真・恋姫無双外伝〜覇王の願い〜星詠編11
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11話『前兆』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

よく晴れた夜空の下。

 

 

【華琳】「・・・・」

 

【薫】「・・・・」

 

お互い特に話すこともなく、時間が流れていた。

聞きたいことはいくらでもあるのだろうが、それを聞くのも今は違う気がした。

 

 

沈黙がつづいて、少しした後、華琳が立ち上がる。

 

【薫】「帰るの?」

 

【華琳】「ええ、これから一刀を躾けてやらないと」

 

【薫】「あはは。先生も大変だ」

 

【華琳】「自業自得よ」

 

【薫】「それもそうだね」

 

不思議と、あの人の話になると

素直に話せる。

 

【華琳】「薫・・・・」

 

【薫】「何?」

 

【華琳】「・・・・・いえ、なんでもないわ」

 

【薫】「そう?」

 

【華琳】「ええ・・・・・それじゃ、戻るわね。あなたの部屋はわかる?」

 

【薫】「うん。さっき聞いたから大丈夫」

 

【華琳】「そう。なら、おやすみなさい」

 

【薫】「おやすみ〜」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・。

 

華琳が行った後は随分静かだった。

 

これから華琳と先生が・・・

 

ちょっとフクザツだ。

 

 

 

 

 

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改めて、寝転がる。

なんだかよくわからないうちに、学校を卒業して、仕事についてしまった。

とは言っても、自分は何ができるんだろう。

文官扱いらしいけど・・・

頭は・・・悪いほうではないと思う。

ただ、昼間のあの軍師3人。

風、稟、桂花。

この3人と比べたら、どうなんだろう。

今は乱世ではないのだから、それほど気にすることも無いのだろうけど

それでも、比べてしまう。

華琳に仕えるとは言ったものの、実際今はもう平和の治世。

内政だって、先生もいるんだ。

不安は山積み。

でも、決めたのだからやらないと。

 

【薫】「悩んでどうするんだよ・・・もう決まったんだから」

 

はぁ、とため息。

 

今日も星空。

昼間はあれだけ雲で覆われていた空が、星の光で輝いていた。

空を眺めて、心を決める。

ずっと目標にしてきたことなんだから。

 

そして、振り返り、部屋へ戻る。

 

 

 

 

 

 

 

 

―――ドクン

 

 

 

 

【薫】「・・・え・・・」

 

 

これは、

 

 

 

―――ドクン

 

【薫】「昨日の・・・また・・・・」

 

 

体が異常なまでに熱くなる感覚。

だめだ。ここで倒れたら、また・・・・

 

とりあえず部屋へ向かう。

 

 

―――ドクン!

 

【薫】「はぁ・・・はぁ・・・・」

 

鼓動がどんどん大きくなる。

胸を掴み

閉じてしまいそうになる目をこじ開け、

部屋へと歩く。

一歩進むごとにめまいを起こしそうになる。

城壁から建物の中へ

壁に手をつきながら、部屋を目指す。

 

―――ドクン!!

 

 

 

【薫】「ぐっ・・・・っ・・・・」

 

そして、ようやく部屋の前まで来た。

扉の取っ手に手をかけ、扉を開ける――――

 

 

―――ドクン!!!

 

 

【薫】「あ・・・っ・・・ぐぁ・・・ぁぁぁ・・・」

 

一際おおきな波。

息を吸うことが出来なくなるほど体が悲鳴をあげる。

やげて、酸欠にちかくなり、床にひざを着く。

 

 

【薫】「・・・・・っ・・・・・っ!」

声も出なくなり、体がのけぞる。

瞳孔が開き、視界が純白へ染まっていく。

 

全てが白に染まった。

 

 

・・・・・・。

 

 

 

【薫】「ぅ・・・・・ぅぁぁあ・・・・・・あああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!」

 

 

意識してだせる声ではない。

叫び。

 

 

頭の中にありえないほどの”記憶”が流れ込んでくる。

自分が体験したものではない景色、経験。

 

侵入を拒否することも出来ず、ただ、受け入れる。

 

 

 

――ガタン!!!

【一刀】「薫!!!!」

 

 

誰かの声が聞こえた。

 

知ってる人の・・・声・・・・。

 

いや・・・

 

今の自分に”知らない人”はいない―――

 

 

 

 

 

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<<あとがき>>

 

 

こんにちわ!

 

というわけで、少し短いんですが、ここで11話は終わりです。

 

大体ここまででようやく折り返し地点・・・・・行ったのかな・・・。

 

とにかく、

 

薫と華琳の関係!

 

一刀が知っている薫の秘密!

 

薫によって変化していく魏メンバー!!

 

ってのがこれからのテーマですね(’’

 

であ!次は12話で!

説明
真・恋姫(魏ED)AS。
調子に乗って2話UP(’’;
というか、前回で入れたかった挿絵をどうしても出したかっただけなんですけどね(´・ω・`)

というわけで11話です。
ちょっと短いです。

■帰還編1話⇒http://www.tinami.com/view/73594


■星詠編1話⇒http://www.tinami.com/view/74771
■星詠編10話⇒http://www.tinami.com/view/76090
■星詠編12話⇒http://www.tinami.com/view/76297
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コメント
いったいどんな変化が・・・面白くなってきた♪(ブックマン)
フィル様、諸葛謹は呉の将ですので、今のところ出演の予定はないですねぇ。出るとしたら別の話になると思います(、、(和兎)
全員がどう変わっていくのか楽しみですw あと諸葛謹って出る予定あるんでしょうか???(フィル)
なるほど・・・・・ 次のテーマはそれですか、fmfm。 さて、どうなるのかな? 今度は何を知ったのだろうか?愉しみです^^w(Poussiere)
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真・恋姫無双  華琳 覇王の願い 

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