〜羨望外史〜 第二話 「勇の降・U」
[全5ページ]
-1ページ-

一刀「……………追ってこないな」

 

後方を確認するが『曹』の旗と騎馬武者の群れはない。

 

趙雲「…ふむ。この辺りは盗賊も少ない筈。…となれば、何かを探していた、もしくは誰かを追っていた、と見るべきか…」

 

戯志才「…もしかすると、先ほどこの方を恐喝していた輩たちかもしれません」

 

程立「あの人たちは盗賊でしたし、何かを盗まれたのでは無いでしょうかー?」

 

一刀「…それだけにあれだけの大群を使うのか?」

 

程立「何かを探すときは、人が多いに越したことはありませんから」

 

戯志才「それが大事であればあるほど、ですね」

 

一刀「…なるほどね」

 

国宝級かなにか、ってことかな?じゃなきゃあんな大軍を動かさないだろう…。少なくとも日本では、な。…いや、あんな格好の人たちなんていないけどさ。

 

趙雲「…そういえば、名を聞いておりませんでしたな」

 

一刀「え?…あ、ああ、そういえば名を聞いたのに、こっちは名乗って無かったな。すまない。……俺は北郷一刀っていうんだ。よろしくな」

 

趙雲「…姓は北、名は郷、字は一刀、でよろしいかな?」

 

一刀「いや、俺らの国は、字って概念がないんだよ。だから姓が北郷、名が一刀ってわけ」

 

戯志才「…字がない?それにあなたの国、とは?」

 

一刀「日本にはないんだよ。っていうか、今の中国にはないよな?」

 

程c「にほん?」

 

戯志才「ちゅうごく?」

 

一刀「…………ちょっとだけ考えさせてもらってもいいか?」

 

色々、混乱してきた…。

 

趙雲「………歩きながら考えていただきましょうか。前方に村が見えてきましたので」

 

一刀「ん?………あ、本当だ」

 

遠くに家がいくつか建っているのが見える。

 

戯志才「……………お二方ともどういう視力をされているのですか…。…確か、次の村は一里以上も先の筈ですよ?」

 

戯志才は呆れ顔。

 

一刀「……………え?そんなに先?」

 

一里って約4kmだったっけ?…あれ?そんなに視力良かったか?

 

 

 

 

歩きながら、少し考える。

 

………なんだか、『色々』とおかしくないか?

 

今言ったように、視力。他には、盗賊を吹っ飛ばした、脚力。チビを気絶させたときの、腕力と動体視力。そして、反応速度。

 

更には、趙雲と名乗る女性。ありえない時代背景。盗賊。………そして、趙雲が言った国の『かん』。

 

この『かん』が『漢』だとすると、いわゆる、その、三国志………うわぁ!ありえねぇだろ、そんなの!なんの妄想だよ!?

 

 

 

───────けど、趙雲の強さは少なくとも『今』の俺以上…。

 

 

 

一刀「まただ…」

 

盗賊の時もそうだったが、通常の俺の意思とは違う、『武人』としての俺がいる。

 

二重人格?……いや、違うか。

 

むしろ本心。そんな感じがする。

 

けど、俺は日本にいたときそんな事を考えたことは無かった。………じゃあ、なぜ?なぜ、そんな事を思ってしまうのか。

 

そして、この強さ。今までではありえない強さ。たぶん爺ちゃん、不動先輩にも───────勝てる強さ。

 

 

 

 

 

 

今までに出た、キーワードは4つ。

 

いきなり起きたらこの国、その国では趙雲と名乗る女性。その国の名は『漢』。そして、急についた力、か………………。

 

補正でもかかってるのか?────チートかな…。………めんどくさいな。

 

 

 

───────けど、気分は悪くない。

 

 

 

しかも、ここはおそらく別世界。……パラレルワールド、だっけ?なんとなく、それは分かる。……勘だけど。

 

まぁ、タイムスリップはないだろうな、趙雲が女だし。……………いや、本当は女だったとかだったら分かんないけどさ。

 

─────更に、強さも相当なもの。本物の趙子龍のように……

 

そして、程立と戯志才。この2人もなんだか『知っている』。

 

けど、無理に思いだそうとすれば、頭に『霞』がかかったように思い出せなくなる。

 

趙雲もそうだ。趙雲の情報は、槍の名手・字が子龍、五虎将。たったそれだけ。

 

趙雲が何を行ったか、戦果などが全く出てこない。

 

 

………なぜ?『何か』が俺の邪魔をする。

 

何で邪魔をする?…くそ!なんなんだよ、こ「…ん」れ!結局この力を持っている意味も分からないし!t「お兄さん」………?

