司馬日記外伝 杏(逢紀)ちゃんの細腕奮闘記
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「きーてないー」

「話したんだけどなぁ…」

「ずーるーいー」

「いや、ずるいって言われても…ほらこれ制服、前に着たいって言ってたやつ」

「あ、可愛い。ってこんなんじゃ釣られないんだかんねー!」

 

生協も三国一も休みだったから、朝寝坊してお昼庁内食堂で食べて部屋に帰ってきたら一刀さんが来て『いつ頃から勤務してくれるの?』って言われた。

何のことだかさっぱ分かんなかったから聞いてみたら、今後私が総務室のメイドやってく約束になってるとか言うし!?

しかも(許攸)子遠さんも部下で面倒見ろだって!?私あの人めっちゃ苦手にしてたのに!

いつそんな約束したのって聞いたら、例のプールでデートした日らしい。よーく思い出してみるとそんな話をしたような…した…よう…な?

 

「…一刀さん、いてこまして意識朦朧としてる初心い女の子にそんな約束させるなんてひどーい…よよよよよ」

「でもあの時杏さん意識もはっきりしてたと思うけど…送って帰ったんだって覚えてるでしょ?」

「そうそう貰った水着嬉しかったけど2度とも水着着たままだったから素肌のあたし抱きたいってこの部屋来てもう一度とか、もー一刀さんてばほんとえっちだよねー」

「めっちゃ記憶あるじゃん!?あと最後の一回は杏さんが誘ってきたよね!?」

「女の子は甘い記憶は鮮明に残るんですー。あと男の子は女の子が誘ったなんて言っちゃいけないんですー」

「甘いって言って貰えるのは嬉しいけどさ、折角このメイド服も特注で作ったんだしなんとか頼むよ。許攸さんも大分大人しくなったみたいだし、杏さんの言うこと聞いてねって言ってあるし」

手を合わせてくる一刀さんはまあ可愛いっちゃ可愛いんだけどぉー。どーしよっかなぁ。あと欲しかったこのメイド服可愛い。

 

「…つまりナニかな、一刀さんはあたしのメイド服姿が見たいと」

「いやそこはどtt」

「ん?」

「うんすごく見たいんだよ」

「そこまで言うならどうしよっかなぁ〜?」

「見たいなぁー、すっげぇ可愛いだろうなぁー」

「ごっくん生ツバもん?」

「うんうん悩殺もん」

「しょーがないなぁ、今着てみてあげるからちょっと待っててね♪」

「イェー!!」

 

まっ、ここまで皇帝に頼まれちゃったら着てあげなきゃ女が廃るってもんだよね?寝室と仕切る天幕を引いて服を脱ぎ始める。

「覗いちゃダメだかんね?」

「覗きたいけど大人しく待ってるよ」

天幕の脇から片方生足出したあたしに向ける一刀さんの笑顔がなんか三国一で接客してるときのあたしの笑顔に似てる気がしたけど、それはさておき着替えてみよう。ひゃっほー!

ストッキングがこれで。おー。髪飾りこんな感じか。やん可愛ぃー!

 

「お待たせしました!」

「よっ待ってました!」

「じゃーん!総務室の万能メイド、杏ちゃんでーすっ!」

「イェー…あっ素で可愛い。よく似合ってる」

「なにそれ!?」

「あいやいやいや」

「まいいや、いらっしゃいませご主人さまぁ、お茶にしますぅ?」

「いや今まで通り一刀でいいんだけど。あといらっしゃいませはちょっと」

「だってあたしの部屋に来てるんだからいらっしゃいませでいいんじゃない?でも凄いねコレ、腰周りとかあたしに超ぴったり」

「特注だからね」

「乳袋までぴったり」

「げふんげふん!!」

どいーんって言うほどある訳じゃないけどそこそこあるなりのぽよぽよ感を出してくれる胸元。

 

「一刀さん、この乳袋寸法合わなくなってきたらも一度造ってくれるのかにゃ〜?うりうり」

ま、結論から言ってこの時ちょっとあたし浮かれ過ぎてたってのは否定出来ないかな。

ちょっと一刀さんの横っ面をぽよぽよ胸で小突いてみたのも少し調子に乗ってたって言うか。

 

「何着でも作り直すよ」

「ひゃ」

お尻に廻された手と柔らかく胸を握られた感触に、意外と生地薄かったんだとか思う暇も無くて。

 

まあ、その、ねえ?

