英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜
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〜ラクリマ湖畔〜

 

「待って!」

「ミルモ?どうかしたのかしら?」

突如自分から出て来たミルモを見たアリサは不思議そうな表情で首を傾げた。

 

「う、うん……えっと、リィン。リザイラ様を呼んでくれないかな?」

「リザイラを?わかった。――――リザイラ!」

「私に何か用ですか、ミルモ?」

リィンに召喚されたリザイラはミルモに問いかけた。

 

「お願いします、リザイラ様!わたしを”昇格”させて下さい!」

「へっ!?」

「しょ、”昇格”って……!」

「”昇格”……ミルモがリィン達が最初に出会った時の姿から今の姿になった時のあの光景か。」

「えっと、一体何なのでしょう、その”昇格”というのは………?」

ミルモの願いを聞いたリィンとアリサは驚き、ガイウスは考え込み、セレーネは戸惑い

「……………自ら”昇格”を望む理由を聞きましょうか。」

予想外のミルモの頼みに少しの間呆けて固まっていたリザイラはすぐに気を取り直して真剣な表情で問いかけた。

 

「はい……トリスタでアリサがリィンと悲しい別れをした時、わたしはアリサを守る”守護精霊”なのに何もしてあげられませんでした……アリサが2度と悲しまない為にもわたしはアリサを守る”力”がもっと欲しいんです!」

「………………」

「ミルモ…………ありがとう、その気持ちだけで十分よ。それに今のミルモでも私は十分助かっているわ。」

ミルモの話を聞いたリィンは辛そうな表情をし、アリサは呆けた後優しげな微笑みを浮かべた。

 

「ありがとう、アリサ。でもわたし、決めたの。わたしの大好きな人に”幸せ”になってもらう為にもっと強くなろうって……!」

「ミルモ……」

「おおおお〜……!ミルモ、カッコイイね♪」

「………ミルモさんの気持ち、私もわかります。」

「……僕もです。もっと強かったら何とかできたかもしれない場面もあったと思います……」

ミルモの決意を聞いたアリサは呆け、ミリアムは尊敬の眼差しでミルモを見つめ、クレア大尉とエリオットは静かな表情でミルモを見つめた。

 

「それで?その精霊に新たな”力”を与える事については貴女はどう思っているの?幾ら貴女が精霊達を束ねる存在で精霊に新たな”力”を与える事ができるとはいえ、そんな簡単にホイホイと与えられるものじゃないのでしょう?」

「それは……」

セリーヌの指摘を聞いたリィンは複雑そうな表情でリザイラを見つめた。

 

「……………………ミルモ自身は今までの”特別実習”とやらでの戦闘や、その際に何度も起こった激戦を貴方達と共に潜り抜けた経験のお蔭なのか、短期間でありながら”昇格”が可能な経験は積んでいます。―――ですが一つだけ確認したい事があります。アリサ、貴女に一つ尋ねてもよろしいでしょうか?」

「わ、私!?一体何なの……?」

リザイラに突如名指しされたアリサは驚いた後戸惑いの表情でリザイラを見つめた。

 

「……次のミルモの”昇格”は”最上位昇格”―――つまり私のような王族種を除けば精霊達を束ねる存在である”最上位種”―――貴女達人間に例えるならば”貴族”に値する精霊へと”昇格”する事になります。」

「ええっ!?精霊の”貴族”!?」

「ミ、ミルモさん、そんなに偉くなるんですか……」

「それに最上位クラスの精霊となると相当な”力”を持っているのでしょうね。」

リザイラの話を聞いたエリオットは驚き、セレーネは呆け、セリーヌは目を細めてミルモを見つめた。

 

「リザイラ、その最上位クラスの精霊にはどのくらいの”力”を秘めているんだ?」

「そうですね……―――”機甲兵”、でしたか。最低でもあの人形の数体は一人で余裕で葬れる程の”力”はあります。」

リィンに問いかけられたリザイラは考え込んだ後真剣な表情で答え

「あの”機甲兵”――――しかも数体をたった一人で…………!」

「ほえええええ〜!?最低でも機甲兵数体を余裕で撃破できる強さって、滅茶苦茶強いじゃん!」

「”精霊”の力が偉大な証拠だな……」

クレア大尉は信じられない表情をし、ミリアムは目を丸くして驚き、ガイウスは静かな表情でリザイラとミルモを見つめた。

 

