真・恋姫無双 雌雄の御遣い 第十話
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〜一刀視点〜

曹操達と行軍して5日 その間小規模な戦闘が何回かあった

曹操軍は精強で将も強く統率がとれている

更に荀ケが策を練っているので効率よく敵を倒していく

おまけに静里がその策に補足をしていくので隙が無い

曹操の静里の評価はうなぎのぼりのようだ

そんな中、行軍の休憩中に俺は凪と組手をしていた

曹操軍に同行してから毎日の事だ

何故、そんな事になったのか

話は行軍に同行した日の夜にさかのぼる

 

「あんたが男だからと言う理由だけで見下すのは華琳様の御言葉でもあるから辞めるわ

 でも、あんたが有能かどうかは別問題の筈よ

 だから、知は無理でしょうけど武で役に立つのを証明して見せなさいよ!」

荀ケが食ってかかって来た

どうあっても俺を認めたくない様だ

そこに華琳がやって来た

「桂花の言葉も一理あるわ

 貴男の武 知っておきたいのは当然

 見せてもらえるかしら」

楽しい遊びを見つけたかのような笑みを浮かべている

「分かった、で 誰とやればいいんだ?

 鞘姉や関羽だと示し合わせたとか言われそうだからな

 其方が相手を選んでくれ」

俺も了承した

「そうね、では凪 貴女が相手をしなさい

 北郷 この楽進が相手よ

 桂花もこれなら文句は無いでしょう」

こうして楽進と仕合をすることになった

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楽進が構えを取る 俺も構えるが『朱雀』は抜かない

「北郷殿、私を侮っているのですか?」

楽進の言葉には少し怒りが込められている

「君は侮られる程、弱くないだろう

 ただ、抜いていないからと言って使わないとは言っていない

 使う機会が有ったら使うさ」

 

「では、始め」

審判役の夏侯淵の言葉で仕合が始まる

楽進は左右の連続突きを繰り出してくるが俺はそれを流して捌く

受け止めれば楽進は手甲を嵌めているので此方の腕が負傷してしまうので流す

此方も攻撃をしたいが、楽進が手甲で受け止めれば此方が負傷しかねない

だから手甲や足甲で防ぎにくい下段蹴り(ローキック)を放つ

この技は戦に於いてはあまり使われない

どうあがいても一撃で相手を倒すことも行動不能にすることも出来ない

故に楽進はこの技を知らない そう読んでの攻撃だ

読み通り楽進は下段蹴りに苦戦する

左右の連続で何発も当てる

衝撃の蓄積で楽進が片膝をつく

「く、こうなったら」

後ろに大きく飛んで間合いを開けると

「猛虎襲撃!」

気弾を飛ばしてきた

この攻撃に驚いて、躱せたが態勢を大きく崩す

楽進は間合いを詰めて来て中段蹴りを繰り出す

態勢を崩していた俺は躱せずに脇腹に喰らってしまった

更に楽進が追撃の正拳突きを顔面に放ってくる

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楽進の顔面への正拳突きを紙一重で躱すとその腕に飛びつくようにする

そのまま腕ひしぎ十字固めを極めながら楽進を転がす

柔道やサンボにある「飛びつき腕十字」が北天一心流にもある

仰向けに倒れて腕十字固めを極められた楽進が苦悶の声を上げると

「そこまで、勝者 北郷」

夏侯淵が宣言したので俺は技を解く

すると荀ケが夏侯淵に食ってかかっていた

「ちょっと、凪はまだ降参の意思表示をしていないじゃない

 それなのに何であいつの勝ちなのよ!」

この荀ケの言葉に対して

「いえ、激痛で降参の意思表示が出来なかっただけです

 それに北郷殿がその気なら私の腕を折る事も可能な状態でした」

凪の言葉に荀ケも引き下がる それはもう悔しそうに

 

「北郷様、私の真名は凪です

 これからは凪と呼んでください

 それとこれはお願いなんですが、行動を共にしている間だけでも私に稽古をつけて下さい」

真名を預けて、無意識なのだろうが縋るような目で頼んでくる

そんな可愛い女の子の頼みを断れるわけも無く

「分かった

 俺には真名が無いから一刀と呼んでくれ」

「はい 一刀様!」

 

翌日から行軍が休憩の時などは凪に稽古をつけている

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〜鞘華視点〜

一君が凪(真名は一君の後に預かった)に稽古をつけている

なんだか楽しそうに見える

凪は尊敬以外の感情が見え隠れしているが一君は気づいていない様ね

 

「一君、凪に稽古をつけるのが随分楽しそうね」

稽古が一段落したところで話し掛ける

「まあね 凪は弟子として見たら最高級だよ

 伸びしろはある、熱心、向上心がある、素直、おまけに可愛い

 これ以上何を望むのさって言う位だ」

「そんな、可愛いなんて・・・」

凪が真っ赤になっている

尊敬し、それ以上の感情も芽生え始めている人に可愛いと躊躇い無しに言われれば無理ないわよね

「え、あ、その、本心が、じゃなくて・・・」

狼狽えながら無意識に追撃を掛けている

一君、あなた天然の女たらしじゃないの?

機会が有ったら叔母さん(一君のお母さん)に訊いてみよ

 

〜曹操視点〜

初日の仕合で男北郷の実力も本物だと分かった

あの四人、何とか私の配下に加えたいわね

私の覇道の為 男北郷以外は私の趣味の為にも

私は欲しいものは全て手に入れて来た

貴方達も例外じゃないわ

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〜あとがき〜

 

一刀と凪の仕合の技が説明が下手な上にマイナーな技なので解らない方がいるかと思います

申し訳ありませんがちょっと変わった技も出してみたいので

 

一刀は雪蓮や凪に勝っているのですが実力的にはほぼ互角です

雪蓮や凪にとって未知の技を使っているから勝てている が正解です

 

更新はゆっくりになるかもしれませんが続けるつもりです

 

 

 

 

 

 

説明
一刀達は曹操と行軍する
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コメント
……人を見る目が無いっていうより、彼女自身の自己認識の問題があるような気がする。桃香も同じだけど、結局はそれが色眼鏡になって、相手を正確に認識できなくなっているんだと思うんですよね……(Jack Tlam)
覇道がどうのこうのって言ってる割に、人を見る目がまるで無いな。 この『華琳』は・・・・・ε=(・д・`*)ハァ…(劉邦柾棟)
タグ
真・恋姫無双 北郷一刀 華琳  

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