魔導師シャ・ノワール 闇の書偏 第三十九話 車椅子の少女 後編
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「いや〜まさか、ノワールくんが男の子やとは思わへんかったわー。

 お蔭でいろいろ勉強になったわ〜」

 

「・・・」

 

「にしてもアレやな。やっぱり「八神はやて」・・・な、なんや?」

 

「別に無理しなくてもいいぞ。気恥ずかしいのは分かってるから。無理に喋らなくても」

 

「あ、うん・・・そうやね」

 

結局、一緒に入ったお風呂では、はやてがこちらをジロジロと見つめてくるのを無視しながら入り。

 

補助もしながら体も洗って風呂から上がるころには、はやての顔はのぼせたように真っ赤になっており。

 

それから夕食も結局、二人で作ったのだが。はやてはずっと視線をこちらに向けては顔を赤くしていた。

 

それは、夕食を食べ終わってから。リビングのソファーでお茶を飲んでいる今でもそれは変わらなかった。

 

 

「というか。なんで俺が女の子だと思ったんだ?服装もそうだが、言葉遣いも男だろう?」

 

現在は、借り物の白いジャージを着ているが。元々来ていた服もジーパンや地味なシャツなどである。

とても、女の子が着るような服は着ていなかった。

 

「いや、だって。髪の毛は長いし。顔はその・・・かっこかわいいし・・・。」

 

「はぁ・・・やっぱり髪の切ろうかな・・・」

 

とは、言っても団を抜けた今でこそ切るチャンスかと思いきや。

 

高町家の長男である恭也以外の家族からは切らない方がいいと、止められており。

 

さっぱりした、短い髪型へ変わるチャンスが巡ってこない。

 

いや、散髪自体は行っているのだ。ただ、短い長さに切られず。

ボリュームを整えたり枝毛を短く切られたりするだけで長さは一向に変わっていない。

 

もうすぐ夏だというのに。バリアジャケットも無かったら熱くて死んでしまいそうだ。

 

「えー!勿体無いやん!綺麗な黒髪やのに!」

 

「お前もそういうのか・・・」

 

「当たり前や!というか髪の毛切っても多分、女の子にしか見えへんで」

 

「案外ズバズバも言うな。俺も気にしてるのに」

 

「あっ。ご、ごめんな?」

 

気を悪くしたかと思われたの。シュンと言葉を紡ぐはやて。

 

あまりこう言った話が出来る相手が少ないのだろうか。

 

「別に怒ってないぞ。事実を受け入れなければ先には進めない」

 

「そっか・・・でも、なんだかカッコエエこと言ってるけど。半分諦めてるだけやない?」

 

「そうとも言うな」

 

「あははっ!へんなの〜!」

 

年を取れば。時間が解決してくれるだろうと自分の容姿に可能性を掛けている。

容姿など、なるようにしかならないのだ。

 

「ああ、そろそろ帰らないとな」

 

「あ・・もう、そんな時間なんやね・・・」

 

リビングの時計は既に9時を回っていた。

座っていたソファーから立つと。はやても静かに傍について来る。

その時のはやての顔はとても寂しげで。俺が一番嫌いな顔だった。

 

ああ、そうか・・・。こいつの目はフェイトと似ていたのか。

 

玄関まで来たところで口を開く。

 

「そんな顔をするな。今生の別れってわけじゃないだろ?」

 

そういいつつ。はやての頭を撫でると。静かに涙を目に溜め始めた。

 

「ご、ごめんなぁ・・・久しぶりにこんな楽しかった・・・んや・・・」

 

「そっか・・・なら、安心しろ」

 

「・・・なんでや?」

 

撫でていた頭から手を離すと。はやては俺に向って顔を上げる

 

「アレだ。友達・・・だからな?」

 

「友・・・達?」

 

「違うのか?」

 

「ううん!ノワール君とはもう友達や!」

 

予感では厄介ごとがこの先に待ち構えていると思うが。

 

寂しげな目のままにして立ち去ってしまうより、よっぽどいい。

 

「偶に家にも遊びに来てやる。はやてさえ良ければな」

 

「うんっ!どんどん来てくれて構わへんで!あっ、そうやそうや!携帯の番号交換せいへん?」

 

携帯・・・なのはのやつや。アリサやすずかも持っていたな。俺は持ってないが

 

何時かは必要だろうが。買いに行くタイミングが中々無いために所持していない。

なのはとなら、念話で済むだろうしな。

 

「悪い。俺、携帯持ってないんだ」

 

「あ、そうなんや・・・。なら、番号書いたメモ渡しとくな?」

 

「ああ」

 

慌ててリビングに戻って番号を書いたメモを持ってくるはやて

車椅子というのに早い。その様子を見て思わず微笑んでしまった。

 

「なに笑ってるんや?」

 

「いやいや。思わず和んでしまった」

 

「むう〜!」

 

そういうとはやては頬を膨らませて怒る。

 

「ははっ、じゃあまたな」

 

「あ・・・」

 

メモを取って別れの言葉を告げながらはやての頭を撫でて俺は外に飛び出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「わたしに友達かぁ・・・それも男の子。いろいろあった日やったけど。運命って信じたくなるわ〜」

 

その日、はやては一人でベッドに入ったがこれまで感じていた寂しさは無かった....

 

 

 

 

 

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「ただいま〜っと・・・?」

 

高町家に戻り。玄関の扉を開けるとそこには...

 

「オカエリ、ノワールクン」

「オカエリナサイマセ、マスター」

 

「え?た、ただいま?....ッ!?」

 

なんだか目に光が無い、なのはとアリスが待っていた。

 

そして、徐に二人の腕が伸び。俺の腕を掴んで引きずり込まれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それからの記憶があやふやで、気が付いたら朝だった。なのはとアリスに抱きつかれた状態で....

ただ、事情聴取及び説教をされた覚えがある。

はやてに迷惑が掛からないように名前などは一切出さずに事情を説明したと思うが

 

それにしても・・・俺がなにか悪いことしたのか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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短いのは仕様です。前話との兼ね合いに困った結果です。

一日更新を予約でするつもりが途中で力尽き。結局、事前予約で出来たのは前話だけでした。

 

 

次回は、あの方達の登場です。お楽しみに!あのポニーテールに踏まれたぃ...ゲフンッ!ゲフンッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

※読んでくれてありがとうございます!感想などなどはお気軽に!

 

 

 

 

 

 

※誤字脱字などの指摘もどんどんお願いします。

 

 

 

 

 

※また誤字脱字や妙な言い回しなど見つけ次第修正しますが特に物語りに大きな影響が無い限り報告等は致しませんのであしからず。

 

説明
神様などに一切会わずに特典もなくリリカルなのはの世界へ転生した主人公。原作知識を持っていた筈が生まれ育った厳しい環境の為にそのことを忘れてしまい。知らず知らずの内に原作に介入してしまう、そんな魔導師の物語です。 ※物語初頭などはシリアス成分が多めですが物語が進むにつれて皆無に近くなります。 ※またハーレム要素及び男の娘などの要素も含みます。さらにチートなどはありません。 初めて読む方はプロローグからお願いします。
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コメント
おい、作者。ボクも同志だ(ゼロフィール)
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