英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜
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〜ケルディック〜

 

「―――さて、町に来たからには用心しないとな。」

町に到着したマキアスは眼鏡を取った。

「ああ、変装か。」

「え……?ど、どうして変装を?ここはメンフィル領ですわよ?」

マキアスの行動を見たリィンは目を丸くし、セレーネは不思議そうな表情をした。

 

「プリネの話では僕の場合、帝都知事の息子として貴族連合にZ組の中での特にマークされているらしくてね。革新派の有力者達もことごとく逮捕されているそうだ。他国の領とはいえ、念には念を入れないとな。」

「ふーん、確かに意外とわからないものね。」

「人間の印象は目を大きいからな。眼鏡で変化をつけるのはアリだと思うぜ。しかし、視力は大丈夫なのか?」

「…………努力します。」

トヴァルの指摘を聞いて少しの間黙って答えたマキアスの答えを聞いたリィン達は冷や汗をかいた。

 

「ア、アハハ……」

「できるだけフォローするから言ってくれよ。」

「ともかく町を一回りしてみるか。そうだ、元締めの家やギルドを訪ねてみるのもいいかもな。オットー元締めやギルドなら何か情報がもらえるかもしれん。」

「ええ、無事に合流できたことを報告しておきたいですし、訪ねてみましょうか。」

「はいはい、何でもいいけど早く行きましょ。」

町に再び足を踏み入れたリィン達はまず、ギルドに向かった。

 

〜遊撃士協会・ケルディック支部〜

 

「ここがケルディックの遊撃士協会……」

「あの板に張っている紙はもしかして”依頼書”ですか?」

「ああ。しかし……」

ギルドの中に入ったリィンと共に興味深そうに周囲を見回していたセレーネの疑問に答えたトヴァルは何かに気付いて真剣な表情で依頼版を見つめ

「見た限りでも相当な数の依頼書が張ってあるわね。」

「……依頼書が多いという事は多くの市民達が困っているという事だよな?メンフィル領になったケルディックはプリネ達が善政を敷いている事によって、様々な問題が解決したと聞いているが……」

「―――難民達が増えている事や本日急遽発表された検問の件もあって、その関係で増えているんですよ。」

依頼版に収まり切れないほど貼ってある依頼書を見たセリーヌと考え込んでいるマキアスの指摘に応えるかのように受付から声が聞こえ、声が聞こえた方向に視線を向けるとそこには紫色の髪を腰までなびかせている青年がリィン達を見つめていた。

 

「よ、ベルモン。久しぶりだな。」

「ええ、お久しぶりです、トヴァルさん。」

「えっと……もしかしてギルドの……?」

トヴァルと親しそうに話している青年にリィンは不思議そうな表情で話しかけた。

 

「―――初めまして。遊撃士協会・ケルディック支部の受付を務めているベルモンと申します。貴方が噂の”灰の騎神”の操縦者ですね?お会いできて、光栄です。」

「!俺の事を知っているんですか……」

「ええ。それとそちらの喋る猫さんの事もマキアスさん達から聞いていますよ。」

「そう。じゃあ、説明の必要はなさそうね。」

青年―――ベルモンの言葉を聞いたリィンは驚き、セリーヌは静かな表情で呟き

「ハハ…………そういやさっき”蒼黒の薔薇”のお嬢さんからギルドに様々な依頼をしたと聞いていたが……」

セリーヌの様子にトヴァルは苦笑しながら見つめた後ベルモンを見つめた。

 

「ええ、内戦の影響によって今後起こり続けるであろう問題解決の依頼をする為に彼女が”メンフィル帝国の代理”として来まして。その際にルクセンベール卿――――メンフィル帝国から今後起こる問題解決の”依頼”に対する”報酬”として、1000万ミラが支払われました。」

「なっ!?」

「ええっ!?」

「い、1000万ミラですか!?」

「”国”が遊撃士に依頼する時の相場は知らないけど、さすがに取りすぎじゃないかしら?」

ベルモンの説明を聞いたリィン達が驚いている中、セリーヌはトヴァルに視線を向け

「いやいやいや!?取りすぎも何も、ありえねえって、そんな法外な値段の依頼なんて!というか、何でお前さんもそんな法外な金額を”報酬”としてアッサリ受け取ったんだよ!?」

視線を向けられたトヴァルは疲れた表情で答えた後ベルモンに指摘した。

 

