真・恋姫無双 別たれし御遣い 第十九話
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〜鞘華視点〜

私は一瞬、声を失った

行方不明になった部隊を探していたら、一君と出会ったのだから

「え〜と〜」

流石に一君も何を言っていいかわからない様だ

 

「貴方は確か曹操の所に居た『天の御遣い』ね

 何でこんな所に居るの?」

一君と一緒にいた女性が話しかけて来た

この人は確か孫策

確かに私が此処に居るのは可笑しい

でも、事情を説明する事も出来ない いや、もう良いのかな?

悩んでいる私に

「もしかして、私達の所に来る気になったとか?

 一刀もウチに居るからね〜 

 貴女なら歓迎するわ」

孫策と一緒に居る事で察しはついたが、一君は孫呉に所属していたんだ

今回、また戦う事になるのか

正直、戦いたく無い

そう考えていたら

「違うの?

 一刀には呉の将達との間に子供を作って貰わなければならないけど、

 貴女との間は認めないって訳でもないんだけどな〜」

え?今、何て言った?

「それってどういう事?」

「え?だから一刀が呉の将との間に子供を作るのは契約事項なの

 でも、貴女もウチに来るなら一刀との間に子供を作っても良いわよって事」

「一君、君は何時からそんな女たらしになったのかな?

 そう云えば、私の胸も思いっ切り触ったし・・・」

そう言いながら、一君に詰め寄った時、茂みの中に居る弓兵が視界に入った

狙いは孫策?孫策は私と一君のやり取りを笑みを浮かべながら見ていて気づいていない様だ

一君は反対方向(私の方)を向いているので気付いていない

弓兵が矢を放つ

「危ない!」

私は咄嗟に孫策に飛びつく

矢は私の腕を掠めた

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〜一刀視点〜

「危ない!」

そう叫んで鞘姉が雪蓮に飛びついた

矢は鞘姉の腕を掠めたが直撃はしなかった

矢の来た方を向くと

「くそっ、外したか

 それにしても北郷殿、何故 孫策を庇うのです

 これは立派な裏切り行為ですぞ!」

こいつらは、曹操の配下か?

「冗談じゃないわよ

 確かに華琳・・曹操は孫呉に攻め込んで来た

 でも、それは双方の智と武をぶつけ合う戦いの事

 暗殺なんて卑怯な手段を望んではいない!」

この鞘姉の言葉で理解できた

曹操が攻め込んで来た

功を焦った(?)こいつらが雪蓮を暗殺しようとした

それを鞘姉が阻止した

そういう事か

 

「もう良い、ならば直接この場で孫策を殺すまで!」

部隊長らしき男がそう言うと、20人程の兵が剣を抜く

雪蓮と俺が臨戦態勢を取ると

「あれ?」

そう言って、鞘姉が倒れた

「ふふふ、その矢には毒が塗ってあったのさ」

男は醜悪な笑みを浮かべている

「雪蓮、鞘姉の応急手当てを頼む」

俺は敵に向かって突っ込んで行った

「時間が惜しい

 お前等相手にぐずぐずしてられねえんだよ!」

そう言って、一息で5人を斬った

「次は・・そっちか!」

 

全員を斬って、鞘姉の所に駆け寄る

毒を抜く為矢の掠めた腕の辺りを大きく切り裂いて、その後止血の為に布を巻いている

「どうだ?」

「正直分からない

 あくまでも応急手当だから、直ぐに城に行きましょう!」

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その時、甘寧がやって来た

「雪蓮様、曹操が攻めてまいりました!」

俺は鞘姉を抱かえて、城へ向かう

 

城に着き、

「医者を早く呼んでくれ!」

「呼んだか?」

俺の声に直ぐに答えた男がいた

「俺の名は華佗

 呉に厄介な病人が居ると聞いてやって来たんだ」

「今は彼女を頼む!

 毒矢を受けたんだ!」

「分かった、出来る限りの事はする」

鞘姉を華佗に託して、俺は曹操軍へ向かう

怒りを押し殺し、ゆっくり歩いて

 

「うん、誰か一人で歩いてくるな

 ウチが相手したるか」

俺の方に一騎の騎兵が向かって来る 霞か

「あれ?一刀やん

 まあ、今は敵味方やからな

 いざ尋常に・・・」

「今は霞の相手をしている暇は無い」

そう言って霞の横を素通りして行く

「一刀・・・、何が有ったんや?

 アンタがそこまでの怒りを表すなにが・・・」

 

曹操軍の直前まで来ると

「俺の名は北郷一刀

 曹操孟徳、出てこい!」

俺は渾身の声で叫んだ

程無く、小柄な女性が出て来た

「私が曹操よ

 戦の前に単騎で出て来て敵の大将を呼び出すなんて、何を考えているの?」

自信と覇気を纏っているが、今の俺には怒りの対象でしかない

「貴様が孫策を暗殺しようとして差し向けた兵は討ち取った」

「何ですって?

 私は暗殺者なんて差し向けては・・・」

「とぼけるな!

 暗殺は阻止できたが、代わりに鞘姉・・鞘華が毒を受けて瀕死の状態だ」

「なっ?そんな・・・」

「今回は見逃してやる

 お前等の相手をしている暇は無い

 とっとと、失せろ

 俺の理性が残っている間に!」

曹操は迷っていたが

「分かったわ、今回は引き上げる

 鞘華の事は頼むわよ」

曹操軍は引き上げて行った

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〜あとがき〜

 

今回、毒矢を受けたのは鞘華でした

 

次回、華琳達の心境なども書くつもりです

 

更新はゆっくりになるかもしれませんが続けるつもりです

 

 

 

 

 

 

 

 

説明
再び出会った二人
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コメント
鞘華が二人を庇ったか。これでもう鞘華は魏には戻らないだろうな……華琳が何を企んでいたにせよ、失敗に終わったかな。さて、一刀が孫呉の面々からどれだけ好かれているか描写が今迄無いが、独占欲の強い面々……蓮華が代表格だけど、恋の鞘当ては如何なる?あ、あと鞘華は静里にお礼言うように。一刀をずっと傍で支えて来た恩人だから。(Jack Tlam)
さぁ・・・本妻バトルが呉の国で巻き起こる! 一方の魏は、孫策毒殺未遂!やら 誤って天の御使いに誤射!天の御使い呉に下る!などゴシップ待った無し!(howaito)
突き刺さっていて華佗がいなかったらアウトだっただろうけど掠っただけなのと華佗がいたからギリギリセーフかな?そして遂にここから鞘華と一刀の本格的なイチャラブが見れるんですね^^次回の更新頑張ってください応援してます。(ジン)
毒をうけて倒れたことで一刀と合流できるとは、後は死ななければいいんだが・・(nao)
タグ
真・恋姫無双 北郷一刀 北郷鞘華 華琳 雪蓮 

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