そーゆーこと覚え始めた恋人たちにありがちな展開とか、割りとイヤじゃなかったりして。

あたしだってケンゼンな若い女だし?

 

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「…紀、逢紀?居ないの逢紀!?今日から世話になるわよ!」

 

…そんなに扉叩くなっつーの。

眠りに落ちる時はあったはずの隣の温もりはとっくに無くなってて、代わりに置かれた小さな紙を開く。

 

『今日から宜しく しっかり朝ごはんも食べてね 一刀』

今日から宜しく。

今日から宜しく…?

 

昨日の一部始終を思い出してみる。

…あかん、全部覚えてる。

 

上司が銀ちっぱいさんなのはいい。メガネメイドさんは厳しそうだけど。

けど(許攸)子遠さんと当分同居?

しかも同僚があの恐ろしい銀ぱいさんだと?仕事の内容違うから大丈夫だって?

なのに『うんっあたし頑張っちゃうね!』とか言って、一刀さんとちゅっちゅくちゅっちゅくしてりゃ幸せなのかあたしは。

…ああそうさ幸せだけどさっ!チョロくて悪いか!

 

「居るんでしょ!?部屋の間仕切りの工事の話で司馬懿さんも来てるのよ、早く開けなさい!」

「し、司馬っ!?はい開けますーっ!あだっ!?」

まっぱに敷布体に巻きつけて扉に向かおうとしたらすっ転んだ。

 

あたしのメイド生活、前途多難かなぁ…

 

説明
飯坂裕一様のイラストに触発されて小ネタを書かせて頂きました。
その後許攸さんがどうなったのか、月とはどう折り合ってるのかとかも追々書かせて頂こうと思っております。

いつもコメント下さる皆様、また飯坂様重ね重ね有難う御座います。
もし未だ飯坂様のイラストを御覧でない方がいらっしゃいましたら、是非御覧頂ければと存じます。
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コメント
ちょろい(確信)(待宵)
なにこれかわいい(地球ジェット…)
一刀さんの営業力は凄まじいなwww 果たしてこれから杏ちゃんは地雷を踏みぬかずにいられるのだろうか(笑)(happy envrem)
例のプール・・・(いじり)
杏ちゃんはふつうかわいい!ふつうかわいい!(かっくん)
実は某氏の杏ちゃんの裁判はこっちに就職した後だったりして・・・(D8)
杏ちゃんは一刀さんへの言葉使いをどうにかせんと月とちゅーたつさんにシメられるで。あと許攸さんがどんな風に変わったのか楽しみ(牛乳魔人)
事後であることに一瞬で気づく仲達さんまじ仲達。(アルヤ)
三国塾に増築したプールって早速「例のプール」扱いなのかw 一刀とすごく自然な仲になってるけどそうなると蓮華や華琳の反応も怖いような・・・ あとレスポンスありがとうございます。(飯坂裕一)
なんだろう、ちゅーたつとは違った意味でちょろいなこの娘wwwでもそこが可愛いwww事後の部屋にちゅーたつさんを入れるとかマジ勇者wwwww(悠なるかな)
これからは常に地雷原でダンスしながら日々を過ごすわけですかww まぁ、イイ思いもしてるのでしょうし、がんばって、無事に老衰するまで生き残って欲しいものです←(神余 雛)
さて、いよいよ地雷撤去(という名の爆破)作業開始ですか…。実に楽しみですねw(morikyou)
生粋のマインフィールドダンサー、このやり取りをちゅーたつさんに聞かれていたら・・・(どら)
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恋姫無双 司馬日記 逢紀 元図 杏ちゃん 一刀さんの営業力 

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