真恋姫無双 舞い降りし剣姫 第三十一話
[全5ページ]
-1ページ-

〜雪蓮視点〜

「まさか、あの娘がこんな手を使ってくるとはね〜」

呆れたというか、感心したというか、どう反応したら良いのかしら

「姉様、空の徐州を取りに行きましょう!」

蓮華はまだ状況判断が未熟ね

「蓮華様、徐州を落とせば袁紹とぶつかります

 今、袁紹と戦っては負けか勝っても消耗が大きすぎます

 どちらにしろ曹操が後に攻めて来て終わりです

 今は袁術より取り戻した領地の安定と南の豪族の平定を優先するべきです」

「冥琳の言う通りね

 南の豪族の平定は蓮華、貴方が行きなさい

 軍師として穏と亜紗をつけるわ

 将は思春と明命が行きなさい

 蓮華、貴方が名実共に独り立ち出来た時こそ孫呉が飛躍する時

 これは、その一歩 貴方の名をこの戦で上げなさい」

「はい!」

 

「孫策様、劉備からの使者が参っております」

劉備から?一体何かしら

勘で言えばくだらない事なんだけどね

取り敢えず、会ってみましょう

-2ページ-

〜鞘華視点〜

「北郷様、劉備からの使者が参っております」

劉備から?一体何かしら

取り敢えず、会ってみるかな

 

「お初に御目にかかります

 劉備様の遣いで諸葛亮と申します

 本日は劉備様よりの書状を届けに参りました」

そう言って私に書状を渡す

一読しての感想は「話にならない」

内容は、劉備が漢王朝の復興を掲げ皇帝の名代となった

荊州州牧の北郷一姫も上洛して臣下として拝謁せよ

さもなくば朝敵とみなす 要約するとこんな感じだ

「ご返答はいかに?」

諸葛亮が訊いてくるが、分かって言ってるんじゃないの

書状を横に立っている静里に渡しながら

「劉備に伝えなさい

 寝言は寝て言いなさい

 こんな戯言に従う莫迦はいない とね」

「戯言とは何です

 劉備様は漢王朝の復興を掲げた皇帝陛下の名代

 そのお言葉を戯言とは無礼極まります」

諸葛亮が語気を荒げるがどうも芝居がかっている

「貴方は私がこう言うであろう事を予測していたのでしょう

 ならば、此処で論戦の真似事をしても意味が無いわ

 予測に従った行動を取る為に早く帰る事ね

 本当に話し合いたいなら劉備か一刀殿を此処に来させなさい」

諸葛亮が退出して行くのを静里が追って行った

-3ページ-

〜静里視点〜

「朱里」

「静里お姉さん」

建物を出た所で声をかけた

「訊きたいことがあります

 劉備殿は理想を捨てたのですか、それとも違えたのですか?」

「どちらでもありません

 ただ、現実を見た場合他の選択肢が無かったのです」

少し感情を押し殺したような声の答えに苦悩が見て取れます

「もう一つだけ訊きます

 何故、同盟ではなく恭順の強制に来たのです?

 拒否されるのは解っていたでしょう」

「詳しく此方の内情は言えません

 ただ、臣下の意思統一が出来なかったからと答えておきます」

つまり、臣下の誰かが同盟を反対したから恭順を強制してきた という事ですか

その臣下が誰かは兎も角、愚者としか言えない人ですね

「朱里、これ以上は訊きません

 ただ今は道を違えてしまっているけれど、貴方も雛里も私の可愛い妹弟子であることは変わりません

 それだけは忘れないで」

「はい、またお会いしましょう」

(それが、戦場でなければ良いのだけれど)

朱里もそう思っているでしょうね

-4ページ-

〜鞘華視点〜

次の日華琳からの使者が来た

よく使者が来るわね

その使者の内容は援軍の要請だった

河北四州と徐州を支配した袁紹が華琳の所に攻めて来た

それを官渡で迎撃するから援軍を出して欲しいとのことだ

その援軍には話しもしたいから私も参加するように と注文まで付いていた

「分かったわ、疾風さんと静里も同行して」

華琳と共闘して袁紹を迎撃する事に異論は出なかった

翌日許昌へ向けて私達は出立した

兵は騎兵を1万

 

