恋姫無双SS魏√ 真・恋MIX 5話
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俺たちは黄巾党を倒すために集まった諸侯の集合地点居着いた。

予定通りほぼ一番最後にである。

そこで開かれた軍議では統一とした戦略をいろいろと論議したが、結局まとまらずに各自思い思いに攻撃をすると言うことに落ち着いた。

「こんなのだから黄巾党なんて烏合の衆に苦労するのですわ。」

桂花は会議の内容にご立腹だ。

「まぁまぁ、当初の予定通りじゃないか。」

俺はなだめ役に回る。

もとより我が軍は半分の兵は独自に動かす予定だった。その為の布陣もすでに済んでいる。

「布陣を済ませるためにわざと遅らせて着いたのもその編成に時間を割いたのもすべて無駄ですわ。」

「そんなこと無いさ桂花。」

いらついている桂花を後ろから抱きしめる。

「そのお陰で我が軍は先手を取れる。無駄な戦力を使わないで一番の成果を得ることが出来るさ。桂花のお陰だよ。」

「あっ、一刀様。」

今この陣内には二人しかいない。そのまま前を向けると口づけてから言った。

「この間言ったよね。ご褒美を上げるよ。」

「はい。一刀様・・・。」

 

今回は邪魔は入らなかった・・・・・

 

すでに戦闘を始めていた軍に加わって北郷軍も前方から攻め立てる。しかし、要害が有る上、黄巾党の数も多い。

戦線は膠着していた。

しかし、その時に黄巾党の陣内で火災が起こる。

北郷軍の別働隊として動いていた季衣と流琉の部隊が間道を通って砦に進入したのだ。

「予定通りかな。」

内部が混乱して砦の前方の防御も弱くなる。

「では凪達はこのまま突入して。優先事項は張三姉妹の確保。よろしくね。」

「はい。」

元気よく返事をした凪はなだれ込む兵達と一緒に城内に突入した。

ただし、先に入っていた我が軍の兵が凪達の先導をする。中心までは一番にたどり着ける計算だ。

「俺たちは予定通り退路を断つよ。そこで凪達を出迎える。」

本陣はそのまま前方から姿を消した。

 

「姉さん、ここはもうダメね。」

張梁が緊張した顔で張角に話しかける。

「そんなぁ、何とかならないの?」

「ともかく早く逃げようよ。」

逃亡用の荷物を持った張宝が残りの二人をせかす。

「そうね、ともかく逃げ出すことが先決だわ。幸い城の西側までは兵は来てないみたいだし。」

「じゃぁみんなで逃げよっ。3人で居れば何とかなるね。」

そう言いながら3人は城の西側から脱出をした。一刀達がわざと開けておいた方向からである。

 

