おにむす!E
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郊外の公園

矢崎は公園のベンチに腰掛け、缶コーヒー片手にため息をついた。

秋穂も隣でオレンジジュースに口をつけている。

矢崎の頭の中にはあの不吉な笑顔がこびりついていた。

(双波が連れてきた子だからな、特殊な事情とも言っていた)

あの目がその事情によるものなのか?

そもそも事情ってなんだ?

頭の中で持ちうる情報を整理していた。

(くそっ!人に深く入れ込めば傷つくのは俺だけじゃないんだぞ!?)

空を見上げればツバメが滑空していくのが見える。

「お父さん?大丈夫?」

秋穂の声にはっと我に返る。

「どこか痛いの?」

「いや、大丈夫だ」

缶コーヒーに口をつける。

「こんにちわ!」

死角から声を掛けられて、コーヒーを噴出した。

声の方向を見ると、秋穂と同じくらいの女の子が立っていた。

日本の公園にはそぐわないブロンドのツインテールが揺れている。

「こ、こんにちわ」

秋穂は緊張した様子で姿勢を正す。

「よかったら一緒に遊ばない?」

その少女は秋穂の腕をぐいぐいと引っ張る。

「でも・・・」

秋穂はちらりと矢崎を見る。

「俺の目の届く範囲で遊べよ?」

矢崎は秋穂の背中を押してやる。

同じ年代の子供と遊ぶことも必要だろう、と矢崎は考えていた。

「お嬢ちゃん、名前は?」

「ルイス!!」

「秋穂をよろしくな?」

「うん!」

元気いっぱい手を振って駆け出した。

が、秋穂が矢崎から一定距離離れると、突然秋穂の腕を羽交い絞めにした。

「な?!」

矢崎は立ち上がった。

子供のじゃれあいにしては度が過ぎてる。

「何してる!!」

矢崎は駆け出した。

「動くなっ!!!!!」

ルイスの怒声に矢崎の足が止まる。

(子供がこんな殺気を・・・、子供?)

今は平日の昼過ぎだ、あの年代は皆学校に行っている。

「お前は・・・誰だ?」

「気づくのが遅いんだよ!素人の何でも屋さん!」

ルイスが懐から鈴を取り出し、3回鳴らした。

ルイスの姿が次第に歪んでいき、瞬きをするころにはルイスの姿は大人の女性に変わっていた。

「ぼーっとしてて鈴の音も聞き逃したかい?脳の機能を麻痺させてたんだよ!」

「ルイス!なぜこんな事をする!!」

「その名で呼ぶな!!あたしはその変態の名が嫌いなんだよ」

秋穂の腕がぎりぎりと絞められていく。

矢崎は苦痛に歪む顔を見せられ、反射的に叫ぶ

「やめろ!」

「わかったよ」

ルイスは秋穂の耳元で何事かを呟き、秋穂を解放した。

途端、秋穂の様子がおかしくなる。

呼吸は荒くなり、緑色の目は赤に変色している。

「秋穂!!!」

「お、とう・・・さ・」

ルイスから解放された秋穂は頭を抱えて地面に体を投げ出す。

「うぁぁぁっ!っく、あぁぁっぁ・・・」

全身が土で汚れていく、秋穂の服が土色に染まったころに秋穂は気を失った。

「今回はこんなもんだね、こっちも依頼こなしてるだけなんだ恨まないでくれよ『お父さん』」

ルイスが背を向けて歩き出す。

「これからはしょっちゅう顔を合わすんだ、自己紹介くらいはしとくよ」

顔だけをこちらに向けて口を開いた。

「コードネーム『アリス』だ」

説明
オリジナルの続き物 これを1から呼んでくれている方はそろそろタイトルの由来に気づくのでは?www
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コメント
>華詩さん その予想の結果は次回にてww 近日中に上げますのでお楽しみにw(瀬領・K・シャオフェイ)
秋穂ちゃんは大丈夫なのかな。矢崎さん、お父さん何だからしっかりね。タイトルの由来はサッパリです。最初は鬼のような娘を略してと思ったけど。鬼の娘とかなのかな。(華詩)
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