恋姫†無双-聖なる夜に羽ばたく翼-
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「さんたくろうす・・・ですか?」

 

 

執務室の中

訝しげに首を傾げ、関羽こと愛紗は言った

その言葉

向けられた先に座る青年・・・天の御遣いこと、北郷一刀は静かに頷く

 

 

「そう、サンタクロースだ」

 

 

言って、彼は何かを思い出すように目を閉じる

 

 

「クリスマスっていう、一年の間に一回しかない特別な日の夜

世界中の子供たちに向けて、プレゼント・・・贈り物をしてくれる

そんな素敵な人が、俺の世界にはいたんだ」

 

 

と、彼は息を吐き言った

 

 

「俺も小さい頃は、その時期になるとソワソワしたもんだよ

同時に、とってもワクワクしてた

今年は何を貰えるんだろうって・・・そんなことばっか考えてたよ」

 

 

“恥ずかしながら、ね”と、一刀

 

 

「それだけ、俺の世界では大切な日だったんだ」

 

「そうですか・・・」

 

 

言って、愛紗は微笑んだ

 

 

「それが・・・“今日”だったんですね」

 

 

彼女の言葉

彼は、少しだけ照れくさそうに頬を掻いた

 

 

「やれやれ

愛紗には、敵わないな」

 

「ふふ、当たり前です」

 

 

そう言って、2人は笑いあった

静かだった執務室に、温かな声が響き渡る

そう・・・今日は一年に一度の特別な日

 

“クリスマス”

 

しんしんと降る雪が

吐き出すと、白くなる息が

その到来を、知らせてくれる

 

そう、今日は一年に一度の特別な夜・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「だからって、“政務をほったらかして思春と乳繰り合ってた理由”には・・・なりませんよねぇ?」

 

「「で、ですよねぇ・・・」」

 

 

 

 

 

 

 

 

≪恋姫†無双-聖なる夜に羽ばたく翼-≫

 

 

 

 

 

 

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「というわけで、今日はみんなで協力して“サンタクロース大作戦”を敢行します!」

 

 

玉座の間

“何故かボロボロで顔に大きく【私は汚チンコ野郎です】と書かれた”一刀は声を大にして言った

 

 

「へぇ・・・面白そうね」

 

 

彼の言葉

そう言って笑うのは、曹操こと華琳だ

この発表に先立って、一刀の口からサンタクロースやクリスマスについての事は聞いていた

それらを知ったうえで、彼女はそう言ったのだ

 

 

「この城下に住む子供たちに、それぞれ子供たちが喜びそうな物を贈る

貴方の国では、それを“プレゼント”と言うのよね?

何とも、素晴らしい考えじゃない」

 

 

“貴方にしては、ね”と、華琳

それに対し、彼は苦笑しながら口を開く

 

 

「なんか、意外だな

華琳のことだから、“予算がかかる”とか“現実的じゃない”とか

もっと、色々言うのかと思ってたけど」

 

「まぁ、予算がかかるのは仕方がないわ

いざとなれば、私たちの給金から引いていきましょう」

 

 

彼女の言うとおり

やはり、お金はかなりかかるだろう

なにせ、城下の全ての子供にプレゼントを用意するのだ

ソレを聞き、考え込むのはやはり軍師面々である

難しそうな顔をして、しばし黙り込む

 

そんな中

“それに”と、華琳は口を開いた

 

 

 

「乱世が終ってもう大分経つのだから・・・これくらいの娯楽は必要よ

確かにまだ、色々と残っている仕事は多いけれど

せっかくの機会なのだから、改めて“乱世は終わった”という意味を込めて

これは、行うべきだわ」

 

 

 

華琳の言葉

もはや、この一言で充分であった

先ほどまで思案顔だった者も皆、意を決したかのように微笑んでいる

そんな面々を見渡し、一刀は立ち上がり言った

 

 

 

 

 

「よし、それじゃ改めて!

