真・恋姫無双 三人の天の御遣い 第二章『三??†無双』 クリスマス特別編
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第二章  『三??†無双』 クリスマス特別編

 

 

第一夜

本城 医務室                   (時報:桂花八人目 妊娠二ヶ月)

【緑一刀turn】

 

「「「二刃あああああああああああっ!!」」」

 

 俺たちはついさっき服屋の親父さんから話を聞いて、大慌てで二刃の居る医務室に走って来た。

 勢いよく開けた扉の向こうでは二刃が駕医と!……………平然と書類仕事をしている。

 チクショウ!少しは驚いてもいいじゃないかっ!

 

「なに、兄さんたち?今は忙しいから後にしてくれる?」

 

 机に向かって書き物をして全然こっちを見ようともしないで言いやがった!

 

「「「重要な話だっ!顔くらいこっち向け!駕医っ!お前もなんか反応しろっ!!」」」

「ん?二刃に用事なんだろう?まずは用件を聞いておこうと思ってたんだが………」

「「「いやいや、俺たちが慌てて飛び込んで来たら子供達や奥さん達が急病とか怪我とかって思わない?」」」

「それなら一刀たちが抱きかかえて来るか、動かせないくらいなら一刀たちはその相手から離れず誰かに呼びに行かせるだろう。」

 

確かに駕医の言う通りだ。

 

「「「それでも万が一って事もあるだろう?」」」

 

そう言って食い下がると、二刃が書類から顔を上げて怖い顔で睨んできた。

 

「あのね、兄さんたちが何の用でやって来たか分かってるわよ。サンタコスの話でしょ!」

「「「いやまあ……………そうなんだけどさ…………」」」

 

 そう、俺たちの野望がまたひとつ、漸く実現しようかという矢先に貧乳党から横槍が入って計画が頓挫しかかっているのだ。

 具体的に言うと、服屋の親父さんにサンタコスを発注したのに、桂花と二刃がデザインした服を優先して仕上げる事にされていた。

 親父さんは説得されたからと言っていたが、半ば脅されていたであろう事は想像に難くない。

 きっと目の前で二刃が見せている凰羅を親父さんにも見せたのだろう…………。

 だがここで怯んでは駄目だっ!

 

「「「二刃!お前は勘違いをしている!これは子供達にクリスマスを経験させてあげたいと思って始めた計画の一部なんだ!!」

「それなら兄さんたち用に普通のサンタ服を三着作ればいいだけでしょ。ミニスカサンタの衣装なんていらないじゃない!しかも冥琳さんに怒られるくらい発注してたじゃない!何考えてるのよ!」

 

 そう言って二刃が俺たちに一枚の紙を突きつける。

 それは俺たちが親父さんに渡したデザイン画の内の一枚だった。

 

「「「いや、それが発想の原点だった事は認めよう。しかし、それは子供達が産まれるずっと前に考えていた事なんだ!今言った様に、子供達の為にクリスマスをしたいんだよ!二刃、お前が来てくれた事で奥さん達を説得出来ると思って計画を実行したんだ!」」」

「あたしが説得?普通にクリスマスをするだけならそんなの必要ないと思うけど?」

「「「二刃、クリスマスとはキリスト教のお祭りだ。それを華琳が認めてくれると思うか?」」」

「五斗米道や漢女道が認められてるんだから大丈夫なんじゃ………あ、クリスマスは降誕祭だもんね……」

「「「キリスト教はまだここまで伝わってないけど炙叉は敦煌で噂を聞いた事が有るって言ってた。クリスマスをこの国の皇帝が祝ったなんて広まったら国教として認めたと思われて宣教師が押し寄せて来るぞ。下手したら宗教戦争に発展しかねん。」」

「そこまで分かっててクリスマスを諦めるって選択肢は無いわけ?」

 

「「「二刃………子供達が朝目覚めた時に、サンタからのプレゼントが靴下に入っていたのを見つけて喜ぶ姿を見たくはないか?」」」

 

「それは………魅力的な光景だわ………」

 

 よしよし♪二刃への切り札が上手く効いたな♪

 

「あれ?そういえばサンタクロースのモチーフになった聖ニコラウスってまだ生まれてないんじゃないの?」

「「「へ?そうなのか?」」」

「うん………授業中に先生が言ってたのを聞いて、正史の西晋が建国した後なんだって思った記憶が有るから間違い無いよ。」

 