「ふぅ、このくらい離れれば大丈夫かしら。」

「そうね、また一からやり直しだけど。」

「また頑張ってファンを増やせばいいよ。旅芸人に戻るだけだし。」

「だよね、今度こそ歌で大陸一を目指そうよ。」

「盛り上がっているところ済まないが、張三姉妹とお見受けする。」

三人の前に凪が現れる。

「我が主、北郷様の命にてお前達を拘束させて貰う。」

「そんなぁ、こんな所まで。」

「すでにこの先には我が軍が居る。お前達に逃げ場はない。」

「こちらに逃げることもお見通しって訳ね。」

冷静な対応をする張梁

「北郷様はお前達を悪いようにはしないはず。大人しく付いてきてくれるとありがたい」

「そうね・・・姉さん。いきなり殺されることもないみたい。大人しく付いていきましょう。」

「解ったわ、人和ちゃんの言うとおりにする。」

そうして、3人は俺の前に連れてこられた。

「君たちが張三姉妹か。予想通り可愛いね。」

俺の言葉に周りの桂花達はため息を漏らす。

『また一刀様の悪い癖が・・・・・・・』

「貴方が北郷・・・・・・・・『結構いい男じゃないの・・・』・・・私たちをどうするつもりなの?」

一番気の強そうな少女が答える。

「俺としては可愛い女の子を殺したくはないんでね。旅芸人だったんだよね?」

「ええ、それがどうしたの?」

「俺の天下統一を手伝ってくれると嬉しいかなと。」

歌のカリスマ効果は充分に知っている。兵や人を集めるのもたやすくなるだろう。

「私たちを後室に集めて閨でとか考えてる訳じゃないの?」

「・・・・・まぁ否定はしないけど。無理強いはしないよ。」

「えっ・・・・・」

赤くなる張宝、その代わりに張梁が答える。

「解りました。その申し出に応じましょう。その代わり行動の自由は保証して頂けますか?」

「あぁ、俺の領土内なら自由に動けるようにしよう。」

「え、領土内だけなの?」

不満そうに張角が声を上げる。

「まぁ、今のところはね。でも領土を増やせば君たちの行動範囲も広がるよ。」

「そうっかぁ」

納得したような、納得しないような、解らない返事をする張角。

「それは私たちの働きも影響を与えると言うことでしょうか。」

相変わらず冷静に張梁が言う。

「そうだね、君たちが手伝ってくれれば領土を広げるのも早まるかもしれない。」

「解ったわ、姉さん。頑張りましょう。」

「うん、頑張る。北郷様。私の真名は天和っていいます。よろしくね」

「私は地和。よろしく!」

「私は人和です。よろしくお願いします。」

「俺は北郷一刀。一刀って呼んでくれて良いよ。」

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その日、今回の武勲を称え、官爵を与えるとの朝廷の使者が現れた。

どうやら北中郎将に命じられたらしい。俺はあまり興味はなかった。

しかし、その使者には興味を持った。

ブン、ブン、木刀を振る手に汗が流れる。

「一刀様、修練ですか?こんな時間に珍しい。」

「春蘭か。この間から化け物級の女の子ばかり見てきたからなぁ・・・・」

「関羽、張飛、彼女たちも確かに凄かったが、今日会った呂布は・・・・ずーっと冷や汗が止まらなかったよ。」

「なんの、一刀様が命じてくだされば私があんな奴ら倒して見せます。」

「ふふふ・・・・・・頼もしいな、春蘭。是非頼むよ。」

「任せてください。」

俺の見た目でも力の差はある。だが春蘭も一騎当千の強者であることは確かだ。

「どうだ、一手打ち合わないか?」

「解りました。手加減はしませんよ。」

「もちろん。」

実際この世界に来て俺の力もなぜか上がっていた。今までなら無理だったようなことも思ったように出来ていた。

春蘭が模擬刀を構える。それは刃が付いていないだけでいつも春蘭が所持しているのと同じ幅広剣だ。

「では、行きますよ。」

春蘭が連続で打ち込んでくる。

それを俺は木刀で捌く。

そしてそのまま何合か打ち合う。

「さすが一刀様。そろそろ本気で行きます。」

春蘭の気が高まっていくのが解る。

しかし、それを見ながらも俺は冷静に対処が出来ていた。

中段に構えた剣を微かに動かしながら今までとステップを変える。

「大分気が高まっているな。行けるか?」

そしてそこから七段階のステップで春蘭に斬り当てた。

「うわっ」

「一刀様、今のは?」

すべてを受けきれずに当てられた肩を押さえながら春蘭が聞く。

「奥義・・・・かな。出来るとは思っていなかったけど。大丈夫、春蘭?」

「はい、大したことはありません。でも、驚きました。剣が七本にも見えました。」

「そうか、じゃぁ一応うまくいってたね。でも呂布に対してはこれでも児戯なんだろうな。」

彼女も別の軍勢に与している以上いつか渡り合うことがあるかもしれない。

そう思うと”腕を磨かないと”と、強く思う一刀だった。

 

