真恋姫無双 舞い降りし剣姫 第三十四話
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〜鞘華視点〜

「申し上げます 劉備軍が洛陽より出陣

 襄陽へ向かって進軍 数は凡そ10万 あと5日もあれば到着するものと思われます」

伝令の言葉に疑問を持つ

「10万て洛陽の全軍やろ?

 勝っても洛陽 空にするて、何考えてんのや」

霞の言葉が私の代弁になっている

「つまり洛陽を捨てる、という事か

 鞘華様を討とうとするのは分かるが洛陽を捨ててどうするつもりだ」

星が言う通りだろう だが静里が

「洛陽とその周辺で劉備の名声は地に落ちています

 徐州への帰還を望む兵は帰還を認められず、脱走しようものなら見せしめの如く処刑

 洛陽やその近辺での重税と過酷な徴兵

 しかも、皇帝陛下の名代を名乗っている事への不信感

 だからこそ、劉備は洛陽を捨ててこの荊州を新たな本拠地にするつもりです

 更に、荊州の特に襄陽の財物を奪えば兵をしばらく養う事も出来ます

 それが、策を弄してまで私達を攻める理由の一端でしょう

 無論、他にも理由はあるでしょうが」

この説明で納得した

 

「総員、戦の準備にかかって

 あと、江夏へ援軍の要請を 

 但し速度重視、騎兵を恋に率いさせるようにと伝えて」

「長沙には援軍を要請しないのですか?」

星が言葉を挟むが

「長沙はもし呉が江夏を攻めた時の防衛をしてもらうわ

 長沙の兵も此方に向かわせたら呉が動いた時対応が出来なくなる」

劉備との決戦の準備にかかる

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〜華琳視点〜

「華琳様、劉備が荊州へ侵攻しました」

予想より早く動いたわね

「河北四州と徐州の平定を急ぎなさい

 それと、いつでも出陣できる準備を」

鞘華、貴女はこの戦い 乗り切れるでしょうね

此方は、それを利用させてもらうわ

最後に貴方と雌雄を決する為に

 

 

〜雪蓮視点〜

「雪蓮、劉備が荊州へ侵攻を開始したぞ」

冥琳が報告してくる

「でも、取り敢えずは静観ね

 蓮華が戻っていないし、江夏や長沙を抜くのは骨が折れるから」

「確かにな

 だが情報だけは集めさせよう これによって我らの舵取りも変わる」

「私の勘では勝敗は見えてるんだけどな〜」

冥琳が呆れながら

「勘以外で物事を判断してくれ」

無理よ

 

 

〜桃香視点〜

一姫さん、貴女を敵に回すなんて最初に会った時は考えなかった

でも私の誘いを断って、私の理想を否定した貴女に負ける訳には行かない

そうじゃないと、今までの全てが無駄になってしまうから

だから、負けられない

私の理想と仲間たちの為に

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〜鞘華視点〜

戦の準備がほぼ整い、あと2日程の距離まで劉備軍が来ている日の夜

私は1人で城壁の上に来ていた

(一君、貴女は劉備やその家臣の暴走を止められなかったのね

 私が劉備の甘さを指摘したのは彼女の成長を望んだ為

 だから、かなり辛辣な言葉も投げかけた

 でも劉備やその家臣は、変わらなかった

 いや、考えなかったんでしょうね

 自らの責任と過ちを

 一君と戦うのに抵抗が無いわけじゃないけど、全力でいくわよ)

そんな事を考えていたらいつの間にか隣に疾風さんが来ていた

「鞘華様、夜風は体に毒ですよ」

微笑みながら疾風さんは

「今度の戦いは鞘華様には酷な物でしょう

 我らの主君だからとか、天の御遣いだからとか、そんな理由で耐えて下さいとは言いません

 でも、重い荷も分け合えば軽くなります

 鞘華様が堪え切れない分は私が背負います

 だから、ここなら弱音を吐いても大丈夫ですよ」

疾風さん・・・・

「疾風さん、少しの間だけ胸を貸して」

疾風さんの胸に顔をうずめ、しばしそのぬくもりを感じていた

ありがとう、疾風さん

私は戦うわ

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〜あとがき〜

 

決戦は次回からの予定です

 

更新はゆっくりになるかもしれませんが続けるつもりです

 

 

 

 

 

 

 

 

 

説明
劉備軍の出陣を知った各陣営
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コメント
理想を追い求めて現実を見てない結果ですねぇ…というか桃香はも一度「皆の笑顔がみたいから」を考え直すべきですねぇ(はこざき(仮))
鞘華たちと戦う前に兵の反乱で壊滅するんじゃね?(牛乳魔人)
今の劉備陣営は「結果が伴わなければ意味がない」なんて考えに陥っている様ですが、過程と結果はそれぞれが独立したものであって、一繋ぎではないんですよね。それを解らない以上、劉備陣営は自らが掲げた理想に裏切られる事になるでしょうね。(h995)
↓↓nakuさんの言う通り。私情を捨てて義によってそれを為し、またそれを自己肯定しなければ是と言えるでしょうね。「義理と人情を秤にかけりゃ、義理が重てぇ渡世の掟」……自分達が掲げたものに対してすら誠実でなく、他者の優しさに甘え、そこに付け込み、そしてそれを裏切ることしかしてこなかった彼女達に、そんな正論は通用しないんだろうけどさ。(Jack Tlam)
おい……いい加減にしろよ。結局、行動原理の十割が「気に入らない相手を力で叩き潰し、自身が正義であると認めさせ、悦に入りたい」という……承認欲求だけで掲げられた理想なんて誰が認めるか!不平不満しか口にしねえ奴の居場所なんざ何処にもねえよ!くだらねえ思春期のセンチメンタルで軍を、ましてや国を動かすな!(Jack Tlam)
洛陽を捨て荊州を攻め落とせても皇帝の名代を名乗っている積りか・・・名乗らないと禁軍は離れるから名乗るんだろうな。民達が悪声を聞き反乱を起こしても謀反人・犯罪人として見せしめに討伐・処刑を行う。何故反乱を起こしたのか考え理解しないと・・・・無理だな。自分達が血塗られた罪人だって理解しないと(覇王)
洛陽とその周辺で名声は堕ち帰還を望む兵には帰還すら許さないとは兵、民は自分の理想を叶える為の道具で無い。私の理想と仲間たちの為に負けられないって民の為に立ち上がった事を棚上げして笑顔で幸せになるのは自分と仲間達だけが彼女の本心なんですね。鞘華を攻める理由は自分の理想を否定されたからが10割で民の為は0割・・・本当に救い様が無い(覇王)
タグ
真恋姫無双 華琳 雪蓮 桃香 

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