IS〜運命の少女と白き騎士の少年
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世界のどこにもない、しかし世界のあらゆる場所に存在する謎の空間“ミール“。

空間の中にただ浮かんでいるだけの漆黒の円卓を囲う者達の姿がそこにはあった。

 

━━━なあ、どう思う?

 

年老いた声が円卓の中で問う。

 

━━━どう、とは何がでしょうか?

 

すると事務的な声が年老いた声に答える。

 

━━━あいつらは今の時代、なれると思うかい?

 

━━━……客観的に申しますと、不可能でしょう。

 

━━━あ、やっぱり?

 

━━━はい。“覚悟“も、“思い“も、“甘さ“も、そして死地を知らぬ者が英雄となる資質を持てるはずはないと判断します。

 

━━━■■■さんもそう思うのかい?実は僕もなんだよ。

 

━━━■■様もそう思っていたのですか。珍しいですね、私たちの意見が合致するとは。あなたは彼ら側だったのでは?

 

事務的な声は特に何も思っていないと言わんばかりに、年老いた声に問うた。

 

━━━今だって彼ら側さ。けどね、今までの流れを見てた限りこのままなあなあで行っても彼は英雄になんてなれないし、仮になれても世界は成り立たなくなるのは明白だ。

 

━━━では、何故未だに彼……織斑一夏を見守るのか理解できません

 

年老いた声は微笑みながら答える。

 

━━━まあ古い友人の願いっていうのもあるんだけどね。仮にそれを差し引いても■■さんにはわからないだろうね。彼には素養があるんだよ。けど、足りないものを補う事象が彼には起きないのさ。

 

━━━では、見捨てても問題ないのでは?

 

━━━うーん、そうなんだよね。でもさっきも言った通り友人の願いでもあるし、それに僕らの仕事ってなんだだったか覚えてる?

 

年老いた声が、事務的な声に今度は自分たちの役割を問うた。

 

━━━……この世界に起きる事象の観測と、必要ならば成長せる事象を引き起こし、試練を与えて刺激を与えることです。

 

━━━うん、そうだよね。けれども僕らにも想定外な彼女の思いは事象を歪めてしまった。だから、僕たちがどうこの世界に干渉しようとも彼らの成長を促すことはできない。

 

━━━ならば……。

 

━━━だから僕はね、この世界で事象による成長促進が出来ないのなら、いっそのことこの世界以外の別の世界に彼らを送り、成長を促すべき何じゃないかと思うんだよ。

 

━━━……事象干渉ではなく、超限定的な世界干渉にて彼らを私たちが干渉を行える成長促進可能な世界に送り込んで成長を促すなど……それは特例が必要になるのでは?

 

年老いた声が提案したそれは違反になるのではないか?と事務的な声は不安の色を見せた。

 

━━━いいや、必要ないよ。あの世界は彼女の……篠ノ之束の思いの力は想定外のイレギュラーを起こしている。だからこの超限定的世界干渉は非常事態に分類され、可能になっている。だからこそ、彼らの成長を促さなければならない。これは禁止要網に当てはまるかい?

 

年老いた声が問いに答え、逆に問うた。

 

━━━……イレギュラーによる干渉の対応としてこの案は必要と判断します。して、送る世界は?

 

事務的な声に、年老いた声は答えた。

 

━━━((C.E.|コズミック・イラ))。あそこで促すよ。

 

事務的な声は判断した。

 

━━━Passage。

 

それから程なくして、とある世界から十一人の少年少女たちが姿を消した。

説明
〜プロローグ〜

再構築したIS×SEEDDESTINYです。
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コメント
弥凪・ストームさんへ そう言われると嬉しいものですね(*^▽^*)(アインハルト)
何か面白い展開になっていきますね(弥凪・ストーム)
REGIONさんへ 一夏一人だけだとISの存在価値があれなので……まあ白式たちは間接的にしか絡みませんが(アインハルト)
おお、一度に大勢の人物がC.E.の世界に行くのですね。次回も楽しみにしています。(REGION)
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