奇抜な三人と悪魔が恋する深い夜 プロローグ
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 人間はとても我儘だ。なんでも自分中心に物事を考えて、喋りたがり、行動したがる。自分と違う事を言う奴を悪と勝手に決め付け、自分が正義だと無意識に思い込む。正しい事なんて何も無いのに……人間はどれだけ我儘で勝手なのだろうか。

 

 だけど、そんな子供のような発想を死ぬまで持ち続ける人間共は嫌いじゃない。自分より劣っている者を「子供」と言う奴らの愚かさがとても面白いから私は好きだ。誰かが言いだした「大人」と呼ばれる種類の人間なんて存在しない。

 

 だって……所詮、俺らは大きくなっただけの子供だから。子供と言う言葉に色々能力が備わって大きくなった人間を世間では「大人」と言う。そして、「大人」になると無意識だが、必死に探し求める一人がいる。

 

 あたしはきっと、その一人を探し求めているのだろう。六十億も居る人の中から一人だけを見つけ出す……誰も気づかないけど、誰もがその一人を見つける為に必至に生きている。だから、どんなに挫折しても人は明日に向かって生きていこうと考える。その感情の中身は希望に満ち溢れている。人は挫けてもすぐ希望を持てる変わった生き物。

 

 そんな変わった生き物が存在していて良いのだろうか? いっその事、地球から……いや、もう「人間」と言う言葉と存在そのものを消してしまって良いのではないのか? 俺はそう思う。罪のない生き物を殺しているのに自分たちが何かに襲われ、命の危機に陥った時は命乞いをする。どれだけ愚かなのだろうか……見ていると悲しくなってくる。

 

 偶に私の中に湧き上がるこの思考。人と言う生き物は存在して良いだろうか。消してしまった方が良いのだろうか。けど、その術を私達は知らない。その術を誰かが言い出しても自分から望む人なんていない。消えたくない! 死にたくない。とか見るも無惨な命乞いをするに違いない。その光景はとても醜くて、目の裏に焼き付くのだろう。

 

 そんな光景がいつか来るなら俺は命乞いをしないで消えていきたいと思う。誰かが敷いたレールからはみ出したいとかそう言った訳じゃ無い。どうせ消えるなら、潔く消えた方がキレイじゃないか。その時、願いが一つ叶うなら確実に、俺が必死に探し求める人の隣で消える事を願うだろう。生き残りたいなんて思わない。

 

 あたしが最期を迎える時は、誰かに看取られて亡くなりたいだとか、そんな誰かが悲しむ様な事を言いたくないし、思いたくもない。だって、どちらかが先に居なくなったら残された方が寂しいだけだから。そんな悲しみなんて本当は要らない、だから……いつか巡り合う事を信じて必死にあたし達は皆、探している。

 

 最も距離の要らないもう一人を。

説明
とある高校を舞台にした素人の書くライトノベル
天宮 慧と光坂 唯。そして生徒会長神前の3人が主要人物。

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