 聖フランチェスカはキリスト教系の学園だ。

 神学の授業なんかも有ったりするが、俺はそれ程熱心に授業を受けてた訳じゃないからなぁ………。

 しかし、なんてこった。サンタの伝説が生まれる前にサンタコスを広める事に………まあ、達磨大師が生まれる前に『だるまさんがころんだ』をしてるんだから別にいいか。

 

「なあ、一刀、二刃。そのクリスマスという行事をキリスト教という宗教とは別の行事にしてしまえば良いんじゃないか?天の国の祭りだと言えばみんな受け入れると思うんだが………」

 

 駕医の言葉に俺たちと二刃は目からウロコ状態…………成程、それもそうか。

 日本でも殆どそんな感じになってたしな。

 

「「「駕医!ありがとうっ!!おかげで突破口が見えたぞ♪」」」

 

 話の流れでこの場の五人が顔を突き合わせ、どうやって相国室と丞相室を納得させるか考え始めた。

 

「お祭りか………子供の為のお祭りにしないといけないよね。」

「子供の為か。サンタクロースが、さっきの一刀たちの話しで子供に贈り物をあげる人物なのは解ったが、親では無くその人があげるというのは何か教育の意味があるんじゃないのか?」

「「「まあ、そうだな。良い子の所にサンタが来るって言われてて『悪い子にしてたらサンタさんが来ませんよ』って言い聞かせるのが定番だな。」」」

「兄さんたち。ドイツのサンタは黒いのも居て悪い子はお仕置きされちゃうらしいよ。」

「「「そんな『なまはげ』みたいなサンタも居るのか?」」」

「華琳達を納得させるならその方向で進めてみてはどうだ?」

 

 駕医は教育という意味で言ってるんだろうけど、華琳が『お仕置き』したらそれは別の意味になってしまう。

 

「駕医さんの意見に賛成♪お義姉さん全員にどんな祭りにするか相談する形で行こうよ。きっと喜んで考えてくれるよ♪」

「「「最初からみんなを巻き込むのか。みんなお祭り好きだし良い考えだ♪」」」

 

 

 

 そんな訳で俺たちと二刃と駕医が、相国室と丞相室に提案という形で持ちかけた。

 冥琳にはかなり警戒されたが、相国室の三王が乗り気になってくれたので冥琳も納得してくれた。

 後は雪蓮を初め、たんぽぽや沙和といった楽しい事好きが乗ってくれたので、この企画は一気に加速して話がまとまる。

 

 クリスマスは『((公利寿増子|クリスマス))』という子供の成長を願い喜ぶ天の国のお祭りという事になった。そして二刃が世に広める為に今年から催すという形で公表される。

 サンタクロースは、天界の神のひとり『((讃多宮老司|さんたくろうす))』という名前になり、公利寿増子の夜に良い子へ贈り物を、悪い子にはお仕置きをしに来るという設定も決まった。

 

 そして大人達全員が子供達の為に、三ヶ月を掛けてクリスマスをする準備が始まった。

 

 

 

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第二夜

『サンタが街にやってくる』

 

【蓮華turn】

 

 一刀たちと二刃が提案した『((公利寿増子|くりすます))』という祭りの準備が着々と進んでいる。

 子供達の内、蓮紅と眞琳と烈夏には本当の事を伝え、下の子達が楽しめる様に協力をさせていた。

 少し可哀想だとも思うけど、この子達は直ぐに真実を突き止めてしまうとこの間の事で分かったので、それなら最初からこちら側に組み入れた方が良いでしょう。

 子供達は『公利寿増子』の話を聞いて目を輝かせて喜んでいた。

 香斗がそちら側にされたのは………まあ、言わずとも分かって貰えるだろう。

 そして、子供達と一緒に浮かれているのは、他ならぬ一刀たち三人だ。

 今も公利寿増子に着る礼装が出来たと嬉しそうに私の所にやって来た。

 

「「「さあ、あなたからっ♪メリークリスマス♪わたしっかっらメリークリスマス♪」」」

 

 歌いながら箱から服を取り出している。

 本当に子供みたい♪

 

「ねえ一刀。その歌も天の国で歌われていた物なの?」

「「「ああ、そうさ♪こうやって歌や音楽でクリスマスを盛り上げるんだ♪さあ!蓮華用の服はこれだっ!!」」」

 

 そう言って広げて見せた物は、私が普段着ている物とあまり変わりが無かった。

 違っているのは色がいつものより鮮やかな赤なのと、首の周りや足首の部分に白い毛皮が付けられている点。

 冬なのだからこれは解るわ。

 

