英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜
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〜監視塔・屋上〜

 

「いやああああああああああああああああああ――――――ッ!?」

「グアアアアアアアアア―――――――――――――ッ!?」

「い、一体何が起きているの……?」

「霧が二人を包み込んだ後、突然苦しみ始めたけど……」

悲鳴を上げて苦しみ続けているアルティナとブルブランをアリサは戸惑いの表情で見つめ、エリオットは不安そうな表情でリザイラに視線を向けた。

 

「――――”幻術”ね。恐らくあの二人はリザイラがあの二人にかけた幻術によって、強烈な”幻”―――ようは”悪夢”を見せられているんだと思うわ。」

「”幻術”に”悪夢”…………」

「ほえええええ〜!?」

「そ、そんな事までできたんですか、リザイラさん……!」

「な……まさか”幻術”まで扱うとは……!」

セリーヌの推測を聞いたガイウスは考え込み、ミリアムとセレーネは驚き、クレア大尉は信じられない表情をした。

 

「ふふふ、そうです……もっと泣き叫び、苦しみ、絶望を思い知りなさい………!そしてこの美しい大自然の破壊を望んだ”罪”がいかに愚かで重い”罪”なのか、その身にしかと刻み込みなさい……!ふふふふふふ……!」

一方リザイラはサディスティックな笑みを浮かべて笑いながら苦しみ続けている二人を見つめ、その様子を見たリィン達は冷や汗をかいて表情を引き攣らせ

(うふふ、ドSのリザイラを怒らせたあの二人は御愁傷様よね〜。)

(ア、アハハ……ちょっと可哀想に思いますけど、自業自得ですね。)

(というかリザイラ自身の怒りの割合の方が高いように見えるわよね。)

ベルフェゴールはからかいの表情になり、メサイアとアイドスは苦笑していた。

 

「あ、あわわわわわわっ…………!?あ、あんな風に怒っているリザイラ様、初めて見たよ……!」

「これが精霊の……自然の”怒り”か……」

「……そうかしら?アタシはあの精霊王の私的な怒りによる制裁だと思うけど。」

ミルモは表情を青褪めさせて身体をガタガタ震わせ、重々しい様子を纏ったガイウスの言葉を聞いたセリーヌは呆れた表情でリザイラを見つめ

「き、気のせいでしょうか?ごく最近同じような光景を見た記憶があるのですが……」

「アハハ……ガレリア要塞でベルフェゴールが西風の旅団の猟兵達を操って同士討ちさせている所を見て笑っていた事だよね?」

「ほえええええ〜!?そんな事があったんだ!」

表情を引き攣らせているセレーネの言葉にエリオットは苦笑しながら答え、それを聞いたミリアムは驚き

「そ、その……日々苦労していらっしゃるでしょうけど、その苦労に見合う心強い異種族の方達と”契約”しているのですね、リィンさん。」

「ううっ……慰めてくれてありがとうございます、クレア大尉…………ハア………………」

困った表情で自分を見つめて慰めの言葉を送るクレア大尉の言葉を聞いたリィンは疲れた表情で溜息を吐き

「というか楽しんでいる暇があったら私達の動きを止めているコレを何とかしてよ〜!?」

アリサは呆れた表情でリザイラを見つめて声を上げた。

 

「ふふっ、でしたら私がリザイラ様の代わりにお嬢様達の拘束を解いて差し上げますわ。」

するとその時聞き覚えのある女性の声が聞こえて来た!

「……え……!?」

声を聞いたリィンが驚いたその時、突如鋼糸がリィン達の影を止めていた短剣を次々と抜き、リィン達は自由に動けるようになった!

 

「わわっと……!?」

「糸……!?」

「おや、貴女は……」

突然の出来事にリィン達は驚いて鋼糸が来た方向を見つめ、リザイラもつられるように視線を向けるとなんとそこにはシャロンがリィン達を見下ろしていた!

