孤高の御遣い 北郷流無刀術阿修羅伝 君の真名を呼ぶ 8
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卑弥呼「・・・・・始まってしまったのう」

 

管輅「ええ、このままでは左慈達の思惑通りね・・・・・」

 

荊山の一角に三人の神仙がこの不毛な戦いを見下ろしていた

 

貂蝉「うううう、もう耐えられないわ、私は行くわよ!!」

 

卑弥呼「待つのだ貂蝉!!」

 

貂蝉「止めないで卑弥呼!!!ご主人様を助けに行くわん!!!」

 

卑弥呼「助けに行くと殊勝な事を言っても、具体的にどうするのだ!!?」

 

貂蝉「・・・・・・・・・・」

 

管輅「そうね、仮に割って入ったとしてもさらに混乱するだけでしょうし、それに左慈と于吉が私達の事を警戒していないわけがないわ」

 

卑弥呼「そうだ、この戦いの一部始終をあ奴らは見ているのだ!!何も手を打っていないわけが無かろう!!」

 

管輅「見たところ管理者探知用の結界が張られているわね、私達が介入したところで、左慈と于吉の邪魔が入るでしょうね」

 

貂蝉「歯痒いわね、あのご主人様は静かにやっていきたいだけなのに・・・・・この世界は、ご主人様の事をどこまでも放っておいてくれないみたいね・・・・・」

 

卑弥呼「それほどまでに、あのご主人様がこの外史に残した因果径は計り知れんという事だろうな・・・・・」

 

管輅「それ以前に・・・・・彼は、北郷一刀ですもの・・・・・外史そのものが彼を呼んでいる以上、運命からは逃れられないわ・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

愛紗「はぁーーーーー!!!」

 

霞「どおりゃーーーーー!!!」

 

鈴々「うりゃりゃりゃりゃーーーー!!!」

 

菖蒲「やああああああああああ!!!」

 

嵐「おおおおおおおおおおお!!!」

 

翠「とりゃあああああああ!!!」

 

一刀の最初の相手は、愛紗、霞、鈴々、菖蒲、嵐、翠

 

秋蘭「ふっ!!」

 

祭「はあっ!!」

 

そして、秋蘭と祭が6人を援護する形で矢を射る

 

一刀「っ!」

 

シュバババ!!

 

しかし、一刀は縮地法を駆使し彼女達の攻撃を躱し捌く

 

愛紗「くっ!なぜ当たらん!?」

 

霞「信じられへんで!!これだけの将がおんのに、なんで一発も当たらへんのや!!?」

 

秋蘭「くっ!あいつの動きが速すぎて捉えきれん!」

 

祭「拙いの、的を絞りきれんわい」

 

鈴々「にゃにゃーーーーー!!あいつがいっぱいいるのだ!!??」

 

翠「くそっ!!どれが本物なんだ!!?」

 

子の型分歩で分身体を作り出し攪乱する

 

嵐「くそ!!こいつ妖術使いか!!?」

 

菖蒲「華佗さんのお話では、それはありえないはずですけど」

 

縮地法干支の型に翻弄され、一同は一刀に触れる事も出来ずにいた

 

悠「おいおい!こりゃビックリだな!」

 

春蘭「何をしているんだ!!そっち・・・・・いや、どっちだ?」

 

純夏「ちょっとちょっと、信じられないわ・・・・・」

 

焔耶「あいつ、あそこまで強かったのか・・・・・」

 

雪蓮「・・・・・・・・・・」

 

外から見ている後衛も一刀の動きを見て唖然としていた

 

冥琳「それでいい!!そのまま動かし続けろ!!奴の体力を削れ!!」

 

そう指示を出したものの、戦闘開始から一時間たっても一刀の体力は減る気配が無かった

 

それどころか、接敵している6人の方に疲労が現れる

 

一刀「・・・・・なぁ皆、大人しく帰ってくれないか?無益な争いだって分かるだろう」

 

愛紗「はぁ、はぁ・・・・・黙れ!!余計なお世話だ!!」

 

嵐「それより、さっきから貴様は避けてばかりでまったく攻撃してこないではないか!!」

 

翠「そうだ!!そっちからも攻撃してきやがれ!!」

 

一刀「まったく、ちょっとは変わったと思っていたのに、相変わらず負けん気だけはいっちょ前か・・・・・おっと」

 

その時、秋蘭と祭の矢が飛来する

 