そして数日後、後漢皇帝が亡くなったと言う知らせと共に、朝廷では反乱が起こり、何進将軍が謀殺されたという情報が入った。

「大分朝廷は混乱して居るみたいだね。」

「今都を制しているのは董卓という人物だそうです。」

いろんな情報を読みながら桂花が言う。

『董卓かぁ・・・・やっぱり女の子なのかなぁ』

「かなりの圧政を民に強いているらしくとても評判が悪いですね。」

俺の隣で秋蘭も情報をまとめている。

「悪い奴ならやっつけに行けば良いではないか。」

相変わらず単純思考の春蘭が口を出す。

「しかし、その董卓という人物。ほとんど情報がないのですよね。」

桂花は軽くスルーする。

「そうですね。この情報を読んでみても董卓が悪いと言うよりはその後ろにいる朝廷に蔓延る狸が原因のようでもあります。」

秋蘭さえもスルー。

「うん、でも今のままだといずれ、さらに荒れることになるね。」

俺もスルーする。

「ううう、私だって話しに混ぜて欲しいのに・・・・・・。」

泣き崩れる春蘭に俺は声を掛ける。

「まぁまぁ春蘭。そう言えばそろそろ流琉が食事を用意してくれる時間だ。準備が出来ているか聞きに行ってくれるか?」

「はい、解りました。」

そう言って張り切って部屋から出て行く春蘭を尻目に、たくさんの情報をまとめる三人だった。

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それから数日間情報を集めたが解ったのは”董卓には賈駆と言われる参謀が付いていること””配下の主立った武将について”くらいだった。

その中でも1人の武将に俺は目が行った。

言わずとしれた飛将軍、呂奉先だ。

「あの呂布が配下に付くくらいだから董卓という人物はかなり凄いのかもしれないな。」

「参謀の賈駆もそこから先の情報をきっちり止めて居るのは出来る証拠でしょう。」

桂花も感心したように答える。

「都を抑えるだけ有ると言うことか。」

そう感心していると、城下に早馬が届いた。

俺は使者から手紙を受け取る。

「何と書いてあるのでしょう?」

桂花が俺に尋ねる。

「うん、都で圧政を働いている董卓を討伐しようと連合軍が結成されるらしいね。その参加要請だ。」

「発起人はどなたでしょう?」

「袁紹だってさ。」

袁紹って言うとあの袁紹か・・・・・。結構偉い人物だよな。

でも・・・あれ、昔読んだ本だと違っていたような・・・・・誰が檄文を出したんだったっけ?

「袁紹ですか・・・・あの人はまた漁夫の利ねらいですね。」

「知ってるの?」

「私は前に袁紹に仕えていたのです。でもあの人を天下人にはしたくないのでやめてきました。」

「そうかぁ、で、どうするかだけど・・・・桂花は何か意見がある?」

「そうですね、発起人は気に入りませんけど参加は賛成です。名をあげる機会でもありますから。」

「そうかぁ、そうだな。参加しようか。」

「ただし、一刀様は絶対前線に出ないようにお願いします。」

「ええっ、ダメなの?」

俺はちょっとガッカリする。もしかしたらあの呂布と対峙出来るかもしれないと考えていたからだ。

「その驚き方・・・・まさか呂布と戦いたいなどと思っておられるとか?」

桂花は俺の思考を読んで言う。

「・・・・・・・・・。」

「ダメです。そのようなことがあったら。一刀様を失う訳にはいかないのですよ。」

桂花は涙目になる。

「呂布の力は想像を絶するものです。例え一刀様でも数合と打ち合えないでしょう。」

「解った。俺もまだ死にたくないしな。」

そのまま桂花の頭を撫でる。

「はい。グスッ。お願いします。」

そんな桂花がとても可愛くてお持ち帰りしたくなる。

軽く抱きしめて、そのまま口づけるが、さすがに真っ昼間の城内ではちと恥ずかしい。

「また、後でね。」

「コクッ・・・・。」

そう言う俺に恥ずかしくて俯いたままの桂花が頷く。

 