許昌に着いた私達は謁見の間に向かう途中で懐かしい顔に出会った

楽進、李典、于禁の三羽烏だ

久しぶりと挨拶をし、李典がもったいぶっている秘密兵器の話になった

「でも、門から出られるの?」

「あ」

そんな話をしてから華琳の元へ向かう

 

「久しぶりね 鞘華」

「虎牢関以来ね 華琳」

真名を呼び合いながらの挨拶

「出陣は明日よ

 今日は休んで頂戴

 ところで貴女の所に劉備から使者は来たの?」

「ええ、劉備が増長したのか臣下が暴走してるのか

 あんな莫迦な戯言を真に受ける莫迦はいないでしょう」

私の答えに華琳が怪訝な顔をする

「そう?同盟を結んで漢と領土を分かち合う

 莫迦な戯言とは言い切れないんじゃないの」

「え、私達の所には上洛して臣下として拝謁しろ

 つまり、恭順しろと言って来たわよ」

どうやら、劉備は私達を敵とみなしている

拒否されるのが解っている条件を出して朝敵を討つ、との大義名分を以て攻め込むつもりね

取り敢えず、それは後にしてまずは官渡の戦いに専念しようと華琳との意見も合って今日は休む事にした

 

翌日、私達は曹操軍と共に出陣した

-5ページ-

〜あとがき〜

 

前回のあとがきで書いた次の話はこの官渡の戦いの事でした

 

久しぶりの雪蓮登場は孫呉の動向説明です

 

桃香の所の同盟反対論者は予想できますよね

あの人は蜀ルート以外ではこんな感じでしたから

 

更新はゆっくりになるかもしれませんが続けるつもりです

 

 

 

 

説明
遂にあの戦いが
総閲覧数 閲覧ユーザー 支援
3159 2831 7
コメント
輪をかけて駄目な子になってますねあの陣営…いや諌めるべき紫苑や桔梗、星がいないから判断能力がなくなってるのは分かってるんですが、それぐらい判断してほしいですねぇ…w(はこざき(仮))
原作でも桃香本人が言っていますが、彼女が中山靖王の末裔ということを証明するのは彼女の腰にある靖王伝家しかないわけで。これには愛紗や朱里の意向が多分以上に入っているでしょう。誰かを敵視すると滅茶苦茶なことを始めるのが彼女達の常套手段。そんなに悦に入りたきゃ、寝台の上で○○でもしてろっての。(Jack Tlam)
……民のための理想、っていう時点で傲慢なお為ごかしだったんですよ。彼女達には聞こえていない、民が本当は何を求めているかが。それに耳を傾けずに理想だなんだと主張し続け、その過ちを指摘した相手を恨み、冷静さを欠き、高圧的な態度に出て無駄に争う。これのどこが「理想」なんでしょうかね?人の優しさに付け込むことしか考えてないよこいつら。(Jack Tlam)
誤字報告ですが、「管渡」ではなく「官渡」です。……そもそも「関羽」という人物は結局のところ、劉備軍の将や蜀の司令官ではなく劉備という大親分の弟分という一介の任侠でしかなかったという見方ができるので、愛紗の視野が狭くなるのも無理はないのかもしれませんね。(h995)
洛陽に入り皇帝の名代を名乗るとは・・・劉性だけで。中山靖王の末裔を名乗っているけど証拠も無しに詐欺偽善としか。桃香の前で鞘華に臣下の礼を取らせ見下し恍惚の表情を浮かべたいだけなんだろうね愛紗。皇帝の名を騙り勅命を出し諸侯に鞘華を討伐させようとしているのが・・・もし一刀が止めなかったら彼も天の御使いを名を騙り驕るだけの存在に(覇王)
愛紗・・・・・ε=(・д・`*)ハァ…(劉邦柾棟)
タグ
真恋姫無双 華琳 朱里 雪蓮 

ZSANさんの作品一覧

PC版
MY メニュー
ログイン
ログインするとコレクションと支援ができます。


携帯アクセス解析
(c)2018 - tinamini.com