英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜
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〜監視塔〜

 

「………………」

二人が消え去るとクレア大尉は疲れた表情で仲間達と共に武器を収めて警戒を解いた。

「はあ……とんでもない相手だったわね。」

「だが……なんとか切り抜けられたようだ。」

「とにかく、今はあの装置を停止させてしまいましょう。これで高原における危機は一旦収束に向かうはずですわ。」

「ええ、そうね―――」

シャロンの言葉に思わず頷いたアリサだったがすぐにシャロンが自分達の目的を知っている事に気付いて突っ込んだ。

「って、何で私達の目的を把握してるのよ!?」

「ふふ、お嬢様のことならなんでもお見通しですから。」

「フフ、相変わらず変わりないですわね。」

その後リィンは仲間達と合流し、導力波妨害装置の解除を見届けた。それによって高原に展開していた貴族連合の部隊や猟兵達も帝国本土へと撤退していき……ゼンダー門の第三機甲師団も本土側に戦力が集中できるようになり、最大の危機を脱した。こうして……ノルド高原にもたらされた危機は一旦、終息へと向かったのだった。

 

〜ラクリマ湖畔〜

 

その後ノルド高原を去る事にしたリィン達はノルドの民達に見送られようとしていた。

「―――ノルドのおける戦火は当面、去ったと見ていいだろう。おかげで大切な故郷を手放す必要もなくなった。どうか礼を言わせて欲しい。」

「いえ―――大したことはしていません。」

「実際、完全に危機がなくなったわけじゃないしねー。」

「うむ、いまだ本土方面には貴族連合の軍が展開している。ゼンダー門が陥落すれば、再びこの地がどうなるかはわからぬだろう。」

ミリアムの言葉にゼクス中将は重々しい様子を纏って頷いた。

 

「ええ、今後も警戒を続ける必要があると思います。」

「それでも……やはり礼を言わせてくれ。故郷を危機から救えたのはリィン達のおかげだ。」

「ガイウス……」

「はは………だとしても、当たり前のことをしたまでさ。ノルドはエレボニア帝国にとっても大切な隣人であり兄弟―――力を貸すのは当たり前だろう?」

「リィン……」

「うんうん、そーゆーコト。」

「水臭い事を言う必要はありませんわ。」

「……ありがとう、みんな。本当に感謝してもし足りないくらいだ。」

仲間達の心強い言葉にガイウスは自然と微笑みを浮かべた。

 

「しかし、高原の危機はしばし去ったとはいえ……やはり帝国本土の状況は芳しくないみたいじゃのう。」

「ええ、ラインフォルト社のあるルーレ市も同様です。RF本社やザクセン鉄鉱山、ルーレ工科大学に至るまで……それらの主要施設は完全に貴族連合の支配下にあります。」

「そう、やっぱり……」

「ふむ……合点がいったわい。あの”導力波妨害装置”にしても工科大学で開発された形跡があった。おそらくは―――”シュミット”のヤツが関わっておるのじゃろう。」

シャロンの話を聞いたアリサが辛そうな表情をしている中、グエンは納得した様子で頷いた。

 

「シュ、シュミットって……もしかして―――”G・シュミット博士”ですか!?」

「エレボニア帝国における導力技術の”基礎”を作ったっていう……」

「小さい頃にお祖父様を通じて会ったことがあるけど………」

「うむ、ワシとは腐れ縁だがいけす好かんヤツでな。おそらくあの”機甲兵”や貴族連合の巨大飛行戦艦にも一枚噛んでおるんじゃろう。というか、あれほどのものを完成させられる技術者をワシはあやつ以外は知らん。」

「へー、グエンじーちゃんがそこまで言うくらいなんだ?」

「なんかとんでもないジイさんみたいね。」

グエンの話を聞いたミリアムは目を丸くし、セリーヌは真剣な表情をした。

 

「……でも、どうしてシャロンがそんな時にこんな所へ?内戦が始まってからはルーレに戻ったんでしょう?シャロンがいれば、母様だってきっと安心だったでしょうに……」

「ふふ、お嬢様の居場所がやっと掴めましたので。それに……会長の指示でもありましたから。」

「母様の指示で……!?」

「ええ、しばらくお嬢様たちのお手伝いをするようにと。ルーレを出て以来、会長との連絡は付かなくなってしまいましたが……」

「…………」

シャロンの説明を聞いたアリサは不安そうな表情で黙り込んだ。

 

「アリサ……」

「……ううん、大丈夫。あの母様だもの……きっと無事でいると思うし。今は自分自身のやるべきことをやっていくわ。いつか母様と約束した……自分の”道”を示すためにも。」

「お嬢様……」

「うむ、それがよかろう。」

アリサの決意をシャロンは驚きの表情で見つめ、グエンは静かな表情で頷いた。するとその時何かの駆動音が聞こえて来た!

