真・恋姫†無双 巡る外史と仮面の魔神 六十三話
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【復活】

その言葉を口にし、リトは目の前の敵の集団に指を指す。

どこか荒々しいその口調と雰囲気だが、途端にそれは無くなる。

ブワッ!!…とリトの全身から死ぬ気の炎が溢れ出す。

それは周りの瓦礫や周辺の建物さえも押しのき、さらにそれの余波で近くにいた幹部級の怪人は吹き飛び、それ以下は耐えきれず爆発。

どう言うことか…音々音はリトを見ると、そこにはいつもより静かで、心強いリトがいた。

瞳の色が橙色になっていて、まるでそれは全てを包み込むような大空のよう。

 

「離れていてくれ。手加減しても、皆に危害が加わる」

「は…はい!」

 

音々音はそう返事し、全員で離れる。

十分離れただろうと思い、リトはアークルを呼び出し、構えた。

その瞬間、リトの周りの炎が体に集まり、体に溶け込む。

 

 

「変身」

 

 

アークルを起動させ、リトの体は漆黒の闇と黄金の電流に包まれた。

そして形を変える。

禍々しくも神々しい…原典のクウガにはない姿。

雷神…仮面ライダークウガ・ライジングアルティメット

常に身体中から電流を発しているのは威嚇からだろうか。

怪人達は警戒し、距離を取る。

だが目に前にいる敵からは逃れられない。

 

「二十…いや、十五秒で十分か」

 

そう言ってクウガRUは360°全てに白い靄のようなものを出す。

原典にも他のクウガにもない能力、『ホワイトホール発生能力』

その名の通り、ホワイトホールを…空間を繋げる能力だ。

当然繋げるのは敵の急所。

そして一斉に…狙い打った。

 

 

ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!!!!!!!!!

 

 

「「「ギィヤァアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」」」

 

全方位にクウガRUの拳が残像を残して炸裂する。

一発一発が地面に軽くクレーターを作る程の威力…ホワイトホールに繋がっている怪人達はその一発一発を喰らって倒されていく。

そして、十五秒…そこにはもう怪人は存在せず、残骸が散らばるばかりであった。

 

「は…反則ではないか…あれ」

「「「…うん」」」

 

愛紗の言葉に思わず全員頷いてしまう。

避難した全員の視線の先にはクウガRUと流星群が落ちたかのような大地がある。

穴ぼこになり、もはや校舎の面影もない。

それを見て安心していたが…クウガRUはいまだに変身を解いていない。

どうしたのか…そう思って桔梗はふと上を向く。

すると…そこには絶望をそのまま出した存在がいた。

 

「あ、…ああ…!」

「き、桔梗…?どうしたの…?」

 

紫苑はただならぬ桔梗の様子を感じ、声をかける。

ただ、桔梗は上に向かって指を指すだけ。

そしてそこを見た…同時に後悔もする。

そこには、山より巨大な…石の巨人が立っていた。

 

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「最後にドデカイのが来たか」

 

クウガRUは特に焦らずに巨人…岩石大首領を見る。

今まで気付かなかった…大きすぎるから、存在がわからなかったのだ。

その巨体は一歩進む度に町を破壊していく。

そんなものにどう立ち向かうのか…誰もがそう思った…クウガRUを除いて。

 

「…あ、あれ……?」

「り、リト!?」

「いったいどこに…」

「……………あそこ」

 

突然クウガRUが消え、混乱するが恋は岩石大首領の胸元を指指す。

全員そこを見て目を凝らすと…クウガRUが本当にいた。

まさかあそこまで跳躍したのではないか…。

誰もがそう思い、あり得ないと頭のなかでそう言い聞かせる。

しかし、そのあり得ないは…

 

「邪魔だ、石ころ」

『グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!』

 

岩石大首領の巨大な胸元に風穴を開けたと言う現実を作った。

一発だけ、大したことがないと言った感じで、殴っただけ。

大きく後退し、岩石大首領はよろけるがその前にクウガRUに向かって腕を伸ばす。

握りつぶそうとしたのだろうが、クウガRUは空中を蹴り回避。

さらに伸ばした腕の上に乗り、その腕を踵落としで切断した。

その切り口は蹴りの類でできるものではない…まるで刃物でやったかのよう。

そんな事を考える間もなく、クウガRUはその腕を先程開けた穴に放り投げた。

 

「ぉおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」

『グガアアアアア!!!』

 

岩石大首領はその影響で体にヒビが入る。

ここで倒せるのだが、それだと破片が飛び散り町がさらに酷くなると考えたクウガRUは岩石大首領の真下にホワイトホールを作り、引きずり込む。

そのホワイトホールの先は…岩石大首領の遥か上。

じたばたと暴れる岩石大首領をクウガRUは頭を押し込むように殴り、大人しくさせる。

そしてそれと同時に、頭上に巨大なブラックホールを作り出す。

 

「行くぞ…これで最後だ」

 

クウガRUは岩石大首領の頭から降り、下に向かって急速に落ちた。

そして地面すれすれの所と自分が降りた場所にホワイトホールを作り、そこを延々と落ち続ける。

だんだん加速し、ほぼ光と同等な早さになったのと同時に岩石大首領は空中に移動し終わっていた。

そして、下のホワイトホールの移動先を、岩石大首領の真上に変える。

 

「ライダァァァァァァー…!!!」

『ゴアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!』

「キィックッッッッ!!!!」

 