秋蘭「何をしている!!攻め続けろ!!」

 

祭「攻撃してこない相手を痛ぶるのは武人として気が引けるのは分かるが、今回はそうも言ってられんのじゃ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

恋「っ!!・・・・・当たらない」

 

凪「なんて俊敏さだ!!?」

 

葵「くっ!!こんな奴がいるのか・・・・・俺もこの大陸の事はたいてい知っているつもりだったが、まだまだ見聞が足りなかったようだな」

 

龍奈「今の私は、誰にも負ける気がしない、頗る絶好調なんだから♪♪うりゃあ♪♪」

 

葵「うおおお!!?」

 

恋「くっ!!」

 

凪「うわあっ!!!?」

 

目にも留まらない俊敏な動きで三人の攻撃を躱し、巧みに攪乱する龍奈

 

華佗「はあああああああああ!五斗米道おおおおおおおお!!!」

 

龍奈「それっ♪」

 

ガキンッ!!

 

華佗「くっ!!なんて硬い鱗だ!!?ありったけの氣を込めているのに!!」

 

腕の一部を鱗化し、4人の攻撃を捌いていく

 

桔梗「これでも食らえ!」

 

ズドンズドンズドン!!!

 

森の中から桔梗が強化された豪天砲を龍奈に向けて乱射するも

 

ガキンガキンガキン!!!

 

桔梗「何!!?」

 

全ての弾丸は、龍奈の堅い守りに跳ね返される

 

桔梗「豪天砲の弾を素手で受けるなど、あれは本当に人間ではないぞ!」

 

音々音「恐ろしいですぅ〜〜・・・・・」

 

張済「あれが妖というものですか・・・・・」

 

葵「おりゃあああああああ!!!」

 

ガキイイイイン!!

 

葵「くっ!!お前はいったいなんだ!!?なんであいつに味方するんだ!!?」

 

愛刀戦皇刀姫の斬撃を片腕で受けきられ、葵は動揺を隠せなかった

 

龍奈「私はね、一刀の愛のど・れ・い???・・・・・はっと♪♪」

 

ガキイイイイイイン!!!

 

葵「くうお!!?」

 

鱗による攻撃で葵の戦皇刀姫にひびが入る

 

凪「くっ!!猛虎蹴撃!!!」

 

龍奈「弱いわね」

 

ズバシュン!!

 

凪「なっ!!?」

 

得意の氣弾をあっさり掻き消され、困惑する凪

 

龍奈「ふんっ、温いわね・・・・・一刀の氣の方が万倍熱いわぁ???//////////」

 

指を唇に沿え、熱い吐息を吐く龍奈

 

恋「凪、退いて!」

 

凪「恋様!」

 

恋「はあああああああ!!!」

 

龍滅金剛刀を両手で持ち、闘気を全開にし連撃を浴びせる恋

 

龍奈「ふっ!」

 

シュバババババッ!!!

 

恋「っ!!?」

 

なんと、龍奈は全力で振るわれる恋の斬幕を全て躱した

 

凪「はあああああああ!!!」

 

葵「おらあああああああああ!!!」

 

恋が正面から龍奈に挑みかかっている間の隙を突き、後ろから攻撃を仕掛ける二人だったが

 

バチンッ!!!ガキンッ!!!

 

凪「うわっ!!!?」

 

葵「なに!!?ぐうおっ!!!?」

 

二人の攻撃は鞭のようにしなる龍奈の尻尾に阻まれる

 

もともと腰の尻尾は堅い鱗で覆われているため、葵の戦皇刀姫の刃は通らなかった

 

龍奈「忠告しておくわ、私の後ろに立つとかえって危ないわよ♪」

 

葵「くぅ〜〜〜〜、ここまでやりにくい相手は初めてだぜ・・・・・」

 

凪「っ!!恋様、退いてください!!」

 

恋「凪!」

 

凪「はあああああああ!猛虎紫電光翼破!!!」

 

全身から氣を解放し、自身が持っている中で最強の技を繰り出す

 

ドゴーーーーーーーーーーン!!!

