孤高の御遣い 北郷流無刀術阿修羅伝 君の真名を呼ぶ 10
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左慈「・・・・・遅い!!于吉の奴、何処で油を売っているんだ!!?」

 

泰山の神殿に先に帰還した左慈は于吉の帰りを待っていた

 

しかし、半刻経とうとしているのに何の連絡もなかったのである

 

管理者に転移の術がある以上、ここまでの遅れはありえない

 

左慈「何だ、何かあったのか?・・・・・あいつが何の理由も無しにここまで遅れる事はありえないはずだが・・・・・」

 

???「ほっほっほっほ、忙しいようじゃな」

 

左慈「・・・・・また貴様か、助けはいらないと言ったはずだが?」ゴゴゴゴゴゴゴゴ

 

殺気を醸し出しながら、「ここから失せろ」というオーラをビンビンに発する左慈

 

???「ほっほっほ、怖いのう、若いのう・・・・・羨ましいわい♪」

 

左慈「やかましい!!かるく不死身の管理者が言う台詞ではない!!」

 

???「確かにのう・・・・・そんなお前に一つ朗報を与えてやろう、北郷一刀は生きておるぞ」

 

左慈「そんな事は貴様に言われずとも分かっている!!あの北郷があれくらいでくたばるわけがない、だが少なくとも手傷は負っているはずだ!!それにそんな事は朗報でも何でもない!!俺はすぐにでも奴に死んでもらいたいんだよ!!」

 

???「そうでもないぞ、先ほどの出来事で他の外史の形成が少々早まったようじゃぞ」

 

左慈「なんだと!!?」

 

???「どうやらあの北郷は、他の外史への影響力をかなり有しているようじゃ、お前達は北郷に余計なダメージを与えてしまったようじゃのう、やるのであれば確実に仕留めねばならんぞ」

 

左慈「ちっ!それが出来れば苦労せん!!あいつの能力は、これまでの北郷とは質が違うからな!!」

 

???「ほっほっほ、それが分かっているなら素直に協力してくれと言えばいいものを、そちらの方が可愛げがあるぞ♪」

 

左慈「黙れ!!貴様らの助けなど死んでも借りん!!」

 

???「ふむ、それもよかろうて・・・・・せいぜい楽しませてもらうぞ、ほっほっほ♪」

 

そして、謎の老人は消えていった

 

左慈「くそっ!!このままでは、俺達もいい駒だ!!」

 

管理者としての格と経験の差というものであろうか

 

良いように利用されている感があり、胸くそ悪くなる左慈

 

于吉「・・・・・遅れて申し訳ありません、左慈」

 

左慈「ようやく帰ったか・・・・・って、どうした于吉!!?」

 

帰って来た于吉の服はところどころが破れ、彼自身も怪我を負っていた

 

于吉「申し訳ありません、転移の術をしくじってしまいましてね・・・・・ここに転移するつもりが泰山の山岳に転移してしまい転がり落ちてしまいました・・・・・」

 

左慈「ふんっ、とんだ凡ミスだな、そんな初歩的な術をしくじっていてはこの先なにも出来んぞ!」

 

于吉「ええ、以後気を付けます・・・・・癒!」

 

そして、精神を集中させると于吉の傷は消えていった

 

左慈「・・・・・それじゃあ、次の作戦を練るぞ・・・・・北郷を見失ってしまった、ここに戻ってきた時から探しているが見つからん、お前も探せ」

 

于吉「はい・・・・・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

于吉「・・・・・まったく、こんな辺鄙な場所まで連れてこさせて、どうしようというのです」

 

雷刀「人が一切寄り付かない場所が望ましいからな、ここが一番いい」

 

二人は、益州西部の砂漠の真っただ中にまで移動していた

 

ここなら人っ子一人いない為、雷刀としては安心して会話に勤しむことが出来る

 

于吉「で、聞きたい事とは何ですか?」

 

雷刀「一つ目に聞きたいのは、お前達自身の事だ」

 

于吉「私達ですか?」

 

雷刀「ああ、正確には外史の管理者という存在とでもいうべきか・・・・・管輅、左慈、そしてお前、于吉・・・・・これらの人物は史実や三国志演義に登場するキャラクター、占い師や道士として物語に登場してくる人物だ、よってこの世界には元からいなくてはならない、たとえ性別が逆転していたとしてもだ、だがな・・・・・なんだ?世界の管理者ってのは?どうしてお前達だけが特別な存在として君臨しているんだ?ここだけがどうしても気に入らない」

 

于吉「外史に史実や演義との整合性など求めるものではありません、この世界は正史の人々の想念が生み出したもの、もしこうだったらという想像や妄想が混同すれば、そこに存在するはずのキャラクターやファクターが存在しなかったりするのは日常茶飯事です」

