郎達も圧倒されていた。

 

 

そしてそこに現れたのは、

 

 

 

士郎

「何だ…あのフォームは…?」

 

 

 

全身がマイティフォームを思わせるような赤色をしつつ、皮膚や角は逞しく、ライジングアルティメット特有の金色の装甲も身に纏っている。

 

 

そして、アークルには紅い装飾が施されている。

 

 

瞳の色は…真っ赤に燃えていた。

 

 

 

竜見

「これは、僕も見たことが無いな。」

 

 

晴那

「じゃあ、名前を決めてあげない?」

 

 

士郎

「そうだな…」

 

 

 

士郎は少しだけ考える。

 

 

 

士郎

「ライジングのその上を行く……『アメイジングアルティメット』だな。」

 

 

 

クウガは目の前の怪人達に、ゆっくりと両手の平を向ける。

 

 

すると驚く事に、怪人達の体が次々と燃えていき、次第に紅蓮の炎が全ての怪人を包んで消し去ってしまった。

 

 

 

智樹

「どうだ!」

 

 

ミーノース

「これ…は…」

 

 

カムイ

「驚いた。よもやこんな力を持っていたとは。だが…」

 

 

 

カムイは懐から何かを取り出す。

 

 

それは眩い光を放つ、黄金の果実だった。

 

 

 

士郎

「それは…!」

 

 

 

そう、正にカムイが手にしていたのは士郎達の求める禁断の果実だった。

 

 

一足先に、カムイに取られてしまったのだ。

 

 

 

≪アタックライド≫

 

 

 

その時、士郎達の耳に聞き覚えのある音声が鳴り響く。

 

 

 

≪スチール!≫

 

 

 

突如、カムイに向かって一筋の閃光が放たれる。

 

 

否、狙いはカムイの持つ禁断の果実だった。

 

 

閃光は見事狙い通りに命中し、光と共に禁断の果実は消えた。

 

 

その閃光を放ったのは…

 

 

 

晴那

「残念でした?。」

 

 

 

 

士郎達の後ろには、機械的な弓と禁断の果実を持った晴那がいた。

 

 

 

 

カムイ

「な??」

 

 

 

誰よりも驚いたのはカムイだった。

 

 

先程まで手にしていた物が、あっさりと取られてしまったのだから。

 

 

 

晴那

「かっこいいでしょ、この弓。私が作ったのよ。」

 

 

自慢気に、右手に持つ機械的な弓を見せてくる。

 

 

全体的にライム色を基調とし、中央には銃口とカードの装填口がある。

 

 

弓で言う弦の部分にはトリガーが設けられており、それを引くと作動するように出来ていた。

 

 

 

竜見

「何…それ…?」

 

 

 

ようやく事態を理解し始めた竜見が、口を開いた。

 

 

 

晴那

「『エールアロー』。仕組みはミッちゃんのディエンドライバーに似てるけど、変身機能が付いてないわ。」

 

 

カムイ

「なるほど…私の発明品の真似事に過ぎんという事か…」

 

 

 

そのカムイの言葉に、呆れた顔で返す晴那。

 

 

 

晴那

「確かにディエンドライバーを元に作りはしたけど、それより性能が低いなんて一言も言ってないわよ。」

 

 

 

晴那はカードを装填し、トリガーを引く。

 

 

 

≪アタックライド≫

 

 

 

そして虚空に向けてエネルギー弾を放つ。

 

 

 

≪リボーン!≫

 

 

 

エネルギー弾はカムイと士郎達の間で弾け、彼等の視界を光で包んだ。

 

 

そして光が晴れた時、カムイはまたしても驚かされた。

 

 

 

カムイ

「ディケイドライバーに…ディエンドライバーだと??」

 

 

 

何故か士郎と竜見の手には、粉々になったはずのドライバーが握られていた。

 

 

 

晴那

「言ったでしょ、性能が低いなんて一言も言ってないって。」

 

 

 

カムイはもう一爆破すればいいと思ったか、再びスイッチを取り出す。

 

 

しかし、晴那がそれを予想していたかのように素早くカードを装填する。

 

 

 

≪アタックライド・バニッシュ!≫

 

 

 

放たれたエネルギー弾はスイッチに命中した。

 

 

しかし、スイッチは爆発するわけでもなく、最初からそこに存在していなかったかのように消え去った。

 

 