サンタクロース大作戦、開始だっ!」

 

「「「「御意っ!!」」」」

 

 

 

 

ここに、三国の英雄たちが集い

盛大なるクリスマスが、幕を開けた・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ところで、一刀

さっきまで貴方、思春と何をしていたのかしらねぇ?」

 

「あ、あわわわわわわわわ・・・」

 

 

 

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ーー†ーー

 

「“クリスマスツリー”

“サンタクロース”

“トナカイ”

とりあえず、先んじて準備するのはこの三つだな」

 

 

何故か“むき出しになった上半身の胸の部分に【本体は下半身】と書かれた”一刀の言葉に対し

腕を組み、言葉を発するのは春蘭だ

 

 

「さんたくろうす、か

理屈はわかった

しかし、他の二つはなんなのだ?」

 

 

この言葉

一刀は、“(絶対わかってないなコイツ)それは”と指をたてる

 

 

「まず、クリスマスツリーなんだけど

まぁこれは簡単に言っちゃえば、木に綺麗な飾りつけをしたものかな

大きな木でも、小さな木でも構わないんだけど

どうせなら、街の目立つようなとこにあればいいな」

 

「それならば、街の要所要所で飾りつけをしませんか?

警邏隊の屯所や、宿や商店の側の木々ならば皆が見るのでは?」

 

 

そう言ったのは、凪である

そんな彼女の隣

蓮華もまた、同意する様頷き口を開く

 

 

「我々の屋敷にもそれなりに大きな木がある

城下の通りからも見えるはずだ

それらも飾り付けてみるといいかもしれないな」

 

 

“飾り付けの指示は、一刀に任せるが”と、彼女

それに対し、彼はニッと笑みを浮かべた

 

 

「よし、ならツリーのほうはそれでいこう

あとは・・・サンタとトナカイだな」

 

「トナカイ、とはいったい?」

 

 

そう言ったのは、星である

他の者も一様に、そのトナカイなるものに対し疑問を抱いているようだ

 

 

「トナカイっていうのは、俺の世界に住んでいる動物でね

クリスマスの夜、サンタクロースを乗せて運んでいるんだ

こっちでいう、馬みたいな感じかな

直接乗るわけじゃないから、ちょっと違うけど」

 

「なんと・・・そうなのですか」

 

「こればっかりは、準備できませんね〜」

 

 

そう言ったのは風である

彼女の言葉

苦笑いを浮かべ、一刀は頷いた

 

 

「そうだなぁ

こればっかりは、似たようなもので補うしかないな」

 

「似たようなものですか

ではではお兄さん、それぞれの特徴を教えてください」

 

 

“可能な限り、準備します”と、風

そんな彼女の言葉に、一刀はコクンと頷いた

 

 

「えっと、まずサンタクロースなんだけど

歳でいえば、おじいさんって感じかな

そんで、白くて立派な髭を生やしてて・・・あと、中々体格は良い方かもしれない」

 

「ふむ、なるほどな

流石に多くの子供にプレゼントとやらを配るだけあって、中々に立派な奴なのだな」

 

 

と、春蘭は笑みを浮かべ頷く

 

 

「次に、トナカイなんだけど

全体的に茶色いイメージがあるなぁ・・・」

 

「茶色、ですかぁ」

 

 

言って、思案する風

其の隣、一刀は“あと”と手を叩いた

 

 

「サンタを運ぶだけあって、こっちも結構力強い感じだな」

 

「ほぅ・・・確かに

力が無ければ、サンタは運べませぬからな」

 

 

星の言葉

頷き、一刀は風を見る

 

 

「どうかな、大丈夫そうかい?」

 

「ん〜、何とかなりそうです

お兄さんの言ったそれぞれの特徴に、心当たりがあるのですよ〜」

 

「本当かい?」

 

 

“えぇ”と、頷く風

 

 

「とりあえず、善は急げと言うことで

早速準備するのですよ」

 

「頼んだ、風」

 

 

“お任せ下さい”と、笑う彼女

そんな彼女に笑みを返し、彼は事の準備を風に任せるのだった

 

 

 

 

 

 

 

「ところで、政務をほったらかしにして誰かと乳繰り合ってたお兄さんには

その、下半身に纏っている物もいらないんじゃないですかねぇ〜?」

 

「へ?

ま、まって風、ダメだ!