 

一刀「え?」

 

-2ページ-

程立「お兄さん、聞いていますか?」

 

一刀「え、あ、えーと。………ごめん、聞いてなかった」

 

どうやら、考え事に集中しすぎて話を聞き逃したらしい。

 

戯志才「……もうすぐ村に着きます、と言っているのです」

 

え?もう?……あ、ホントだ。あと1kmもないや……。

 

趙雲「考えはまとまりましたかな?」

 

一刀「……………え、あー、うん」

 

たぶん。

 

趙雲「ふふ、そうですか。…しかし、あの強さを見るに武将、もしくは旅の武芸者かとも思いましたが、今は微塵も感じられませんな」

 

一刀「いや、そんなのじゃないよ。大体、この力だっておかしいんだから…」

 

趙雲「……おかしい、とは?」

 

しまった。ちょっと口が滑った。

 

一刀「んー、でも、別に隠すことでもないか……。えと、さ。……俺なんであんなに強いのか分からないんだ。俺は、こんなに強くなかった筈なんだ」

 

戯志才「…よく意味が分かりません」

 

一刀「あ、だから、『目が覚めたら、体が強くなっていた!』みたいに某子供探偵風に、ね…」

 

趙雲「………某子供探偵とやらは存じませんが、急に力を得た、というのは理解しました。……にわかには信じられませんが…」

 

一刀「だよなぁ……」

 

俺だって信じられない。─────けど…。

 

一刀「けど、実際に強くなってる。たぶん趙雲、君とも何合かは切り結べると思う」

 

趙雲「ほう……」

 

趙雲が楽しそうな笑みを浮かべる。…………あれ?俺、余計なこと言った?

 

戯志才「……しかし、星の武は相当なものですよ?まさしく万夫不当。…悪い言い方をすれば人外なものです」

 

一刀「………ホントに悪い言い方だな。……けど、なんとなくそう思うんだ」

 

しかも、勝てる訳じゃないしな。

 

趙雲「……では、手合わせ願いましょうか」

 

 

………は?

 

 

一刀「ちょ、ちょっと待て。今、なんて言った?」

 

趙雲「…ですから、北郷殿が仰るように、私と互角に打ち合えるかどうか、試してはいかがかと」

 

一刀「いやいやいやいや、無理無理無理無理!!だって、あの趙子龍だろ?俺が勝てるわけないじゃん!」

 

趙雲「…どの私かは存じませんが、少なくとも、私と切り結べる、ということは事実と思いますよ?」

 

一刀「………………………………………マジ?」

 

趙雲「はい」

 

全く疑ってないような顔で答える趙雲。

 

一刀「……………」

 

正直勝てるとは思えない。

 

………………けど、闘ってみたいって思っている、俺がいる。

 

────いや、『今』の俺が、どれくらい強いのか試してみたい。

 

────だったら…

 

一刀「………分かった。やろうか」

 

趙雲「…ふっ。そう言うと思っていました。…では、村に着いた後、なにか獲物を…「…いらない」……なんですと?」

 

趙雲の声に微かに怒気。まぁ、正しいよな。

 

一刀「武器はいらないと言ったんだ。無手でやる、この場でやろう」

 

趙雲「…舐められたものですな、我が槍の前で獲物を持たぬとは…。先程は勝てぬと申しておきながら無手とは、少々、己の武を過信しているのでは?」

 

うーん、結構怒ってるな。

 

一刀「趙雲の言い分も分かる。…俺の家系では武器は刀だ。武器を持つのが正しいんだろう。けど、己の力を試すのには無手が一番いいんだよ」

 

程立「自分の慣れた武器を使うのが、一番だと思うのですがー」

 

先程まで黙っていた、程立の疑問の声。

 

一刀「うん、それも正しい。…………けど、この力は急に得たものだから勝手が分からない。…これじゃあ、うまく力が武器に乗らないと思うんだ。…だから無手。己の体の細部まで力が行き届けるようにしたい。これが理由。…………これじゃあ、納得はできないか?」

 

けど、本当。慣れないものを使うの時には慎重にいかなければならない。

 

そして、趙雲はしばらく悩むような仕草を見せた後……

 

趙雲「…………手加減を出来るかどうかは、保障致しかねますぞ?」

 

一刀「……ああ、それでいい。………ただまぁ、殺さないでくれると嬉しいかな?」

 

流石に死にたくないよ?…まだ『経験』少ないんだからさ?

