真・恋姫無双 別たれし御遣い 第三十九話
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〜馬騰陣営〜

「ね〜、叔母様〜

 本当に参加するの〜?」

蒲公英が不満気に馬騰に尋ねる

「参加するさ

 私達にとって、勅命は絶対だ

 これは涼州連合の総意だ」

馬騰が言い切るも

「でもさ、これって単に言掛かりでしょ

 それにこの北郷一刀ってお兄さん、この前まで孫呉に居たじゃん

 おかしすぎるよ」

「蒲公英、いい加減にしろ!」

尚も不満を言う蒲公英を翠が叱る

「兎に角、出陣は決定事項だ

 明日には出立する 以上だ」

馬騰は強引に話を打ち切った

 

〜桃香陣営〜

「朱里ちゃん、雛里ちゃん

 この勅命、従うしか無いのかな?」

桃香はまだ決心がつかなかった

「私達は漢王朝の復興を旗印にしてきました

 それなのに勅命に従わなければ信を失います」

「それにこのままだと、孫呉に攻め滅ぼされるか、吸収されるか

 そのどちらかの末路しか我等には有りません」

二人の軍師の言葉に桃香は何も言えなかった

「これが本当に陛下のお考えなら、何も迷う事は無いのだがな」

「全くだ 司馬懿の企みなのが直ぐに分かる

 この理由も言掛かりにも程があるからな」

全ての将が納得いかなかったが、結論は”勅命には逆らえない”だった

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〜鞘華視点〜

私は今、夷陵の城に来ていた

冥琳が洛陽から帰還して、直ぐに動きを始めた

司馬懿は孫呉を敵視している

西涼、劉備と連携して戦を仕掛けて来る

この二つが確実であると進言して来たから

 

夷陵に私、春蘭、秋蘭、季衣、流琉、明命、静里 

兵は3万

襄陽に雪蓮、霞、祭さん、凪達三羽烏、冥琳

兵は3万

洛陽東部の広域を粋怜さん、梨晏で警戒

兵は2万

建業に蓮華、華琳、思春、顔良、文醜、穏、亜莎で内乱を警戒

兵は2万

この配置に、急ぎ編成した

 

しかし、この戦い厳しい物となる事は間違いない

西涼連合と司馬懿軍は合わせれば兵の数は10万程になる

劉備も同等と思われる

つまり、襄陽もこの夷陵も3万で10万を食い止めなければならない

赤壁の戦いの時の様な戦略的撤退も出来ない

それを今度すれば『天の御遣い』と皇帝の威光を使って豪族達の離反を画策して来る

これが冥琳の推察だ

更に襄陽と夷陵の片方でも負ければもうお終いだ

負けた方を攻めていた軍がもう片方の援軍に向かうから

でも負ける訳にはいかない

孫呉の為にも

一君に皇帝との結婚の事でO☆HA☆NA☆SHIする為にも

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〜一刀視点〜

「今日の朝、司馬懿達が出陣しました」

陛下に告げられた

これでもう時間は無くなった

事前にどうするかの策は予め、聞いているが・・・

「一刀、今日はもう下がって良いですよ

 明日、お願いします」

”明日も”でなく”明日” つまり決行は明日か

 

翌日、俺を呼びに来た兵を座敷牢から出た瞬間に当身で気絶させる

油断しきっていたからな

その兵を座敷牢の中に運んで、華佗にその兵の服を着てもらう

そして、陛下の御所に入る直前に

「今までありがとう

 うまく逃げ切ってくれ」

華佗に別れを告げた

「またな 策の成功を祈っているよ

 いや、信じているよ」

華佗はそう言って去って行った

 

謁見の間に行くと

「今日は此方で話をしましょう」

と言われて、陛下の居室に連れて行かれた

部屋に着くと、陛下は

「この服で戦場まで向かう事は出来ないので着替えます」

と言うなり、服を脱ぎだした(着替え始めた)

俺は慌てて背を向け

「いきなり着替えないで下さい」

と背を向けたまま抗議すると

「一刀が背を向けるのは分かっていましたから」

いやそれでも

「まあ、見ていても構いませんでしたが」

え?

「その場合は、即座に斬り”落とし”ましたが」

斬り”捨てる”じゃなくて斬り”落とす”?

「でも貴男が宦官になれば、私の世話役にもなれますね・・・」

「断固としてお断りします!」

怖すぎるよ 陛下

 

陛下が着替え終わると直ぐに外に向かう

だが外に出ると

「陛下、それに北郷様 どこに行くつもりですかな?」

司馬家の三女 司馬孚が5千程の兵で待ち構えていた

「私達姉妹の殆どが出払っている時に、事を起こそうとするのは当然

 それを防ぐ為に私が残っていたと云うのに

 浅はかすぎますわよ 御二人様」

確かに俺達はこのまま洛陽を脱出するつもりだった

だが司馬一族がこれを見逃すはずは無い

以前、陛下にもそう言ったが

「大丈夫 私に考えが有ります」

と譲らなかった

 

俺一人でこの数の兵を相手に脱出は出来無い

「さあ、大人しくお戻りを」

じりじりと兵が迫って来る

 

その時、此方に弾丸の様な速さで向かって来る人影が見えた

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〜あとがき〜

 

全ての陣営が動き出しました

 

更にずっと出番が無かった彼女も登場します

 

更新はゆっくりになるかもしれませんが続けるつもりです

 

 

 

 

 

 

 

 

説明
司馬懿、西涼、劉備、そして一刀と劉協
全ての陣営が動き出す
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コメント
孫呉侵攻の大義名分は今のところ司馬懿の言いがかりですが、蓮華の件(総大将突出のせいで危うく討ち取られそうになり、一刀が庇って重傷)と赤壁の件(策の為とはいえ散々に打ち据えられた上に曹操追撃を優先した為、結果的に見殺し)を絡めると一気に正統性が出てくるのが怖いところですね。ここで登場したのが一刀でなく敵方の援軍なら、もう一波乱あって面白くなりそうですが……(h995)
鞘華のOHANASHIも怖いが陛下こえ〜w(nao)
早さってことは・・・神速か・・・・まさかの華(その後の字は消されていた)(霊皇)
タグ
真・恋姫無双 北郷一刀 北郷鞘華 劉協 桃香  

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