ただでさえこんな寒いのに、下まで取られたら俺・・・俺・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アッーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー・・・

 

 

 

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ーーー†ーーー

 

 

「とゆうわけで、準備いたしました」

 

 

風の、この一言

何故か“パンツ一丁になって賢者のようにたたずむ”一刀は、腕を組み呟く

 

 

「なるほど、流石は風だ

俺が言った特徴を上手くとらえている

見事の一言だ

あれだけしかない情報でここまで出来るのは、風しかいないんじゃないかと思うよ」

 

「ふふふ、そんなに褒めたってズボンは返しませんよ〜?」

 

「はは、こいつめ」

 

 

言いながら、彼が見つめる先

其処には、確かに“存在していた”

 

曰く、白く立派な髭を生やした逞しい壮年の男

曰く、茶色くも雄々しい体躯を持った生き物

 

その言葉に恥じぬ存在が、確かに目の前に・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぬふふふふ!!

儂のハートが、ムネムネするのだっ!!」

 

「ご主人様の視線、感じちゃうわぁぁあああん!!

ぶるああぁぁぁああああああああああああああああああああああああ!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そんで、このチョイスかよぉぉぉぉおおおおおおおおおおおお!!!!!」

 

 

大きく頭を抱え、一刀は其の場に膝をついた

其処にいたのは、言わずもがな

貂蝉と卑弥呼であった

 

 

「確かに、大まかな特徴はとらえてる!

捕えてるけども、けどもっ・・・!!!」

 

「風にかかれば、ばっちりなのですよ〜♪」

 

「ある意味ねっ!?

確かに近いけど、ある意味一番遠いけどねっ!!?」

 

 

“てか、こんなんトラウマになるわっ!!”と彼は叫ぶ

 

 

「冷静に考えてみて、ね?

寝ている子供の部屋に、こんなん来てみてみ?

どう思うの、ねぇ?」

 

「そこはほら、“天の世界ではこれが普通なんだぜ?”ってやつですよね?」

 

「普通ちゃうわっ!!

こんなん、俺の世界でも見つからんわっ!!」

 

 

普通に逮捕である

そんな彼の叫びも空しく、星はトントンと肩を叩き言う

 

 

「しかし主

もう時間がありませぬ

改めてサンタを用意していては、プレゼントを配れませぬ

この際、一か八かこの二人に任せてみては?」

 

「う〜ん・・・」

 

 

と、一刀

星の言うとおり、この後の準備を考えるともう難しい

それに、と彼は思う

格好こそあれだが、見た目こそあれだが、この二人はクリスマスについて他の者よりも詳しい

案外、何とかなるのではないか

 

一刀はそう思い、ふぅと息をついた

 

 

「わかった、わかったよ

この際、四の五の言ってられないしな

寝室でこの二人を見ちゃった子供がいたらかわいそうだが、背に腹はかえられない」

 

「見惚れちゃうものねぇ?」

 

「罪なものだな、我々も」

 

「・・・オーケー、一々ツッコまないぞ

もうあんま時間もないしな」

 

「「突っ込むうぅぅぅうううう!!♪!?♪??♪」」

 

「字が違う!!!!!」

 

 

 

結局、ツッコミました。

 

 

ともあれ、サンタは卑弥呼に

トナカイは貂蝉に決定した

 

 

「まぁ、大きな不安は残るが仕方ない

この際全部、目を瞑るとしよう」

 

「ですな」

 

「とにかく、これでサンタは完璧(?)だ」

 

 

と、彼の言葉

それに対し、“おや”と声をあげるのは星だった

 

 

「主よ、何を言っているのですか

まだ、肝心なものが残っているではありませんか」

 

「え?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「サンタクロースは直接、トナカイにのるわけではないと言ったではありませぬか」

 

「あれ、なんだろ・・・すごく嫌な予感」

 

 

 

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ーーー†ーーー

 

 

「ぬふふふふ、準備ばっちりじゃい!!」

 

「あぁん、滾るわあぁぁん!!」

 

 

と、そう言うのはサンタとトナカイである

卑弥呼はサンタというだけあり、赤く真ん中に“M”と書かれた帽子を

貂蝉は赤い鼻をつけ、トナカイの角をつけている

 