そうして俺たちは遠征の準備に入った。

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俺たちは軍を編成して董卓討伐軍の集合地点に着いた。

どうやら俺たちが一番最後だったらしくすぐ軍議を始めるとの連絡が入った。

「春蘭、秋蘭は付いてきて。桂花達は設営を頼むよ。」

「はい。」

季衣達の元気な声を聞き俺は安心して軍議の場に足を運ぶ。

そこには有名武将が一同に会していた。

「どうやら揃ったみたいね。それでは軍議を始めたいと思いましてよ。」

上から目線で話し始めたのはどうやら袁紹らしい。

「とりあえず初めて会う人もいるでしょうから自己紹介などしてみてはいかがかしら。」

「それじゃぁ、私から。幽州の公孫賛だ。よろしく頼む。」

「平原郡から来た劉備です。よろしくお願いします。」

「涼州の馬超だ。今回は馬騰の名代として参加させて貰う。」

「袁術じゃ。河南を治めておる。当然知っておると思うが・・・」

「袁術殿の客将の孫策だ。」

皆一通り挨拶を終えると最後に俺の番が回ってきた。

「?州の北郷だ。よろしく。」

そう言った瞬間、場が騒然となる。

『あの男が・・・・天の御遣い・・・・・・ふむ・・・・結構いい男かも・・・・』

「貴方が天からの遣いと言って居る男なのかしら。まぁ、割と見栄えは良いみたいだけど・・・覚えておいてあげますわよ。」

袁紹が相変わらずの上から目線で話しかける。

「ああ、よろしく頼むね。」

俺は、穏やかに微笑み返した。

 

最初の軍議と言うことで、大まかな段取りが決められると進軍を開始した。

最初の関は水関で守将は華雄と言う報告だ。

「大体報告通りだな。」

俺は情報が間違っていないのを安堵する。

「はい、ここは先鋒を務める公孫賛、劉備軍に頑張って貰いましょう。」

「とりあえずいつでも出られるように準備だけはしておいて。」

「はい、解りました。」

そう桂花に指示をすると今日会った群雄達を思い出していた。

『あの中で一番侮りがたいのはやはり孫策か・・・・。』

武勇もかなりの物だが、やはりあのぎらついた目。天下を取ろうとする野望はかなりの物に感じた。

『武勇的には馬超もやはり錦馬超と言われるだけのことはあるなぁ』

そう思いつつも実は最大の問題があった。

それは敵にではなく自分の内の事だった。

『しかし、たとえ相対することになっても、俺には彼女たちを斬るなんて事は出来ないよなぁ。』

現代で言われたフェミニスト過ぎると言う台詞を、今更ながら思い起こしていた。

「みんな仲間になってくれればいいのに。可愛い女の子達なんだから。」

それが本音だった。

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水関での戦闘が始まった。

劉備達が仕掛けると、華雄が打って出た。

「報告通りの猪武者ですね。」

桂花があきれたように言う。

「さすがに春蘭でも要塞から打って出るなんて無謀なことはしないわね。」

「そうだな。いくら春蘭でもそこまではしないだろう。」

俺が相づちを打つ。

「一刀様、酷い・・・・。」

春蘭はいじけたように愚痴を言う。

「偵察の連絡ですと関羽と対峙しているようです。」

前の方にいた秋蘭から報告が入る。

「よし、関羽と華雄の決着が付き次第突入するよ。一騎打ちは関羽が勝つだろうけど戦力的には董卓軍の方がかなり上だ。」

華雄が関羽に敗れた後、敵軍はかなり逃げ腰になるだろう。

しかし、劉備軍には追撃を出来るほどの戦力はないと言うのを見越した策だ。

「美味しいところだけ取るみたいで申し訳ないけどね。」

「でも、一刀様は劉備軍に押し込む戦力が有れば手を出されないのでしょう?」

桂花が見透かしたように尋ねる。

「ああ、それはあるなぁ。ともかく負けた華雄軍が要塞にこもられるとやっかいだからね。」

優しい上で取る物は確実に取る。桂花が惚れた要因でもある。

「春蘭。いじけてないで頼むよ。ここは春蘭の早さが重要だ。」

「はい、一刀様!」

相変わらず立ち直りが早い春蘭は俺に頼られたのがよっぽど嬉しかったのか嬉々として先鋒の位置に就く。

 

そうこうしている間に関羽と華雄の一騎打ちに勝負が付く。

予想通り関羽の圧勝のようだ。

撤退する華雄と華雄軍。その隙を逃さずに春蘭達が突入した。

数だけは多い華雄軍は大将の敗戦で混乱に拍車を掛け撤退に手間取ったのが致命傷だった。

門を閉め切れず関内に侵入を許し、さらに季衣と流琉の巨大武器で門を破壊された。

そうして水関はあっという間に落ちたのだった。

 