何の感覚も無く消えてしまったことに、カムイは驚きを隠せない。

 

 

 

守形

「なるほど……起爆スイッチを空間から消し去ったのか…」

 

 

士郎

「とんでもねぇな…」

 

 

カムイ

「……おのれ…おのれおのれおのれおのれ????」

 

 

 

カムイの目が暴走したように血走り、歯を剥き出しにして怒りを露わにしている。

 

 

 

カムイ

「貴様ら、この私を侮辱したこと。断じて許さん!」

 

 

士郎

「たかが得物を取られたくらいでキレんな。子供か。」

 

 

カムイ

「全ての世界の支配するのは、この私だぁ!」

 

 

 

カムイの叫びと共に、彼の腰にベルトが現れた。

 

 

紫と黒を混ぜたような禍々しい色で、その形状は士郎のよく知っている形だった。

 

 

 

士郎

「ディケイドライバー?」

 

 

 

ディケイドライバーに酷似したバックルを展開し、左腰に付けられた禍々しい色のライドブッカーに似た武器からカードを取り出す。

 

 

そしてゆっくりとカードをバックルに装填する。

 

 

 

【カメンライド】

 

 

 

ずっしりと重く低い音声が、カムイのバックルから鳴り響く。

 

 

カムイはバックルのサイドハンドルに手をかけ、正位置に戻す。

 

 

 

【ディケイド!】

 

 

 

カムイの体が禍々しいオーラに包まれ、徐々に姿を変えていく。

 

 

やがて全身が変わった時、そこには…

 

 

 

 

守形

「ディケイドだと??」

 

 

 

マゼンタに白と黒、緑の目。

 

 

士郎の変身するディケイドとほとんど同じだ。

 

 

だが、目の形状は若干異なり、禍々しいオーラを放っている。

 

 

世界の破壊者の象徴とも言える姿、仮面ライダーディケイド 激情態 だ。

 

 

 

カムイ

「これがディケイドの真の姿だ。全ての世界を支配し、統べる者には相応しいだろう?」

 

 

士郎

「要するに偽者か。だったら、本物の強さを見せてやる。竜見!」

 

 

竜見

「あぁ、行こう!」

 

 

 

2人はそれぞれのドライバーを装着し、カードを装填する。

 

 

 

《〈カメンライド〉》

 

 

 

士郎・竜見

「変身!」

 

 

 

〈ディケイド!〉

 

 

《ディエンド!》

 

 

 

智樹

「俺も行くぞ。3人なら負けない!」

 

 

晴那

「私もいるよ?!」

 

 

竜見

「はいはい。」

 

 

「私もいるわ。」

 

 

 

突然の声にディケイド達は振り返る。

 

 

何処かで聞いたような声。

 

 

振り返った先には、

 

 

 

ラギア

「私も…戦うわ。」

 

 

 

そこには青い髪をした凛奈…ラギアが立っていた。

 

 

 

守形

「どういうつもりだ?」

 

 

 

守形が鋭い目付きで問う。

 

 

ラギアはかつて士郎達の敵だったのだ。

 

 

今更こんな事をする理由など無いはずだ。

 

 

 

カムイ

「ふ…まだ小賢しく生きておったか。ラギアよ。」

 

 

ラギア

「そうね。本当なら今頃私は消えてるわ。でも、凛奈が私を残してくれた。存在する意味を見失った私を…だから!」

 

 

 

ラギアは決意に満ちた表情で、戦極ドライバーを取り出す。

 

 

 

ラギア

「私は生きる!生きて…私の存在する意味を探し続ける!」

 

 

カムイ

「貴様のドライバーは、私が与えた物だぞ?」

 

 

 

その言葉で、士郎は気付いた。

 

 

きっと、士郎達のディケイドライバー同様に爆破するつもりだ。

 

 

用済みになったら消すために。

 

 

しかし、ラギアは戦極ドライバーを手放さない。

 

 

そのまま、ゆっくりと頭上に掲げる。

 

 

 

ラギア

「…ねぇ凛奈…もし…私に罪滅ぼしが出来るなら…あなたの力を、少しだけ貸して…?」

 

 

 

ラギアは、心の中にいる凛奈に、小さく問いかけた。

 

 

 

ラギア

「…大丈夫…今の私は昔の私じゃない…あなたとも一つになれる…」

 

 

 

ラギアは心の中の凛奈に話し掛ける。

 