「…………いつものより裾が短いし、他の部分も布地が少ない気がするのだけど………」

「「「はっはっは♪何を言っているんだい?蓮華は赤い服を着慣れてるから絶対に着こなせるって♪」」」

「そ、そう?ありがとう♪…………でも、これだと、その………お尻が………」

 

 お尻周りにあまり余裕が無いので、きっとピッチリとしてしまってお尻が目立ってしまう………。

 

「「「これが蓮華の魅力を最大限に引き出すんじゃないか♪」」」

 

 一刀が気に入ってくれているのなら………ちょっとは妥協してあげようかしら♪

 

「「「他にも用意したからそっちも見て選んでくれよ♪」」」

 

 一刀たちはまた箱から違う服を出し始めた。

 

「「「ねぇ、聞こえって♪くるでっしょ♪」」」

 

 歌を歌いながら出しているのは…………更に布地が少なくないっ!?

 あれでは下着みたいじゃない!

 

「「「鈴のっ音っがすぐそこに♪」」」

 

 

チリ〜〜ン

 

 

 その時、本当に鈴の音が聞こえた。

 この音は……………。

 

「鈴の音は黄泉路を誘う道しるべと思えと昔に言った筈だが?」

 

 思春が天井から現れて、一刀たちの背後に立った。

 その手には『鈴音』が握られている。

 一刀たちは体が固まった様に動かないで冷や汗を流していた。

 

「浮かれすぎだっ!馬鹿者っ!!」

 

 思春は峰打ちでお尻を張り飛ばし、一刀たちは箱と一緒に部屋の隅まで転がり気絶してしまった。

 

 私もお腹が目立って来たから今の服は流石に………((蓮火|れんふぉ))を産んだ後なら、閨で着てあげてもいいのだけど…………♪

 

 

 

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第三夜

『赤鼻のトナカイ』

 

【金桂turn】

 

 二刃おばさまが公利寿増子の紙芝居を作ってわたし達に読んで聞かせてくれています。

 今読まれているのは『赤鼻の((馴鹿|トナカイ))』という讃多宮老司のお話しです。

 

「サンタクロースのソリを引くのはトナカイです。

九頭立てで、トナカイの名前はダッシャー、ダンサー、プランサー 、ヴィクセン、ダンナ―、ブリッツェン 、キューピッド、コメット、ルドルフ。

その中の一頭、ルドルフは鼻が赤く光っていたので、他の八頭にいつも笑われていました。

笑われたことが悲しくて、ルドルフは元気がありません。

そんなルドルフに気が付いたサンタさんは、ルドルフに言いました。

『お前の赤い鼻が夜道を照らしてくれるから、ワシは道に迷わず子供達にプレゼントを届けられるのじゃ。お前は先頭に立ってみんなを引っ張るリーダーをしておくれ。』

ルドルフは喜びました♪

だってみんなに笑われていた赤い鼻がサンタさんに褒められたのですから。

それからルドルフはいつも元気に他の八頭のトナカイを引っ張って、サンタさんのお手伝いをしています。

めでたし、めでたし♪」

 

 二刃おばさまの紙芝居が終わって眞琳お姉さまが拍手をすると、みんなも倣って拍手をしました。

 みんなを引っ張るリーダー、眞琳お姉さまはルドルフみたい………いいえ!

 眞琳お姉さまはむしろ讃多さんだわ!そしてわたしがルドルフになるのよ!

 わたしはお姉さまのために一生懸命お手伝いいたします♪

 

「みんな、このお話を聞いてどう思ったかなぁ?」

「るどるふ、げんきになってよかったー♪」

 

 竜胆が言うと、他の子たちも次々と『よかったー』と声を上げます。

 わたしも今の気持ちを眞琳お姉さまに伝えたい!

 

「わたしは…」

「るどるふのおはなはなんで赤くてひかってるのー?」

 

 ((焔香|えんか))!わたしの邪魔をしないでよ!

 

「それはきっと氣だ♪二刃おばさまと駕医先生、凪媽媽と同じ事がルドルフはできるんだ!」

 

 愛羅お姉ちゃんは何を言ってるの!?

 ああ………これがお母さんの言ってた『脳筋』というやつなのね。

 それともお父さんたちが言ってた『厨二』かしら?

 

「愛羅おねえちゃん!じゃあルドルフはつよいの!?」

 

 今度は濤!?