 

雷刀「かつての管輅と似たような事を言うんだな」

 

于吉「なんです、知っているのであれば質問する意味などなかったはずでは?」

 

雷刀「いいや、確認という意味でも今の質問は大いに意味があったよ・・・・・次の質問は、お前達の目的についてだ」

 

于吉「我々の目的ですか・・・・・」

 

雷刀「俺も管輅が見せた他の世界の場景の中にお前達の姿を確かに見た、お前達は他の俺と数えきれないほど戦ってきているようだが、なぜそこまでする、なぜ世界をまたにかけてまで北郷一刀という人間を排除しようとする?管輅が言っていた始まりの外史とやらからお前達はそこにいるみたいだが、ただの恨みや憎しみではここまで出来ないはずだ」

 

于吉「・・・・・所詮我々は、外史という檻に閉じ込められた虜囚という事です」

 

雷刀「・・・・・・・・・・」

 

いきなり身の上話をしだす于吉の話を雷刀は黙って聞いていた

 

于吉「管理者という鎖に縛られ、管理者という役目に振り回されるだけの人形・・・・・我々は、この輪廻から逃れる事は出来ません、しかし、この輪から逃れる術が一つだけある・・・・・全ての外史を破壊する事です、外史そのものが無くなってしまえば管理者も不要になりますからね」

 

雷刀「ということは、お前達の目的っていうのは・・・・・」

 

于吉「ええ・・・・・自由です」

 

雷刀「・・・・・・・・・・」

 

于吉「その為なら、我々は何でもします、かつての圧政に立ち向かった人民達と同じように、我々も自分自身の意思で生きたいのですよ」

 

雷刀「・・・・・・・・・・」

 

于吉「貴方は、北郷一刀の罪の意識そのもの、北郷を殺すという共通の目的を持っている、ならば我々に協力していただけませんか?」

 

雷刀「・・・・・確かにな、あの阿呆を殺すという目的は共有しているか」

 

于吉「ならば話は早い、我々も貴方にぐはあっ!!!?」

 

次の瞬間、于吉の左頬に雷刀の拳がめり込む

 

自身の周りに八門遁甲という人の接近を感知する為の結界を張っていたが、雷刀はその反応を上回るスピードで間合いを詰めて来た

 

吹っ飛ばされた于吉は砂の山に埋もれてしまう

 

于吉「くっ!!やはり負の具現化とはいっても貴方も北郷一刀の片割れ、我々とは相容れないという事ですね!!」

 

雷刀「勘違いするな、俺はお前達の敵になるつもりはない、かといって味方にもなれないんだよ」

 

于吉「それはどういう意味ですか!!?」

 

雷刀「あの阿呆のしてきた事は、物語の内容を書き換え、その結果を改変する事、俺はあの阿呆のやってきた事が正しいとは思えない、よってこれからも俺はあいつの命を狙い続ける・・・・・かといってな、お前達のやろうとしている事も肯定する事は出来ないんだよ、お前達のやろうとしている事は、物語そのものを消し去りまたは破壊し無かった事にする事、そっちのやっている事も正しいとは思えない」

 

于吉「・・・・・・・・・・」

 

雷刀「だがな、自由を求めるその姿勢を否定する事は出来ん、お前の言う通り長い人の歴史の中で人々が常に追い求めてきた自由という権利を獲得しようとする事は、けっして悪い事ではないからな」

 

于吉「ふんっ!余計な気遣いは無用です!我々は、美学を持ってやっているのではありませんからね!」

 

雷刀「それでもいいさ・・・・・だがな、どうしてもこの世界を破壊するって言うなら、俺もお前達の敵に回るかもしれんぞ」

 

于吉「それも仕方のない事です!貴方が北郷一刀の片割れである以上、そうなる事は分かっていた事です!」

 

雷刀「流石に肝が据わっているな、信念を持っているのが分かる・・・・・行っていいぞ、もう質問は無い」

 

于吉「いいのですか?みすみす逃がしても?」

 

雷刀「言っただろ、俺はお前達の敵になるつもりはないってな」

 

于吉「今後、私が貴方を消し去る事になるかもしれませんよ」

 

雷刀「それも仕方のない事だ・・・・・それに俺は元々存在しない人間だ、死んでも誰も気に留めん」

 

于吉「そちらも肝が据わっているようですね・・・・・いいでしょう、敵対する時には覚悟しておいてください、その時には私も貴方に対してそれ相応の対策をしているでしょう事をお忘れなく!」

 

雷刀「ああ、楽しみにしているぞ」

 

そして、于吉は消えていき、雷刀は砂漠の中に一人取り残された

 