 

それに呼応するように、彼女の周囲を光が包み込む。

 

 

その光はラギアの戦極ドライバーに集中し、新たな力を与えていく。

 

 

やがて光がやむと、ラギアの手には生まれ変わった戦極ドライバーと、新しいロックシードが握られていた。

 

 

 

ラギア

「ここからは…私達のステージよ!」

 

 

 

ラギアの目は、決意に満ち溢れていた。

 

 

 

 

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カムイ

「っ…!…そんな物!」

 

 

 

慌てて起爆スイッチを取り出し、ボタンを押すディケイド激情態。

 

 

しかし、ラギアの戦極ドライバーには何も起こらない。

 

 

 

カムイ

「なっ??」

 

 

士郎

「そんなの、試さなくてもわかるだろ。」

 

 

晴那

「それがわかんないのが、あの男よ。」

 

 

 

ラギアはディケイド達の隣に立ち、戦極ドライバーを装着する。

 

 

そのドライバーには、以前は無かった戦国武将を思わせるエンブレムが描かれている。

 

 

ドライバーがベルトになったのを確認し、新しいロックシードを解錠する。

 

 

 

〔オレンジ!〕

 

 

 

ロックシードを戦極ドライバーに施錠する。

 

 

 

〔ロック・オン!〕

 

 

 

ドライバーのカッテイングブレードを倒し、ロックシードを切った。

 

 

 

〔オレンジアームズ!花道、オンステージ!〕

 

 

 

上空から巨大なオレンジが現れ、ラギアの頭に被さる。

 

 

オレンジが割れるように開き、同時にラギアの姿も変わった。

 

 

ラギアは新たに「仮面ライダー鎧武」へと変身を遂げた。

 

 

 

士郎

「多勢に無勢だな。お前に勝ち目はない。行くぞっ!」

 

 

 

ディケイド、クウガ、鎧武が、ディケイド激情態に接近戦を仕掛け、その背後からディエンドと晴那が後方支援をする。

 

 

しかし、ディケイド激情態はそれを難なくさばく。

 

 

ディケイドはライドブッカーを、鎧武はオレンジを模した剣「大橙丸」を振りかざした。

 

 

 

カムイ

「その程度でっ!」

 

 

 

【アタックライド・メタル!】

 

 

 

2人の攻撃はディケイド激情態の体に当たるものの、メタルの力で弾かれてしまった。

 

ディケイド激情態はライドブッカーをソードモードにし、ディケイドと鎧武を水平に斬る。

 

 

すると、僅かなタイムラグで2人を禍々しいエネルギーの斬撃が襲った。

 

 

 

智樹

「まだまだっ!」

 

 

 

吹き飛ばされたディケイドと鎧武の間から、紅蓮の炎を右手に纏ったクウガが地面を蹴って飛び上がる。

 

 

そのパンチを、ディケイド激情態はよけようとはしない。

 

 

 

カムイ

「ふっ…」

 

 

 

【アタックライド・インビジブル】

 

 

 

ディケイド激情態の体が水面のように揺らめき、姿を消した。

 

 

 

智樹

「なっ??」

 

 

 

クウガのパンチは空を切る。

 

 

士郎と竜見の使うインビジブルは姿を消し、相手からの攻撃も無効にする能力がある。

 

 

しかし、こちらからの攻撃も出来ないので、主に緊急離脱に使われている。

 

 

だが、カムイは違った。

 

 

 

ラギア

「ぐあっ!」

 

 

 

突如、鎧武の背中にエネルギー弾が放たれた。

 

 

虚空から現れたため、防ぐ事も出来なかった。

 

 

 

晴那

「ちょっとはやるじゃない。でも!」

 

 

 

≪アタックライド・ブライト!≫

 

 

 

エールアローから放たれた光が辺りを照らし、ディケイド激情態が姿を現す。

 

 

 

竜見

「速攻で蹴りをつけよう。」

 

 

 

ディエンドは2枚のカードをディエンドライバーに装填する。

 

 

 

《カメンライド・ガタック!サイガ!》

 

 

 

ディケイド激情態の目の前に、仮面ライダーガタックと仮面ライダーサイガが召喚される。

 

 

どちらもスピード自慢のライダーだ。

 

 

ガタックはクロックアップ能力、サイガはフライングユニットでディケイド激情態に挑む。

 

 

 