 

趙雲「…………手加減を出来るかどうかは、保障致しかねますぞ?」

 

一刀「ちょ!?」

 

程立「では、双方構え〜」

 

一刀「うわ、スルー!?」

 

戯志才「するー…おそらく無視のことでしょう。…まぁ、そういうことです」

 

一刀「よく分かったね!?さすが眼鏡っ娘!」

 

眼鏡は伊達じゃないね!(度入り的な意味で)

 

程立「では……始めですー」

 

一刀「うわ、眼鏡っ娘も無視!?…って、うわっ!」

 

程立に突っ込んでいると、趙雲が槍を正眼に構えての突進してきていた。それを横に不格好によけ、趙雲を見る。

 

趙雲「ふむ、流石に避けますか」

 

一刀「……いきなりだな、結構死ぬかと思った」

 

というか、10M近く離れていたはずなのに、なんで一気に近づいてこれる?

 

趙雲「戦場では、気を抜くことは死を意味するのは当然のこと……はぁっ!」

 

今回も距離は離れている筈。だけど、すぐに詰めてくる。

 

一刀「ちっ!またかよ!」

 

今回は来るのが分かっているため、構えたまま少し余裕をもって避ける。

 

趙雲「…まだまだ!」

 

趙雲の槍の間合いのためか、そのまま横薙ぎ、突き、振り下ろしの連続攻撃。

 

一刀「くっ!早い!」

 

趙雲の速攻に避けるので精一杯だ。…けど、普通の俺なら避けれないはずだ。ホントに強くなってる。

 

趙雲「やりますな!ですが、その態勢ですと…っ!」

 

趙雲の振り下ろしを右に屈みながら避けた態勢に対しての、突き。これは避けれない。───だけど!

 

一刀「避けるってのは、…かわすばかりじゃないんだよ!」

 

ガインッ!

 

更に屈み手を後ろについて足を真上に上げる。

 

趙雲「くっ!…甘い!」

 

上に跳ね上がった槍を、無理やり押し留め、さらに振り下ろしてくる。

 

一刀「そりゃ、そう、…だ!」

 

それに対し俺は、後ろについた手を反動にし、趙雲の懐へ入り込む。

 

趙雲「…くっ」

 

懐に入られるのはまずいと思ったか、右のひざ蹴りが眼前にくる。

 

一刀「はっ!予想済みだ!……『廻れ!』」

 

それしか反撃手段がないのは分かっていた。だから、それを右手で受け止め、思いっきり力を込めて、掴みながら押し出す!

 

趙雲「…なっ!?………はっ!」

 

一回転したところで、着地が無理であろうところで手を離したのだが、無理やり体を捻られ、着地する。

 

一刀「……おいおい、あれを着地するか?」

 

趙雲「あのようなやり方で、無理やり体を『廻す』とは…。大した『力』ですな…。…………しかし私は、猫拳を会得している故、投げ技は無意味!」

 

どんな武術だ、どんな!………いや、象形拳ってやつか?──あれ?でも猫を模してるやつあったっけ?

 

一刀「まぁ、趙雲がどれだけ強くても、俺にとっちゃ『女の子』だからな。体も軽いし、顔も可愛い。それは変わらんさ」

 

趙雲「武を志す者に、可愛いとは北郷殿は大した器をお持ちのようだ…」

 

……軽く自嘲に聞こえるのが、少し気に食わないな。

 

一刀「俺が男で、お前は女。それは変わらん。…今度はこちらから行くぞ!」

 

長い獲物を使う人間は『無合い』を拒む!ならば一気に!

 

趙雲「ふっ、無合いですかな?…そのような事は槍を用いている時点で百も承知!」

 

正面に向けての突き、1、2、……9連撃!ってことは!