雷刀「・・・・・しまったな、どうせなら送ってもらった方が良かったか」

 

広大な砂漠のど真ん中で一人寂しそうに佇む雷刀は、少しだけ愚痴を零していたのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

于吉「(・・・・・とても言えませんよ、私の手で敵を増やしてしまったかもしれないなどと)」

 

と、こちらも自身の不徳を嘆いていたのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

龍奈「・・・・・うう、うううぅぅぅ」

 

荊山の山奥の森林にて、人の姿に戻った龍奈が地面に横向きに倒れていた

 

龍奈「うううぅぅ・・・・・はっ!!?ここは!!?」

 

あれから半刻が経ち目を覚ました龍奈の眼前に飛び込んできたのは

 

貂蝉「あ、目を覚ましたわね♪」

 

卑弥呼「おお、流石は龍族、これほどの怪我を負ってこんな短時間で目を覚ますか」

 

ガチムチ筋肉ビキニだった

 

龍奈「きゃあああああああ!!!!きもいいいいいいいいいいいい!!!!」

 

貂蝉「だ〜〜〜れがこの世のものとは思えないおどろおどろしい化け物を見てびっくらこいたですって〜〜〜〜!!!!??」

 

卑弥呼「だ〜〜〜れがあらあら大変、山の中で雪男に会って食べられそうになってどうしましょうだと〜〜〜〜!!!!??」

 

龍奈「そこまで言ってなううううう!!!」

 

脇腹から強烈な激痛が襲ってきて龍奈は蹲る

 

管輅「動かないで、傷に触るわよ」

 

龍奈「・・・・・あんた達、誰なの?」

 

管輅「私は管輅という占い師よ」

 

貂蝉「都の踊り子、絶世の美女、貂蝉ちゃんよん♪」

 

卑弥呼「私は卑弥呼、人呼んで謎の巫女じゃ♪」

 

龍奈「・・・・・お前達は、あの二人の」

 

3人の匂いを嗅ぐと左慈と于吉と同様の匂いがしてきた

 

管輅「そうね・・・・・同業者と呼べる存在ね」

 

龍奈「くっ!!ううううう!!!!」

 

その言葉を聞いた途端に起き上がって攻撃をしようとするが、痛みで体が麻痺し動けなかった

 

管輅「動いちゃ駄目よ、貴方の怪我は人間でいえば即死している重傷なのよ」

 

貂蝉「大丈夫よ、龍奈ちゃん、私達は龍奈ちゃんの味方よん♪」

 

卑弥呼「うむ、私達はご主人様の僕じゃ♪」

 

龍奈「ご主人様・・・・・それって、一刀のこと?」

 

貂蝉「それ以外に誰がいるのよん♪」

 

龍奈「一刀・・・・・一刀・・・・・って!!一刀!!!!??」

 

自身と一刀の身に起きた事を思い出し、龍奈は飛び起きようとするが

 

龍奈「あぐうううううううう!!!」

 

やはり激痛には抗えなかった

 

管輅「大人しくしていなさい、龍族はこれだけの怪我をしても本来なら1日と経たず治るけど、雷刀の邪気で回復が遅くなってるわ、完治するには5日は掛かるわね」

 

龍奈「5日ですって!!!?そんなに休んでられないよ!!!一刀が、一刀がうううううううう!!!」

 

貂蝉「今は大人しくしていなさい、じゃないとご主人様を救うどころか足手纏いになっちゃうわよ」

 

卑弥呼「うむ、その怪我では何も出来んぞ、暫く養生するんじゃ」

 

龍奈「待ってられないよ!!!今すぐに・・・・・うっ・・・・・」

 

そして、余りの激痛により龍奈の意識は途切れた

 

貂蝉「・・・・・本当に貴方は、ご主人様の事を心の底から愛しているのねん」

 

卑弥呼「うむ、並みじゃここまで動けんわい・・・・・」

 

管輅「この子も幸せなのね、北郷一刀に愛されて・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それとほぼ同時刻

 

冥琳「・・・・・うう・・・・・ここは」

 

目覚めると自分は森の中でうつ伏せで寝そべっていた

 

冥琳「うぅ・・・・・私は、いったい・・・・・・・・・・っ!!!?」

 

そして、おぼろげな意識の中で何があったのかを思い出し、冥琳は飛び起きる

 

冥琳「っ!!!?一刀!!!」

 

目の前には仰向けの大の字に一刀が気絶していた

 

どうやら自分も一刀に覆い被さるように気絶していたようだ

 

冥琳「一刀!!!一刀!!!」

 

大声で呼びかけながら、一刀の頬を軽く叩く

 

一刀「ぁ・・・・・・ぁ・・・・」

 

死んではいない、微かに息をしている

 