そんな二人の側

 

 

「いや、まぁね

見た目こそあれだけども、急ごしらえにしては頑張った方ではあると思う

流石は三国の英雄たちが集まっただけあるなって、素直に感動したよ

クリスマスツリーから、サンタクロースまで揃えちゃうなんてさ

もう、歴史を変えるのは君らしかいないなって思う

本当に尊敬してるよ」

 

 

いや

厳密には、卑弥呼の“下”

彼は、“この世のすべての罪を背負ったような表情のまま”言う

 

 

 

 

 

「けど、“俺がソリになる必要は無かったんじゃないかなって”」

 

 

 

 

そう、彼の言うとおり

彼は、“ソリになっていた”

いや正確には、パンツ一丁になって“額に【ソリ】と書かれた紙をつけた状態で”卑弥呼の体重に耐えていたのだ

 

 

 

 

「これ、もうアウトだよ

夜間に出くわしたら、一番ダメなやつだって

言い訳できないやつだって」

 

 

と、彼

そんな彼に対し、華琳はフッと笑みを浮かべ言う

 

 

「そんなことないわ

とても似合っているわよ、“種馬号”」

 

「“種馬号”っ!!?

なにこれ、そんな名前つけられてたの!!?」

 

 

“最悪じゃん!!”と、彼は声をあげる

 

 

「だ、大丈夫だよご主人様!

お昼と違って、人だってきっとあんまりいないし!」

 

 

そう言って彼を励ますのは桃香だ

そんな彼女の言葉

彼は、“でもさぁ”と涙ぐむ

 

 

「それでも、イルミネーション(電気?こまけぇこたぁいいんだよ)とかも真桜が作っちゃったし

いつもよりは大分街も明るいんだぜ?」

 

「う・・・そ、それは

そうだ、朱里ちゃんと雛里ちゃんなら何か良い考えがあるはずだよっ!!」

 

 

言って、彼女が振り返った先

其処にいたのは、蜀が誇る二人の頭脳だ

やがて、そのうちの一人

諸葛亮こと、朱里は力強く言った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ごちそうさまでしたっ!!!!」

 

「なにがっ!!!??」

 

 

盛大にツッコミ、彼は冷や汗をおさえきれずにいた

 

 

「今の話の流れから、なんでごちそうさま!?」

 

「ご主人様は、やっぱり“誘い受け”でしたっ!!!

ありがとうございます!!

ありがとうございます!!!!!」

 

「駄目だ、話が通じないっ!!!!

誰か、誰か警邏隊を呼んできてくれっ!!!」

 

「おおぅ

なんだか今警邏隊を呼ぶと、お兄さんが捕まりそうですね〜」

 

「しまった、その通りだ!!!」

 

 

“なんてこったい”と、彼は叫んだ

本来なら頭を抱えたいところだが、現在卑弥呼の体重を支えるので一杯一杯であった

 

なんとも言えない図である

 

 

 

 

「とにかく、もう夜も更けてきたわ

あとは貴方が子供たちにプレゼントを配って、そして子供たちに笑顔を咲かせてくるのよ」

 

「くっ・・・なんだかもう、俺も覚悟が決まった

子供たちの夢を壊さないように、何とか素早く配ってさっさと帰ってこれるよう頑張るよ!」

 

「それでこそ天の御遣い(犯罪者予備軍)よ、一刀」

 

「なんか、凄い失礼なルビをふられた気がするんだけど・・・」

 

「気のせいよ

そんなことより、さっそく出発するのよ

皆の夢を乗せ

子供たちの為に・・・種馬号、発進!!」

 

「なんだかんだで、ノリノリだな華琳!!?

てか、うわ、引っ張るな!!