 

「あ、あれは……!!」

「シャ、シャ、シャ……――――シャロンッ!?」

そしてアリサが信じられない表情で叫んだその時、シャロンは飛び降り、リィン達の前に着地してスカートを摘み上げて恭しく頭を下げた。

 

「アリサお嬢様、お迎えにあがりました。Z組の皆様も、お変わりなくて何よりですわ。」

シャロンは驚いているリィン達に微笑み

「ガハッ!?ハア……ハア……ムッ!?」

「はあ……はあ……夢……………?」

リザイラがシャロンに気を取られた事によって幻術の効果が切れたブルブランとアルティナは息を切らせていた。

 

「クンクン……ん〜?何か匂わない??」

「へ?……あ、あれ?こ、この匂いってもしかして……」

ミリアムの言葉に首を傾げたエリオットは鼻をかがせるとある匂いに気付いて困った表情をし

「うふふ、どうやらそちらの方が粗相をされたようですよ?」

シャロンは微笑みながらアルティナを見つめた。

「へ……」

そしてシャロンの言葉に呆けたアリサがアルティナを見つめるとアルティナは何といつの間にか失禁していた!

 

「あー!おもらししている〜!君、見た所ボクと大して変わらない年齢だよね〜!?それなのにまだおもらしなんてするんだ〜!」

「〜〜〜〜〜〜っ!!!」

「そ、そのミリアムちゃん。あまり彼女を追い詰めない方が。それに恐らく相当恐ろしい悪夢を見せられたのでしょうから、仕方ないと思います。」

無邪気な笑顔を浮かべているミリアムに見つめられたアルティナは顔を真っ赤にして怒りの表情で唇を噛みしめてミリアムを睨み、その様子を見たクレア大尉は困った表情でリザイラに視線を向け

「ふふふ、失禁する程度で終わるとは残念です。人格を一度破壊し、一から躾け直そうと思っていたのですが。」

「う……あ……っ!?」

「リ、リザイラ様……」

「そこまでやるのは幾ら何でもやりすぎだろ……」

サディスティックな笑みを浮かべるリザイラの口から出た凶悪な言葉を聞いたアルティナは恐怖の表情で悲鳴を上げて表情を青褪めさせて身体を震わせ、その様子を見ていたミルモとリィンは冷や汗をかいて表情を引き攣らせた。

 

「ククク……ハハ……ハーハッハッハッハ!」

一方シャロンに気付いたブルブランはすぐに立ち上がって高笑いをした。

「まさかこのような異郷で君と再会できるとは。これも女神の……いや、大いなる主(マスター)の導きかな?執行者No.]――――”死線”のクルーガー!」

「ふふ……そのどちらでもありませんわ。ラインフォルト家に仕える忠実なる使用人として……お嬢様の危機に駆け付けるのは当然のことですから。」

ブルブランの問いかけに対し、シャロンは冷徹な視線でブルブランを見つめた後苦笑した、

 

「シャロン……」

「わたしもシャロンを見習わなくっちゃ!」

「え、えっと……ちなみにどこを見習うのですか?」

「あはは、相変わらずだねー。」

「ですが……おかげで助かりました。」

シャロンの答えにアリサが嬉しそうな表情をしている中、ミルモの言葉を聞いたセレーネは冷や汗をかき、ミリアムは無邪気な笑顔を浮かべ、クレア大尉は安堵の表情でシャロンを見つめた。

 

「フフ、今はラインフォルト家に捧げられているというわけか。君の大いなる”愛”と”献身”は?」

「ええ、”結社”での使命よりも優先しているだけのこと。それ以上でも、以下でもありません。」

「クク、なるほど―――ヨシュアやレーヴェと同じ道を選ぶつもりではないようだね?」

「フフ……彼らのように後戻りできる身ではありませんから。ですが、貴方の”美”がわたくしの大切な方々を傷つけるつもりならば―――」

ブルブランの言葉に寂しげな表情で答えたシャロンは目を伏せた後身体を一回転させて片手に大型の軍用ナイフを、もう片方の手には鋼糸を構えた状態で膨大な殺気をブルブランをアルティナに向け、不敵な笑みを浮かべた!

 

「”容赦なく、一片の慈悲もなく”断ち切らせていただきましょう。」

「ひっ……」

「シャロンさん、凄く怖いです……」

「シャロン……」

シャロンの殺気を帯びた不敵な笑みを見たエリオットとセレーネは怖がり、アリサは不安そうな表情をした。

 

「ハハハ、それでこそ”死線”の忌名に相応しい!いいだろう、ならば私も”怪盗”としての全てを――――」

「―――貴様ら、そこで何をしている!?」

シャロンの答えに高揚したブルブランが戦闘を再開しようとしたが、空から突如聞こえて来た声に制止された。

 

声に驚いたリィン達が声が聞こえた方向を見つめると軍用飛行艇がリィン達の目の前にいた。

「しまった……!」

「貴族連合の軍用艇………!」

「戻って来てたのか……!」

軍用飛行艇の登場にリィン達が血相を変えると、監視塔の敷地内に機甲兵が現れた!