 

膨大な氣の波が龍奈を直撃し、巨大な爆発を生み出す

 

しかし

 

凪「・・・・・そんな」

 

爆発による煙が晴れると、そこには無傷の龍奈が佇んでいた

 

龍奈「ふむ、今のはなかなか良かったけど、まだまだ足りないわね♪」

 

華佗「はああああああああ!!」

 

龍奈「っ!?」

 

凄まじい氣が渦巻いている方に振り向くと、鍼に氣を込め臨戦態勢を取っている華佗がいた

 

華佗「見えた!!お前の弱点は胸か!!」

 

目を見開き、透視で龍奈の弱点を見抜いた華佗は熱い掛け声とともに龍奈に向けて突進する

 

華佗「我が身、我が鍼と一つとなり、一心同体、全力全開、必察必癒!!五斗米道おおおおおおおおおお!!!」

 

思い切り氣の籠った鍼は、龍奈の胸に真っ直ぐに突き刺さった

 

しかし

 

バチイイイイイン!!!

 

華佗「ぐあっ!!なんだと!!?」

 

確かに鍼は龍奈の胸に打ち込まれた、しかし内側に分厚いゴムでもあるのか、跳ね返されてしまった

 

龍奈「きゃあん???・・・・・ふぅ〜〜〜、今のは良かったわよぉ??でも、一刀のテクニックの方が断然燃えるわ??//////////」

 

体をくねらせ、尻尾を自身の体に巻き付けながら龍奈は悩ましいポーズをとる

 

華佗「そんな馬鹿な、確かにこいつの弱点は胸のはず!?」

 

龍奈「いいところに目を付けたわね、でも残念?私の弱点は、一刀専用なの?一刀が攻めてくれないと感じないの?//////////」

 

凪「そんな、今の華佗さんの氣は、間違いなく私を超えていたのに・・・・・」

 

葵「くっ、化け物め」

 

龍奈「・・・・・あんた達みたいな薄情な奴らに何を言われたって、全然心に響かないわね」

 

凪「薄情?いったい何の事なんですか?」

 

恋「・・・・・何を言ってるの?」

 

龍奈「なっさけないわね、それでも一刀の寵愛を貰った者の言葉なのかしら、呆れてものも言えないわ」

 

凪「ちょ、寵愛って!!?どういう意味なんですか!!?///////////////」

 

恋「・・・・・?」

 

葵「俺達が、あいつから寵愛を貰っただと?」

 

龍奈「ああ、そういえば一刀は言っていたわね、今まで本気で伽をした事は無かったって・・・・・やっぱり、一刀を心から満足させられるのは私だけなのよ、私と一刀の相性は完璧過ぎるわ、きゃ〜〜〜〜〜〜???///////////」

 

「・・・・・・・・・・」

 

龍奈の言葉は何かの比喩なのか、それとも文字通りの意味なのか

 

頬に手を沿え悶えまくる龍奈を前に、4人は胸の中の引っ掛かりに戸惑っていた

 

その時

 

ドゴーーーーーーン!!!

 

龍奈「おっと♪危ない危ない♪」

 

突然、龍奈の傍の地面が爆ぜる

 

桔梗「お主ら何をやっておる!!?」

 

凪「あ!?桔梗さん!?」

 

桔梗「ワシらは任務中じゃぞ!!喋っている暇があったら攻撃せんか!!」

 

龍奈「あらあら、ここにも残念な脳味噌がいるわね」

 

桔梗「なんじゃと!!?」

 

龍奈「こんな奴らに一刀は渡さない、仮にお前達が一刀の事を思い出したとしても、一刀は苦しむだけよ」

 

桔梗「な、何を言っておるのじゃ・・・・・」

 

龍奈「分からなくていいわ、どうせお前達はそんな程度なんだから・・・・・一刀はなるべく怪我をさせないように追い払えって言っていたけど、少しくらい痛い目を見せてやらないと私の気がすまないわ」ゴゴゴゴゴゴゴゴ

 

その瞬間、龍奈の目の色が変わる

 

葵「っ!!?来るぞ!!」

 

恋「っ!!?」

 

凪「くっ!!」

 

華佗「なんて殺気だ、気をつけろ!!」

 

桔梗「これは、気を引き締めねばな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

冥琳「くっ、どうなっているんだ、あいつの体力は底なしか!!?」

 

純夏「ええ、これは恋や葵さんにも匹敵するわよ・・・・・」

 

焔耶「そんな馬鹿な!!恋や葵さんに匹敵するものがそうそういてたまるか!!」

 

悠「これだけの現実を見てもまだそんな事を言っているのか、焔耶」

 

春蘭「むぅ〜〜〜〜〜、これだけの武、もはや尊敬に値するな」

 

