英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜
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〜ロレント郊外・エリーズ街道〜

 

「おや?随分懐かしい顔がいるな。」

リィン達に近づいてきた男性はサラ教官を見つめて口元に笑みを浮かべ

「カシウスさんじゃないですか!お久しぶりです!」

サラ教官は驚いた後懐かしそうな表情をした。

 

「カ、”カシウス”ってまさか――――」

「かの”剣聖”カシウス・ブライト卿ですか……!?」

サラ教官が口にした名前を聞いたマキアスは信じられない表情をし、ラウラは驚きの表情で男性を見つめた。

「ハッハッハッ!その口ぶりだとどこかの貴族のお嬢さんのようだが、俺は大出世をしたエステル達みたいに”卿”なんて呼ばれる程偉くはないぞ。俺は唯の軍人だ。」

男性は豪快に笑った後苦笑しながらラウラを見つめ

「またまたご冗談を〜。リベール王国軍の総大将をやっているカシウスさんが”唯の軍人”な訳がないでしょう〜?」

「た、確かに……」

「フフ、相変わらずのようですね。」

サラ教官やツーヤ、プリネは苦笑した。

 

「そんな事はありません!カシウス卿のご高名はかねがね聞いております。父上もいつか、カシウス卿に直に会って剣を合わせたいと仰っていました。―――申し遅れました。私の名はラウラ・S・アルゼイド。ヴィクター・S・アルゼイド子爵の娘です。以後お見知り置きをお願いします。」

「ほう?かの”光の剣匠”殿の……フフ、さすが”光の剣匠”殿のご息女だな。その年でそれ程の腕前の女子は滅多にいないぞ。」

「いえ、そんな。カシウス卿のご息女であるエステル殿と比べれば、私はまだまだ精進が必要です。」

「フウ、その謙虚さをエステルがちょっとでも見習ってくれたらいいのだがな…………おっと、自己紹介が遅れたな。――――リベール王国軍准将カシウス・ブライト。よろしくな。」

謙遜している様子のラウラを見た男性――――カシウス准将は疲れた表情で溜息を吐いた後自己紹介をして笑顔を見せた。

 

「は、初めまして。リィン・シュバルツァーです。カシウス准将のご高名はかねがね聞いております。」

「アリサ・ラインフォルトです。よろしくお願いします。」

「えっと……エリオット・クレイグです。」

「初めまして。エマ・ミルスティンです。」

「マキアス・レーグニッツです。エステルさん達にはお世話になりました。」

「―――ユーシス・アルバレア。お見知り置きを願おうか。」

「フィー・クラウゼル。よろしく、”剣聖”。」

「ガイウス・ウォーゼルです。以後お見知り置きをお願いします。」

「ツーヤお姉様の妹、セレーネ・アルフヘイムと申します。よろしくお願いします。」

カシウス准将が自己紹介をするとリィン達もそれぞれ自己紹介をした。

 

「”光の剣匠”の娘と”ラインフォルトグループ”の会長の娘に、帝国軍で”猛将”と称えられている”紅毛のクレイグ”や”革新派”の有力人物である帝都知事の息子に”貴族派”の有力人物である”四大名門”の息子、それに”西風の妖精(シルフィード)”か。話には聞いていたが、ずいぶんと変わったメンバーだな?まとめるのも大変だったんじゃないか?」

リィン達が名乗り終えるとカシウス准将は目を丸くしてサラ教官を見つめ

「ええ、それはもう大変でしたよ。特に中々仲直りをしない連中にはホント、苦労させられましたよ。」

サラ教官は疲れた表情で答えた後ジト目でリィン、アリサ、マキアス、ラウラ、ユーシス、フィーを見回し

「ハハ……」

「うっ……」

「その節は迷惑をかけて申し訳ないと思っている。」

「わ、私とリィンはそんな仲が悪くありませんでしたし、すぐに仲直りしましたよ!?」

「フン、常に俺達に迷惑をかけている元凶がそんな事を言えると思っているのか?」

「……だね。というか、サラはほとんどリィンに投げっぱなしだったしね。」

リィンは苦笑し、マキアスは唸り、ラウラは静かな表情で答え、アリサとユーシス、フィーは反論し

「後、あたしにも毎回投げっぱなしでしたよね……!?」

「お、お姉様……?どうされたのですか……?」

「アハハ……ツーヤが特に毎回苦労させられていたから仕方ないわ……」

顔に青筋を立てて口元をピクピクさせてサラ教官を見つめるツーヤの様子にセレーネは戸惑い、プリネは苦笑していた。

 