 

「先陣は武人の誉!きっと強いに違いない♪讃多宮老司のプレゼントを狙う盗賊を鼻から放つ氣弾でなぎ払いながら突き進む!カッコイイなぁ、ルドルフは♪」

 

 愛羅お姉ちゃん…………後半は自分の妄想に浸ってるわ…………。

 

「るどるふスゴーーイ♪」

 

 今のが受けたみたいで、妹たちがスゴいスゴいとはしゃぎ出してしまった。

 

「あはは…………す、すごいね〜〜………」

 

 二刃おばさまは冷や汗を流して笑ってる。

 愛羅お姉ちゃんには後で間違いだって教えておこう………。

 

 

 

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第四夜

『マッチ売りの少女』

 

「お兄さぁ〜〜ん?マッチは、い・か・がぁ〜〜ん♪」

「李典印の良く燃えるマッチだぞ♪貴方の心にも火を灯して、あ・げ・るぅ〜〜?」

 

「ぎゃああああああああああ!化け物だあああああああああああっ!!」

 

 

 

タイトル訂正

『マッチョが売りの漢女』

 

「ちょぉっと待ちなさいよっ!どぁああれがマッチョのファイアーダンサーですってえええええええっ!!こんなひ弱で可憐な乙女に対して失礼じゃないのっ!!」

「かああああああああつっ!!マッチョがマッチにマッチョでマッチなマッチョマンだとおおおおおおおおおっ!!」

 

 

 

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第五夜

『ママがサンタにキスをした』

 

【恋々turn】

 

 クリスマスのまえのよる。

 ねてるときにサンタさんがやってきてプレゼントをくれるって??たちがいってた。

 恋々はサンタさんがみたかったからねたふりしてサンタさんがくるのまってる。

 あ!だれかおへやにはいってきた!

 こっそりみてみたらあかいふくにしろいおひげのひとがいた。

 二刃おばちゃんのかみしばいでみたサンタさんとおんなじだ!

 でもなんか??たちににてる………さんにんいるし………。

 サンタさんといっしょに媽媽もいた。

 媽媽がサンタさんとおはなししてわらってる。

 サンタさんたちが媽媽におかおをちかづけて………………。

 

「(陳宮キーーーック!!)」

 

 ねね媽媽がサンタさんにキックした。

 

「(お前たちが三人とも子供達全員に贈り物をしたいとか言ったのでしょうがっ!時間が無いのだからさっさと来やがれですっ!!)」

 

 キックされたサンタさんがねね媽媽にひきずられていっちゃう。

 わっ!サンタさんのおひげがとれて??になった!?

 ………………ええと………………。

 ??たちはてんのくにのひと。

 サンタさんもてんのくにのひと。

 わかった♪??たちはサンタさんなんだ♪

 きっとひみつにしなくちゃいけないんだ!

 恋々がおっきくなったら??たちとサンタさんのおしごとをいっしょにできるかな♪

 

 

タイトル訂正その二

『媽媽がサンタにキックした』

 

 

 

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第六夜

『((聖|きよし))この夜』

 

【吉祥turn】

 

 プレゼントを配り終わった一刀君たち三人が、後宮談話室で満足気な顔でくつろいでいる。

 みんなは明日のクリスマスパーティーの準備が有るので既に寝室へ向かった後だった。

 私と炙叉ちゃんを除いて♪

 

「お疲れさまでした、御子様方♪」

「一刀君たちが疲れてる訳ないじゃない。子供達全員の寝顔が見れて元気百倍って感じなんでしょ♪」

「「「あはは♪吉祥の言う通りさ♪あの子達の為にもこの国をもっと良くしなくちゃって力が湧いて来たよ♪」」」

 

 本当に嬉しそうにしちゃって♪

 

「でも、クリスマスを本当にしちゃうなんてねぇ。外史だからって好き勝手に歴史を捻じ曲げてくれちゃって。」

「「「……………拙かったかな?」」」

「この外史なら大丈夫よ。でも、正史の影響力が強い外史だったら、一刀君たちの体に影響が出るレベルね。」

「吉祥!そんな事って有るの!?」

 

 炙叉ちゃんが不安そうに私の顔を見た。

 そういうのが解っちゃう子だからな、この子は。

 そんな炙叉ちゃんの様子を見た一刀君たちの表情が曇った。

 そうやって自分の事よりも相手の気持ちを気に掛けるんだから♪

 

「私の知る外史では、歴史を変えた事で一刀君がその外史から追い出されたのも見た事が有るけど、この外史ではそんな事は起きないから安心して♪」

 