雪蓮「・・・・・・・・・・」

 

約二時間、8人の将達が束になって攻めているにも拘らず一刀は息一つ乱していなかった

 

一刀「なぁ〜〜もう止めようって、こんな事をしてても時間の無駄にしかならないって分かるだろう?」

 

氣を縮地と体力の温存だけにしか使わず、一同が諦めるのを待っているだけの一刀は流石にじれったくなってきた

 

霞「はぁ、はぁ・・・・・やかましい!!」

 

嵐「くそっ!!妙な技ばかり使いおって!!」

 

菖蒲「はぁ、はぁ・・・・・あなたは、ずっと攻撃をしてきませんけど、どういうつもりなんですか?」

 

一刀「だから、俺には戦う理由が無いし、皆を傷付けたくないんだよ、大人しく帰ってくれればそれでいいんだって」

 

翠「舐めやがって!!武人として、これ程の屈辱や冒涜は初めてだ!!」

 

愛紗「重罪人とはいえ、これだけの武を持っているのだ、遠慮はいらん、来い!!」

 

鈴々「そうなのだ!!攻撃してくるのだ!!」

 

一刀「はぁ〜〜〜〜、やっぱり痛い目を見ないと理解してくれないのかな・・・・・なら、ちょっとだけ・・・・・っ!」

 

鈴々「にゃにゃっ!!?」

 

なんの気配もなくノーモーションで間合いを詰められた鈴々は、焦りのあまり反射的に丈八蛇矛を唐竹割に振り降ろした

 

バキイイイイイン!!!

 

鈴々「にゃにゃ〜〜〜〜〜!!!?鈴々の蛇矛が!!!」

 

すると、鈴々の丈八蛇矛は刃の根元から真っ二つに折られてしまった

 

頭に迫る蛇矛を一刀は左の掌と右の拳をそれぞれ違う箇所にぶつけ叩き折ったのだ

 

一刀「ほら、これで納得したか?鈴々」

 

なでなでなでなで

 

鈴々「あ・・・・・にゃ〜〜〜〜////////////」

 

さらに回歩で後ろに回り込まれ、頭を撫でられた鈴々は困惑する

 

愛紗「貴様!!鈴々から離れろ!!」

 

間髪入れずに愛紗が一刀の首筋目がけて青龍偃月刀を横に薙ぐ

 

それを一刀は素早く躱し、鈴々から離れる

 

愛紗「見切った!!はあっっ!!!」

 

動きを先読みし、一刀が移動するであろう地点に偃月刀を突き込む

 

ギュチッ!!

 

愛紗「なにっ!!?」

 

しかし、突き込んだ偃月刀は一刀の右脇に挟み込まれ固定される

 

一刀「ふっ!!」

 

ガキイイイイイイン!!!

 

愛紗「なあ!!!?」

 

そして、一刀は左手の掌底を偃月刀の側面に叩き込みテコの原理を利用して刃を折った

 

愛紗「わ、私の青龍偃月刀が・・・・・」

 

自身の愛刀を破壊され唖然とする愛紗、もちろんその隙を一刀は見逃さない

 

すかさず回歩で回り込み愛紗の背後を取る

 

ムニュムニュムニュムニュ!!

 

愛紗「ひゃあああん???な、何をする貴様!!?//////////////」

 

いきなり後ろから胸を鷲掴みにされた愛紗は、艶めいた声を上げる

 

一刀「愛紗は、少し乱暴にされるのが好みだったよな、フゥ〜〜〜〜」

 

ムギュムギュムギュムギュ!!!

 

愛紗「んひいいいいいん?????///////////」

 

さらに強く胸を揉みしだかれ、甘く囁くように耳元に息を吹きかけられ、全身に言いようのない甘い快感が突き抜け、愛紗はその場に力なくへたり込んでしまった

 

嵐「貴様は変態か!!」

 

祭「このような辱め、武人の風上にも置けぬ奴じゃ!!!」

 

霞「せや!!ウチかて愛紗の胸揉んだ事あらへんのに!!」

 

一刀「そっちなのかよ・・・・・おっと!」

 

そして、飛来する秋蘭と祭の矢を躱す

 

翠「このエロエロ魔人!!!////////////」

 

霞「あ!!あかんで、翠!!」

 

さっきの一刀の行為に逆上した翠が銀閃を突き出し猛烈な速さで突進してくる

 

しかし、動きが余りに単調になっているため、霞も後ろからでも分かるくらい動きが読めてしまう

 

おまけに他の仲間と距離が開いてしまったため連携もままならない

 

一刀「ふっ!」

 

グイッ!!