岩石大首領の真上に移動したクウガRUは【RUマイティキック】を岩石大首領に繰り出す。

威力は相当で、岩石大首領はかなりの早さで下に落ちていった。

しかし、地面に触れる前に岩石大首領は事前に用意したブラックホールに飲み込まれる。

自分の体の一片たりとも残さず、最大の敵は消え去った。

 

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「よお。久しぶりだな」

『…貴方は』

 

朽ちかけた扉を見ていた菅路の後ろからリトが声をかける。

一瞬驚いたが、菅路はいつも通りの顔で振り返った。

 

「…あいつらの記憶を戻してくれて、ありがとな」

『あれは彼女達が決めたことです。それに、罪滅ぼしにはちょうどいいと思いまして』

「…どう言うことだ?」

『今回、怪人がでた原因は彼女達です。正確には、彼女達の殆どが貴方と離れたくないと言う願い、ですかねそれが外史を…物語を歪ませました』

 

音々音達が原因…そんな事は分かっていた。

再創造する前に彼女達はリトの行動を認めていなかった…記憶を代償にするのを拒絶していたのだ。

そんな事は、誰にだって分かる。

 

『そのせいか…はたまた、貴方との絆が強かったのか、前の外史の名と記憶は少し残っていたようですが』

「そうか。……で、お前は…どうなるんだ?」

『消えます。…菅路と言う役割は各外史の物語が終われば消滅する運命。…だから、そんな悲しい顔をしないでください』

 

無表情だった菅路の顔が困ったような顔になる。

理由は言った通り…リトは悲しんでいた。

記憶を戻して貰った恩人に何もできずに終わるのが、納得がいかないのだ。

 

「悪い…」

『いいんです。私はそもそもこの外史と共にある存在。ですから覚悟はできています』

「そうか…」

『…あの子達の事を、よろしくお願いします』

「任された…じゃあな、菅路。運が良けりゃあ、今度は助けるよ…絶対」

『ええ。さようなら…優しい魔神さん…』

 

菅路はそう言った瞬間…消えていた。

そこにいなかったかのように、きれいさっぱりと。

だけどリトは覚えている別れの間際に彼女が笑ったことを。

 

 

 

 

「………ん…」

 

白い空間から戻り、目が覚めたリトは周りを見渡す。

分かったことを纏めると、現在自分は誰かのベットの上らしい。

しかも、体の感触を確かめると全身に包帯を巻かれている。

誰の部屋か…そう思ったリトだが、周りに薬剤と医学関係の本があるので誰だか分かったが。

 

(ああ…俺、あの後落ちたんだっけ)

 

目が覚める前の事を思い出す。

岩石大首領を倒した後、リトはそのまま地面に落下し気絶した。

正直頑丈過ぎだと思うが…まあいいだろう。

リトは誰か居ないか起き上がろうとした。

だが、自分の左右に違和感を覚える。

 

「…………?」

 

リトは器用に足で布団を退かすと…そこには、

 

「すぅ……すぅ…」

「んん…ご主人様…すぅ…」

 

左右の手を握って寝ていた音々音と恋がいた。

リトは思わず声が出そうになるが、それでは二人を起こしてしまう。

叫びたい衝動を抑え、リトはやれやれと言った表情をし、再び横になる。

 

「…久しぶりだな、本当に」

 

満足そうで、少し困った顔で、リトは二度寝をし始めた。

 

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XXX「作者と!」

一刀「一刀と!」

リト「久しぶりにリトの!」

X一リ「「「後書きコーナー!」

 

リト「うん、マジで久しぶりに来たわ」

一刀「お帰り。主に弄られる事で」

XXX「まぁ後書き後二回しかやんないけどな」

 

一刀「なったな、最終フォーム」

リト「あれ一回死ななきゃいけないから嫌なんだよ。下手したら復活できないし」

XXX「で、今回出たライジングアルティメットの能力はオリ主設定で」

一刀「て言うか岩石大首領あっさりやりすぎだろ!?」

リト「いやー…ワンピースとかロボット系の世界でデカイのとやったから慣れた」

XXX「それでもあっさりしすぎだったな。一回くらい叩き落としてもよかったかもな」

リト「おい作者」

一刀「そういえばなんでリト菅路の所に行けたんだ?」

XXX「…幽体離脱」

リ一「「こわっ」

 

XXX「てかさー、なんでお前恋と音々音と寝てた?」←真っ黒オーラ

リト「こっちが聞きたいわ!」

一刀(ああ、次回は騒がしいんだろうな…)

XXX「まあいいか、じかーい」

一刀「六十四話 また後で」

リト「残り二話だな。色々と疲れたな…」

 

XXX「…また疲れるんだけどな(ボソッ」

 

ΟωΟ再見

 

 

説明
三巡編

落ちたんだっけ
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コメント
ヘイロンさん ブラックホールのはリボーンでやってたのをそのまま。ホワイトホールはぶっちゃけワームホールとごちゃ混ぜですね。だいぶいい加減なのであんまり気にしないでくれると嬉しいです。ゆかりんのは…やるとダメ人間になりそうなので(XXX)
ふむ、リト君からレスはされなんだか。まぁ、いいや、XXXさんに質問。どうも俺の知ってるブラックホール、ホワイトホールとは違うようなので説明詳しくよろしく。個人的にはゆかりんの能力の方が説明簡単だったんじゃね?と思っている(ヘイロン)
ヘイロンさん まぁ我が儘になるって言っちゃったし、それにある意味他の人犠牲にするのはあってるんすよね(XXX)
この話も後二話かぁ、超大量の命見捨ててハッピーエンドか〜リトはどれだけの屍の上に立って笑顔で終わるつもりなんだろうなぁ〜(ニヨニヨ(ヘイロン)
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