首が、首がしまt「ぶるあああああぁぁぁぁあああああああああああああああああああああああ!!!!!」アッーーーーーーーーー!!!??」

 

 

 

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ーーー†ーーー

 

しんしんと、降り積もる雪

淡い光を放つイルミネーションに彩られた城下

 

そして・・・

 

 

 

 

 

 

「ぬうううううううううぅぅぅっぅううううんん!!!!!」

 

「ぶるあああああぁぁぁぁああああああああああ!!!!!」

 

 

 

そんな中、疾走する“サンタクロース組”

先頭を全速で駆け抜けるのは、トナカイである貂蝉だ

ボルト顔負けの美しいフォームで、貂蝉は駆けて行く

 

そんな貂蝉の首につけられた鎖

その鎖の先は、当然ながら“ソリ”へと繋がっている

 

 

 

「ちょうぜぇぇぇんんちょっど、ストップストップストップううううぅぅぅぅぅぅううう!!!!!」

 

 

 

ソリ・・・“種馬号”である

そんな種馬号だが、なんと卑弥呼の体重を一身に受け止めながら何とか貂蝉に喰らいついていたのだ

日頃の折檻(鍛錬)の成果が出たのであろう

そんな種馬号に跨り、赤く“M”と刻印された帽子を被りしサンタは言う

 

 

「パーフェクトじゃ、貂蝉」

 

「感謝の極み」ズパッ☆

 

 

“絶対ツッコまない”と、種馬号はグッと息を呑んだ

というか、そんな余裕はない

自分でもここまで無傷だったのが不思議なくらいなのだ(精神ダメージを除く)

 

ともあれ、このままならばギリギリもつかもしれない

ようは、誰かに見られたりしなければいいのだ

 

と、彼がそう思った矢先

視線の先、慌ただしく走る女性の姿が見えてしまった

 

 

「や、やばい人だ!」

 

「なに、臆することはない

儂に任せろ!!」

 

 

と、卑弥呼

直後、彼は大きく息を吸い

 

 

「お、おいおいおい

ちょっと、まてまてまて、まさか・・・」

 

 

 

そして・・・

 

 

 

 

 

「めりぃぃっぃぃぃぃいいいいいい・・・・くりすまあああああああぁぁぁぁあああああす!!!!!」

 

「ばっ、やめろおおおおおおおおおおおおお!!!!????」

 

 

 

 

叫んだ

それはもう、力いっぱいに叫んだ

もはや、目の前にいる女性どころではない

辺り一帯どころか、下手をすれば城下全体に響いたのではないかと思うくらいに

卑弥呼は、叫んだのである

 

瞬間、眠っていた者は皆飛び起き

窓から顔をだし、音の発信源である三人に視線を向けるのである

 

そんな中、種馬号は冷静に自身の状況を分析していた

 

 

 

 

 

≪メニュー≫

卑弥呼

職業:サンタクロース

装備:Mの帽子・際どい水着(?)

 

貂蝉

職業:トナカイ

装備:際どいビキニ

 

種馬号

職業:ソリ

装備:ハム太郎のブリーフ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・間・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ははは、どーもみなさん

メリーくりs・・・」

 

「いやあああああああああああああああああああああ!!!!???

変態よおおぉぉぉぉおおおおおおおおおおお!!!!!!」

 

「ですよねーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!」

 

 

 

やっぱりアウトだった

少し前に彼が言ったとおりに、言い訳が一切きかない格好である

 

 

 

「な、なぜじゃ!!?

儂らが変態じゃと!!?」

 

「ちょっと、失礼じゃない!!?

もっとよく見なさいよっ!!!!」

 

「馬鹿アホ、やめろやめろやめろぉ!!

逆効果だから、追い詰めてるだけだから!!!

警邏隊呼ばれちゃうからっ!!!

俺隊長なはずなのに、捕まっちゃうから!!!」

 

 

焦る種馬号もよそに、貂蝉と卑弥呼はズンズンと集まった視線に対しむしろ向かっていく

“地獄絵図だ”と、彼は血の気が引いていく感覚に襲われた

 

 

「なんだか、逆にテンションがあがってきたわい!!

この勢いで、童どもに笑顔をプレゼントするぞい!!!!」

 

「そうねぇぇん!!!

何だか知らないけど、イケる気がしてきたわぁぁぁあああん!!!!」

 

「なんでさっ!!?

どこらへんにイケる要素あった!!?

これもう、完全にアウトだよ!!?