 

翠「うわっ!!?」

 

銀閃を下に受流し、地面に突き立て翠を持ち上げる

 

ボキッ!!

 

そして、地面に刺さった衝撃と翠の突進の勢いで銀閃は折れてしまった

 

翠「どわああああ!!!」

 

勢い余って投げ出された翠は背中から地面に叩き付けられる

 

ドサッ

 

翠「・・・・・え?」

 

かと思われたが、背中から痛みが来ない

 

それどころか、温かい何かに包まれる

 

翠「え、ええ?」

 

目の前にあるのは、一刀の顔

 

翠「な、なななな////////////」

 

そう、言わずと知れたお姫様抱っこ

 

温かく、体が宙に浮いている感覚が心地良かった

 

一刀「大丈夫か、翠」

 

翠「あ、ああ・・・・・ああああ//////////」

 

真名で呼ばれるも、お姫様抱っこされた翠はただただ動揺するしかなかった

 

嵐「おい、いつまでやってるんだ!!?」

 

翠「え?あ!?その!?///////////」

 

慌てて翠は一刀の腕の中から離脱する

 

嵐「ふざけおって!!でやああああああああ!!!」

 

菖蒲「やああああああああ!!!」

 

霞「どらああああああ!!!」

 

天角4大将軍のうち3人が一斉に一刀に襲い掛かる

 

一刀「ふっ!」

 

しかし、五虎将軍のうち3人が加勢してさえ討ち取る事が出来ていないのだ

 

一刀は三人の攻撃を余裕を持って捌いていった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

焔耶「おい、愛紗、鈴々、翠!!しっかりしろ!!どうしたんだ!!?」

 

春蘭「それでも蜀が誇る五虎大将なのか、貴様ら!!!」

 

愛紗「//////////////」

 

鈴々「//////////////」

 

翠「//////////////」

 

焔耶と春蘭に叱咤されるも、三人は赤面したままその場を動けなかった

 

なんだか、前にも似たような、同じ事があったような気がしてならない

 

感情と記憶が入り乱れ、頭の中が混乱状態にあった

 

雪蓮「・・・・・どうやら、戦闘不能みたいね」

 

純夏「まぁ、自分の武器をあそこまで見事に破壊されちゃあね、しかも素手で」

 

冥琳「本当に信じられん、三国が誇る将がここまで見事にあしらわれるなど・・・・・」

 

悠「いいぞいいぞ♪ここまでワクワクするのは初めてかもしれないぜ♪早く出番が回ってこないかな♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

嵐「くそっ!!なぜ当たらん!!?」

 

霞「信じられへんで!!素手でどうしてここまで戦えるんや!!?」

 

菖蒲「戦い始めて一刻は経っているはずなのに、何故疲れを見せないんですか?」

 

五虎将と協力してまで打ち取れなかったのである

 

このままでは天角4大将軍の名は地に落ちてしまうと懸念した嵐は勝負に出る

 

嵐「くそっ!!・・・・・うおおおおおおおおお!!!!」

 

ドゴオオオオオオオン!!!

 

菖蒲「きゃあっ!!?」

 

霞「うわっと!!嵐、無茶苦茶やで!!」

 

焦りからか、いきなり嵐が金剛爆斧を地面に叩き付け石や砂利が飛散する

 

一刀「うっ!?」

 

散弾銃のように飛来する石を縮地で躱そうとするが

 

ガキッ!

 

一刀「ぐっ!!」

 

額に石が当たり血が流れ出す

 

流れ出した血が左目に入り視界を塞ぐ

 

嵐「今だ!!畳み掛けろ!!」

 

霞「よっしゃようやった、嵐!!」

 

菖蒲「お覚悟!!」

 

祭「よし、今じゃ!!」

 

秋蘭「ここまでだ!」

 

そして、追い打ちをかけるように秋蘭と祭の矢が迫る

 

一刀「ぬっ!」

 

片眼を潰され視界が半分になるも、なんとかこれを躱す

 

しかし、そこに嵐と菖蒲と霞が迫る

 

一刀「っ!!」

 

全身に氣を纏い、一刀は三方向からの三人の同時攻撃を掻い潜った

 

霞「くっ、これも躱すんかい・・・・・」

 

嵐「なんというやつだ・・・・・って、おい・・・・・」

 

菖蒲「・・・・・そんな事が」

 

振り向いた一同は信じられないものを目撃する

 

なんと、一刀は両目を閉じていたのだ

 

一刀「どうした?諦めてくれたのか?」

 

霞「・・・・・っ!」

 

すかさず霞が確認の為に気配を殺しながら距離を詰め飛龍偃月刀で神速の連撃を浴びせる

 

シュバババババッ!!