カムイ

「遅い!」

 

 

 

【アタックライド・クロックアップ!】

 

 

 

ディケイド激情態は超次元のスピードでガタックとサイガに襲いかかる。

 

 

召喚された2人のライダーは、為す術もなく攻撃されるだけだった。

 

 

 

竜見

「そんな、同じクロックアップなのに??」

 

 

 

サイガのスピードを超えるのは可能だとしても、同じクロックアップ能力を持つガタックよりも速いというのに、竜見は疑問を持った。

 

 

しかし、実際にそれが事実ならば、ディケイド激情態の方が遥かにスペックが高いということを裏付ける事になる。

 

 

 

【ファイナルアタックライド・ディ・ディ・ディ・ディケイド!】

 

 

 

ディケイド激情態はライドブッカーをソードモードにし、巨大なエネルギーを纏った刃で斬撃を浴びせる。

 

 

召喚された2人のライダーは、爆発と共に消えた。

 

 

 

晴那

「…ミッちゃん、ここは任せたよ。」

 

 

竜見

「え?」

 

 

 

竜見の返事を待つこと無く、晴那は走り出した。

 

 

 

晴那

「守形…だっけ?着いて来て!」

 

 

守形

「?」

 

 

 

守形も疑問を持ちつつ、晴那の後を走っていく。

 

 

それを影から見つめる瞳があった…

 

 

 

鳴滝

「………」

 

 

 

 

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智樹

「あいつ…強過ぎる…!」

 

 

カムイ

「これで終わりにしてやろう。」

 

 

 

そう言ってディケイド激情態が取り出したのは、黒のケータッチだった。

 

 

 

ラギア

「そんな??」

 

 

 

【クウガ・アギト・龍騎・ファイズ・ブレイド・響鬼・カブト・電王・キバ】

 

 

 

ディケイド激情態はバックル部分を右腰に付け替え、そこにケータッチを新たに装着する。

 

 

 

【ファイナルカメンライド・ディケイド!】

 

 

 

ディケイド激情態の姿が変わり、胸のヒストリーオーナメントにカードが並べられる。

 

 

頭部のクラウンに最後のカードがセットされ、ディケイド激情態 コンプリートフォームへと姿を変えた。

 

 

 

智樹

「士郎!お前も…」

 

 

士郎

「あぁ、やってやるよ!」

 

 

カムイ

「させん!」

 

 

 

ディケイドが取り出したケータッチを、ガンモードのライドブッカーで弾き飛ばした。

 

 

 

士郎

「くっ…!」

 

 

ラギア

「来るっ!」

 

 

 

【カブト!カメンライド・ハイパー!】

 

 

 

ディケイド激情態の隣に仮面ライダーカブト ハイパーフォームが召喚される。

 

 

しかし、ディケイドが呼び出すのとは違い、全身に禍々しいオーラを纏っている。

 

 

ディケイド激情態はライドブッカーからカードを取り出し、右腰のバックルに差し込む。

 

 

 

【ファイナルアタックライド・カ・カ・カ・カブト!】

 

 

 

2人のライダーは、士郎達の視界から消えた。

 

 

否、捉えられなくなったのだ。

 

 

ディケイド達は身構えるが、その瞬間に彼等の体に衝撃が走った。

 

 

 

智樹

「ぐわぁっ!」

 

 

 

まともに直撃を食らったディケイド達は、全員の変身が解けてしまった。

 

 

 

ラギア

「ハイパークロックアップ…」

 

 

 

ディケイド激情態とカブトが放った技は、普通のライダーキックと同じである。

 

 

しかし、ハイパーカブト特有の、クロックアップを超える能力「ハイパークロックアップ」を使用していたのだ。

 

 

過去や未来を行き来できる程のスピードを持つ彼等を目視することなど出来ない。

 

 

圧倒的な強さを見せつけられながらも、四人は無理やり体を奮い立たす。

 

 

 

カムイ

「ほう、まだくたばらんとは。中々渋とい。」

 

 

士郎

「それは…お前のほうだ…」

 

 

カムイ

「そろそろ楽にしてやろう。」

 

 

 

【ファイナルアタックライド】

 

 

 

右腰のバックルを叩こうとしたその時、

 

 

 

カムイ

「む?」

 

 

 

ディケイド激情態は動きを止め、一点に目を向ける。

 

 

士郎達も振り返ると、そこには…

 