「…………それで私に聞きたい事って何?」

信じ難い話の連続に口をパクパクして絶句していたアリサは我に返って真剣な表情でリザイラに尋ねた。

「そのような絶大な”力”を持ったミルモを貴女は”どう使役する”つもりなのですか?ミルモは貴女の指示一つによって戦場の戦況を変えられる程の”力”を手に入れるのですよ?」

「リザイラ………………」

アリサを試すような視線で問いかけるリザイラの問いかけにリィンはリザイラの意図―――絶大な”力”を得たミルモをアリサが”兵器”のように使わないか心配している事に気付いて真剣な表情をした。

「―――――その問いかけ、最初から間違っているわよ。」

「?どういう事ですか?」

そして静かな表情で自分を見つめるアリサの指摘にリザイラは不思議そうな表情をした。

 

「私はミルモを今まで”使役”した事はないし、これからもそんなつもりは一切ないわ。私にとってミルモはかけがえのない”友達”よ。確かに”契約”しているから形式上は主従の関係だけど、私とミルモは”対等”な友達よ。戦闘の時は私がお願いする形でミルモに”協力”してもらっているだけ。」

「アリサ………」

「…………………」

アリサの話を聞いたミルモは嬉しそうな表情でアリサを見つめ、リザイラは真剣な表情でアリサを見つめ続けていた。

「だから……”友達”を”兵器”のように”使役”するなんて間違った事は絶対にしない!例えどんな苦しい戦いになっても、私は絶対にミルモに任せっきりにしないで、一緒に戦うわ!」

「アリサ………!」

「えへへ……それは僕達も同じ思いだよ!」

「ええ……!それにアリサさんやミルモさんにはわたくし達がいますわ……!」

「……アリサだけでなく、ミルモもオレ達にとって大切な”仲間”だ。」

「そーそー!ボク達だって、そんな酷い事は絶対にしないよ!」

決意の表情をしたアリサの答えを聞いたリィン達は明るい表情をし

「ったく、相変わらず暑苦しい連中ね。」

「フフッ、さすがこれまでの苦難を共に解決して来た”Z組”ですね……」

その様子を見守っていたセリーヌは呆れ、クレア大尉は微笑んでいた。

 

「……………ふふふ、ミルモ。貴女は本当に恵まれていますね。”決意”と言う名の”光”を力強く輝かせ続ける人間と共に生きてきたのですから。」

アリサ達の決意を見て呆けていたリザイラは優しげな微笑みを浮かべてミルモを見つめ

「えへへ……でもそれはリザイラ様も同じですよね?」

リザイラに微笑まれたミルモは微笑み返し

「ふふふ、まさかミルモに一本取られる日が来るとは。――――いいでしょう。貴女達が私が求めていた以上の”答え”を出した事を評してミルモを”昇格”させます。――――精霊達よ!我らが同胞に新たなる力を!!」

リザイラは静かな笑みを浮かべた後ミルモの頭上に両手をかざして膨大な魔力を解放した。するとミルモは強烈な光に包まれた!

 

「クッ……!」

「わわっ!?」

「キャッ!?」

「ッ!?」

(ミルモ……!)

突然の出来事にリィン達が驚いて目を閉じている中、アリサは両手で目を庇いながら光に包まれたミルモを見つめ続けた。そして光が消えるとそこには”精霊”とは思えない姿―――まるでおとぎ話などに出てくる”戦乙女”のように甲冑を身に纏い、背中には一対の白き翼があり、光の弓を武器として持ち、リィン達と大して変わらない身体の大きさの姿へと変貌し、雪のような白い髪を一束に束ねて腰まで靡かせているミルモの容姿を残した美しい容姿を持つ謎の種族が現れた!

 

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と言う訳でミルモ、まさかの”昇格”で強くなりましたwwちなみに文章の通り、パズモと同じ”ルファニー”じゃないですよ?天秤をやった人ならわかるかもしれませんねww

説明
外伝〜ミルモの願い〜前篇
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コメント
ジン様 ヤメロ!本当にそうなるだろうが!?メヒーシャという例もありますし 本郷 刃様 まあ、昇格するとしたら今のタイミングしかないかと思いましたので THIS様 次回、その存在がわかりますww K'様 さあ、どうなることやら(sorano)
ここで味方がパワーアップとは原作以上の強敵が出てくる予感がしますね。(K')
・・・まじですか?たんなる上位ではなく、とんでもない存在になっていません!?(THIS)
お、ミルモの昇格イベントでしたか、これは嬉しいですねw(本郷 刃)
そしてミルモもそのうちリィンに抱かれるんですねわかります(怒)(ジン)
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