英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜
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女学院の中に入って行ったリィン達はエリスの先導で進んで行っていた。

 

〜聖アストライア女学院〜

 

「お、男の方……!?」

「あの制服……どこかの高等学校かしら?」

「”トールズ士官学院”ですわ!以前、わたくしのお兄様が通っていましたもの……!」

「まあ、あの皇族ゆかりの……!?」

「平民の方も入学されているそうですけど……」

「ラウラ様……!……ラウラ様だわ……!」

「なんて凛々しい……まさかこちらに転入を!?」

「あの黒髪の女性は……もしかして”蒼黒の薔薇”の君!?」

「それに隣にいる夕焼け色の髪の方は”姫君の中の姫君(プリンセスオブプリンセス)”で名高いプリネ姫……!」

「なんと可憐な方……!」

「もしかしてお二人ともこちらに転入をされるのでしょうか………!?」

「あの金髪の方……公爵家のユーシス様!?」

「はぁ、あの背の高い男性は異国の方なのかしら………」

「小柄で紅茶色の髪の方は何とも可愛らしいというか……」

「あの銀髪の娘さんもとても愛らしいですわねぇ。」

「黒髪の男性の隣で歩いている銀髪の女の子はどちらの家の方なのかしら?まるでアルフィン殿下を見ているみたいですわ……!」

「あの金髪の女性は………どこの家の方なのかしら?」

「眼鏡の女性は……その、羨ましすぎるスタイルですね。」

リィン達が女学院の中を歩いていると、女学院に通う女学生たちがそれぞれ興味ありげな表情でリィン達を見つめて会話をしていた。

 

「うう、これはキツイな……」

「フン、あの程度の囀り、流せばいいだけだろうが。」

疲れた表情をしているマキアスにユーシスは呆れた表情で指摘し

「あはは……みんな興味津々みたいだね。」

エリオットは苦笑していた。

「ふふ、でもラウラやプリネ、ツーヤはさすがに人気があるわね。」

「ふむ、慕ってくれるのは光栄なのだが……」

「ああいう憧れの目で見られても困るんですよね……」

「ハア……」

アリサの指摘を聞いたラウラは考え込み、プリネは苦笑し、ツーヤは疲れた表情で溜息を吐き

「セレーネは平気そうだな……」

「フフ、わたくしは人に注目される事はなれていますので、平気ですよ、お兄様。」

目を丸くしているリィンに見つめられたセレーネは微笑みながら答え

「そう言えばセレーネは王族だから、慣れていてもおかしくないね……」

「フッ、年下でさえ平気で流しているのだから、少しは見習ったらどうだ?」

セレーネの言葉を聞いたエリオットは苦笑し、ユーシスはからかいの表情でマキアスを見つめ

「グッ。やっぱりこいつだけは……!」

「やれやれ。」

ユーシスの言葉に反応してユーシスを睨むマキアスの様子を見たフィーは呆れ

「……?……お許しください。普段、外部の者と接する機会があまりないものですから……」

リィン達の会話を眉を顰めて聞いていたエリスは静かな口調でリィン達に言った。

 

「先頭にいる黒髪の方は平民の方なのかしら………?」

「わ、わかりませんけど凛々しくって素敵ですわね……」

「エリスさんが案内してますけどどういう関係なのかしら……?」

「……………………」

(あらあら♪さすがご主人様ね♪)

(ふふふ、何らかの形でこの学院に通っている女性も妻の一人にするかもしれませんね。)

女学生たちの会話を聞いていたエリスは呆け、ベルフェゴールはからかいの表情になり、リザイラは静かな笑みを浮かべ

「いや、確かにこれはちょっと居心地が悪いな……みんなエリスと同じくらいの年齢なのか?」

居心地悪そうな表情をしていたリィンはエリスに尋ねたが

「……知りませんっ。」

エリスは怒気を纏って明確な答えを言わなかった。その後エリスの案内によってある建物の前に来た。

 

「ここは……」

「屋内庭園、みたいですね。」

「本学院の薔薇園になります。こちらに、本日皆さんをお招きした方がいらっしゃいます。」

「そ、それって……」

エリスの説明を聞いて何かを察したアリサは焦り

「どうやらやんごとなき身分の方らしいな。」

ユーシスは静かな口調で呟いた。

 

「――姫様、お客様をお連れしました。予定より一人多いですが、構わないでしょうか?」

「ええ、勿論構わないわ。入って頂いて。」

「……っ!?」

「ま、まさか……」

「あら、この声は……」

扉を開けたエリスとある人物の会話を聞いて正体を察したマキアスとエリオットは信じられない表情をし、プリネは目を丸くした。

「エリス、もしかして……」

「ご想像通りかと。さあ―――どうぞ中へ。」

そしてリィン達は建物中へと入って行った。

 

〜ローズガーデン〜

 

「あ――――」

「や、やっぱり……」

建物の中に入ったリィン達はテーブルの前で自分達を見つめている金髪の少女を見て驚き

「ふふっ……ようこそ―――トールズ士官学院”Z組”の皆さん。わたくしは、アルフィン。アルフィン・ライゼ・アルノールと申します。どうかよろしくお願いしますね?」

リィン達の反応を面白そうに見ていた金髪の少女――――アルフィン皇女は上品に会釈をした後リィン達に微笑んだ。その後リィン達はアルフィン皇女の手配によって、用意された紅茶を楽しみながらアルフィン皇女とのお茶会を始めた。

 

「もう、エリス。悪かったから機嫌を直して。ちょっとしたお茶目じゃない。」

アルフィン皇女は怒気を纏って自分から視線をそらしているエリスに話しかけ

「……知りません。兄たちに話がおありならご勝手にどうぞ。」

話しかけられたエリスは未だ怒気を纏い続けて答え、その様子を見守っていたリィン達は冷や汗をかいた。

 