 

 

 

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数分前…

 

 

 

守形

「暗号の解読?」

 

 

晴那

「うん。禁断の果実を使うには大量のロックシードと、ちょっとしたきっかけ、あとはこの世界の暗号をクラックすればいいの。」

 

 

守形

「ちょっとしたきっかけ…?」

 

 

晴那

「今回は奈っちゃんの力をきっかけに使うわ。ロックシードはクソジジイから奪うとして…あとは暗号だけなの。」

 

 

守形

「なるほど…しかし、その暗号は何処にあるんだ?」

 

 

 

晴那はUSBメモリのような物をとり、守形に手渡す。

 

 

 

晴那

「この中に、一応のデータが入ってるわ。」

 

 

守形

「了解した。」

 

 

晴那

「じゃ、私はちょっと用事を済ませて来るわ!」

 

 

 

そう言って、サッサっと走り去って行った。

 

 

守形は暗号解読のためにダイダロスの研究室へと向かう。

 

 

 

 

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目の前に広がる光景に、士郎は思わず息を飲んだ。

 

 

 

士郎

「お前ら…!」

 

 

 

そこに居たのは…

 

 

 

クウガ

「久しぶり、士郎!」

 

 

アギト

「こんな時ぐらい、呼んでもいいんじゃないのか?」

 

 

龍騎

「一緒に戦った仲じゃないか。水臭いぞ!」

 

 

ファイズ

「俺達に出来る事なら、協力する。」

 

 

ブレイド

「任せとけよ!」

 

 

響鬼

「お前からの借りを、ここで返そう。」

 

 

カブト

「おばあちゃんが言っていた。小さな親切を受けたら、大盛りで返せ…ってな。」

 

 

電王

「世界を超えて、俺、参上!」

 

 

キバットバット三世

「キバって行こーぜ!」

 

 

キバ

「あ、何でお前が喋るんだよ!」

 

 

ダブル

「俺達の世界を救ってくれたんだ。礼はさせてもらうぜ!」

 

 

オーズ

「ライダーは助け合いでしょ?」

 

 

フォーゼ

「ダチのピンチを救えねぇんじゃ、男じゃねぇ!」

 

 

ウィザード

「言っただろ?俺がお前の希望になってやる、って。」

 

 

鎧武

「ここからは俺達のステージだ!」

 

 

 

そこに並んでいたのは、総勢14名の平成ライダー達。

 

 

かつて士郎が巡り、救った世界のライダー達だ。

 

 

 

晴那

「さすが士郎。いい友達持ってるじゃない。」

 

 

 

どうやら、これだけのライダーを呼んで来たのは晴那らしい。

 

たった数分で全員を呼び出すなど、大したものだ。

 

 

 

士郎

「全く…騒々しい奴らだな。」

 

 

クウガ

「君がこの世界のクウガかい?」

 

 

智樹

「へ?」

 

 

 

クウガは智樹に近づき、軽い感じで話し掛ける。

 

 

 

クウガ

「聞いたよ。何か凄いのに超変身するんだってね?」

 

 

智樹

「ちょ、超変身?」

 

 

鎧武

「それって戦極ドライバー…もしかして、あんたもアーマードライダーなのか?」

 

 

ラギア

「えぇ、貴方と同じよ。」

 

 

竜見

「友情か…」

 

 

 

その光景を、竜見は笑顔で眺めていた。

 

 

 

カムイ

「ふっ…たかが10数人増えただけ…」

 

 

 

カムイの言葉で、全員の背中に緊張が走る。

 

 

ただ一人を除いて。

 

 

 

士郎

「たかが10数人か…じゃあそのたかが10数人の仲間が、お前にはいるのか?」

 

 

智樹

「士郎…」

 

 

士郎

「俺達は、長い時を過ごしたわけでもない。偶然出会って、偶然一緒に戦っただけだ。でも、俺達はこうして手を繋ぐ事が出来る!」

 

 

カムイ

「何を偉そうに…」

 

 

士郎

「俺は、世界の破壊者だ。世界と世界の壁を破壊し、全ての世界を繋ぐ!…互いの手を繋ぎ合うようにな。」

 

 

カムイ

「貴様…何様のつもりだ?」

 

 

 

士郎はディケイドライバーを展開し、ライドブッカーからカードを取り出す。

 

 

 