 

「監視塔に侵入するなど小賢しい真似を……!そこを動くな!ひっ捕らえてくれるわ!」

「き、機甲兵まで……!」

「まずいですね……完全に包囲されたようです。」

「くっ……」

「あと少しで装置を止められるのに……!」

「頃合いですね。」

「やれやれ、なんと無粋な。しかしこれで君達も進退窮まったようだな?」

「―――いや。丁度いいタイミングだ。」

ブルブランの問いかけに対し、リィンは拳を握りしめて集中しながら答えた。

 

「ほう……!?」

「報告にあった―――」

「リィン、まさか……!」

「行けるんだ!?」

「ええ………霊力は十分なハズよ!」

「ああ……来い―――”灰の騎神”ヴァリマール!!」

そしてリィンは心強き相棒の名を叫び

「応――――!!」

リィンの呼びかけに応えたヴァリマールはリィン達の目の前まで飛んで行くと滞空した!

 

「おお……!何と美しい機体か!」

「あれが……”灰の騎神”ですか。」

ヴァリマールの登場にブルブランは喜び、アルティナは冷静な表情でヴァリマールを見つめた。

 

「―――軍用艇と機甲兵は俺達が引きつける!!ガイウス、みんな……ここをよろしく頼む!!」

「リィン……!?」

「まさか―――!?」

助走の構えをしたリィンを見たガイウスとミリアムが驚いたその時、なんとリィンはセリーヌと共に走りだした!

「ちょ、ちょっと!?」

そしてリィンとセリーヌが監視塔から飛び降りた瞬間、リィンとセリーヌは光に包まれ、ヴァリマールの中に入って行き、機甲兵達の前に降りて剣を構えた!

 

「灰色の騎士人形………!何故こんな場所に……!やはり正規軍と手を結んでいたのか!?」

「……そのつもりはない。だが、ノルドを脅かす存在を野放しにするわけにはいかない!」

機甲兵の問いかけに対して静かに答えたリィンは決意の表情で叫んだ。

 

「図に乗るなよ、小僧……!―――上空からも援護せよ!!”灰色の騎士人形”を討ち取り、我らがカイエン公に捧げるのだ!!」

「イエス・サー!!」

操縦士の指示により、軍用飛行艇も機甲兵の背後に滞空した。

「空の方にも注意しておきなさい!地上に気を取られてたら手痛い一撃を喰らうわよ!」

「ああ、わかってる!なんとかスキを見つけて一気に片付けるぞ!」

そしてヴァリマールは戦闘を開始した!

 

 

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同士討ちを笑いながら見ているベルフェゴールより人格破壊を考えていたリザイラの方がえげつないと思った方もいるかと思いますwwさすがはチートだらけのエウシュリーキャラの中でもドSの性格をしているキャラと言った所でしょうかww……まあ、それを言ったらリウイ限定で黒化したイリーナ(登場作品VERITAアペンド2.0)もそうですが(ガタガタブルブル)

説明
第348話
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コメント
ジン様&kanetosi様 皆さんアルティナにリィンのフラグがあると言っていますが別の意味のフラグがたちまくっている事をお忘れですか?(メンフィルにターゲットにされている件)本郷 刃様&完全ROM専様 闇ルートならこの時点で完全に壊れていますね(オイッ!) (sorano)
あ〜あ・・・リィンにフラグ建っちまった・・・(なぜかって?リザイラがリィンと契約していることを考えることだw)(kanetosi)
まぁ、これで壊れたら、話進みませんからね・・・。 間違いなくトラウマは残るでしょうが・・・(完全ROM専)
もうこれは責任を持ってリィンがアルティナを引き取るしかないね^^(ジン)
アルティナが予想以上の精神力でした、普通なら一発で“壊れる”と踏んでいたのですが・・・リザイラは完全に私的な恨みですねw(本郷 刃)
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