 私は手を握って炙叉ちゃんの瞳に微笑んだ。

 

「御子様たちを占っても、そんな未来は見えた事無いものね………うん、信じるよ♪」

 

 炙叉ちゃんが微笑んだ事で一刀君たちも安心したみたい。

 そんな一刀君たちの一面も知ったから、私はこの外史に留まりたいと願ってしまったのよ♪

 

 

 

「このクリスマスって本当は天主教の生誕祭だって話だったけど、それなら御子様たちが降臨した事を祝うお祭りにした方が良かったんじゃないの?」

 

 雑談をしている内にクリスマスの話になっていた。

 

「「「そんな話も出たんだけど、俺たちは自分を神の子だなんて思ってないし、俺たちがここに来たのって春だからそれは理由に出来ないって。この公利寿増子は子供達に夢を与える物にしたかったからさ、俺たちの事は切り離して考えて貰った。」」」

「一刀君たちと天主教の教祖では現れ方も違うのよ。そうだ、有名な歌があるから歌ってあげる。」

 

 讃美歌なんだけど一刀君たちも懐かしいだろうから、ちょっとプレゼントって事で許してもらいましょう♪

 

 

「きよしこの夜 星は光り

救いの御子は

((馬槽|まぶね))の中に

眠り給う いと安く

 

きよしこの夜 御告げ受けし

((牧人|まきびと))たちは

御子の御前に

ぬかずきぬ かしこみて

 

きよしこの夜 御子の笑みに

恵みの御代の

((朝|あした))の光

輝けり ほがらかに」

 

 

 一刀君たちは目を閉じていた。

 目元に光るものが有るのは元の世界での家族と過ごしたクリスマスを思い出しているんだよね。

 

 いいんだよ…………今は懐かしさに泣いても………その幸せだった想いを子供達にも教えてあげたかったんだよね…………。

 

「吉祥…………あんたって歌も上手かったのね。」

「炙叉ったら茶化さないでよ。」

 

 せっかくいい雰囲気になったのに…………そうだ、雰囲気が壊れたついでにこれもプレゼントしちゃいますか♪

 

「そんな事言う炙叉ちゃんにはこれは呑ませられないなぁ♪」

「なにそれ?」

 

「「「それって!もしかしてシャンパンかっ!?」」」

 

 一刀君たちの言う通り、私が取り出したのはシャンパンのボトル。

 

「ちょっとズルして一刀君たちの居た世界から持って来たお酒よ♪」

「わあっ!ごめん!吉祥!謝るから私にも呑ませてぇ!」

「「「大丈夫だって、炙叉♪なあ、吉祥♪」」」

「しょうがないなあ。ここは一刀君たちに免じて許してあげる。でも、この事はみんなに内緒よ♪」

 

 私はシャンパングラスも用意して、シャンパンが吹き溢れない様に気を付けて注いだ。

 

「綺麗な色ね…………泡が立ってるけど………」

「「「発泡酒って種類の酒なんだ♪口の中でもシュワシュワするからそれを楽しんで呑むんだ♪」」」

 

 私達はグラスを手にシャンパンを見つめる。

 

「「「それじゃあ、乾杯♪」」」

「一刀君たち!そうじゃないでしょ!」

「「「え?…………ああ♪そうか♪」」」

 

 炙叉ちゃんが戸惑ってるけど、ここはやっぱり♪

 

 

「メリー・クリスマス♪」

「「「メリー・クリスマス♪」」」

「め、メリークリスマス?」

 

 

 

 

 

 

説明
今回はタイトル通り『クリスマス特別編』をお送りします。
短編集で六話構成となっております。


前回のコメントのお返事がまだですが、この後即刻致しますので少々お待ちを!
なのでリクエストの集計も終わっておりませんorz
申し訳ございませんが、今回は集計結果の発表は有りません。
ですが、今回もリクエストはお受けしていますので次回『お正月特別編』にて今回の分と合計して発表致します。
今回はあとがきも有りませんのでコメント欄にてお返事と追記などでしたいと思います。
皆様のご感想とツッコミをお待ちしておりますm(_ _)m

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コメント
にゃものりさん>自分も書いてみたくなりましたwww リクエストとして1票頂きました___φ(。_。*)カキカキ(雷起)
「聖者が街にやってくる」 タイトル訂正 「性者が閨にやってくる」を読んでみたいです。 (にゃものり)
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