しかし、全身ボロボロで目も当てられない状態だった

 

冥琳「・・・・・私を庇ったのか」

 

一刀は、冥琳が傷付かないよう自身が盾となり背中から森林に飛び込んだ

 

木の枝による擦り傷を全身に負いながら、盛大に地面に叩き付けられたのだ

 

急いで冥琳は一刀の戦闘装束を脱がし、上半身を裸にした

 

そして、体を起こし背中を覗き込む

 

冥琳「・・・・・なんという事だ」

 

一刀の背中にはバスケットボールほどの大きさの青痣が出来ていた

 

雷刀の一撃に加え、あれだけの高さから背中から地面に叩き付けられれば、いかに一刀といえどもただでは済まない

 

冥琳「どこかに川はないのか!!?」

 

辺りを見渡し水気のある場所を探す

 

冥琳「・・・・・よしっ!!あった!!」

 

奇しくも、直ぐ近くに小川が流れていた

 

急いで小川から手で水を掬い取り一刀に飲ませようとする

 

冥琳「一刀!!!頼む、飲んでくれ!!!」

 

一刀「・・・・・・・・・・」

 

水を一刀の口に運ぶが、これだけの重傷では飲み込むことも出来ない

 

冥琳「っ!!」

 

そして、冥琳は掬った水を自身の口に含み口移しで一刀に飲ませた

 

冥琳「ん・・・・・んふ・・・・・んん」

 

一刀「う・・・・・んぐ・・・・・ぁむ」

 

飲んでくれた、耳に水が喉を通っていく音がはっきり聞こえ、冥琳は口を離す

 

今度は一刀をうつ伏せにし、濡らした手拭を背中の青痣に押し当て冷やし、全身に付いた傷を拭っていく

 

冥琳「頼む、頼む一刀ぉ・・・・・死なないでくれ、お願いだ・・・・・死なないでくれぇ・・・・・」

 

謝罪のしようもない事は分かっている

 

三国同盟の立役者、天の御遣い、英雄王、三国の守護神、なにより自身の命の恩人を自分達の手でここまで追い詰めてしまったのだ

 

冥琳「なんという事を・・・・・私は、私達は・・・・・なんという事をしてしまったんだ・・・・・」

 

涙を流しながら、必死で一刀を介抱する冥琳

 

その時

 

熊「グルルルルルル」

 

冥琳「っ!!?」

 

森林の茂みをかき分け見るも巨大な熊が現れた

 

冥琳「くっ!!こんな時に・・・・・」

 

熊は、涎を垂らしながらこちらにゆっくりと近づいてくる

 

どうやら相当に空腹のようだ、隙を見せればすぐにでも襲い掛かってくるだろう

 

冥琳「(一刀・・・・・今度は私がお前を守る)」

 

腰の白虎九尾を手に取り、熊を見据える

 

だが、相手は人間でなく熊、しかも見るからに空腹状態

 

こんな鞭程度では、退ける事は出来ない

 

これまで蓄えてきた知識がこのままでは拙いと警戒信号を鳴らす

 

しかし、冥琳に一刀を置いて逃げるなどありえない

 

敵わないと分かっていても、冥琳は立ち上がろうとする

 

その時

 

冥琳「っ!?・・・・・一刀!?」

 

自身の手を一刀が握ってきた

 

しかし、一刀は目を瞑ったままで、意識は戻っていなかった

 

一刀「・・・・・っ!!」

 

そして、無意識の内に全身から氣を発し冥琳に送り込む

 

冥琳「・・・・・これは」

 

すると自身の武器、白虎九尾にみるみる光が籠っていく

 

冥琳「よし、これならいける!もういいぞ一刀!!」

 

一刀「っ」

 

そして、一瞬で氣が発せられなくなり、一刀の手は地面に落ちた

 

冥琳「一刀!!!うおおおおおおおお!!!!」

 

弾けたように冥琳は白虎九尾を振るった

 

シュビンッ!!

 

ドサッ

 

すると、白虎九尾は熊をすり抜け、一瞬で絶命させた

 

以前の五胡戦で使った合体奥義

 

あの五胡の巨人でさえこの技の前には無力だったのだ

 

熊になど勿体ない技である

 

冥琳「よし、倒したぞ!!一刀、目を開けてくれ!!一刀!!!」

 

一刀「・・・・・・・・・・」

 

しかし、一刀から返事は無かった

 

冥琳「一刀・・・・・一刀ぉ!」

 

力なく横たわった一刀を抱き起し優しく抱きしめ、その豊満な胸の中に包み込む

 

冥琳「一刀ぉ・・・・・私は、私達は、一刀に助けられっ放しだ、救われっ放しだ・・・・・私達は、一刀を救う事が出来ないのか・・・・・」

 