士郎

「通りすがりの仮面ライダーだ。覚えておけ!変身!」

 

 

竜見

「変身!」

 

 

智樹

「変身!」

 

 

ラギア

「変身!」

 

 

 

〈カメンライド・ディケイド!〉

 

 

《カメンライド・ディエンド!》

 

 

〔オレンジアームズ!花道、オンステージ!〕

 

 

 

ディエンド、鎧武 オレンジアームズ、クウガ アメイジングアルティメット、そして世界の破壊者 ディケイドが再び現れる。

 

 

 

晴那

「そうだ、あれ使おっと。」

 

 

 

≪アタックライド≫

 

 

 

晴那は真上に向かって光を放つ。

 

 

 

≪ファイナル!≫

 

 

 

その光はライダー達を包み込み、姿を変えていく。

 

 

それぞれのライダーが、最強フォームへと変わったのだ。

 

 

 

クウガ

「行くよっ!」

 

 

智樹

「あぁ!」

 

 

 

クウガ ライジングアルティメットとアメイジングアルティメットが地面を蹴って飛び上がり、ディケイド激情態にパンチを放つ。

 

 

 

カムイ

「ぬおっ!」

 

 

 

直撃をくらい、よろめくディケイド激情態。

 

 

 

アギト

「はっ!」

 

 

ブレイド

「ウェェェイ!」

 

 

響鬼

「たあっ!」

 

 

 

アギト シャイニングのシャイニングカリバーと、ブレイド キングのキングラウザー、装甲響鬼のアームドセイバーがディケイド激情態の胴を切り裂く。

 

 

そして腹部を押さえるディケイド激情態に、いくつもの銃が向けられる。

 

 

 

竜見

「照準OK。」

 

 

龍騎

「こっちもだ。」

 

 

ファイズ

「準備完了。」

 

 

 

ディエンド、龍騎 サバイブ、ファイズ ブラスターの銃撃がディケイド激情態を襲う。

 

 

辛うじて耐えたが、次は上空からフォーゼ ロケットのライダーキック、四方からは2人の鎧武 極、キバ エンペラー、電王 超クライマックスが斬撃を放つ。

 

 

 

電王

「俺達の必殺技ぁっ!」

 

 

 

電王もといモモタロスの声と共に、ディケイド激情態に攻撃が当たる。

 

 

ディケイド激情態が膝をつき、上を見上げた時、そこにはキック体制のライダー達がいた。

 

 

 

士郎

「喰らえっ!」

 

 

カブト

「行くぞっ!」

 

 

ダブル

「うぉぉぉおっ!」

 

 

オーズ

「セイヤーーー!!」

 

 

ウィザード

「フィナーレだ!」

 

 

 

ディケイド コンプリート、カブト ハイパー、ダブル ゴールドエクストリーム、オーズ スーパータトバ、ウィザード インフィニティードラゴンゴールドのライダーキックが炸裂した。

 

 

 

カムイ

「ぐあっ!」

 

 

 

ディケイド激情態の全身にスパークが起こり、その場に膝まづく。

 

 

 

カムイ

「おのれ…!」

 

 

士郎

「エンジェロイドを手駒扱いしたこと。ラギアを利用した事。禁断の果実で世界を手に入れようとした事…あと5秒だけ時間をやる。」

 

 

ダブル

「さぁ、お前罪を数えろ!」

 

 

カムイ

「全ての世界を統べる私に…罪などない!」

 

 

 

〈ファイナルアタックライド〉

 

 

 

士郎

「これで…全部終わりだっ!」

 

 

 

〈オ・オ・オ・オールライダー!〉

 

 

 

全てのライダーが一斉に飛び上がり、キックの体制を取る。

 

 

 

電王

「俺達の必殺技。オールライダーキックバージョン!」

 

 

 

膨大なエネルギーがディケイド激情態に炸裂し、大爆発を起こす…

 

 

 

 

-7ページ-

 

 

 

 

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説明
仮面ライダーディケイド5周年、原作そらのおとしもの完結記念作品です。

いよいよフィナーレです。ここまで読んでくださった皆様、本当にありがとうございます。

今回はいつもよりは長めです。楽しんで頂ければと思います。

それでは…
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平成仮面ライダー そらのおとしもの 仮面ライダーディケイド オリキャラ 仮面ライダークウガ 仮面ライダー鎧武 オリジナルライダー オリジナルフォーム 

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