「ふう……まあ、それはともかく。プリネ姫、また会えましたわね♪」

「フフ、なるほど。あの時、”近い内にまた会いましょう”と仰っていたのはこの事だったのですね。」

アルフィン皇女に微笑まれたプリネは苦笑し

「ええ♪そしてそちらの方がかの”蒼黒の薔薇”の君で有名なツーヤさんですわね♪噂に違わぬ凛々しさと美しさですわね。」

「―――お褒めに預かり光栄です、アルフィン皇女。我が名はツーヤ・ルクセンベール。以後、お見知り置きをお願いします。」

笑顔で自分を見つめるアルフィン皇女にツーヤは会釈をした。

「そしてそちらの小さなお客様はどなたかしら?”Z組”の方ではないようですけど……」

「わたくしはセレーネ・アルフヘイム。ツーヤお姉様の妹で、リィンお兄様にお仕えしている”パートナー”のドラゴンです。」

「!?……………………」

(うっ……!)

「まあ……貴女のような可愛らしい方が伝説の”竜”ですか。俄かには信じ難いですが、今の話は本当ですの?ツーヤさん。」

セレーネの自己紹介を聞いたエリスは驚いた後ジト目でリィンを見つめ、エリスの視線に気付いたリィンは唸り、アルフィン皇女は目を丸くした後ツーヤを見つめた。

「ええ。セレーネはあたしと違って竜としての力はまだまだ未熟ですから、竜化はできませんが。」

「そうなんですか……ふふっ、貴女のような可愛らしい方なら、竜に変化してもきっと可愛らしいお姿になるのでしょうね。」

「フフ、竜として”成長”して機会があれば、わたくしが竜になった姿をお見せしてさしあげますね。」

アルフィン皇女に微笑まれたセレーネも微笑みを返して答えた。

 

「ええ、楽しみにしていますわ。――――ユーシスさん、ラウラさん。お久しぶりですね。お元気そうで何よりです。」

「……殿下こそ。ご無沙汰しておりました。」

「ふふ……お美しくなられましたね。」

「ふふ、ありがとう。……でも、ラウラさんとはこの学院でご一緒できるかと期待していたのですけど。やっぱりトールズの方に行ってしまわれたのね?」

ユーシスとラウラの称賛に微笑んだアルフィン皇女は残念そうな表情でラウラを見つめた。

 

「ええ、剣の道に生きると決めた身ですので……ご期待に沿えずに申し訳ありません。」

「ふう、アンゼリカさんもトールズのに行ってしまうし……こうなったらわたくしも来年そちらに編入しようかしら。」

「ひ、姫様……!?」

アルフィン皇女の口から出た信じられない提案に驚いたエリスはアルフィン皇女を見つめた。

 

「ふふっ、やっとこっちを向いてくれたわね。」

「も、もう……!」

そしてアルフィン皇女のからかいに頬を膨らませているエリスの様子を見たリィン達は冷や汗をかいた。

(なんか楽しい人だね。)

(随分軽妙でいらっしゃるな。)

(うーん、噂には聞いてたけど、実物はそれ以上と言うか………)

(と、とんでもないな……これが皇族のオーラか……)

(天使みたいな表現も大げさじゃないよね……)

(ふふっ……同感です。)

(……確かにいい友達に恵まれたみたいだな。さすがに皇女殿下だったとは思わなかったけど……)

クラスメイト達がアルフィン皇女の印象について話し合っている中、リィンはエリスと会話しているアルフィン皇女の様子を見てエリスの手紙に書かれてあったエリスの”友人”がアルフィン皇女である事に気付いて静かな笑みを浮かべてアルフィン皇女を見つめた。

 

 

説明
第117話
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コメント
感想ありがとうございます レシオン様 まあすぐに知られるんですけどねww ジン様 閃Uでリィンの正体や出身がわかるといいですね! THIS様 ロイドより凄い状況ですものねww(sorano)
感想ありがとうございます 本郷 刃様 まあ基本軌跡キャラはカッコイイか美人、可愛いがほとんどですからね(苦笑) Kyogo2012様 間違いなくエリスが報告するでしょうから、後々たっぷりとしぼられるんじゃないですかww kelvin様 その情報は滅茶苦茶驚きましたよ……っていうか、一言。何故に公式ヒロインのはずのエリィがいない。(sorano)
そう言えば年表を見るとリィンが拾われた年にはーめるの悲劇が起こってるからもしかするとリィンってハーメル出身だったりしてね^^;(ジン)
次回はアルフィンの行動と言うか発言によりエリスとアリサにジト目を向けられますねリィン^^(ジン)
だめだ。リィンが止まらない。おもしろいことだらけでもう・・・。(THIS)
閃Uではリィンはブルブランに味方(恐らく身喰らう蛇に所属すること)になるなら歓迎しようとか言われてるけどこっちでも言われるのかね?(ジン)
レシオンさん^^;知らせるも何も再会の前日にパートナー契約を結んだんですから知らせるなんてできませんって^^;(ジン)
リィンよ妹にセレーネのことを知られているのを忘れているな。(レシオン)
モテますねぇ、リィン……閃Uではロイドとリーシャも登場するようですし……アカン(攻略王的な意味で) 爆発しろw(kelvin)
チッ。リィンクーーーーン。モテモテダネェーーーーーー。エリゼ様に報告させてもらいました。どんな仕打ちが待っているのか、楽しみに待っていろよ。ケケケケケケ(Kyogo2012)
確かに主人公という立場を抜きにしてもリィンはカッコイイですよね・・・(本郷 刃)
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