かつて雷刀に言われた言葉が胸に突き刺さる

 

『どんな女でも、あの阿呆を救うことは出来ない、そう・・・・・どれほど出来た女であろうともだ』

 

冥琳「一刀ぉ・・・・・一刀ぉ・・・・・」

 

グシャグシャな顔で泪を滝のように流しながら冥琳は非力な自分を嘆いていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一刀「・・・・・うぅ・・・・・」

 

冥琳「っ!!気が付いたか!!?一刀!!?」

 

そして、それから約1刻後、一刀は目を覚ます

 

一刀「めい・・・・・りん?・・・・・ここは・・・・・」

 

冥琳「ここは、荊山の洞窟だ!」

 

一刀「荊山の・・・・・って、え?」

 

頭が覚醒してくると、今自分が置かれている状況が分かってくる

 

目の前には冥琳の顔に加え、彼女の豊満な双乳がアップで迫っていた

 

そう、自分は冥琳に膝枕をされてるのだ

 

一刀「あ、ちょっ!その!/////////////」

 

羞恥心が溢れてきて起き上がろうとするが

 

冥琳「駄目だ動くな!!傷に触る!!」

 

一刀「ぐううううう!!!」

 

背中から恐ろしい激痛が襲ってきて再び一刀は冥琳の膝に頭を預けた

 

冥琳「一刀ぉ・・・・・私達は、私はどうしたらいい・・・・・一刀をここまで傷付けてしまって・・・・・詫びの言葉も見つからない・・・・・」

 

流れ出す泪は、一刀の頬に落ち首に伝っていく

 

一刀「冥琳・・・・・思い出したのか?」

 

冥琳「・・・・・ああ・・・・・ぐすっ・・・・・どうしてだ、どうしてこうなってしまったんだ・・・・・こんなはずじゃなかった、なかったはずなのに・・・・・うぅ・・・・・」

 

そして、まるで子供の様に目の周りを腕で拭い続けていた

 

一刀「・・・・・っ」

 

ギュウッ

 

冥琳「あ・・・・・一刀ぉ///////////」

 

膝から起き上がり冥琳を抱き締める一刀

 

一刀「冥琳・・・・・冥琳達のせいじゃない」

 

冥琳「ぐすっ・・・・・一刀ぉ/////////」

 

優しく心を込めて頭を撫でてくれた

 

自分は、自分達は一刀に優しくされる資格なんてないのに、どうしてこんなにも優しくしてくれるのか

 

一刀「今は良い、泣いてくれて良い・・・・・ここには俺以外誰もいない」

 

冥琳「一刀ぉ・・・・・うああ・・・・・あああああああああああああああ!!!!」

 

自らも一刀に抱き付き泣きじゃくる冥琳の鳴き声が辺りに木霊する

 

そこには呉の大都督としての周瑜公瑾の面影は何処にもなく、一人の男性を慕う女性がいた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一刀「・・・・・気は晴れたか?」

 

冥琳「ありがとう・・・・・ぐすっ、本当に私達は一刀に助けられっ放しだな///////」

 

泣いている間中ずっと一刀は自分の頭を撫でてくれていた

 

不思議な事に、悲しみの嵐に渦巻いていた心があっという間に穏やかになっていったのだ

 

やはり、冥琳にとっても一刀はそれほどまでに特別な存在である事は否めないようだ

 

一刀「いいや、俺も冥琳の泣き顔なんて珍しいものを見れて得したよ」

 

冥琳「茶化すな!こっちは本気ですまないと思っているんだぞ!//////////////」

 

一刀「ごめんごめん、悪かったよ」

 

たまに、泣きホクロがある人は泣かないと言われることがある

 

そんな人間は人が居ない所、陰で泣いているとも言われている

 

左に泣きホクロがある冥琳が涙を流したところは、一刀もこれまで見たことがなかった

 

しかし、今の冥琳はそんなことはお構いなしに泣き崩れていた

 

自身の痴態に羞恥心が湧き赤面する冥琳と、はにかむ様に笑いながら謝る一刀は洞窟を出て森林を共に歩く

 

一刀のダメージはまだ抜けきっていないので、冥琳が肩を貸していた

 

冥琳「・・・・・それにしても、これはどういう事だ!?なぜ皆一刀の事を忘れている、忘れられるんだ!?」

 

一刀「それは・・・・・」

 

冥琳「いや、言わなくとも分かる!あの二人が、我々から一刀の記憶を奪ったんだ!」

 

こんなことが出来るのは、神仏の力を手にしている者くらいである

 

自らを神仙と名乗り、見た事も聞いた事もない術を使っていた左慈と于吉

 