 

一刀「読んでるよ、趙雲!」

 

本命の袈裟斬りを足に力を込め、後ろに避ける。

 

趙雲「これを読むとは、なかなか…」

 

一刀「へっ、最後の10発目が本命だったんだろ?…槍の連撃の場合、早さを重視しなきゃならない。けど、それだと決定打にはならない。───やっぱ、虚実は基本かな?」

 

趙雲「───ご名答。……では、そろそろ──」

 

一刀「───本気でいく、か?」

 

趙雲「っ!……気付いておられましたか…」

 

一刀「ふ、わからいでか…」

 

いくらなんでも遅い。程立の真名を呼んでしまった時の半分以下だ。

 

趙雲「───では、正真正銘の本気で行かせていただく!………はぁっ!」

 

一刀「………くくっ」

 

趙雲「…なっ!?」

 

趙雲が驚いたのは、俺が笑った為か、それとも───

 

 

 

一刀「ありがとな、趙雲。おかげでいい技が手に入ったよ」

 

 

 

-3ページ-

────俺が趙雲の背後に立っている為か。

 

 

 

趙雲「……先ほどまでとは、段違いの速さですな」

 

一刀「まーな、本気だし。それに活歩、…だっけ?趙雲がやってるのを見て真似してみたんだが出来たよ」

 

趙雲「…達人と呼ばれるものは皆、それを『縮地の法』と呼びます。極めれば60尺の間合いを詰めることが可能です」

 

一刀「ふーん、縮地、ねぇ」

 

60尺っていうと20Mぐらいか?…たぶん。

 

趙雲「いやはや、まさか見ただけで実技されてみるとは、恐れ入りましたな。…それが『力』、ですかな?」

 

ふむ、この『力』を急に手に入れた方を言っているのかな?

 

一刀「だろう……………ね!」

 

趙雲「ふむ…………へ?」

 

 

トン

 

 

趙雲が気を抜いているところに、俺の技が決まり、趙雲の背中が地面へとつく。

 

一刀「俺の勝ちだな、趙雲。……あれれ?誰が、投げ技効かないんだっけ?」

 

ニヤニヤにながら、趙雲を見つめる。

 

趙雲「むぅ……。見たこともない技でしたな。……名はなんと?」

 

くくっ、くやしそう、くやしそう。

 

一刀「『体落とし』っていうんだよ。俺の国の国技でね?投げ専門の武術さ」

 

授業でしか柔道はやってなかったけど、綺麗に出来たな(笑)

 

趙雲「…国技ですか。なんとも不思議な投げですな……。───しかし、やはり貴方は強かった」

 

 

 

一刀「───俺が強いだと?」

 

そういって掴んでいた手を離す。

 

趙雲「ええ、そうです」

 

一刀「はぁ〜〜〜〜」

 

心底呆れ模様のため息。

 

一刀「馬鹿ゆーな。………あそこまで手加減されて俺が強いわけないだろ。───手加減が分からないほど弱くはないつもりだぜ?………それより、村行こうぜ?なんだか、腹が減った」

 

手加減されたことが、ちょっと悔しくて先に歩きだす。

 

一刀「(あーあ、流石は趙子龍ってわけか。俺じゃ敵わないなぁ…)」

 

悔しくて、つい一人ごちる。

 

 

─────まぁ、少なくとも、『今』は、な。

 

 

武人としての俺が、俺を慰めている……。たぶんこれは正しいんだろう。

 

……でも、やっぱり悔しい。だから、つい早足になるのは見逃してほしい。

-4ページ-

趙雲「ふむ、手加減か…」

 

戯志才「それはそうでしょう。星が本気を出せば、北郷殿の頭に風穴があいてしまいますよ」

 

程立「それは、どうでしょうかー?」

 

戯志才「………風?それはどういうこと?」

 

程立「…ぐぅ」

 

戯志才「否定しておいて寝るな!」

 

ビシッ!

 

程立「……おお、稟ちゃん。戦闘中は出番がなかったのに、突っ込みの腕は衰えませんね」

 

趙雲「…出番がなくて、落ちる突っ込みとはどういうものなのだろうな」

 

程立「えーと、それはですねー」

 

戯志才「先に私の質問に答えなさいよ!」

 

程立「…おぉ!これはこれは風としたことが……。…まぁ、仕方ありません。稟ちゃんの質問にお答えしましょう」

 

戯志才「なんで偉そうなのよ…」

 

程立「それは、ズバリ!お兄さんの投げ技なのですよー」

 

戯志才「…確か『体落とし』…でしたっけ?」

 

程立「はいー」

 

趙雲「…流石だな、風。私もそう思っていた」

 

戯志才「星もですか?一体…………………あ、投げ技専門…」

 

程立「はい、流石ですねー、稟ちゃん」

 

趙雲「ふむ、やはり稟も気付くか…。……そうだ、北郷殿は手加減をしていた筈だ」

 