「フム……リィン、だったな?”シュバルツァー”とはもしやエリゼの……」

その時ある事に気付いたカシウス准将はリィンを見つめ

「はい。エリゼは俺の妹になります。准将程の方が妹を鍛えて頂き、今でも感謝しております。」

カシウス准将に見つめられたリィンは会釈をした。

 

「な〜に、俺の方も可憐なお嬢さんに教える事ができるという滅多にない体験ができたし、シード達にもいい刺激になったからお互い様だ。あれほどの兄想いの可憐なお嬢さんを妹を持つなんて、幸せ者だな。」

「ハハ……俺には勿体ないくらいの妹ですよ。」

笑顔のカシウス准将に見つめられたリィンは苦笑しながら答えた。

「?カシウスさん、今シード大佐達の話を出しましたが……」

「もしかしてエリゼさんはユリア准佐達とも剣を合わせているのですか?」

その時ある事に気付いたツーヤとプリネはそれぞれ目を丸くして尋ねた。

 

「ああ。どうせなら俺が剣を教えた弟子同士、良い刺激になると思ってな。時間がある時にシードとユリアは勿論、リシャールにもエリゼと直に剣を合わせてもらっているし、モルガン将軍とも模擬戦をした事もあるぞ?」

「ええっ!?エ、エリゼがカシウス准将の弟子達と……!?」

「それにリベールのモルガンと言えば、”武神”の名で有名なリベール軍のトップだな。」

「ど、道理で対人戦なのに滅茶苦茶強いわけだな、エリゼ君は……」

「フフ、そのような環境で自らを鍛える事ができるとは一人の剣士としてエリゼが羨ましいな……」

カシウス准将の話を聞いたリィンは驚き、ユーシスは静かな表情で答え、マキアスは冷や汗をかいて表情を引き攣らせ、ラウラは静かな笑みを浮かべた。

 

「うかうかしていたら、マジで妹に追い抜かれるでしょうね〜♪」

「うっ……」

「というか、もう追い抜かれていると思うんだけど。」

「フィ、フィーちゃん……」

サラ教官にからかわれて疲れた表情で唸るリィンの様子を見たフィーは呆れた表情で呟き、フィーの言葉を聞いたエマは冷や汗をかいた。

 

「おっと、そろそろ戻らないとレナにどやされるな。今エレボニアは色々と大変な状況だと聞いているが、無理はするなよ、サラ。プリネ姫とツーヤも自分達の力を過信して、痛い目に合わないようにな。」

「はい、心配してくれてありがとうございます。でも自己管理はしっかりしているので大丈夫ですよ。」

「はい、ご忠告ありがとうございます。」

「あたし達の事も心配して頂き、ありがとうございます。」

カシウス准将の言葉にサラ教官とプリネ、ツーヤはそれぞれ頷き

(とても自己管理ができているとは思えないわよね……)

(休日は朝から酒を飲んでいる癖によく言えるな……)

カシウス准将の言葉に答えたサラ教官の答えを聞いたアリサとユーシスは呆れた表情をし

「何か言ったかしら?」

二人の小声を聞いたサラ教官は顔に青筋を立てて笑顔でリィン達を見つめ、リィン達は冷や汗をかいた。

 

その後カシウス准将と別れたリィン達はメンフィル大使館に到着した。

 

 

 

説明
第138話
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コメント
感想ありがとうございます 本郷 刃様 いや、もしかしたらレイストン要塞から抜け出してレナの元に向かったのかもしれませんよww kanetosi様 まあ確かにww(sorano)
ふと思ったんだが、あっちの世界で騒ぎって有るのかね?もし騒ぎがあってもメンフィル兵がすぐに収めてしまうんじゃw(kanetosi)
カシウスさんでしたか、どうやらメンフィル大使館に行った帰りのようですねw(本郷 刃)
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