おまけに先の戦いで、于吉ははっきりと自分達の敵だと明言した

 

いや、最初から気付くべきだったのだ、思い返せば、その要素はいくらでもあったのに

 

そうしていれば、ここまで利用される事も、一刀をここまで追い詰める事もなかった

 

冥琳「(まったく、呉の大都督が聞いて呆れる!!これでは今まで何の為に知識を蓄えて来たのか分からん!!)」

 

左慈と于吉に対しての、何より自分への怒りで胸がいっぱいになる

 

冥琳「一刀、皆は私が説得する!!共に左慈と于吉を倒し、皆に一刀の事を思い出させてやろう!!」

 

一刀「・・・・・・・・・・」

 

冥琳「・・・・・どうしたんだ、一刀?」

 

どう考えても左慈と于吉の陰謀であることは明らかであるはずなのに、一刀はどうでもいいような表情をしていた

 

一刀「冥琳・・・・・俺にそんな気は無い」

 

冥琳「な、何を言い出すんだ・・・・・」

 

信じられない言葉が一刀の口から出て来て冥琳は錯乱する

 

一刀「俺も今回の件が左慈と于吉の手によって引き起こされた事だと分かっている」

 

冥琳「ならばあ奴らを倒しに行かなくては!!でないと一刀は永遠に私達と離ればなれなんだぞ!!」

 

一刀「それでいいんだ・・・・・これが俺に与えられた罰なんだ、たとえ人為的なものだったとしても俺はこれを受け入れる」

 

冥琳「そんな、そんな事・・・・・」

 

一刀「それに、俺はもうこの世界の歴史には一切関わらないと決めたんだ、俺の事はもうほっといてくれ」

 

冥琳「天角の皆はどうなる!!?もし一刀の事を思い出したら、目も当てられない事になるぞ!!」

 

一刀「それも、俺が左慈と于吉を倒しさえしなければいいだけの話だ、皆は俺の事を絶対に思い出さない・・・・・だからさ、冥琳は皆に一緒に左慈達を倒しに行くよう説得するんじゃなくて、俺と龍奈をそっとしておくように説得してくれ、冥琳も俺の事は忘れてくれ、そして金輪際俺と龍奈の前に現れないでくれ、決心が鈍る」

 

冥琳「〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!」

 

歯を食いしばり、悔しさを滲ませる

 

今更一刀に帰ってきて欲しいと思うのは虫のいい話だと分かっている

 

しかし、自分は思い出してしまったのだ、一刀と共にいる時の安心感を

 

閨を共にした時に得られるあの甘美な満足感を

 

あの日々をもう一度取り戻したい、これからも一刀に抱いてもらいたい、一刀の子が欲しい

 

女としての喜びをこれほどまでに思い出ださせてくれた一刀に尽くしたい

 

一刀「ここまででいい・・・・・俺は龍奈を探しに行くから、冥琳は皆と一緒に帰ってくれ」

 

そして、冥琳の肩から腕を外し、フラフラしながら一刀は森の中へと去っていく

 

冥琳「・・・・・嫌だぁ」

 

その後ろ姿を見ていると、再び関を切ったように泪が溢れだす

 

冥琳「嫌だ嫌だ!!!頼む一刀、そんな事言わないでくれ!!!これからも私達の傍に居てくれ!!!」

 

後ろから一刀に抱き付き、まるで子供の様に泣きじゃくる

 

冥琳「一刀は、これからは何もしなくていい!!!一刀の仕事は全て私がやる!!!」

 

一刀「そんなこと不可能に決まっているだろ、冥琳には呉の大都督としての仕事があるのに」

 

冥琳「もちろん、私だけでは出来ない!!!皆で協力してやっていく!!!」

 

一刀「冥琳らしくもない非論理的な言動だ、皆の記憶が戻ってないのに、そんな事が出来ると思うのか?」

 

冥琳「皆は、私が説得する!!!」

 

一刀「三国同盟が崩壊するかもしれないんだぞ」

 

冥琳「構わない!!!一刀のいない同盟など、意味は無い!!!」

 

一刀「離してくれ、冥琳」

 

冥琳「嫌だ!!!一緒に帰ると言うまで離さない!!!」

 

一刀「・・・・・っ!!」

 

冥琳「あっ!!?」

 

ドサッ!!