水関の1番乗りを果たしたことは袁紹の不興を買った。

そこで次の虎牢関では我が軍が先鋒を務めると言うことになった。

「解ったよ。我が軍がもし引いたら袁紹軍に追跡をお願いするね。」

「解ればいいのです。次は我が軍が突入する番ですのよ。」

「ああ、もし俺たちが引いたらよろしく頼むよ。」

そんな会話を袁紹とした後、俺は自軍に戻って計を確認した。

「華雄が虎牢関に逃げ込んだのは願ってもないな。」

「ええ、猪武者で自尊心だけは強い華雄のことです。少しからかえばすぐ出てくることでしょう。」

「で、出来るだけ華雄を虎牢関から引き離すで良いんだね。」

「はい、そうすれば守将の呂布や張遼を引きずり出すことが出来るでしょう。」

華雄を引き離すために引いた際に勘違いして袁紹軍が突入してくる可能性も考えたが、そうすると呂布軍と相対することになる。

それならそれでありがたい。

「華雄には凪達三人で当たって貰う。うまくからかってなるべく遠くまで連れ出してくれる?」

「はい。」「はいな。」「はーいなの。」

「呂布には季衣と流琉と秋蘭で。なるべく間合いに入らないように遠目から仕掛けてね。」

「うん。」「はーい。」「はい。」

「春蘭は桂花と張遼をお願い。出来るだけ捕獲する方針で。」

「「はい、一刀様」」

「基本方針は華雄、張遼を何とかしてから呂布に全員で当たる。呂布は倒すのが無理だったら追い払う方向で。」

そう言う俺だが本心は別の部分にあった。

『呂布に付いていた軍師。陳宮ちゃんだったか・・・・あの子が多分気が付くだろうな・・・。』

そうして軍議が終わり、解散と言うときに俺は秋蘭を呼び止めた。

呂布対策という理由だ。

本当にそうなのだが・・・・・・・

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そうして、虎牢関戦が始まった。

「華雄殿、話が違うではないですか。こんなに大軍だとは聞いてないです。」

大あわてで陳宮が追求する。

「むぅ、水関ではここまで大軍ではなかったのだが。」

そう言いながら部屋から出て行く華雄

「まぁ、しゃあないって。来てしまったもんは。それより対策やけど・・・」

「・・大丈夫、ねね・・・。恋が・・・・・守る。」

「仕方ないのです。作戦の練り直しなのです。」

そう言ったところに連絡の兵が飛び込んでくる。

「華雄将軍が出陣しました!」

「なんてことです。もう、だから猪武者は困るです。」

「・・恋もでる。」

「ほんと、見殺しにする訳にもいかんて。」

「あ、それでしたら、ねねに考えがあるです。」

「今回の先陣はあの北郷とか言う天の御遣いなのです。奴さえ倒せばバラバラになるのです。」

「誘われた振りをして恋殿に奴を倒して貰うです。」

「ほう、なかなか面白そうやな。」

「恋殿には私が城壁から合図を送るのです。それを見て本陣を叩くのです。」

「・・解った。」

「じゃ、出陣するで。ねね、後は任せた。」

「・・行く。」

「任せられたのです。恋殿、御武運を・・・・。」

 

何もしないうちに華雄が出陣してきたのは拍子抜けだったが、作戦は思い通りに進行した。

予定通り華雄の後ろから呂布と張遼が出てきたのだ。

俺は隣にいる秋蘭に話しかける。

「それでは手筈通り頼むよ。」

「はい、でも無理はしないでくださいね。」

「はは、俺は前線に出ないように桂花から言われているからね。でも、敵が来たら戦わなきゃ行けないだろうね。」

「すべては秋蘭達に掛かっているよ。よろしくお願いするね。」

「解りました。」

作戦通り秋蘭、季衣、流琉の部隊で呂布の部隊を取り囲む。

だが、少し違ったのはその場所が予定より本陣に近い位置だったことだ。

「あれ、秋蘭様、少し位置がずれていませんか?ここでは本陣に近すぎるのでは・・・」

気が付いた流琉が秋蘭に尋ねる。

「うむ、これは一刀様から言い伝えられているのだが・・・・」

秋蘭は流琉に説明をする。

「ええ、兄様が囮になって呂布を捕まえるんですって!」

「一刀様が呂布と対峙したら私たちは呂布の気を引く攻撃を繰り返す。呂布の攻撃を一刀様に向けないために。」

「呂布は強いぞ。流琉も気は抜くのではないぞ。私たちが気を抜けば一瞬で一刀様が骸になってしまう。」

少し考えて流琉は頷く。

「はい、兄様を呂布なんかに殺させたりはしません。」

「その意気だ。それと季衣には直前に言うから。多分説明してもあまり理解はしないだろうから・・・。」

「・・・はい・・・。」

流琉は友人の事を思い少し恥ずかしそうに俯いた。

 