戯志才「投げ技専門の武術だというのに、わざわざあの『体落とし』」

 

程立「はい、もっと荒い投げ技がある筈なのにも関わらず、地面までの距離が短いあの技ですからねー」

 

趙雲「私の懐に入られた時も、受けとめた後、掌打でも浴びせれば良いものを、ただ押すだけ」

 

戯志才「…『縮地の法』も、後ろに回り込むのではなく、真正面に打撃として用いれば良かった筈よね」

 

趙雲「────北郷殿は、ただ試していただけ。本気では無かったのさ」

 

程立「では、両者ともに本気の場合はどうですかー?」

 

趙雲「ふむ。十中八九、私だろうな」

 

戯志才「……あっさりですね」

 

趙雲「まぁ、少なくとも『今』は、だがな」

 

戯志才「…北郷殿はこれ以上強くなると?」

 

趙雲「ああ、あの方はまだ、急に得た『力』とやらに慣れておらん。動きが硬い場面がいくつかあった。───武器を持った方が弱いというのは事実だろう。──だが」

 

程立「…だが?」

 

趙雲「北郷殿が『力』に慣れれば、一月で抜かれるかもしれぬ。…まぁ、今の私が、だがな」

 

程立「ならば星ちゃんは、まだ腕を上げるとー?」

 

趙雲「ふっ、武とは日々精進だぞ。それに私は成長期だ。まだまだ上がるさ、『色々』な」

 

程立&戯志才「「…………むー」」

 

趙雲「はっはっはっ、2人共、まだ希望はある。そう落ち込むでない」

 

戯志才「……自慢が混じっているのが」

 

程立「……むかつきますねー」

 

趙雲「う、うむ?しかし、北郷殿に力か…」

 

戯志才「逃げた」

 

程立「逃げましたね」

 

趙雲「い、いや、そうではないぞ?──ただ、北郷殿の性格で『力』があっても…と思ってな」

 

程立「───性格……。………あのお兄さん、天然の女たらしみたいですからねー」

 

戯志才「……せめて、優しいって言ってあげなさいよ」

 

趙雲「…おやおや?稟は北郷殿を優しいと感じているのか?」

 

戯志才「い、いえ、別に、そのようなことは…(ごにょごにょ)」

 

程立「でも、優しいも女たらしも正しいと思いますよー。手合わせで女性に手加減するという心根の持ち主のようですしー」

 

戯志才「…それは、『危ない』わね」

 

趙雲「ああ、この大陸では女性の『力』が上なのは、もはや常識。仮に、いくら力が同等だとしても、北郷殿の性格では……」

 

程立「宝の持ち腐れですねー」

 

趙雲「…うむ。だが、興味が出てこないか?北郷殿がなぜあのような『力』を持つのかを」

 

戯志才「意味、ということですか…」

 

趙雲「そうだ、何か意味があるとは思えんか?」

 

程立「管蕗ちゃん曰く───」

 

戯志才「──風?───まさか…?」

 

程立「『白き流星と共に天よりの御遣いが大地へ降り立ち、動乱の世を太平へと導くであろう』と言われていますねー」

 

趙雲「…それが彼だと?」

 

程立「いえ、実はもう一つありましてですね、それが『龍を従えしは覇の武を備えし天からの御使い、彼の者動乱の世を太平へと導くであろう』。これは、楽詳ちゃんの占いですねー」

 

趙雲「………………………盗作ではないのか?」

 

程立「いえ、2人はほとんど同時に言いだしたらしいので、それはないかとー」

 

趙雲「……だとすると、それが、北郷殿が力を持った理由か…」

 

戯志才「所詮、占いですよ?」

 

趙雲「ふふ、まぁな。……だが、これで更に面白くなってきたではないか?」

 

程立「ですよねー?」

 

戯志才「どこがですか!まったく…」

 

程立「稟ちゃんだって顔がニヤけてるくせにー」

 

趙雲「くせにー」

 

戯志才「……ち、ちょっと、星まで何をいってるのですか!」

 

趙雲「はっはっは」

 

程立「はっはっは」

 

戯志才「〜〜〜〜〜〜〜!二人で馬鹿にして〜!」

 

趙雲「お、稟が怒ったぞ」

 

程立「これはヤバいですね〜、逃げましょうかー」

 

趙雲「ははっ、そうだな」

 

戯志才「ぐぐ〜、待ちなさーい!」

 

趙雲「はーはっはっはっはっは」

 

程立「うふふふふふ」

 

 

 

 

 

 

 

一刀「なにやっとんねん、あいつらは……」

 

浜辺で追いかけっこするカップルですか?