「無論、私も最初はそのような大金は受け取れないと断りましたが……ルクセンベール卿からメンフィル帝国は内戦の影響によってエレボニア帝国に隣接している自国領で膨大な数の問題が起こり続けると予測し、それらを解決する”依頼”を纏めた分の”報酬”だと諭され、渋々ですが受け取ったのです。実際見ての通り、膨大な数の依頼が来ていて現在常駐している遊撃士達やリベールから応援で来ている遊撃士達でも捌ききれない状況ですから、メンフィル帝国の予想も強ち間違ってはいないでしょうね。先程他のメンフィル帝国領にあるギルドにも確認した所、そちらでもこのケルディックと同じ状況で、メンフィル帝国政府の使者がこちらの支部同様今後起こり続ける問題解決を”依頼”し、法外な金額の”報酬”を支払ったそうです。現在はエレボニア帝国領と隣接しているメンフィル帝国領にあるギルド支部全てがレマン自治州にある本部に他国の遊撃士の応援の追加の派遣を要請している所です。幸いメンフィルから支払われた法外な金額の”報酬”がありますから、それをうまく配分すれば普段より多めの”報酬”を支払う事ができますから、それを目当てに応援に来る遊撃士達もいるでしょうね。」

「それは…………」

「実際今も様々な問題が起こっている話はお姉様も仰っていましたものね……」

「そしてそれら全てがエレボニア帝国の内戦が影響しているなんて、エレボニア帝国人として肩身が狭いよ……」

ベルモンの説明を聞いたリィンやセレーネ、マキアスは辛そうな表情をし

「………………リベールの遊撃士で思い出したが、エステル達は今、どうしているんだ?」

「あ……!」

「そう言えばエステルさん達はケルディック支部に常駐している遊撃士でしたね……」

トヴァルの質問を聞いたリィンとマキアスはそれぞれ目を丸くした。

 

「彼女達でしたらレグラム支部への応援の為に先日ケルディックを発ち、先程レグラム支部に到着したという報告がレグラム支部から来ました。」

「へっ!?」

「レグラムというとラウラさんの故郷でしたわよね?」

ベルモンの答えを聞いたリィンは驚き、セレーネは不思議そうな表情をし

「何でまたあんな辺境にいるのよ?あの娘達、遊撃士の中でも相当な腕利きでしょう?今の状況でそんな辺境にいるなんて、勿体ないと思うけど。」

「君な……少しはオブラートに包んだ言い方をしたらどうだ?」

セリーヌの指摘を聞いたマキアスは呆れた表情でセリーヌを見つめた。

 

「トヴァルさんがいなくなった事でエレボニア帝国領でも数少ないレグラム支部の遊撃士がいなくなりましたからね。その抜けた穴を補う為に少々惜しいですが、彼女達にレグラムに行ってもらったんです。」

「ハハ……あいつらにも借りができちまったな。……にしてもあいつら、レグラムまでどうやって行ったんだ?列車は今の状況だと無理だし、徒歩で行くにしてもバリアハートの検問を越える必要があるが。第一あいつら、以前バリアハートで大暴れをした事で、領邦軍からマークされているだろうに。」

ベルモンの説明を聞いたトヴァルは苦笑した後首を傾げた。

「既に皆さんもご存知かと思いますが、エステルさんは多くの異種族達と”契約”しています。そしてその中には飛行できる大型の魔獣がいますから、その魔獣に乗って空を飛んでバリアハートを通過したとの事です。」

「ええっ!?」

「まあ、領邦軍もまさか飛行する魔獣に乗って自分達の領地を通過するとは誰も想像していないでしょうね。」

「そ、そう言えばエステルさんが”契約”している異種族の中には飛行可能な大型の魔獣がいたな……」

「あ、ああ。確か、”カファルー”と呼んでいたな。」

「ハ、ハハ……相変わらず滅茶苦茶な奴だな。”反則”と言ってもおかしくねえんじゃねえか?そんな常識外れな方法……」

エステル達がバリアハートを越えた理由を聞いたセレーネは驚き、セリーヌは納得し、リィンとマキアスはそれぞれ表情を引き攣らせ、トヴァルは苦笑した後疲れた表情になった。

 

するとその時ギルドの扉が開かれ、赤い髪で頬に傷があり、背中には身の丈程ある”重剣”を背負った青年がギルドに入って来た。

 

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今回の話を読んでまさか!?と思った人達に前もって言っておきます。オリジナルキャラ、ベルモンは魔導功殻のベルモンの転生者ではありませんので、勘違いしないで下さい。あくまで名前や容姿などが同じだけです。そして軌跡シリーズ全てをプレイした方達ならお気づきと思いますが、エステル達以外の空キャラが閃Uに登場しましたwwただ、活躍は今の所考えていません(オイッ!?)活躍するとしても第2部終盤のケルディックで起こるあのイベントの時くらいしか思いつかないですし…………

説明
第320話
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コメント
八神 はやて様 それはもうクロスベルよりも忙しいくらいとしか(汗) 本郷 刃様 原作にはありえなかった空キャラとのコンタクトですww(sorano)
まぁカファルーは魔獣の一種とはいえカテゴリーは魔神ですけどねw そしてアガットさんの登場、ここから空の軌跡のキャラとも関わりが出来そうですね!(本郷 刃)
重剣・・・・ということはアガットさんですね?・・・・それにしても常駐しているメンバーとリベールからの応援の遊撃士達でも捌き切れないか・・・他の国からも応援の遊撃士を呼ぶべきですね・・・・一体どれほどの依頼が来ているのやら(八神 はやて)
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