 

霞「・・・・・まぐれやない」

 

躱された、完全に目を閉じた相手に

 

シュビビッ!

 

今度は秋蘭と祭の矢が飛来するが

 

バシバシッ!!

 

秋蘭「・・・・・なんだと」

 

祭「信じられん・・・・・」

 

また目を閉じたまま叩き落とした

 

縮地法、戌の型、湫歩で地面に氣を送り相手の気配を感じ別け、更に周りの空気に自分の氣を放ちレーダーとする

 

菖蒲「どういう事なんですか?見えているんですか?」

 

一刀「半端に見えているとかえって惑わされるからな、完全に見えない方がいいと判断しただけだ・・・・・それより、諦めてくれたか?」

 

嵐「まさか、これほど血湧き肉踊る相手に出会えたのに、諦めるなど勿体ない♪」

 

ついさっきまで怒りの表情で戦っていたにも拘らず、今度は子供の様な無邪気な表情に移り変わる嵐

 

しかし

 

一刀「嵐、お前は月の為に強くなるんじゃなかったのか?」

 

嵐「っ!!?・・・・・どうして?」

 

一刀「なのにこんな所で俺なんかを相手に貴重な時間を潰してていいのか?孤児だった自分を拾ってくれた月に恩返しがしたいんだろ?」

 

嵐「・・・・・・・・・・」

 

この事を知っているのは、董卓軍の中の極々限られた人間だけのはずである

 

雪蓮「ちょっと嵐!!何やってるのよ!!それでも天角の将の一人なの!!?」

 

嵐「・・・・・・・・・・」

 

金剛爆斧を取る手に力が入らず、嵐は虚ろな目で彼方を見ていた

 

菖蒲「嵐さん、離れて下さい、今度は私がお相手します」

 

一刀「・・・・・菖蒲」

 

菖蒲「真名で呼ばないで下さい・・・・・はっ!!」

 

重装備にも拘らず軽やかな足取りで大地を蹴る菖蒲

 

二振りの大斧、鬼斬を振りかざし一刀に肉薄する

 

体の回転を遠心力に変換し、鬼斬の威力を高める

 

左右から迫る鬼斬を分歩で躱す

 

残像を攻撃させられたが、菖蒲は冷静だった

 

菖蒲「そこです!!」

 

すかさず切り返して後ろへ鬼斬を横薙ぎに振るう

 

一刀「おっと」

 

鼻先一寸前を鬼斬が通過する

 

霞「あ、惜しい!」

 

僅かにだが、菖蒲の鬼斬が一刀を捉え始める

 

一刀「(どうやら、分歩や回歩には慣れてきたようだな・・・・・ならば)」

 

フシュッ

 

菖蒲「え、消えた!!?」

 

霞「な、なんや!!?何が起こったんや!!?」

 

いきなり何の前触れもなく一刀が目の前から消えたのである

 

「!!!??」

 

外側から援護している者達も後につかえている後衛も我が目を疑った

 

バシュッ!!

 

菖蒲「え?きゃあっ!!?」

 

足払いで菖蒲の体が宙に浮く

 

バシバシッ!!

 

菖蒲「あ!!?」

 

宙に浮いたコンマ数秒の間に両の手に握られている鬼斬が弾き飛ばされる

 

一刀「よっと・・・・・なあ、いい加減諦めて帰ってくれないか?」

 

菖蒲「あ・・・・・/////////////」

 

またしてもお姫様抱っこの犠牲者が出てしまった

 

重装備にも拘らずすっぽりと一刀の腕の中に納まる菖蒲

 

霞「うらあっ!!!」

 

シュバッ!!