 

冥琳「うぅ・・・・・一刀ぉ」

 

後ろから抱き付いた冥琳のホールドを外し、怪我をさせないよう草叢に投げる

 

一刀「冥琳、もう一度だけ言う、俺は戻るつもりはない・・・・・俺が冥琳達と出会った事に意味は無かったんだ、俺に出来る事なんて最初から何も無かったんだ」

 

冥琳「そんな事は無い、現に私は一刀に救われた!!!私の胸の病を治してくれたのは一刀だ!!!一刀が居なければ、私はとっくに死んでいた!!!それすらも意味の無い事というのか!!!?」

 

一刀「その通りだ」

 

冥琳「・・・・・一刀ぉ」

 

一刀「仮に俺が冥琳を助けなかったとしても、この世界には華佗がいた、華佗だったら冥琳の病魔を見つける事が出来ていたろうし、俺の出る幕は無かったんだ」

 

冥琳「違う・・・・・違う!!!雷刀も言っていた、本来の歴史での周公瑾は、赤壁の戦いの直後に病死すると、ならば華佗は私の病に気付かなかったという事だ、やはり私の病を治す事が出来たのは、一刀以外にありえないんだ!!!」

 

一刀「それも、俺の個人的な感情だったんだ・・・・・俺は、この時代に来ちゃいけなかった、冥琳を助けるべきじゃなかったんだ」

 

冥琳「そんな・・・・・そんな」

 

一刀「これで納得したろ?北郷一刀なんて人間はそんな程度だって・・・・・俺の事はすぐにでも忘れるんだ」

 

これは、一刀のせめてものケジメ、自分の事を完全に諦めさせる為に、後々自分の事で苦しむ事が無い様に、わざと冷たい言葉を投げかける

 

本当は一刀もこんな事はしたくない、だがどうにもならないのだ

 

そして、再び森の中へと去ろうとする

 

冥琳「待ってくれ!!!一刀!!!」

 

一刀「付いてくるな!!!俺には皆の傍に居る資格は無いし、居ちゃならないんだ!!」

 

冥琳「どうしてだ!!!?山賊狩りの罪か!!!?そんなものは罪ではないと何度言ったら分かるんだ!!!?」

 

一刀「なら言ってやろう!!!俺の寿命は・・・・・」

 

再び冥琳に向き直り、言葉の続きを紡ごうとしたその時

 

バサッ!!!

 

一刀「なっ!!!?」

 

冥琳「何!!!?一刀!!!?」

 

いきなり一刀の立っている地面が陥没したと思ったら地中から太い縄で編まれた網が現れ一刀を絡め取り中刷りにした

 

明命「やりました!!雪蓮様!!」

 

雪蓮「よくやったわ!!・・・・・冥琳!無事だったのね!」

 

冥琳「雪蓮!?これはいったい!?」

 

雪蓮「何言ってるのよ?冥琳が考えた作戦でしょ?」

 

冥琳「(しまった!!!)」

 

そう、当初の作戦では一刀を森林へと誘い込みこの罠にはめる予定だったのだ

 

先の戦闘の序盤に思春と明命が参加していなかったのは、この罠を制作する為であった

 

しかし、一刀の予想以上の強さに誘い込むどころではなくなってしまったため、使う事は無いと思っていた

 

一刀「ぐううう!!いっつ!!」

 

背中からの激痛で氣を上手く練る事が出来なく、抜け出せない

 

万全の状態であればこの程度の罠にかかる事もなかったのであろうが

 

冥琳「雪蓮、今すぐ一刀を降ろすんだ!!!」

 

雪蓮「ちょっと、何言ってるのよ!!?せっかく捕まえたのに!!」

 

冥琳「明命、思春、今すぐ罠を解け!!!」

 

明命「はうあ!!?何故ですか!!?」

 

思春「いきなりどうしたんだ!!?」

 

祭「気でもふれたか、冥琳!!」

 

雪蓮「一体どうしたのよ!!?あたし達が探している間に、あいつに何かされたの!!?」

 

ちょっと前までの冥琳からは想像も付かないほどの狼狽ぶりに、断金の仲の雪蓮も呆気にとられていた

 

冥琳「頼む雪蓮、思い出してくれ!!!一刀だぞ、私達の命の恩人だぞ!!!」

 

雪蓮「命の恩人って、何を言っているの!!?」

 

冥琳「祭殿も思い出して下され!!!赤壁の戦いで、我々は一刀に救われているのですぞ!!!」

 

祭「な、何の話じゃ!!?」

 

冥琳「それすらも忘れてしまったのですか!!!?」

 

自分も一刀の事を忘れてしまっていたので人の事は言えない

 

しかしそれでも、声を大にし一刀を降ろすよう説得を続ける冥琳

 

一刀「・・・・・冥琳」

 

冥琳「一刀、待っていてくれ、すぐに出してやる!!」

 

一刀「もういい、冥琳・・・・・」

 

冥琳「・・・・・一刀ぉ」

 

一刀「このままでいい、好きにしてくれて構わない・・・・・」

 