 

一刀「てことは、戯志才二股か!」

 

恐ろしい子!

 

 

 

 

話を変えよう。

 

一刀「────しかし、大体強さは分かったな。趙雲に感謝しないとな…」

 

俺はまだ弱い。…だけど、まだまだ強くなれる。

 

確かに最初はこの『力』に戸惑った。けど、これが正しいと認識し始めている。

 

一刀「だったら、最後まで突っ走るのみだ」

 

俺がこの世界に来た『意味』を見つけてやる。

 

 

───たとえ、それがどんなにつらい不幸が待っていようとも、だ。

 

 

けど、今は──────

 

 

 

一刀「おーい!さっさと行くぞ!」

 

 

 

──────飯を食う方が先だ。

 

 

 

続史!

-5ページ-

 

〜あとがき〜

 

う〜ん、学校の課題やらずになにをやっているんでしょうね〜。

 

と言う訳で、初の戦闘でござ〜い〜。(一刀のね)

しかもチートなので難しいんですよね〜。

──まぁ、徐々に慣れていきます。

 

 

あー、言い忘れましたが一言だけこれは『恋姫†無双』です。

 

 

でわでわ〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あ、ありのまま 今 起こったことを話すぜ!

 

『繰り返しながらも新たなる外史[旅]!?に出ている副将の韓浩だがな

、あいつ本編の方で 

 

 

 

 

 

 

 

 

【 女 】

 

 

 

 

 

 

 として出ているんだよ!』

 

な… 何を言ってるのか わからねーと思うが

おれも何をされたのかわからなかった…

 

誤字とか、脱字とか

そんなチャチなもんじゃあ 断じてねえ

 

もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…

 

説明
はい、またこっち!

では、ごゆるりと〜


誤字等ありましたら、ご指摘願います。

[追記]誤字訂正 レイフォン様、ありがとうございました!

第一話⇒http://www.tinami.com/view/72266
総閲覧数 閲覧ユーザー 支援
8800 6829 69
コメント
YOROZU様>あと二人いますよ〜、詳しくはインスパイア元をどうぞ〜(つよし)
ん?つまりもう一人御使いが来るということ・・・・?(YOROZU)
クォーツ様>いい成長をさせて見せます!(つよし)
運送屋様>それだと魏の天下統一の可能性が格段に上がりますねw(つよし)
YUJI様>チートさんだからえらい速さで進化するかもしれませんw(つよし)
munimuni様>それは、韓浩に関してですか?w…ポジティブに考えればいいネタが出来てうれしいのですよw(つよし)
ブックマン様>一刀の性格だったら絶対するのですよw(つよし)
かなた様>おお、プレッシャーですねぇw頑張らさせていただきます!(つよし)
雪蓮の虜様>何度も何度も続けさせていただきます!(つよし)
レイフォン様>ありがとうございます!誤字訂正しました!(つよし)
Poussiere様>う〜ん、興奮していただけなのかどうかwもっと精進します!(つよし)
一刀強し。之からの一刀の成長に期待(クォーツ)
『龍を従えしは〜』この台詞を読んで思わず龍〇子を連想しました。いや、有り得ないのは解ってるんですけどね(運送屋)
一刀のこれから進化するであろう活躍に期待www(YUJI)
修行です修行。強くなるにはこれが一番(ブックマン)
…なるほど、これは見ているだけでも期待できそうな作品ですね!続きを楽しみにしてます。頑張ってくださいですよ(^^(かなた)
戦闘ってのは、回転を加えただけでかなりの錬度が上がって素晴らしい演舞になりますよね!楽しみです。続きまってます!!(雪蓮の虜)
誤字・・?というんですかね・・?3/5の馬鹿ゆーな・・ry の発言が趙雲になってるみたいですが・・・。(レイフォン)
戦闘シーンあると、とても興奮する俺がいます(殴)  ん〜 星があのような事を ん〜;;  今後の展開が愉しみだな( =w=)(Poussiere)
タグ
真・恋姫†無双 真・恋姫無双 恋姫†無双 恋姫無双 恋姫 羨望外史    

つよしさんの作品一覧

PC版
MY メニュー
ログイン
ログインするとコレクションと支援ができます。


携帯アクセス解析
(c)2018 - tinamini.com