 

菖蒲「きゃあっ!!」

 

飛龍偃月刀の刃が一刀の首筋に飛来するが、菖蒲を真上に放り投げ、後ろに飛び下がり刃をやり過ごす

 

宙に放り投げられた菖蒲は、空中で体勢を整え着地した

 

霞「菖蒲までなにほうけとるんや!!?」

 

菖蒲「す、すみません!・・・・・やあああああ!!!」

 

鬼斬が無くなってしまったため、素手で一刀に挑みかかる菖蒲だったが

 

菖蒲「っ!(・・・・・どうなってるんですか?まるで動きが読めません)」

 

達人専用の歩法、寅の型闇歩でいちいち気配を完全に絶ち全員の視覚を攪乱する

 

余りに奇天烈な動きに菖蒲の攻撃は掠りもしなかった

 

一刀「なぁ、もういいだろう、こっちはそっとしといてくれればそれでいいんだ」

 

なでなでなでなで

 

菖蒲「あ・・・・・えへへ/////////」

 

いきなり後ろから頭を撫でられるも、全く嫌な気分じゃなかった

 

それどころか、もっとして欲しくてたまらなかった

 

霞「菖蒲・・・・・やる気が無いんなら帰りい、邪魔や」

 

菖蒲「い、いえ!そんな事はありません!///////////」

 

霞「ならシャキッとせい!!」

 

菖蒲「は、はいっ!!」

 

その後も猛烈な勢いで一刀に攻めかかる一同だったが、闇歩の前に手も足も出なかった

 

霞「ここや!!うらああああああ!!!」

 

素手で挑む菖蒲を援護する形で飛龍偃月刀を袈裟切りに振り降ろす霞だったが

 

一刀「ふっ!」

 

ガッキイイイイイイン!!!

 

霞「なんやてっ!!!?」

 

飛龍偃月刀は綺麗に受け流され、地面の岩に叩き付けられそのまま真っ二つに折れてしまった

 

秋蘭「くっ、なんだあの動きは、まったく読めん!」

 

祭「このような動きが人間に可能なのか!?」

 

今まで見た事のない一刀の動きに秋蘭と祭は的を絞りきれずにいた

 

その時

 

秋蘭「っ!!しまった!!!」

 

祭「拙い!!!」

 

目が一刀の動きに付いていけず、秋蘭の手元が狂ってしまった

 

その矢は、菖蒲に向けて飛んでいく

 

霞「あ!!菖蒲!!!」

 

菖蒲「え!?」

 

百発百中の弓の名手である秋蘭と祭が射ているため、自分に矢が飛んでくることだけは無いと思い込んでいた菖蒲はあっけにとられる

 

明らかに自身の頭に向けて秋蘭の矢が迫る

 

気付いた時には、矢は既に眼前まで迫っていた

 

目の前に迫る死の恐怖に菖蒲は強く目を閉じる

 

ガシィッ!!

 

菖蒲「・・・・・え?」

 

秋蘭「なに・・・・・」

 

一刀「〜〜〜〜〜っ!・・・・・相変わらずの強弓だな、秋蘭・・・・・」

 

目を開けると、菖蒲の頭に突き刺さる一寸前で一刀が矢を掴み取っていた

 

矢を掴んだ一刀の手からは僅かに血が滲む

 

菖蒲「うっ!!?」

 

秋蘭「なにっ!!?」

 

嵐「ぐっ!!?」

 

次の瞬間、菖蒲と秋蘭と嵐の頭の中でフラッシュバックが起こる

 

菖蒲「うあああ・・・・・」

 

秋蘭「・・・・・どういう事だ?」

 

嵐「これはいったい?・・・・・」

 

祭「秋蘭、菖蒲、嵐!!お主らまでどうしたのじゃ!!?」

 

以前、戦場で似たような事があった気がしてならなく、頭の中がパニックに陥っていた

 

菖蒲はその場にへたりこみ、秋蘭と嵐は放心状態で戦える状態ではなくなってしまった

 

霞「・・・・・まったくどこまでもふざけた奴やで、そんなにウチらを傷付けたくないんか?あんたその気になれば一瞬でウチらを倒せるやろ?」

 

一刀「言っただろ、俺には戦う理由が無い」

 

霞「はぁ〜〜〜〜・・・・・正直、あんたが罪人だろうが何だろうが、どうでもよくなってきたで、ウチら全員をここまで手玉に取ったんや、もはや尊敬に値するわ」

 

一刀「それはどうも・・・・・で、やっぱり目の前に強い奴がいるから戦いたいってか?」

 