予想通り呂布はこちらに向かって突進してきた。

「来たな!」

「呂布には手を出すな!こちらに向かって誘導しろ!」

俺は兵に向かって叫ぶ。

すると程なくして呂布が俺の前に現れた。

「・・北郷、月達のため・・・死んで貰う・・・・・」

呂布は方天画戟を構える。

そのすさまじい気迫に、俺は肌がピリピリする。

「俺も、まだ死ねないんでね。」

一刀を構える俺。さすがに峰で構える余裕はない。

「・・死ね・・」

呂布が俺に向かって斬りかかってくる。しかし、その時に三方から弓とハンマー、ヨーヨーが呂布めがけて放たれる。

「させるか!」

秋蘭の連射が呂布を襲うが難なくはじき飛ばされる。

「・・・うるさい・・・」

しかし、呂布の気が一瞬秋蘭達に向いた。

その期を逃すことは出来ない。

「出し惜しみは出来ないね!」

俺はまるで某漫画のように、剣を北斗七星に並ぶ星の位置の様に動かし、呂布に向かって斬りつけた。

北辰(北斗七星)にちなんだ北辰一刀流の奥義である。

「・・・くっ・・・・」

さすが呂布である、突然放たれたその技にも対応しすべてを防ぎきるが、少しバランスを崩す。

その時俺は剣から手を放し呂布に向かって抱きつくように体当たりをする。

いくら呂布でもバランスを崩したときに抱きつかれては転倒するしかない。

「いまだ!」

俺が合図すると八方から網が投げ掛けられる。

こうして何とか無事に呂布を捕まえることが出来た。

 

説明
前作の続きです
真・恋姫無双のSSではなくてあくまで恋姫無双の魏ルートSSです。
ただしキャラは真・恋のキャラ総出です。

無印恋姫無双は蜀ルートでした。
そして桃香の代わりが一刀でした。
このSSは魏ルートなので華琳の代わりが一刀です。
この外史には華琳出てきません。

その代わり一刀は華琳の代わりが出来るほど強化してあります。

一刀が格好良いと思って頂ければ作者は嬉しいです

ブログとは若干改変しています
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コメント
プライドはミスでしたね。書き直しておきます。(とにー)
(プライド)て、言葉がこの時代にあったのかな?(カイ)
完全にハーレムにむかっておりますね〜〜(motomaru)
よくよく考えるとこの外史は無印がベースだったからハーレムは確定だ!(乱)
[YOROZU]さん、ハーレムエンド目指してますw(とにー)
[アポリオン]さん、華雄が仲間になるには真名フラグが必要です。残念ながらw(とにー)
いっそのことみんな仲間にぃぃぃぃ!!!続き待ってますぅぅぅ!!(YOROZU)
これは・・・呂布が仲間フラグ!?wってことはねねとか月とか華雄とかも仲間に!是非華雄を仲間にぃぃぃw(アポリオン)
[YUJI] さん、ハーレム、良い響きですよねぇ。エロゲの主人公は全員ハーレム目指せばいいのに。ほとんどの作品は妙な倫理観がありますよね(とにー)
[混沌] さん、実は目指すところはそれです。めざせ、ハーレムエンドw (とにー)
[munimuni] さん、はい、抱きしめちゃいました。恋は抱きしめるに限りますよねぇw(とにー)
抱きつくとは! その罪万死に値すr・・・ いやいや、これは魏でのハーレムか!? とにかく、これからの展開に期待してますwww(YUJI)
呂布を抱きしめて捕獲だと!なんて羨ま……げふんげふん、羨ましいんだ!!(言い直す意味無っ!)  そうか!!俺が求めていたハーレムルートSSはこの作品だったんだ! とにーさ……いいえ師匠!(マテコラ) 次回またどんな展開になっていくのか期待してますw (混沌)
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