英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜
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〜双龍橋・線路〜

 

「やっと、外に出れましたわね……」

「ふう、狭かったぁ……って、ここは……!」

「大陸横断鉄道の線路……!こんな所に通じていたのか。」

「やっぱり……でも、これで道は開けたね。」

「そ、それはいいが、さっきのフードの男は……?」

マキアスの指摘を聞いたリィン達は周囲を見回したが謎のフードの男はどこにも見当たらなかった。

 

「見当たらないな……どこに消えたんだ?」

「ええ……気配も感じられません。………俺達”Z組”のことを知っていたのは気がかりですが……今は橋を越える事に集中したほうがよさそうですね。」

「……だね。怪しい男だけど、今のところ敵意は悪意は感じなかった。」

「もしかして、このダクトを僕達に教えようとして……?」

「と言う事は、あの人、わたくし達の味方なのでしょうか……?」

「ふう、さすがにそれは楽観的すぎるでしょ。」

リィン達と共にフードの男の事について推測したエリオットとセレーネの推測を聞いたセリーヌは呆れた表情で指摘した。

 

「とにかく、ここを通れば要塞内に忍び込めそうだな。」

「ああ、橋の方からも死角になっているみたいだ。このまま線路伝いに侵入しよう。」

その後リィン達は線路伝いに橋を越えて建物の中に入って行ったが、その様子を遠くからフードの男が見守っていた。

 

「――ふふ、行ったみたいですねぇ。私が手伝えるのはここまで……後は君達次第でしょう。無事に道を拓けるよう……女神(エイドス)にお祈りしていますよ。」

フードの男は口元に笑みを浮かべた後その場から去って行った。一方建物内に入ったリィン達は遠くにいる多くの機甲兵が積んで、連結してある貨物列車を見つけて立ち止まった。

 

(あれは……!)

リィン達がそれぞれ身を隠している中、貨物列車は出発し、その様子を領邦軍が見守っていた。

「―――”機甲兵”部隊、間もなく配備完了します!」

「フン、準備は整ったようだな。”対機甲兵戦術”もここまで……今回の作戦で一網打尽にしてくれる。―――アルバレア公爵閣下からも早急に片付け、メンフィル帝国軍の襲撃に備えよとの命を賜っている!例の”助っ人”も投入し、反逆者どもを徹底的に叩き潰せ!」

部下の報告を聞いた隊長は鼻を鳴らして指示をし

「イエス・サー!」

指示をされた兵士達はそれぞれの行動に移った。

 

「くっ……横断鉄道方面はかなりの緊張があるようだな。”機甲兵”も相当な数が投入されているみたいだし。」

「ああ、トリスタ方面でも配備されているのを見たけど……正規軍との戦闘がそれだけ激化しているということか。」

「父さん……無事だといいけど。」

マキアスとリィンの会話を聞いていたエリオットは不安そうな表情をした。

 

「……あまり心配するな。お前の親父さんなら大丈夫さ。なんたってあの”紅毛のクレイグ”だからな。」

「実際、第四機甲師団は何度も機甲兵部隊を撃退してるみたい。」

「そのぶん貴族連合もムキになってるっぽいけど。」

「それと……領邦軍もメンフィル帝国軍を警戒しているのは、気になりますわよね……」

「ああ……恐らく、街道に展開しているメンフィル帝国軍の拠点に気付いて警戒し始めているんだろうな……」

セレーネの言葉に頷いたリィンは真剣な表情になり

「ったく、アルバレア公爵は一体何を考えているんだよ……そんな事をしたら更に火に油を注ぐようなものだぞ?」

トヴァルは呆れた表情で溜息を吐き

「フン、どちらにしろ急いだ方がよさそうね。」

セリーヌは鼻を鳴らして静かな表情で呟いた。

 

「ああ……このまま線路を辿っていけばいいんだな?」

「ん、この先で貨物整備用の単線に分かれている筈。」

「よし……見つからないように気を付けて進もう。」

その後リィン達は線路伝いに双龍橋を越え、ガレリア要塞へと続く街道の脇道まで抜ける事ができた。

 

〜ガレリア間道〜

 

「ふう……何とか”双龍橋”を抜けられたみたいだな。」

「ええ……線路を走っている時は列車がいつ来るのか、ドキドキしていましたわ……」

リィンの言葉に頷いたセレーネは安堵の表情で溜息を吐いた。

 

「この先がガレリア要塞方面に繋がっているんですね?」

「ああ、”ガレリア間道”……前に仕事で通ったこともある。舗装はされているがそれなりに険しい丘陵地帯でな。大陸横断鉄道が通ってからは、ほとんど裏道になっている場所だ。」

マキアスに尋ねられたトヴァルは懐かしそうな表情をしながら答えた。

 

「内戦が始まってからは完全に封鎖されてるっぽい。貴族連合に見つかる心配はかなり少ないと思う。」

「とりあえず一息か……まだ道のりは長そうだけど。でも、遊撃士っていうのはやっぱり大変そうですね。仕事とはいえ、こんな裏道にまで入るなんて。」

「ハハ、依頼さえあればな。昔やってた仕事と比べりゃずいぶんとマシになっ……って、その話はいいか。」

途中で言うのを止めたトヴァルの話が気になったリィン達はそれぞれ首を傾げた。

 

「えっと……?」

「どうして、途中で話すのを止めたのでしょうか?」

「微妙に気になるんですが……」

「いやまあ、大した話じゃないさ。……コホン、とにかく。要塞まではかなりの距離があったはずだ。魔獣も徘徊してるようだし、慎重に進んでいくとしようぜ。」

「ええ、了解です……!」

「何とか父さんたちのところに辿り着かないとね……!」

そしてリィン達がガレリア間道に向けて歩きはじめている中、その様子を崖の上から二人の人物達が見守り

「……………………?………………」

何かの気配に気付いたフィーは崖を見上げたが、そこには誰もいなかったが、フィーは真剣な表情で崖を睨んだ後リィン達と共にガレリア要塞に向かい始めた。

 

 

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閃U序盤で出て来たフードの男の正体を知った後に思ったのですが……フードの男はダクトを通らずに”自分の能力”であの場から消えたのだと思っています。あのキャラが見せた能力の一端を考えれば可能だと思いますし(汗)

説明
第327話
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コメント
本郷 刃様 トビーの時代はどんな修羅場をくぐってきたのでしょうねww ジン様 それ、洒落になりませんよ(汗) THIS様 逆にそれが英雄の証かと(激怒)”英雄色を好む”ですし…… kanetosi様 ヴァイスやリウイも超える勢いですものねぇ(sorano)
まさにリィンラバーズか・・・リィン恐ろしや・・・(kanetosi)
↓本当ですよ。ここまで罪なのが英雄の証といえるのか!_(THIS)
今思ったんですけどリィンって無自覚にフラグを立てるじゃん(怒)、それでリィンはおそらく神格者になるじゃん、そうすると不老じゃん、そうするとそのうちリフィアの孫とかを堕として嫁に加えそうなんだけど(激怒)(ジン)
トヴァルもそれなりに修羅場は潜っていますからね、色々と大変だったという(本郷 刃)
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