真恋姫無双 舞い降りし剣姫 第十六話
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〜雪蓮視点〜

油断ではない

慢心もしていない

単純に実力の差と認められない

私は一姫との一騎打ちで負けた

あの時、高速の斬撃を止めたと思った瞬間に逆方向から頭部に衝撃を受けその後の記憶が無い

気が付いたら思春に肩を借りて自陣に戻る途中だった

明命達に聞いたところ、斬撃を止めたとほぼ同時に逆側への蹴りが決められたらしい

私の勘でも、そこまでは察知できなかった

「勘に頼りすぎるのを改めたらどうだ」

と冥琳に嫌味を言われたが返す言葉が無い

明命達が加勢に入らなかったら止めを刺されれば終わりだっただろう

一姫にその気があればの話だが

次に一姫と一騎打ちすることがあったならば今回のような攻撃も考慮しなければならない

本当っに厄介な相手ね

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〜鞘華視点〜

負傷した私の回復時間を稼ぐため虎牢関に退くことになった

だが只で水関を明け渡さない

まず、少数の兵で敵が門に近づいてきたら関の上から油壷を落として火をかける

兵はその後撤退する

そして予め、門の内側に石を積んで通過を遅らせる

この策の実行は高順 真名は疾風さんに頼んだ

 

疾風さんは私の部隊の副官になる

詠が「副官がいた方が何かと助かるわよ」という事で就けてくれた

この世界では珍しい”男性”の武将だ

年は私より2〜3歳ほど上だろう

誠実な性格で、年下で女の私の補佐に回ってくれている

「私は補佐は出来ますが将としての働きは出来ません」

なんて言っているが謙遜しているのがすぐ分る

私の部隊の調練は全て彼がやっている

女学生だった私に調練の仕方なんて分かる筈がないから

その為、最近では彼に調練の事なども教わっている

そして、嫌な顔一つせずに教えてくれる

だから私は疾風さんを静里と同じ位信用している

 

私が虎牢関に撤退を始めて2日後に虎牢関に到着した

疾風さんも1日遅れで虎牢関に到着した

「策は成功しました」

これで水関での失策を取り返す事に専念できる

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無人の水関は劉備軍と孫策軍が落としたという事になったらしい

功名争いの連合軍、これでこの2勢力が最初に虎牢関を攻めてくる可能性は低くなった

出てくるとしたら袁紹か劉表かな

静里の次の策を使う機会ね

 

5日後、連合軍がやってきた

先鋒は劉表

こっちも準備にかかる

 

劉表軍が虎牢関に進んできた時、私と霞の軍が姿を見せる

ただし、関の上でもましてや劉表軍の前方でもない

虎牢関の両脇は崖のような高い岩場になっている

とても登れるような角度ではなく高さもかなりある

その両側の崖の上に私と霞の部隊はいたのだ

 

「総員、突撃〜」

劉表軍は一瞬にして混乱した

更に虎牢関の門が開き、恋の部隊が突っ込んで行く

 

今回の策は私と霞の部隊が両側の崖の上から突撃

これは、私が霞と最初に会った時に使った策を用いている

登れなくても、下ることなら出来る崖 虎牢関の両側はそんな崖だった

そして、劉表軍が混乱したところで恋の部隊が突撃

これで、劉表軍を壊滅させた後虎牢関に撤退する

 

作戦は大成功だ

私は正面に劉表軍の本陣を見つけ劉表に迫る

劉表は私に斬りかかってきたが武はそれほどでもなかった

攻撃を躱し、上段から両手で斬撃を放つ

劉表はそれを防ごうとしたが、その剣諸共、劉表を斬った

「斬鉄は受けるのではなく躱さないと意味がないよ」

私は、そう言って次に

「劉表、〈天の御遣い〉北郷一姫が討取ったり〜」

と、名乗りを上げた

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もう、そろそろ撤退する頃合いかな

そんなことを考えて周りを見ると霞が夏候惇と一騎討ちをしていた

その一方で曹操の一部隊が霞の部隊を包囲しようとしていた

まずい!

「疾風さん、部隊を率いて張遼隊の救援に向かって

 私は霞を引きずってでも戻らせるから」

「了解しました」

疾風さんに指示を出して私は霞の所へ向かう

 

「せい、そりゃ〜」

「なんの、これでどうだ〜」

二人共、すごい気迫でやりあっている

私はその間に入り

「霞、そろそろ撤退すわよ」

「鞘華、邪魔すんな

 今、いいところなんやから」

霞が声を荒げて言うが

「よく周りを見なさい

 曹操は貴方が夏候惇と一騎打ちをしてる間に貴方の部隊を包囲

 貴方の部隊を人質にして貴方を自分に投降させるつもりよ」

「なんやて」

霞は慌てて周りを見る

疾風さんが指揮する私の部隊のおかげでその目論見は崩れたが

狙っていたことは霞ほどの武将なら分かるだろう

「鞘華、感謝するで

 張遼隊、撤退するで〜」

「疾風さん、北郷隊も撤退よ」

「了解しました 北郷隊、撤退だ」

私達も虎牢関まで撤退した

劉表を討ち取るなど上々の戦果を挙げ虎牢関の戦い初日を終えた

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〜あとがき〜

 

虎牢関の戦いで「鵯越の逆落とし」を使いました

霞と初めて会った時に使わせたのは今回使わせるためです

 

反董卓軍との戦いも終盤なのでうまくまとめれるかが心配です

 

更新はゆっくりになるかもしれませんが続けるつもりです

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

説明
虎牢関の戦い開戦です
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