超次元ゲイムネプテューヌmk2 希望と絶望のウロボロス
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「ゲイムキャラ?あぁ、問題ないよ。あれって元々僕が作ったシステムだから、再度作り出す事も可能」

 

 悩みが晴れた笑顔で帰ってきたユニに拳骨を決め、これからの方向を決めようとした矢先に語られる爆弾発言にネプギア一同は目を白黒して思考が停止した。

 場所はプラネタワーの会議室、プラネテューヌを代表する場所である為、そこは五人と一書だけ座っても十分すぎるほどの広さだ。王族の城で見られるような縦に長い机を膝を置いて、手に顔を置き、暇そうに次のリアクションを待つ空に漸く回復したアイエフは頬をピクピクと動かした。

 

「なんで、それを早く言ってくれないの……?こっちは見事に壊されて物凄い苦悩していたのに…」

「知らん。僕には関係ない」

 

 そういう返事をするだろうなと予想していたイストワールは深淵にも届きそうな深いため息を吐いた。ネプギア、ユニは遠い目でこの人ならきっと犯罪神も単独で撃破できるんだろうなと思いながら、コンパは周りに向日葵でも満開になったように笑顔になった。

 

「直してくれるんですか!?」

「状況が状況だからね。……本当、あんまり関わる気なんて無かったのに」

 

 過去・現在・未来を掌握してただ一人の恋した女性を生み出す為の世界を否定され、破壊され革新されたゲイムギョウ界に空の存在はもう必要ない。故に助ける義理も、意味もないのにどうしてもあの漆黒のコートに羽織ったレイス・グレイブハードの妙な既知感に引っ張られここにきてしまった事に後悔するようにため息を吐く。

 それは、こっちが吐きたいと静かな怒りを燃えさせるアイエフの眼光に露骨にあはははと渇いた笑い声を零しながら、コートから淡く紫色に輝くディスクを丁重に机に置いた。

 

『は、初めまして皆さん、私がプラネテューヌのゲイムキャラです』

「…………」

 

 一同またも沈黙。マジェコン解体用のサンプルを入手するためにマジェコンヌの工場を来襲した上にまさかゲイムキャラの復活までやっていたとは誰が予想していただろう。戸惑いの声がモールス信号のように点滅する。イストワールは軋むような痛みがする胃を抑えながら、どうやったらこの人に順序という言葉を刻むことが出来るのか模索するが三日所か、三千年以上の年月をかけて納得が出来る答えが導き出せるか不安を抱く程だ。再起動を始めたネプギアは幼さを感じる丸っこい瞳をキラキラと輝かせる。

 

「初めましてゲイムキャラさん、私はプラネテューヌの女神候補生、ネプギアです」

『……ああ、貴方が……プラネテューヌの女神、パープルハートによく似ていますね』

「お姉ちゃんをご存じなのですか?」

『えぇ、四年前に事件があり、私の元に来たのです』

 

 懐かしい記憶と同時に嫌な記憶も蘇ってアイエフとコンパは頭を抱える。事件解決に力を尽くしたが、自分たちのやったのはほとんど待機だった。それでも、四女神と紅夜の初めてであっとしても共同戦線の中でほぼ互角以上に戦ったあの機人は恐怖でしかない。大雑把であるが、それを聞いた事があったのかネプギアとユニも納得した様に頷く。既に空から状況を説明してもらっているゲイムキャラは助力の願いに喜んで応対する。

 

『−−−あの時、パープルハートと同じようにあなたに力を与えましょう。ゲイムギョウ界に天霧る闇を一閃、旭光が差し込む為の道を作りだしてください』

「……いいんですか?」

『貴方の瞳には光があります。パープルハートが見せたような、力強い意思があります。私はそれを信じるだけです。秩序と循環を司る者として、混沌と波乱を許すことは出来ませんから』

 

 ディスク故にその表情が見えないが、ネプギアにははっきりと微笑んでいるよう見えた。底なしの闇の中でも、色あせることないような美しい光がゲイムキャラの発行と共に溢れ出し、それはネプギアの中に入ってくる。

 なんだかよくわからない心の温かい光を感じ、新たに決意を宿した瞳でゲイムキャラに頭を下げた。

 

「ありがとう、ございます」

 

 それだけしか言葉は見つからない。それでもゲイムキャラは満足げに笑うとその姿は粒子となって消えた。

 

「とりあえず安全な場所に転移させた。同じく他のゲイムキャラにも伝達して、尚且つその場所は教祖のみ教えるように指示を出したから、大陸中を回って教祖たちを説得して回ってね」

「空さんが見つけてくれないんです?」

「僕が世界を救うことに貢献すると思う?女神と人が作り出しているこの世界に僕が関与する必要性がどこにある?。僕がここにいるのはこの世界とは全くの関係がない異世界からの来訪者を監視、調査、状況によってはぶっ殺すぐらい、だね」