 

「この音は……!」

「!まさか……!」

音を聞いたシャロンとクレア大尉が血相を変えると何と軍用艇、機甲兵、そして猟兵の混合軍がラクリマ湖畔に近づいてきた!

 

「貴族連合軍……!?撤退したはずでは……!」

貴族連合の登場にセレーネは信じられない表情をし

「クッ、撤退したと見せかけて本土からの援軍と合流し、迂回してこちらに来たのではないでしょうか……!?」

「―――恐らくそうだろうな……しかし、何故ゼンダー門に攻撃せず、こちらに来たのだ……!?」

副官の推測に頷いたゼクス中将は厳しい表情で貴族連合を睨みつけた。

 

「―――見つけたぞ、”灰の騎神”!今度こそ我らがカイエン公の為にその命、もらい受ける!そして賊軍に手を貸す原住民もこれを機会に滅ぼしてくれる!」

「何ですって!?」

「待て!―――手を出すなら我ら正規軍だけにしろ!彼らは正規軍とは無関係だ!」

「不味いわね……ヴァリマールはさっきの戦いで大分消費したし、さすがにあの数相手は……!」

「クッ……!」

機甲兵から聞こえて来た操縦士の声を聞いたアリサは驚き、ゼクス中将は厳しい表情で声を上げ、セリーヌとリィンは唇を噛みしめ

「………………」

「に、にいちゃん……」

「ふえ……」

「クッ……どうすればいいんだ……!?このままではみんなが……!」

ラカンは厳しい表情で黙り込み、ガイウスの妹達は不安そうな表情をし、ガイウスは唇を噛みしめたその時、突如先頭の機甲兵の部隊の足元から巨大な竜巻が発生した!

 

「うおっ!?」

「な、なんだ……!?」

突如発生した竜巻に機甲兵が驚いたその時!

「…………………」

リザイラは怒りの表情で全身から溢れ出るような膨大な魔力を纏いながらリィンの傍に現れて貴族連合を睨みつけていた。

「リ、リザイラ!?まさかあの竜巻はリザイラなのか!?」

「ええ。――――ご主人様、あの愚か者達は”私達が全て滅します”ので貴方達はそこで”私達”――――”精霊達と自然の怒り”がどのようなものなのか、しかとその目に焼き付けなさい。」

「え……」

「それは一体どういう意味なのでしょうか……?」

リザイラの言葉にリィンは呆け、セレーネは不思議そうな表情で尋ねたその時!

 

「―――”精霊王女”リザイラの名の下に今こそ集え!”リスレドネー”の精霊達よ!!」

リザイラが全身から膨大な魔力を解放して叫ぶとリザイラの背後の空間が突如歪んだ後、何と様々な精霊達の軍団が次々と現れた!

 

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今回の話で驚いたと思いますが、リザイラの活躍は”まだ”終わっていませんwwここから”精霊王女”としての力を存分に震いますwwなお、精霊達が現れる際のBGMは閃Uの”Awakening”だと思って下さい♪それと関係のない話ですがシルフェニアの18禁版にまた18禁話を投稿しました。なおカップリングは3rdのベルゼビュート神殿時のリウイ×シルフィエッタです。ちなみにいずれ3rd終了後のシルフィエッタの処女verも書こうとは思っています

説明
第350話
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コメント
八神 はやて様&本郷 刃様 リザイラの大活躍まであと少し!!(sorano)
おぉ、リザイラが怒りをまき散らすんですね、ご愁傷様としか言えないw(本郷 刃)
リザイラの蹂躙劇が今・・・始まります!!!(八神 はやて)
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他エウシュリーキャラも登場 幻燐の姫将軍 空を仰ぎて雲高くキャラ特別出演 閃の軌跡U 

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