雪蓮「あらあら、もう諦めちゃうの?あの気持ち悪い軍団から助けてくれたんだし、もうちょっと待遇をよくしてあげてもいいわよ♪」

 

冥琳「雪蓮・・・・・後で必ず後悔するぞ」

 

雪蓮「だから何の事よ?」

 

冥琳「皆も、必ず後悔するぞ、覚えておけ!!!」

 

翠「おいおい、冥琳の奴どうしちまったんだ?」

 

春蘭「さあ、分からん」

 

冥琳「一刀、私が傍に居てやる、必ず皆にお前の事を思い出させてやる、待っていろ!」

 

そして、冥琳は一刀の傍に寄り添う

 

一刀は、全身を縄で縛られ天角へと連行されていったのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どうも、Seigouです

 

一か月後とか言っておきながらすみません、割と早く書きあがったので投稿させていただきました

 

というか本当に目も当てられませんね、自分で書いていてこの一刀は本当に報われないんだなってつくづく思います

 

ここまでの不幸体質な一刀を描くのは自分が初めてなのではないのでしょうか?

 

別に自分は一刀が嫌いという訳ではありませんよ、なにせ恋の次に好きですからね

 

人を導く才能というのは自分の中には1%もありませんので尊敬できる主人公です

 

殆ど憎まれ役のエロゲーの主人公の中でダントツの人気があるのはその為でしょう

 

自分もなるべく一刀には幸せになって欲しいのですが、物語の構成上そういう訳にもいかないのが苦しい所です

 

さて、冥琳はどのようにして一刀を救い出すのか、一刀に下される判決は・・・・・待て!!!次回!!!

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コメント
阿修羅伝の続きが気になります。待ってますよ。(yuuki)
更新来たーーーー今回も面白い!!どっちの作品でも良いので続き待ってます。(スターダスト)
鎮魂の修羅の続きが見たいです。(麒麟)
北郷流無刀術阿修羅伝 早く続きをお願いします(ているず)
三千万ですか、それでも三十人に一人。大陸にある全ての村で、最低でも一人は住民を一刀に殺されている計算になりそうです。……確かに、これなら一刀が自らの行いを全否定しても何らおかしくはありませんね。(h995)
早いですね(゚д゚;)ゆっくりでいいんですよ?(スネーク)
続きをお願いします。(yuuki)
やっぱり突き放したか。そうなって当然の事だと思ってたが目も当てられないな。大都督の威厳も何もありゃしない。さてどうなるかな、死刑にされそうになった瞬間、今まで以上の苦痛がきて記憶が戻ったりするんだろうか。(yuuki)
次回めっちゃ気になる。楽しみにしてます。(himajin)
お疲れ様でした!続きを楽しみにしてます!が、無理のない程度でお願いします^ - ^(堕天使レム)
中学二年生さんへ、誤字報告ありがとうございます(Seigou)
h995さんへ、一応人口は3000万という設定です(Seigou)
マジでホントに続きが楽しみです(Eire)
大都督じゃね?大都得ってちがくね?(心は永遠の中学二年生)
連行されたらもしみんなの記憶が戻ったら監禁されそうだなw(nao)
続きーーー(優馬左近)
一刀!一刀!!一刀ーーーーーーー!!・・・ではでは、続き楽しみに待ってます。(一丸)
冥琳が思い出したのも束の間、こんなことになるとは・・・このあとがどうなるのか、凄く気になります(本郷 刃)
華佗ちゃんも事情を知っていたのに、記憶を失っていたとは言え……色々とやってしまったから記憶が戻ったらやるせないでしょうね。 自分のした事に。(劉邦柾棟)
つくづく左慈と于吉は余計な真似をしてくれたな。 冥琳以外の皆は自分のやっている事に何の違和感を感じていないけど、記憶が戻ったらトンデモナイ事になるだろうな。(劉邦柾棟)
……まぁ寿命が残り僅かな上に死ぬまで罪の意識に苛まれ続ける一刀にとって、実施されるであろう処刑はむしろ介錯なのかもしれません。それに百万人殺しですが、良く考えると全盛期で三千万だったので、当時はおそらく一千万程であろう漢の住民の実に十人に一人は殺している計算になりますね。(h995)
記憶が戻ったときの恋姫達の様子が・・・楽しみだなぁ(´?????`) (リュウセイ)
あー、捕まっちゃったか。まあ、問答無用で死刑にする以外、恋姫達は選択肢を見出さないだろう。あの場で起きたことは、下手に頭の良い軍師達や華琳には受け入れがたいだろうし、悪龍を従えていたことも蜀メンバーにとってはとても許せるものではない。よって死刑は宣告されてしまうだろう……冥琳が自害までして訴えるなら、別かもしれないが。(Jack Tlam)
続き待ってます(あか)
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