 

 異世界の存在にユニとアイエフ一体どんな存在なんだろう感じながらアイエフとコンパはルウィーでの出来事を思い出し、冷や汗を掻くアイエフ達から視線を外して空は呆然と天井を見ながら思考の海に飛び込んだ。

 まず思い浮かんだのは、どこかの神々が遊戯の為に作り出した転生体だろう。定められた物語を壊すだけの力を与え、そこで死ぬ人を力で運命をねじ伏せて幸福な結末へと導く、それを見て楽しむ神々の遊び、知り過ぎた故の未知への好奇心による探検。

 所詮、ゲイムギョウ界も一つの世界であり、異世界の神々が何らかの気分によって介入してくることがある。前例ならば千の貌を持つと言われる邪神ナイアーラトホテップ等が興味を引きたいと言う理由だけで数百人は死んだだろうルウィーでの誘拐事件。

 どっちにしろ−−−来るなら容赦なくぶっ壊すつもりだけどね。この世界の行く末、滅びの末路。それは既に決定している。マジェコンヌが滅ぼすのか、ブラッディハードが滅ぼすのか、女神が勝利して一時の安泰の日々が続くのか、そんな些細な違い程度だ。

 

 その手を握った。破壊の力。世界の流れを掌握して掴みとった物を粉砕する概念の根元から強制終末。

 大きすぎる異物が入ってきた時、この世界から元々ない物が突然入ってきた時はこの力は非常に照準しやすい。川に大きな石が放り込められれば、例え激流の中でもその場所は大方把握できる。ゲイムギョウ界に住む人間の赤子に転生した場合、特別な力を持っていれば即に見的必殺が可能。もし、何らかの不手際で能力を付与することなく魂を生まれ場ばかりの肉体の器に入れるだけなら、警戒レベルは低めでもいい。

 

「距離的に次はラステイションね」

「はい、皆さん大変だと思いますがゲイムギョウ界の未来は貴方達に掛かっています。……突然の激務を負わせて本当に申し訳ありません」

「プラネテューヌには私が、ラステイションにはユニちゃん、ルウィーにはロムちゃんとラムちゃんがいます。私では何も出来ないかもしれない、でもお姉ちゃんがそうやったように私達も力を合わせてゲイムギョウ界の希望になります!」

「私達も忘れないでね。諜報部として必要な情報は直ぐに集めるわ」

「わ、私もみんなの治療とか出来るです。みんなでねぷねぷ達を助けるです!」

 

 賑わっている連中を横目で見ながら空は再び書類を引っ張り出す。レイス・グレイブハード。戸籍も出身も不明。

 マジェコンに使われていたオーバーテクノロジーは間違いなくこいつが持ってきていると断定している。語られないように破壊の領域を世界の流れに同調させて大きな歪みがないか、調べる。

 舌を鳴らした普段の一割程度しか出力を出せない状態では浅い場所しか分からない。かと言って全力を出すと自分でも訳が分からないまま何かを壊しかねない。やはり直接会ってみるのが先決だと定めてため息を吐きながら能力を使用を解除する。その様子にイストワールはそっと空の肩に乗った。

 

「……紅夜さんの様子は見てきましたか?」

 

 小さな声で誰にも聞こえないよう口調に空は首を微かに振った。

 ゲイムキャラを復活させたという事はその壊された部品を回収するために、一度は紅夜の消息したバーチャフォレストに足を踏み入れたことがある。用意周到の空がブラッディハードがゲイムギョウ界に来ている事を知っていない訳がない。空は横目で話しに夢中なネプギア達を見つめて、小さく息を吐いた。そのまなざしは壊れていく物を見る儚き目だった。

 

「会ってない、けど従者から報告が来てた」

「……その表情だとあまり良くないんですね」

「イストワールだからこそ、はっきりと言う」

 

 直接会ったわけではなかった。ただ保険として冥獄界に残していた従者ポチが|重傷《・・》の体で提出してきた報告書を見た上での調査だった。下手に刺激を与えれれば、どうなるのかは予想がつかなかったからだ。ただ、あの様子を見て結論だけは直ぐに出た。それは今の調子でならの話ではあるが、遠からずそれは冥獄界と女神の宿命として現実になる惨劇。

 

 

 

 

「女神候補生の手で女神が救われと同時に紅夜はブラッディハードとして完成され−−−女神を一人残らず殺すだろうね」

 

 

 

 

説明
今日は後もう一回更新します。
もしよろしければ感想などお願いします。作者のモチベーションが天元突破する……かもしれない。
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超次元ゲイムネプテューヌmk2 バットエンドは要素(というなの打ち切りエンド)は山ほどあるがハッピーエンド目指して頑張りたい 

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