メタルギアなら、もうゲームオーバーだよ!!?」

 

「ぬっふううううううううううううん!!!!!!」

 

「ぶるああああああああああああああ!!!!!!」

 

「頼むから、俺の話を聞いてくれぇぇぇえええええええええええええ!!!!!!」

 

 

 

こうして、この日

クリスマスの日

 

三国には、新たな記念日が生まれる

 

 

 

 

 

“夜間外出禁止日”である・・・

 

 

 

 

 

 

-7ページ-

ーーー†ーーー

 

 

「疲れた・・・」

 

 

 

翌日

 

息を吐き出し、どっと玉座に背を預ける彼

そんな彼を見つめ、クスリと笑みを零したのは華琳だった

 

 

「お疲れ様

結果としてちゃんと(?)配れたのだから、ひとまず良かったわ」

 

「その代償に、多くの人たちの中に凄まじいトラウマを植え付けちゃったけどね

最終的には、警邏隊相手に“三國無双”しちゃってたけどね」

 

「それも含めて、良い思い出・・・ぶふっ!」

 

「か、華琳さん?

なんか、何だかんだ一番楽しんでない?」

 

「そんなことないわ、種馬号」

 

「ならいいけd・・・まだその名前続いてたの!!?」

 

 

と、種馬号は声をあげる

 

 

「あ、ほらみろ!!

華琳さんが変なこと言うから↑が元に戻らないんですけどっ!!?」

 

「あらあら、うふふ」

 

「優雅に言っても誤魔化せないからねっ!?」

 

 

と、合いも変わらない

騒がしい日常の中

 

この光景に、玉座の間に集まった皆は一様に笑みを浮かべていた

 

 

 

三国同盟

乱世が終り、新しい時代を進む最中

悲しみを繰り返さぬ様

新たな笑顔を生み出す様

 

彼女たちの戦いは

 

きっと、まだ始まったばかりなのだ

 

これからも

長い道のりを

 

気高き乙女と

そして

 

白き、英雄

 

 

 

 

 

天の御遣い・・・種馬号の物語は

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まだまだ、続いていく・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

fin

 

 

 

 

 

 

 

 

-8ページ-

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんか良い感じで終わってるけど、名前そのままだーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!???」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

-9ページ-

☆あとがき☆

 

 

はい、なんていうか一年ぶりの更新です

短編です

 

お待たせしてすいません

 

なんかもう、みんな忘れてるかなって思ったら

待ってますという温かいコメントが多くありました

 

ありがとうございます

 

ただいま元旦をめがけ、作品を書きだめしているところです

短編・連載

とりあえず、書けるだけ書いてます

 

見かけたら、どうか生暖かい目で見つめてやってください

 

 

では、またお会いする日まで

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ps

久し振りの作品が、こんなんでほんとーーーーーーーーーーーーーーーーーにすいません

 

 

説明
(゜ω|壁  チラ

(゜ω|壁  クリスマスですね





だからってやりすぎました(達成感)
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コメント
よく…よく帰ってきてくれた!(ホワイト)
こいつを待っていた!!(地球ジェット…)
お帰りなさーーーーーーーーーーーい!!!!(朔夜)
おおっ、更新をお待ちしておりましたぞ!とりあえず、これはこれで良きかな!!でも、本編の方も早い内に見たいなぁ(チラッ。(mokiti1976-2010)
お帰りーって、言いたいが本編をちゃんと書いてくれるのだろうか???(不詠弘斗)
来たか。遅刻だぞ? さぁ、みんなが待ってる(デーモン赤ペン改めジェームず)
おかえりなさいませーーー! 作品の内容? 細かいことはいいんですよ! 面白かったからいいのです!(神余 雛)
お帰りーーーーーー!!!(あか)
ぶる夜様のおかえりじゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!旗ぁ立てろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!(悠なるかな)
牛乳魔人さん<お久しぶりです。子供は只今、7ヶ月になりました(月千一夜)
ウォルター少佐さん<ありがとうございます。頑張りまふ(月千一夜)
お帰りなさーい 前回の投稿から丁度1年、待ちに待った作品がコレか…最高です! お子さんは御壮健ですか?(牛乳魔人)
お帰りなさい!!! 連載の方もよろしくお願いします!!!(ハイデ・ウォーカー)
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