霞「おお、よお分かっとるやないか、あんたとは気が合いそうやな♪」

 

一刀「別に気が合うわけじゃない、俺が霞の性格を知っているだけだ」

 

霞「なんやとことん礼儀知らずやな、真名で呼ぶのはお互いに認め合った時だけって親から叩き込まれんかったか?・・・・・まあ、別に構へんけどな、ここまで実力を示したんや、ウチはとっくに預けるつもりでいたし」

 

一刀「預けるのは良いとして、まだ続けるのか?」

 

霞「・・・・・いんや、流石にウチもそこまで愚か者やないで、獲物も壊されてまったし一人であんたに挑んだってボロクソにやられるのは目に見えとるしな、それにもう動きっぱなしで体力の限界やわ・・・・・」

 

そう言いながら、霞は菖蒲に肩を貸しその場を離れていく

 

霞「ウチはもうあんたに手を出さへん、流石にここまで手加減されてまたあんたに挑み掛かったら、それこそウチの武人の誇りはズタズタや」

 

一刀「そうか・・・・・・・・・・霞」

 

霞「ん?」

 

一刀「梅酒は体に良いけど、酒には変わりないからな、飲み過ぎには気を付けろよ」

 

霞「っ!!!?・・・・・なんで・・・・・」

 

驚愕の表情を見せる霞を背にし、一刀は後衛の者達に向き合うのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

管輅「・・・・・なんとかなりそうね」

 

卑弥呼「なりそうだな・・・・・」

 

予想していた成り行きとは違った展開に二人は唖然としていた

 

貂蝉「どぅふふふふ??凄いわ凄いわ、私の玉のようなお肌がビクビク来ちゃう??////////////」

 

全身に鳥肌をたたせ、イヤン?なポーズを取る貂蝉

 

貂蝉「だから二人とも言ったじゃない♪あのご主人様は大丈夫だって♪」

 

管輅「どの口が言うのかしら?」

 

卑弥呼「うむ、一番心配していた者筆頭のくせに」

 

貂蝉「え〜〜〜〜、何の事かしら♪私にはあのワイルドなご主人様がやられるところなんて想像もできないわ♪」

 

管輅「調子いいわね、いつあの二人の介入があるか分からないのに」

 

卑弥呼「まったくだ、いつまでそのような態度を取っていられるか見物だわい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

待て!!!後半!!!

説明
管理者の駆け引き
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コメント
ちょっとだけ三国の将に対して溜飲が下がりました。やっぱりちょっとはおしおきしないと♪(はこざき(仮))
続きーーー(優馬左近)
続きをお願いします。(yuuki)
何と言う・・・まさに天下無双;(スターダスト)
うわ〜、二人強すぎ〜・・・まあ、当たり前だけどww・・・続き楽しみに待ってます。(一丸)
続きが気になって夜しか眠れません、(Eire)
みんなかすかに覚えてるのかな?光景とかはwどうなるか楽しみだ!(nao)
……誰か一人でいい。「これを機に、一刀に縋るのをやめよう」とか「もう一刀を休ませてあげよう」とか、愛するが故に離別するという事を考える恋姫が出て来て欲しいものです。……まぁ存在意義の関係上、恋姫はそういった方向に思考が及ばないのは解り切ってはいるのですが。(h995)
さっさと思い出せばいいのに。誇り高さもこれじゃ唯哀れなだけだな。恋姫達はもう思いっきり精神崩壊しろって思う。(yuuki)
何人かは記憶が戻りそうな感じだが・・・・後半楽しみにしてます。(himajin)
圧倒的、ですね・・・・・・それでも何も起こらないはずがないので後半も楽しみです(本郷 刃)
徐々に記憶が戻ってきているのか? その時の罪悪感はハンパないようなきがする 後半が楽しみです。(JDA)
こうなると次は全兵力を以て……とか文官組が言い出す恐れがあるなあ。武官組の意見も考慮するだろうけど、基本的に自分本位な恋姫達のことだから、山ごと焼き払うとか暴挙に出る可能性も考えられなくはない。より大きな敵を引き寄せつつあるかな?記憶のほうは……はてさて。(Jack Tlam)
もう、いまさら、思い出したところで英雄は帰ってこないさね。ケケケケケケケケ。自分たちがどれだけのことをしたのか、改めて思い返せばいいさね。で、二度と、現れるなといわれたらいい。(Kyogo2012)
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